助成金と補助金の違いは?

助成金

助成金は一般に特定のプロジェクトや、活動のために資金を提供することが目的のお金です。
受給者は提案されたプロジェクトや、活動が助成金の目的や条件に合致している場合に資金を受け取ることができます。

外国人雇用に対する支援策は「厚生労働省」と「経済産業省」からそれぞれ打ち出されますが、助成金は「厚生労働省」からでるお金です。

助成金は支給要件を満たしており、労働関連法律を順守していれば高い確率で受給できます。

補助金

補助金は国の政策ごとに、さまざまな分野で募集されています。
受給者が特定の条件を満たして、あらかじめ定められた目的に乗っ取って活動を行う場合に提供されます。
補助金を出すのは「経済産業省」です。

補助金は決められた期間内に厳しい審査を通過しなくてはならないので、助成金よりも受給のハードルが高いです。

外国人雇用の助成金

厚生労働省の助成金を利用するには、まず前提として雇用保険に加入している事業所であることが必要となります。
また、賃金台帳などの整備が必要です。

申請に必要となる書類など、細かなことは社会保健労務士(*「社会保険、年金、労務管理を扱う専門家」)に尋ねていただく必要があります。

外国人の雇用に使える厚生労働省の助成金は、以下のようなものがあります。

1.トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

トライアル雇用助成金は職業経験、技能、知識などから、安定的な就職が難しいとされる求職者を雇用することを目的とした助成金です。
対象の方に対して一定期間の「トライアル雇用」をする、雇用保健適用事業所が対象となります。

条件:
ハローワークや職業紹介事業者などの紹介ののち、一定期間の施行雇用をした場合に助成金を受けられます。

金額:
1人当たり月最大5万円(最長3ヶ月)

2.人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)

外国人労働者は日本の労働法制や、独特の雇用慣行(年功序列など)に対して知識がないこと、また言語・文化的な違いから、解雇などのトラブルが起こりやすい場合もあります。

こうした外国人の事情に配慮して、就労環境の整備を行うために経費の一部を助成する制度です。

条件:
外国人の働き手に対して就労環境整備を新たに導入して、全員の外国人労働者に対し実施します。
就労環境整備計画が終わってから、一定の期間が経過しても「外国人の働き手が離職率が10パーセント以下」であること、なども条件となります。

金額:
支給対象経費の1/2(上限57万円)。
生産性要件を満たす場合は支給対象経費の2/3(上限72万円)。

3.人材開発支援助成金(特定訓練コース)

この制度は外国人労働者の職業訓練の、経費や賃金に対して交付される助成金です。

労働者の職業生活設計のすべての期間を通して、段階的かつ体系的な職業能力開発を進めるために、事業主(など)が雇用する労働者に職務に関連した専門知識・技能を習得させる訓練を計画的に実施した場合に、そのコストの一部を助成する制度です。

コースは9種類ありますが、ここでは「特定訓練コース」について説明します。詳しくは厚生労働省のサイト(こちら)をご参照ください。

条件:
訓練実施計画を作成。訓練開始日の1ヶ月前までに管轄の労働局へ提出する必要がある。

金額:
最大で50万円。

4.キャリアアップ助成金(正社員化支援・処遇改善支援)

非正規から正社員にするための処遇改善に取り組む目的の助成金。
外国人社員に対しても適用することができ、賃金の改定や社内制度を変更するときに申請できます。

こちらの制度では、原則として対象となるのは在留資格が「永住者」「定住者」などの、一定期間で自国に帰らない方が対象となります。

条件:
1. 雇用保険適用事業所であること
2. キャリアアップ管理者を置いていること
3. 対象の労働者に対してキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けていること
4.対象労働者に対する賃金の支払い状況などを示す証類を整備していること
5. キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んでいること

金額:
コースによって金額は異なりますが、最大で72万円です。
一般に生産性要件(生産性向上の取り組みを支援する)を満たすと助成金は増えます。

コースごとの違いなど、細かなことはこ厚生労働省のサイト(こちら)をご覧ください。

☆キャリアアップ助成金の受給におけるポイント

金額が大きい助成金を受けるには、「生産性要件」を満たすことが非常に重要となります。

生産性 = 付加価値 / 雇用保険被保険者数

付加価値 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費 + 動産・不動産貸借料 + 租税公課

助成金の支給申請を行う直近の会計年度での生産性が、以下の割合で向上していると「生産性要件」を満たしていると認めてもらえます。

3年度前と比較して6%以上伸びている

または

「(金融機関からの一定の事業生評価を得ている場合)3年度前と比較して1%以上(6%未満)伸びている」こと。

これに加えて、生産性要件の算定対象になった期間に「事業主都合での離職者がでていないこと」も要件になります。

まとめ|助成金を使って外国人採用を始めましょう

少子高齢化によって国内では労働力が減っていますが、日本には永住権を持つ外国人が非常に多くいらっしゃいます。これまでは外国人の有能さに気づいている企業は、彼らを雇うことで大きく事業を成長させてきました。

現在では助成金をうまく使って、都市部だけでなく地方でも段々と外国人採用を始める方が増えてきました。

ぜひ助成金を使って、会社の力になってくれる外国人の採用を始めてみてはいかがでしょうか?