インドネシアは約17,000の島々からなる国家で、世界最大の島国です。ジャワ島、スマトラ島、カリマンタン島、スラウェシ島、バリ島などの主要な島々を含みます。首都はジャカルタで、ジャワ島に位置しています。人口は約2.77億人で、世界で4番目に多いです。

この記事ではインドネシアという国の特徴、国民性、日本との関係や、インドネシアにおける英語の位置づけを説明いたします。

インドネシアの基礎的な知識

インドネシアでの公用語は「インドネシア語」です。しかし国内には300以上の民族が存在し、それぞれ独自の言語や方言を持っています。ジャワ語やスンダ語など、地方ごとに異なる言語が話されており、インドネシア語は全国的に共通語として使われています。

インドネシアは世界最大のイスラム教国で、8割以上の国民がイスラム教徒です。ただ他の宗教も尊重されており、ヒンドゥー教、キリスト教、仏教、儒教などを信仰する方も多いです。観光地としてよく知られるバリ島はヒンドゥー教が多く信仰されています。

インドネシアの国民性

インドネシア人の国民性は、気候や文化、地域の多様性に強く影響されています。温暖でおだやかな熱帯気候のため、一般的に親しみやすく、のんびりとした性格が多いとされています。多民族国家であり、約300以上の民族と700以上の言語が存在しますが、共通して「和」を大切にし、争いを避ける傾向があります。

ジャワ島の住民は勤勉で協調性が高く、バリ島のひとびとは観光業に慣れたフレンドリーさが特徴。スンダ族は穏やかで控えめ、一方でスマトラスラウェシの住民は率直でエネルギッシュな面が目立ちます。

イスラム教が主流でありながら、ヒンドゥー教、キリスト教、仏教の影響も強く、多様な文化が共存。挨拶や家族を重んじる精神が日常生活に根づいています。

インドネシアと日本の関係

日本とインドネシアの経済関係は非常に強固です。日本はインドネシアにとって最大級の貿易相手国のひとつであり、特に自動車や電機産業における投資が盛んです。多くの日本企業がインドネシアに進出しており、製造業やエネルギー分野での協力が活発です。
インドネシアは日本に天然資源を供給する一方で、国内では日本製品が広く使われています。

観光面では、インドネシアから日本を訪れる観光客の数が増加しています。2019年には約39万人のインドネシア人が日本を訪れました。観光目的は四季折々の自然や文化、特に春の桜や冬の雪景色などを堪能するためです。

日本の安全性やクリーンなイメージも、インドネシア人の観光客に人気の要因。また近年では、飲食店でイスラム教徒向けのハラル対応が進んでいることも訪日観光を後押ししています。

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インドネシアから日本への留学生の数も増えつづけています。日本の技術や科学、エンジニアリングに対する関心が高く、奨学金制度などを通じて日本の大学で学ぶインドネシア人の学生が増加しています。

2023年時点で6,552人のインドネシア人の留学生が日本で学んでいます。

日本とインドネシアのあいだでは文化的な交流も活発です。日本のアニメやマンガ、J-POPといったポップカルチャーはインドネシアでも非常に人気があります。

また、日本の伝統文化や食文化への関心も高まりつつあり、インドネシア国内でも寿司やラーメンなどの日本料理が広く親しまれています。一方で、インドネシアの文化も日本で紹介される機会が増え、特にバリ舞踊やガムラン音楽などが日本のフェスティバルやイベントで披露されることもあります。

インドネシアから日本への観光客と留学生の数

訪日観光客

インドネシアから日本への観光客は毎年増えています。2023年には約43万人が日本を訪れました。とくに東京、大阪、京都といった大都市が人気で、文化や歴史を楽しめるスポットが注目されています。最近では地方都市への旅行も増えていて、北海道、九州、沖縄など自然が豊かな場所も人気です。

留学生の数

2022年の統計によると、約7,500人のインドネシア人留学生が日本で学んでいます。日本の大学や専門学校で技術や知識を学び、帰国後にそのスキルを活かして活躍することを目指す学生が多いです。また、インドネシア政府や日本政府の奨学金制度が整備されているため、経済的な支援を受けながら留学する学生も多くいます。

