昨今は人手不足対策として、外国人採用が盛んになっています。ほかの企業が外国人の雇用を始めているので、興味を持っている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしながら、日本人と違って雇うときに就労ビザの申請をしたりなど、手間があるのではと思っている方もいるでしょう。

実際に日本で外国人が就労ビザを取得するのは難しいのでしょうか? 今回は外国人の「就労ビザ」取得が難しい理由や、自社で働いてくれる人材を見つける方法について解説いたします。

日本の就労ビザ取得は難しい!?

ビザ

日本では就労ビザをなかなか取得できない」という話を聞いたことがあるかもしれません。しかしなぜ日本では就労ビザを取得するのが難しいのでしょうか?

そもそも就労ビザとは?

外国人が日本に滞在する際には、「在留資格」を取得する必要があります。その在留資格の中で、とくに就労を目的としたものを「就労ビザ」といいます。要するに就労ビザというのは、就労可能な在留資格です。

具体的には、以下の16種類の在留資格のことを「就労ビザ」と呼んでいます。

  1. 技術・人文知識・国際業務
  2. 特定技能
  3. 技能実習
  4. 介護
  5. 企業内転勤
  6. 経営・管理
  7. 技能
  8. 興行
  9. 教育
  10. 研究
  11. 医療
  12. 芸術
  13. 宗教
  14. 報道
  15. 法律・会計事務
  16. 教授

就労ビザはひとりにつき一種類のみ取得が可能です。外国人は就労ビザの内容に即した業務を、逸脱して働くことはできません。
また、申請内容によっては活動に制限がある場合もあります。

◆在留資格とビザの違い

日本人には聞き慣れない言葉であるため、「在留資格」と「ビザ」を同じ意味に捉える人もいます。
ビザ(査証)」は在外公館が発行し、パスポートの有効性や入国に問題がないことを証明するもので、これに対して「在留資格」は、日本へ入国した後に発行されます。
ビザによって日本への上陸が許可されたあと、90日以上滞在する外国人には、「在留カード」(在留資格や在留期間などが記されている)が交付されます。

つまり就労ビザという言葉はあまり正確ではないのですが、便利な言葉なので一般的に使われています。

日本での就労資格の取得は難しい?

日本での就労資格の取得は世界的な基準からすると比較的きびしいです。日本の移民・労働制度は、厳格な条件や手続きが定められており、外国人が日本で働くためにはさまざまな要件を満たす必要があるためです。

具体的には、日本での就労資格を取得するには次のような条件が必要です。

適切なビザの取得

外国人が日本で働くためには、適切な種類のビザ(在留資格)を取得する必要があります。たとえば、技術・人文知識・国際業務、留学、家族滞在、特定技能など、各種ビザには異なる条件や要件があります。

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雇用条件を満たす

日本での就労は日本企業との雇用契約が必要です。また職種や給与、労働条件が日本の法律に準拠していることも求められます。

日本語能力の要求

多くの職種では、日本語能力(とくにビジネス日本語)が求められます。日本語能力試験(JLPT)の合格や、実務経験が必要な場合があります。

スキルや学歴の評価

一部の職種では特定のスキルや経験、学歴(大学卒業など)が求められます。とくに高度専門職や技術分野では、スキルや経験の評価が重視されます。

就労ビザを取得する必要がない外国人もいる?

日本に滞在する外国人は在留資格を取得しなければならない、と話しました。
しかし就労可能な在留資格である「就労ビザ」を取得していなくても、就労可能な外国人が存在します。
それは「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の在留資格を持っている人です。(※これらの方は「身分系(みぶんけい)」と呼ばれていることも知っておきましょう。)

これら在留資格のいずれかを保持している外国人は、日本国内での就労に関して制限がありません。つまり職種に関係なく就労が可能です。そのため企業側は、これらの在留資格を持つ外国人を雇用する選択肢もあることは覚えておきましょう。

(※ちなみに「永住者」には在留期間の制限がありませんが、そのほかの3つの在留資格には「5年、3年、1年、または6月」など制限がありますので、雇用する際には在留期間にも注意が必要です。)

◆身分系以外にも就労ビザなしで働ける方

以下の方は、就労ビザなしでも働くことができます。

ビザ内容
観光ビザ、短期滞在ビザの保持者観光目的で日本に滞在している外国人は、一定の条件下で短期間のアルバイトやパートタイムの仕事を行うことが認められる場合があります。

(ただし、就労時間や条件には制限があります)

学生ビザを保持する留学生学生ビザを保持する留学生は、学業と並行して一定の条件下でアルバイトやパートタイムの仕事を行うことができる場合があります。

(ただし、週の労働時間や条件には制限があります)

自社で働ける外国人を採用するには?

