タイ人は英語が話せるの?なまりまで調査します

「タイ人の英語は特徴的」という噂を聞いたことはありませんでしょうか?タイでは英語の教育が熱心な一方、母国語の影響で英語に独特な訛りが生じてしまいコミュニケーションが円滑に取りづらいということもあります。また、タイ人の英語能力は世界的に見てもそれほど高くはない現状です。
それではタイではどのような英語の教育がなされているのか。また、どのような訛りが生じてしまうのか。そもそもタイ人はどのような性格でどのような特徴があるのか。本記事では実際の数字を基に、詳しくご説明します。本記事を通して、よりスムーズなタイ人の雇用を実現しましょう。
目次
タイ人は小さい頃から英語が話せる?
タイでは2011年から小学校での英語教育が完全義務化されております。小学校1年生から英語の勉強を始めるのですが、幼稚園で既にアルファベットを教えるとこもあるようです。日本と比較してもかなり早めに英語教育を受けておりますが、実は英語能力が高いというわけではありません。2018年のEF英語能力指数(EF EPI)でタイは全88か国中64位という低い成績になっています。2015年は70か国中62位、2016年は72か国中56位、2017年は80か国中の53位と、ここ数年低い水準の成績となってしまっているのです。
それでは一体タイ人はどうして英語能力が世界的に見ても低い水準なのでしょうか。また、そもそもタイ人はどういった特徴があるのでしょうか。
タイをまずはおさらい
陸続きで隣国と接しているタイでは、長い歴史の中で宗教や料理など様々な文化が伝わっていきました。また、タイは年間を通して温暖な地域であり、古くから農業が盛んです。
そんなタイ人を表す2つの言葉があります。それは「マイペンライ(大丈夫)」と「サバイ(気持ちいい)」というものです。タイ人は優しく大らかな性格で、他者を受け入れる寛容さがありますが、飽きっぽく少し苦しい思いをするとすぐに諦めてしまうという特徴もあります。
また、タイの主要言語はタイ語なのですが、このタイ語はタイ人でもなかなか習得が難しいとも言われています。
タイの英語教育とは?
タイでは2011年から英語が義務教育化されて以来、英語教育には力を入れております。近年ではインターナショナルスクールなども注目を集めており、首都バンコクはインターナショナルスクールの激戦区とも言われるほどです。また、学校によっては授業を英語のみで行う科目もあるようです。
ただ、母国語習得の難易度の高さやタイ人の特有の訛りなども相まって、現在でもタイ人の英語能力は世界的に見て低い水準になっています。タイの英語教師の中には日本の英語検定能力で3級程度の英語能力の人もいるという話もあるほどに、英語能力については大きな課題がある現状です。
タイ人の英語は訛りがあるの?
「タイ人の英語は訛りが特徴的だ」、なんてお話を聞いたことはありませんか?タイ人の英語は他にはない独特の訛りがあります。何も知らずに話をすると、人によっては全く違う言語に聞こえてしまうほどに特徴的なのです。
ただ、訛りの特徴を理解しておく事で頭の中である程度は変換することができます。タイ人は英語能力が世界的に低い方とはいえ、小学校の頃から英語を学んでおり基礎知識は持ち合わせています。また、日本人と比較してもタイ人は「英語で話そう」という意思は強く持っている為、こちらが理解できるようになればおおよそコミュニケーションを円滑に図ることができるでしょう。
一般的には…
タイ人の英語の訛りの特徴として、以下2つが挙げられます。
イントネーションが独特
普通の会話で語尾を上げ調子で発音したり、逆に疑問文を話しているのにただ語気を強くするだけの発音をしたりなど、イントネーションが独特です。そもそもタイ語には5つの声調があり音の高低で意味が変わる為、それに慣れているタイ人は英語でも独特の発音をしてしまうのです。
語尾に「ナ」や「カ」がつく
タイ語では語尾の「ナ」や「カ」は丁寧語にあたります。日本でいう「です」や「ます」に近い感覚でしょう。タイ人はこれを英語にもつけてしまうのです。その他「L」や「S」がうまく発音できない、過去形や未来形の文法をうまく使えない、などタイ語の特徴が英語で話す際にも顕著に現れてしまいます。
留学生も多い?
タイ人は英語教育の一環で留学も行っています。特に英語圏であるイギリスやアメリカへの留学は非常に人気です。イギリスはカリキュラムの内容が良く1年という短い期間で修士課程も取れる為、質が高い勉強ができるだけでなく留学費用も抑えられるという面からも人気になっています。
また、アメリカへは2017〜2018年の期間で6636人のタイ人が留学に行っています。これは、国籍別でいうと27番目に多い数であり、ほぼ全ての国から留学生が来ているアメリカの中ではかなり多い方であることが分かるでしょう。
日本で働くタイ人は英語ペラペラ?
では、実際に日本で働くタイ人の英語スキルはどのようなものなのでしょうか。まず、前述の通り英語の発音や文法に難がある方が比較的多いでしょう。しかし、日本よりも早くから英語の教育を受けているタイ人の中にはネイティブレベルの英語を話せる人もいます。
日本で働くほど外国への興味があるタイ人は、英語の勉強にも力を入れている人が多いです。ただ、その一方日本で働くために日本語の勉強に力を入れた結果、英語などの他の言語についてはそこまで勉強ができていないタイ人もいます。タイ人の勤務先や在留目的により英語能力には偏りがあるでしょう。
タイ人が多い業種は?
2018年12月時点で約5万2000人のタイ人が日本に住んでいます。
そのうちのほとんどが技能実習、もしくは技能系の仕事を目的として日本にいるのが現状です。その数は約1万人になります。技能実習を受け入れている職種は「農業」や「漁業」や「製造業」、その他近年では人手不足が深刻な「介護」などです。これらの業種は現場間で仕事が完結するものが大半であり英語を使う機会は少ないでしょう。
とはいえ、「技術・人文知識・国際業務」を目的として日本に住んでいるタイ人は約2000人おり、その中には外資系などの英語能力を必要とする職種や仕事もあります。自身の英語スキルを生かして日本で働いているタイ人も少なからずいます。
タイ人の英語については掴めましたか?
タイ人の英語には独特の訛りや誤った文法の使い方などの特徴があります。しかし、「タイ人だからみんな特徴がある」というわけではなく、あくまで個人の能力を見極める必要があるでしょう。タイ人の中には学生の頃から留学などで英語の勉強をしており、英語圏の人も驚くほどにネイティブレベルで流暢な英会話ができる方もいます。
また、日本などの外国で仕事をしようとしているタイ人は比較的勤勉な姿勢を持ち合わせており、英語の必要性を教えられれば英語の勉強も熱心に取り組んでくれるでしょう。タイ人の特徴、タイ人の英語の特徴をしっかり抑え、よりスムーズな雇用を実現しましょう。