日本での就労ビザ取得はなぜ難しい!? 就労ビザが必要がない身分系とはどんな人?

昨今は外国人採用が話題となっているため、「自分たちも外国人採用を始めたい!」と考える企業が増えています。
しかし「外国人の就労ビザ取得は難しい」と耳にすることもあるかもしれませんね。
実際に日本で外国人が就労ビザを取得するのは難しいのでしょうか?
今回は外国人の「就労ビザ」取得の難易度と、その対策について解説いたします。
目次
日本の就労ビザ取得は難しい!?
「日本では就労ビザがなかなか取得できない」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、なぜ難しいのでしょうか?
「就労ビザ」をきちんと理解し、取得が難しい理由を探っていきます。
そもそも就労ビザとは?
外国人が日本に滞在する際、何らかの「在留資格」を取得する必要があります。
その在留資格の中で就労を目的としたものが「就労ビザ」です。
要するに「就労可能な在留資格」ということです。
具体的には、以下の16種類の在留資格のことを「就労ビザ」と呼んでいます。
- 技術・人文知識・国際業務
- 特定技能
- 技能実習
- 介護
- 企業内転勤
- 経営・管理
- 技能
- 興行
- 教育
- 研究
- 医療
- 芸術
- 宗教
- 報道
- 法律・会計事務
- 教授
就労ビザは1人につき1種類のみの取得となり、就労ビザの内容に即した業務を逸脱することはできません。
また申請内容によっては、活動に制限があるものもあります。
日本人には聞き慣れない言葉であるため、「在留資格」と「ビザ」を同じ意味に捉える人もいるので注意が必要です。
「ビザ(査証)」は在外公館が発行し、パスポートの有効性や入国に問題がないことを証明するものです。
これに対して「在留資格」は日本へ入国した後に発行されるものです。
ビザにより日本への上陸が許可された後、90日以上滞在する外国人には在留資格や在留期間などが記された「在留カード」が交付されます。
つまり正式には「就労ビザ」という用語は存在せず、就労を目的とした在留資格が一般的に「就労ビザ」と呼ばれています。
詳しくはこちらで紹介していますので、ぜひご確認ください。
なぜ日本での就労資格の取得は難しいの?
日本で就労ビザ取得が難しいと言われる理由を探っていきましょう。
先に述べた就労ビザは幅広い分野に及んでいますが、実際に就労ビザの取得要件を満たすのは容易ではありません。
その要件には「専門的かつ高度な教育を受けている」あるいは「数年以上の実務経験を持っている」などがあり、専門職やその道のプロフェッショナルでなければ就労ビザを取得できません。
もちろんそれらを証明する書類も必要であり、これまでの経験・経歴が日本での活動に合致していなければなりません。
留学生の場合は「留学ビザ」から「就労ビザ」への変更が必要ですが、留学中に学んだ専門知識を活かした職種である必要があります。
企業が求める外国人の日本語レベルの高さも、ビザ申請以前に大きな壁となっているかもしれません。
なぜなら多くの企業が外国人を雇い入れる場合「一定レベルの日本語力が必須」としており、そのレベルは日本語能力検定の「N1」もしくは「N2」といわれています。
これはかなり高いハードルで、さらに専門知識などをあわせ持つ外国人となると、ますます人材は限られてくるでしょう。
就労ビザを取得する必要がない外国人もいる?
日本に滞在する外国人は「在留資格」を取得しなければならないと話しました。
しかし「就労可能な在留資格」である「就労ビザ」を取得していなくても就労可能な外国人が存在します。
それは「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の在留資格を持っている人です。(※これらの方は「身分系(みぶんけい)」と呼ばれていることも知っておきましょう。)
これら在留資格のいずれかを保持している外国人は、日本国内での就労に関して制限がありません。
つまり職種に関係なく、就労が可能であるということです。
そのため企業側はこれらの在留資格を持つ外国人を雇用する選択肢もあることは覚えておいた方がいいでしょう。
ちなみに「永住者」には在留期間の制限がありませんが、その他の3つの在留資格には「5年、3年、1年、または6月」などの制限があります。
雇用する際には、在留期間にも注意が必要です。
自社に合った就労ビザの外国人を採用するには?
外国人が日本で就労ビザを取得するのは、さまざまな要因で難しいことがわかっていただけたと思います。
しかしながら採用する方法がないわけでもありません。
では自社にあった就労ビザを持つ外国人を採用する方法について解説いたします。
正確な人材マッチングが重要
先にも述べたように、外国人に就労ビザを取得してもらうのは難しいのが現状です。
しかし外国人の採用を支援するサービスを活用して、求める人材を探すことができます。
つまり「人材マッチング」サイトの活用です。
これらの人材マッチングサイトには、それぞれに特化した業界や職種があるため、自社に合った外国人を見つけやすいからです。
ひとくちに「外国人」と言っても、アジア系から欧米系まで人種も言語もさまざま。
また理系・文系などの専門分野も多岐にわたるため、企業が独自に外国人材を探すのは困難です。
当然日本人を雇用する際以上のミスマッチも懸念されます。
しかし人材マッチングサイトを活用すれば、必要な人材を見つけやすいので採用が効率化できるためミスマッチも軽減できます。
また外国人採用に関する注意点やフォローアップをしてくれるサイトもあります。
まずは自社に合った人材マッチングサイトを探すことから始めましょう。
それぞれのサイトの特徴を熟知して、必要があれば組み合わせて活用してもいいかもしれません。
人材マッチングサイトに関しては、こちらで詳しく解説しています。
「外国人採用を任せるならここ! 外国人採用の求人サイト7選」
<採用サイト7選>
- NINJA
- DRAGON GATE
- com
- Good Job
- GaijinPot Jobs
- 一般社団法人外国人雇用支援機構(FESO)
- Guidable Jobs
今後の日本国内の外国人採用の動向は?
法務省によると、在留外国人は2022年末に307人を超えて過去最高となっています。
また厚生労働省が2022年末にまとめた「外国人雇用状況」では、国内の外国人労働者は約182万人で過去最高を更新しました。
また経済産業省は「ダイバーシティ経営の推進」を掲げ、企業価値向上を果たした企業を表彰するなど積極的に取り組んでいます。
さらに2019年4月には新たな在留資格「特定技能」が導入され、外国人が日本で就労できるフィールドも拡大されました。
このような現状からも、日本の労働者人口減少に伴い、今後ますます政府の支援や就職支援を行う企業・機関が増えていくことが見込まれるでしょう。
どのような外国人人材が必要なのかを考えてみましょう!
外国人が日本で就労ビザを取得するのは、さまざまな要因でまだまだ難しいのが現状です。
しかし取得が難しい中でも、就労ビザの取得が必要ない外国人や人材マッチングサイトの活用など、できることはあります。
大切なことはどんな外国人の人材が自社に必要なのかを明確にして、それに合った人材マッチングサイトを活用することでしょう。
また政府の支援や就職支援を行う企業・機関の動向にも注意し、時代の流れに乗り遅れない動きをすることが必要となります。