厚生労働省の「外国人雇用状況」届出(令和7年10月末時点)によると、日本で働く外国人労働者数は約257万人と過去最多を更新し、前年比11.7%増と急速な拡大が続いています。
国籍別でみると、ベトナム人が60万5,906人(全体の23.6%)で第1位。少子高齢化による労働力不足を背景に、ベトナム人材の存在感はますます高まっています。

本記事では、ベトナム人の性格・国民性・仕事観・得意分野に加え、採用方法や注意点、制度の最新動向までをわかりやすく解説します。

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ベトナム人が日本で仕事を探す理由は?

ベトナム人の採用を成功させ、長く働いてもらうためには、まず「なぜ日本で働きたいのか」を知ることが大切です。おもな理由は、次の3つです。

① 母国より高い収入を得られる

ベトナム人が日本で働く大きな理由のひとつは、収入の差です。ベトナム統計総局のデータでは、2025年のベトナム人労働者の平均月収は840万VND、日本円でおよそ5万円前後とされています。
一方、日本で働く外国人労働者の月収は25.4万円程度であり、ベトナム国内の平均月収と比べて高い水準にあります。
単純に比べることはできませんが、数倍の収入差があるため、日本で働くことは大きな魅力になります。

ベトナム人の中には「家族への仕送り」「親の医療費」「家の購入資金」など、はっきりした目的を持って来日する人も少なくありません。
収入を増やし、家族の生活を支えたいという思いが、日本で働く大きな動機になっています。

② 技術やスキルを身につけたい

日本のものづくりや仕事の進め方に関心を持ち、「日本で技術を学びたい」と考えるベトナム人も多くいます。
とくに20〜30代の若い世代では、日本で働きながらスキルを身につけ、将来のキャリアにつなげたいという人もいます。
日本語能力試験(JLPT)の取得に前向きな人が多いのも、こうした学ぶ意欲の表れといえるでしょう。

③ 安心して生活できる環境がある

治安の良さや交通・医療などの生活インフラが整っていることも、日本が選ばれる理由のひとつです。
「働くだけでなく、安心して暮らせる」という点は、海外で働く人にとって大切な条件です。韓国や台湾など、ほかの就労先と比べたときにも、日本の安定した生活環境は魅力になりやすいと考えられます。

採用企業が意識したいポイント

ベトナム人材を採用する際は、こうした動機を理解したうえで、職場の魅力を伝えることが大切です。
たとえば、安定した収入や昇給の仕組み、技術や資格取得のサポート、住まいに関する支援などを具体的に示すと、働くイメージを持ってもらいやすくなります。

「ここで働けば、収入も生活も安定し、将来につながる経験ができる」と伝えられる企業は、ベトナム人材から選ばれやすくなるでしょう。

参考:NSO Socio-economic situation in the fourth quarter and 2025(第4四半期および2025年の社会経済情勢)

参考:厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査

ベトナム人と仕事をする上で知っておくべき「3つの核心」

結論:ベトナム人材と効果的に協働するには、①手先が器用で勤勉な国民性 ②家族を最優先する価値観 ③強いスキルアップ意欲 の3つを理解することが成功の鍵です。

• 器用さと勤勉性:製造業で高く評価される精密作業への適性と、真面目に取り組む姿勢
• 家族重視の文化:仕送りや将来設計が仕事のモチベーション源となり、安定収入を重視
• 向上心の高さ:日本語資格取得やキャリアアップに積極的で、成長機会を求める傾向

これらの特性を活かしたマネジメントと環境整備が、採用成功と定着率向上に直結します。

【職種別】ベトナム人の性格と得意な仕事・活躍分野

ベトナム人は「4K(器用・勤勉・近視眼的・かかあ天下)」という特徴を持ち、特に製造業・IT・サービス業で高い適性を発揮します。

ベトナムは地域によって国民性に違いがあり、採用時に考慮すると配置の最適化が可能です。

北部・南部の気質の違いと適性職種

地域

気質

適性が高い職種

マネジメントのポイント

北部(ハノイ周辺)