ここでは、自社で働くことができる就労ビザを持つ外国人を採用する方法について解説いたします。

正確な人材マッチングが重要

日本では多くの外国人専門の求人サイトがあります。それぞれに強みも異なるため、自社にとって効率的にマッチする人材を獲得できる求人サイトを選ぶことが大切です。

もし無料でまずは始めたいという方は、民間企業のサービスではないものもありますので、そのようなサービスから始めてみるのもいいでしょう。

外国人雇用サービスセンターとは? 民間のサービスとはどんな点が違う? メリットとデメリットもまとめました

日本で有名な外国人向け求人サイト

日本では多くの外国人向け求人サイトがあります。それぞれのポイントを以下で説明いたします。

◉ GaijinPot (ガイジンポット)

外国人向け情報サイト。英語での求人情報や生活情報、ビザ取得のアドバイスなどが提供されている。英語圏を中心に外国人向けの情報を提供しており、日本での生活や就労に関心のある人に人気

◉ Daijob (ダイジョブ)

外国人向けの専門求人サイト。専門職や国際ビジネスに特化した求人が多く、高度なスキルや経験を持つ外国人向けのポジションが掲載されている。日本でのキャリアアップや専門職での就職を目指す外国人に人気。

◉ Jobs in Japan (ジョブズインジャパン)

外国人向けの求人情報を提供するサイト。日本国内のさまざまな業界や職種の求人情報が掲載されており、言語教育、IT、販売など幅広い分野の求人がある。日本での就労を希望する外国人、とくに英語を活かした仕事を探す外国人に人気

◉ CareerCross (キャリアクロス)

外国人向け高度専門職やビジネス職の求人サイト。大手企業や外資系企業の求人が豊富であり、日本語と英語をどちらも使うポジションが多い。プロフェッショナルな外国人向けの求人情報を求める方に人気。

◉Guidable Jobs(ガイダブルジョブス)

永住者、配偶者など、身分系人材の外国人が多く登録する外国人向け求人サイト。ホワイトカラーよりも、ブルーカラーの仕事の求人が多い。人手不足に困っている業界の中でも、多くの人手がすぐに必要という企業のニーズに答えることができる。

知っておきたい人材紹介と求人媒体のちがい

人材紹介

人材紹介は、企業と求職者のあいだにエージェントが立ち、双方のニーズや条件にもとづいてマッチングを行います。役職の高い方や、専門的なレベルが高い方を採用したい場合には、この形式のほうがいい人材を獲得できることが多いです。

一方で飲食店、製造業、清掃業、配送業などで、人手が足りなくて困っているという企業さまのニーズに答えられるかどうかはわかりません。
日本国内で昔からある外国人向けの人材紹介を行う会社は比較的専門性の強い外国人人材を扱うノウハウが強い傾向にあります。

求人媒体

求職者が自分で求人情報を検索して、応募するのが求人媒体プラットフォームです。ひとつの求人で複数人を採用できることもあり、契約次第ですがコストパフォーマンスよく多くの外国人材を獲得できます。

今後の日本国内の外国人採用の動向は?

日本国内の外国人採用の動向は今後、さらなる拡大が予測されます。その背景にはいくつかの要因があります。

まず日本は人口減少や高齢化が進行し、とくに一部の産業や地域では労働力不足が深刻化しています。外国人労働者の受け入れは、この労働力不足を補うひとつの手段として重要視されています。とくに技能実習制度や特定技能制度などの導入により、外国人労働者の受け入れは年々活発化しています。

ただし外国人採用の拡大には課題もあります。言語や文化のちがい、労働環境の適応、法的・制度的な課題などがあげられます。企業や社会全体で外国人労働者を受け入れるための環境整備や、サポート体制のさらなる充実がもとめられています。

総括すると、日本国内の外国人採用は労働力不足の解消や多様性の推進、地域活性化などさまざまな要因から拡大が見込まれます。しかしその際には適切な受け入れ体制や、課題解決の取り組みが重要です。多文化共生を進めながら日本の外国人採用の動向が今後も注目されることでしょう。

自社に必要な外国人材について考えてみましょう!

外国人が日本で就労ビザを取得するのは、さまざまな要因でまだまだ難しいのが現状です。
しかし取得が難しい中でも、就労ビザの取得が必要ない外国人や人材マッチングサイトの活用など、できることはあります。
大切なことはどんな外国人の人材が自社に必要なのかを明確にして、それに合った人材マッチングサイトを活用することでしょう。

また政府の支援や就職支援を行う企業・機関の動向も注視し、時代の流れに乗り遅れない動きをすることが必要です。