これを読めば在留資格がまるっと分かる!

近年は大手企業でも外国人の採用を積極的に行なっています。雇用するにあたり、在留資格はマストで抑えておきたいポイントです。トラブルに発展しないためにも、在留資格のアレコレをしっかりと理解して健全な雇用契約を外国人と結びたいですよね。
そこで今回は、在留資格に関してさまざまな視点から詳しくまとめていきたいと思います。
在留資格をチェックしよう!
こちらのカテゴリでは、そもそも在留資格とは何なのかをまずは説明していきます。そこから、深ぼりしてVisaとの違いや有効期限の有無など…
気になるポイントを中心に、詳しくご紹介していきたいと思います。
在留資格とは?
在留資格は、その言葉の通り “外国人が日本に在留する資格” です。法で定められているため、この在留資格なしに外国人が日本に滞在することはできません。
また、在留資格と似ているものとしてVisaがあり、よく混同している方もいますが在留資格とVisaは似ているようで実は別物なのです。
在留資格
在留資格はVisaや入国管理局が定める基準を満たしている外国人が日本に在留することを許可するものとなります。在留資格は外国人が母国で発行することは出来ず、日本で発行します。関係省庁は法務省です。
Visa
Visaは、よく海外旅行をする方であればご存知の方も多いと思いますが、こちらは外国人が日本の空港についた際に入国審査を受けるものとなります。こちらは在留資格とは異なり、外国(ご自身の国)で発行します。関係省庁は、外務省です。
しかし、近年ではメディアなどでも在留資格とVisaを一括りにして”Visa”と呼ぶことも。そのため、同じ括りだと勘違いされがちですが実は別物ですので注意しましょう。
在留資格の有効期間は
在留資格には、種類がいくつかあることをご存知でしょうか。大きく分けると活動系類在留資格と身分系在留資格の2つに分けることができます。
★活動系類在留資格
こちらは日本で就労をする方向けの在留資格です。
- 外交…外交活動の期間
- 公用…15日、30日、1年、3年、5年
- 教授 / 芸術 / 宗教 / 報道 / 経営 / 法律・会計業務 / 医療 / 研究 / 教育 / 技術 / 企業内転勤 / 技能 …3ヶ月、1年、3年、5年
- 興行…3ヶ月、6ヶ月、1年
- 技能実習…1年
- 高度専門職…1号 5年、2号 無期限
★身分系在留資格
こちらは活動に制限のない身分による在留資格です。
- 永住者…無期限
- 日本人の配偶者 / 永住者の配偶者…6ヶ月、1年、3年、5年
- 定住者…1年、3年、5年または1年を超えない範囲で法務省が指定した期間
後のカテゴリ “在留資格を細かく分析してみました” でも、さらに詳しく深堀していますのでチェックしてください。
在留資格にも有効期限?!
気をつけておきたいポイントが、在留資格にも有効期限があるということ。取得したら終わりというわけではありません。在留資格の期限は、種類によって異なります。
万が一、在留資格の更新を怠ってしまうと、『不法残留』とみなされて、強制退去の理由にもなりかねません。もちろん悪意がなくても、不法残留には変わりありませんので更新時期になったら早め早めに行動することが重要です。当然ながら、1日でも過ぎてはなりません。
しかし、例外として外交の場合は、外交活動の期間中は有効となります。その他のビザに関しては、最短で15日で最長でも5年です。実は、この有効期限が延ばされたのは2012年でそれまでは最長でも3年でした。これは外国人でもキャリアを目指すことができることも考慮して、外国人の地位安定を目指し5年となりました。
つまり少しずつ、外国人も日本で働きやすくキャリアを目指せる環境になってきています。また、在留資格の更新に関しては期限の切れる3ヶ月前から可能です。
ただ、入院など止むを得ず更新できない理由がある場合は、それ以前でも受け付けてもらえます。期限切れに関しては厳格でありながらも、止むを得ない理由がある場合は柔軟に対応してくれるようです。
そして更新は、『在留期間更新許可申請』で行うことになります。
もちろん更新にも審査があります。この審査には、おおよそ2週間から1ヶ月程度の時間を要します。
さらに、書類に不備などがある場合は上記の時間よりも長くなりますので注意しましょう。ただ、単純な更新(現在と同じ職場かつ同じ業務で更新する場合)に関しては、比較的審査も短いです。その反対に、職種の変更や職場の変更がある場合は当然ながら再度チェックする項目も増えるため時間がかかります。また、申請者の状況に関係なく入国管理局自体が混雑している場合も、審査に時間がかかってしまうようです。
在留カードって?
画像引用:出入国在留管理庁ホームページ
在留資格が認められた際に発行される在留カードは、基本的に常に持ち歩く必要があります。入国審査官や入国警備官、さらには警察官などから提示を求められた場合はそれに応じなければなりません。いつでも見せられるように常に携帯しておきましょう。
もし持っていなかった場合は、20万円以下の罰金となります。また、提示に応じなかった場合も1年以下の懲役や20万円以下の罰金が課せられてしまうので注意しましょう。
在留資格を細かく分析してみました!
ここからは、在留資格についてさらに詳しく分析していきたいと思います。どの在留資格で、どのような活動ができるのか深堀していきますね。また、ある一部の在留資格では就労が認められていないためそのあたりも触れてご紹介していきます。
活動類系在留資格
- 技術/人文知識/国際業務…通訳やデザイナー、機械工学などの技術者
- 企業内転勤…外国の事務所から転勤する場合
- 技能…調理人やスポーツ指導者
- 投資/経営…経営者や管理者
- 外交…外国政府の大使や公使、その家族
- 公用…外国政府等で働く人およびその家族
- 芸術…作曲家や作家、画家(アーティスト)など
- 教授…大学教授
- 宗教…外国の宣教師
- 報道…外国の記者やカメラマンなど
- 法律/会計業務…弁護士や会計士など
- 研究…企業や政府の研究者
- 医療…医師や看護師(歯科医師も含む)
- 教育…学校の教師
- 興行…スポーツ選手や歌手や俳優、ダンサーなど
- 特定活動(ワーホリや技能実習など)…技能実習生や特定産業分野の従事者(ビルクリーニングなど)
- 介護…介護福祉士
- 高度専門職…ポイント制による高度人材
大学教授や助教授として働く場合は、『教授』インド料理店など飲食店などで調理に従事する場合は『技能』となります。また、プロレスラーなどスポーツ選手が日本で試合をして、報酬を得る場合は『興行』を選ぶ必要がありますが珍しいケースでしょう。
身分系在留資格
- 永住者…永住許可を受けた人
- 日本人の配偶者…配偶者が日本人の場合や、特別養子など
- 永住者の配偶者…永住者と結婚した場合
- 定住者…日系3世や、外国人配偶者の連れ子など
永住者と永住者の配偶者の場合は有効期限はなく無期限です。しかし、日本人の配偶者の場合は最短で半年、最長で5年で更新する必要があるため期限にはくれぐれも注意しましょう。また、上記の身分系在留資格では、就労が基本的に認められています。しかし、短期滞在はもちろん、留学や研修などの在留資格では就労は認められていません。
在留資格についてバッチリですか?
在留資格について詳しくまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。外国人が日本で就労する際には、さまざまな資格や手続きが必要なことがお分かりいただけたかと思います。
しかしそれにおそれず、サポートにも頼りながら外国人採用をすすめていってください!