計画的、慎重、保守的

管理職、品質管理、事務職

論理的な説明と長期的視点の提示

南部(ホーチミン周辺)

楽観的、開放的、社交的

接客業、営業、チームワーク重視の業務

ポジティブなフィードバックと柔軟な対応

中部

勤勉、忍耐強い

製造業、建設業

努力を認める評価制度

参考:JETRO ビジネス短信 「2022年の海外労働者派遣、日本向けが最多で約7万人」 

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製造・IT・サービス業で選ばれる理由

「4K」の特徴が、日本の主要産業で求められるスキルと高い親和性を持っています。

  • 器用(Khéo léo): 精密機械の組立や検品作業で高い正確性を発揮。製造業の現場で即戦力となる手先の器用さ
  • 勤勉(Kiên trì): 継続的な努力を厭わない姿勢。繰り返し作業や長期プロジェクトでも高いパフォーマンスを維持
  • 近視眼的(Cận thị): 目の前の課題に集中する傾向。短期目標の達成に強みを持つ一方、長期計画は丁寧なサポートが必要
  • かかあ天下(Sợ vợ): 家族(特に妻)の意向を重視。家族の理解が得られる労働環境が定着率に直結

実務での強み

製造業:自動車部品・電子機器の組立で高い品質評価
IT業界:プログラミング学習意欲が高く、エンジニア不足の解消に貢献
サービス業:明るく親しみやすい接客対応(特に南部出身者)

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ベトナム人と円滑に仕事を進めるマネジメント術

ベトナム人材の定着率を高めるには、文化的背景を踏まえた「プライドの尊重」「こまめなコミュニケーション」「明確なキャリアパス」の3つが不可欠です。

注意をするときの方法

ベトナム人は自尊心が強く、人前での叱責は離職の最大要因となります。必ず個別の場で建設的なフィードバックを行いましょう。

❌ NGな対応

  • 同僚の前で大声で叱る・恥をかかせる
  • 具体的な改善策を示さず「ダメ」と否定だけする
  • 感情的に叱責する

✅ 推奨される指導法

  • 1対1の面談:会議室や別室で冷静に話す時間を設ける
  • 具体的な改善策の提示:「この作業は○○の手順で行うと正確になります」と代替案を示す
  • ポジティブな前置き:「普段は丁寧に仕事をしているが、今回は…」と良い点も認める
  • 理由の説明:「なぜこれが重要か」を論理的に伝える

進捗管理のコツ

SNS(Zaloなど)の活用とこまめな報連相

ベトナム人は「報告・連絡・相談」の習慣が日本ほど根付いていないため、能動的なコミュニケーション設計が必要です。

効果的な進捗管理手法

手法具体的な活用方法期待効果
Zaloの活用ベトナムで普及率90%超のSNS。グループチャットで日報や写真報告を促す心理的ハードルが低く報告頻度が向上
定期的な1on1週1回15分の短時間面談で不明点を確認問題の早期発見と信頼関係構築
チェックリストの視覚化作業手順を写真付きで掲示・タスク完了をチェック式に言語の壁を超えた明確な指示
質問しやすい雰囲気作り「分からないことは恥ではない」と明言・質問者を褒めるミスの未然防止

ポイント: ベトナムでは「分からないことを聞く=無能の証明」と捉える文化があるため、質問を歓迎する姿勢を繰り返し示すことが重要です。

定着率を高めるキャリアパスの提示

家族への仕送りと自己成長を重視するベトナム人にとって、「この会社で働き続ける未来」が見えることが定着の鍵です。

具体的な施策

  • 明確な昇給制度: 「入社1年後に月給○円アップ」など数値で示す
  • 資格取得支援: 日本語能力試験(JLPT)や技能検定の受験料補助・勉強時間の確保
  • ロールモデルの提示: 先輩ベトナム人社員の成功事例を紹介(「3年でリーダーに昇格」など)
  • 家族への配慮: 帰省費用の補助・家族を呼び寄せる制度(特定技能2号の場合)
  • 定期的なキャリア面談: 半年に1回、本人の希望と会社の期待をすり合わせる