インドネシアにおける英語の位置づけ

インドネシアでは、インドネシア語(Bahasa Indonesia)が公用語として広く使用されています。インドネシア語は1945年の独立時に国語として採用され、国内の多様な言語を統一する役割を果たしてきました。しかしビジネスや国際的なコミュニケーションの場においては英語の重要性も増しており、とくに都市部や教育の現場では英語が積極的に学ばれています。

英語は学校教育の中で教えられており、インドネシアの多くの学生は中学校から英語を学び始めます。また大学やビジネスの現場では英語のスキルがもとめられることが多いため、英語の重要性は高まっています。

インドネシア人の英語力

インドネシア人の英語力については、地域や教育水準で大きく異なります。都市部や教育レベルの高い人々は流暢な英語を話すことができる一方で、ローカルな地域や教育機会が限られている地域では、英語があまり通じないこともあります。

2019年に発表されたEF English Proficiency Index(EF EPI)では、インドネシアは英語力が「中程度」と評価され、100か国中61位にランクインしました。
この結果からもインドネシア全体としての英語力は、一定の水準に達しています。

とくに若い世代のインドネシア人は英語を積極的に学ぼうとする意欲が高く、インターネットやソーシャルメディアを通じて英語に触れています。
英語の映画や音楽、YouTubeなどのコンテンツを通じて、独自に英語を学ぶひとも多いです。このような背景から今後もインドネシア人の英語力は向上していくでしょう。

インドネシア人にとっての英語学習

グローバル化が進む現代社会において、英語は国際的なビジネスやコミュニケーションのツールとして不可欠な存在。インドネシアにおいても、英語の重要性は増しており、多くの企業が英語を話せる人材を求めています。

とくに観光業や貿易、IT産業など、外国との取引が多い業種では、英語力が必須条件となることが多く、英語を高いレベルで話せることは大きなアドバンテージとなります。
さらに海外留学や国際的なキャリアを目指すインドネシア人にとっては、英語力は不可欠です。

また、英語を学ぶことで、世界中の知識や情報にアクセスできるようになるため、インドネシア人が自身のスキルや知識を広げるための重要な手段ともなります。多くの科学的な論文や技術的な文献が英語で書かれているため、英語を理解することで、より深い学問や技術に触れることができるのです。

日本で働くインドネシア人と英語

日本においても、多くのインドネシア人が働いており、その中には技術実習生として来日する人々も多くいます。インドネシア人は真面目で勤勉な労働者として評価されており、特に製造業や建設業、介護業界などで多くのインドネシア人が活躍しています。

日本に来るインドネシア人労働者の多くは、事前に日本語を学んでいることが一般的ですが、中には英語が上手な人もおり、日本の職場において英語がコミュニケーションの手段として使われることもあります。特にグローバル企業や観光業などでは、英語が共通言語となることが多く、そのようなインドネシア人の英語力が役立つ場面が多々あります。

一方で、日本では英語があまり広く使われていないため、インドネシア人にとっては日本語の習得が重要な課題となることが多いです。それでも、英語を話せることで異文化間のコミュニケーションがスムーズに進み、特にグローバルな環境で働く場合には英語力が大きな武器となります。

インドネシアと日本の教育交流における英語の役割

インドネシアと日本の教育交流も進んでおり、多くのインドネシア人学生が日本の大学や専門学校で学んでいます。彼らの多くは英語を通じて授業を受けたり、研究を進めたりしており、英語は国際的な学問の共通言語として重要な役割を果たしています。

日本の大学でも、英語で講義を行うプログラムが増えており、インドネシアからの留学生にとって英語力は不可欠です。逆に、日本の学生がインドネシアに留学する際にも、英語が共通言語として使われることが多いため、両国の学生にとって英語は重要な学習ツールとなっています。

おわりに

インドネシアは多様性に富んだ国で、経済や文化、宗教において独自の特徴を持っています。日本との関係も非常に良好で、経済的な結びつきや観光、留学といった分野での交流が活発に行われています。訪日観光客や留学生の数も増加傾向にあり、今後も両国の関係はさらに深まることが期待されます。

また、インドネシアにおける英語の役割は、ますます重要性を増しています。都市部を中心に多くのインドネシア人が英語を学び、特に若い世代の間では英語の普及が進んでいます。

インドネシアと日本の教育やビジネス交流においても、英語は引き続き重要な役割を果たしていくでしょう。