明確なキャリアパスを提示することで定着率が向上する傾向があります。

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【最新】ベトナム人の採用・雇用制度と給料相場

ベトナム人を採用する際に関わる在留資格は、おもに「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」「技能実習」「身分に基づくもの(永住者・定住者など)」の4つです。
どの在留資格で採用するかによって、在留期間・転職の可否・家族帯同の可否・手続きの複雑さが大きく異なります。
とくに2027年4月には技能実習制度が廃止され育成就労制度へ移行するため、現在の制度と今後の変化を合わせて把握しておくことが重要です。

技能実習制度から育成就労制度へ(2027年4月〜)

現在、多くのベトナム人が「技能実習」の在留資格で来日していますが、この制度は2027年4月1日をもって廃止され、新たに「育成就労制度」へ移行することが正式に決定しています。
これまでの技能実習制度は、海外に日本の技術を伝える「国際貢献」を目的としていました。
一方、育成就労制度は、日本の人手不足分野で働く人材を育て、確保することを目的とした制度です。

育成就労制度では、原則として3年間働きながら、特定技能1号の水準を目指します。
そのため、技能実習から特定技能へ移る流れよりも、キャリアの道筋がわかりやすくなるでしょう。

制度

在留期間

転籍・転職

家族帯同

特徴

技能実習

最長5年

原則不可

不可

2027年3月末で新規受け入れは終了予定。すでに在留している人には経過措置あり

育成就労

原則3年

一定の条件で可能

不可

未経験者を育て、特定技能1号につなげる制度

特定技能1号

通算5年

可能

原則不可

一定の技能を持つ即戦力人材向け。育成就労を終えた人の主な移行先

特定技能2号

更新の上限なし

可能

可能

より高い技能を持つ即戦力人材向け。長期的な就労につながりやすい

育成就労制度では、一定の条件を満たすと、本人の希望による転籍が認められます。そのため企業には、これまで以上に、待遇や職場環境、日々のコミュニケーションを整える姿勢が求められます。
給与水準だけでなく、相談しやすい体制や将来のキャリアを示すことも、定着を考えるうえで重要です。

雇用時の給与と福利厚生の注意点

ベトナム人を雇用する場合も、日本人と同じように、仕事内容に見合った賃金を設定する必要があります(同一労働同一賃金)。外国人であることを理由に、不当に低い給与を設定することはできません。

給与水準を考える際に参考になるのが、厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」です。
同調査によると、外国人労働者全体の平均賃金は約25.4万円で、在留資格の区分によって金額に差があります。

在留資格区分

月額賃金

年収換算の目安

対象・特徴

全体

約25.4万円

約305万円

外国人労働者全体の平均値

専門的・技術的分野

約31.3万円

約376万円

技術・人文知識・国際業務、高度専門職など

身分に基づくもの

約31.1万円

約373万円

永住者、定住者、日本人の配偶者等など、就労制限なしの在留資格

特定技能

約22.1万円

約266万円

一定の技能を持つ人材向けの在留資格

その他

約22.8万円

約274万円

特定活動や資格外活動など

技能実習

約19.0万円

約228万円

2027年4月から育成就労制度へ移行予定

※年収換算は、月額賃金を12か月分で計算した目安です。賞与や残業代は含めていません

参考:厚生労働省 同一労働同一賃金ガイドライン

ベトナム人が重視する福利厚生の例

ベトナム人材を採用する際は、給与だけでなく、生活面や学習面の支援も重要です。
来日直後は住まいや日本語、医療面に不安を感じやすいため、働く環境だけでなく、生活を支える制度も職場選びの判断材料になります。

  • 住居支援
    社宅の用意や家賃補助があると、来日後の生活を始めやすくなります。とくに来日直後は住まいの確保が大きな負担になりやすいため、有効な支援です。
  • 日本語教育
    業務時間内の日本語レッスンや、日本語能力試験(JLPT)の受験料補助など。日本語力の向上は、本人のキャリア形成だけでなく、現場での安全管理やコミュニケーションにもつながります。
  • 健康保険・生活相談のサポート
    家族へ仕送りをしている人にとって、医療費の負担を抑えられる制度や、生活面の相談ができる体制は安心材料になります。日本で長く働くうえでも、生活面の不安を減らす支援は重要です。
  • 賞与・昇給制度の明確化
    賞与や昇給の基準をわかりやすく示すことも大切です。評価の仕組みが明確な職場は、将来の収入を見通しやすく、定着にもつながります。

【採用事例】リアルデータで見るガイダブルのベトナム人ユーザー

ガイダブルジョブスには、全国で多くのベトナム人が登録しており、さまざまな業種・在留資格・日本語レベルの方が日本での就業を希望しています。
以下は、実際に登録しているユーザーの一部事例です。

年齢性別在留資格免許・資格職種日本語レベル都道府県
27歳男性永住者普通免許機会オペレーターあいさつレベル愛知県
26歳男性留学なし接客・サービスネイティブレベル東京都
27歳男性技人国原付免許/フォークリフト免許製造日常会話レベル千葉県
41歳女性技人国なし接客・サービスビジネスレベル神奈川県
28歳女性留学なし接客・サービス日常会話岡山県

このように、ベトナム人は全国各地に分布しており、地域や職種を問わず採用の可能性がある層であることがわかります。

多様なバックグラウンドを持つ人材が、即戦力として日本企業への就業を希望しています。

ベトナム人採用でよくある質問

 Q1. ベトナム人は日本語が話せないと雇えませんか?

A. 職種によりますが、N4レベル(日常会話の基礎)があれば多くの現場で就労可能です。特定技能1号の場合、分野別の技能試験と日本語試験(N4以上)の合格が要件です。入社後の日本語教育体制を整えることで、N3→N2へのステップアップを支援している企業も増えています。

具体的な目安

  • N5: あいさつ
  • N4: 簡単な指示理解
  • N3: 日常会話・基本的な業務指示
  • N2: 複雑な指示・報告書作成
  • N1: ビジネスレベル・管理職候補

Q2. ベトナム人が突然辞めてしまうことはありますか?

A. 適切なマネジメントがあれば定着率は高いです。突然の離職の主な原因は以下の3つです。

  • 人前での叱責: プライドを傷つけられたと感じた場合
  • キャリアパスの不明確さ: 「この会社にいても成長できない」と判断
  • 給与の不満: 同業他社との比較で不公平感を持った場合

対策: 定期的な1on1面談で不満を早期にキャッチし、昇給・スキルアップの道筋を明示することで、定着率の向上を実現している企業も多数あります。

Q3. ベトナム人を採用するコストはどのくらいですか?

A. 採用ルートにより大きく異なりますが、主な費用は以下の通りです。

採用方法

初期費用

月額コスト

特徴

人材紹介会社経由

30〜100万円(成功報酬)

給与の他、管理費が発生する場合あり

手続き代行・サポート充実

登録支援機関活用

10〜30万円

2〜3万円/人(支援委託費)

特定技能の法定支援を委託

自社採用

渡航費・研修費など20〜50万円

給与のみ

自社で在留資格手続き対応

※その他の費用として、ビザ申請費用(数万円)、入国時の空港送迎、初期生活用品の準備などを考慮する必要があります

まとめ

この記事では、ベトナム人と仕事をするうえで知っておきたい国民性や性格の特徴、仕事観、そして採用・雇用のポイントについて解説しました。
ひとことで「ベトナム人」といっても、背景や考え方はさまざまで、地域や個人によっても違いがあります。

ベトナム人材と効果的に仕事をするには、彼らの強み(器用さ・勤勉性・向上心)を活かし、文化的背景(プライド・家族重視)を尊重したマネジメントが不可欠です。

成功のチェックリスト

  • 1対1でのフィードバック体制を構築する
  • ZaloなどのSNSを活用したこまめなコミュニケーション
  • 昇給・資格取得支援など明確なキャリアパスを提示
  • 同一労働同一賃金の原則を守った給与設定
  • 家族への配慮(帰省支援・住居サポート)

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