ミャンマー人の性格や特徴は? 文化、宗教、政治的な側面、採用する際のメリットとデメリットについても解説

近年は人材不足を補うためにも、外国人採用を考えている企業も増えています。日本で暮らす外国人の中でも、ミャンマーの方は2022年6月時点で47,000人以上といわれています。今後は外国人を採用する企業が増えていくと思いますが、ミャンマーの方はどのような性格、気質の方が多いのでしょうか?
あくまで一般論にはなってしまいますが、ミャンマーの方の文化的な背景や、性格、特徴などについて、今回の記事ではご紹介いたします。
目次
ミャンマーの基礎情報は?
ミャンマーの基礎的な情報をみてみましょう。
国名:ミャンマー連邦共和国
面積:68万平方キロメートル
人口:5,441万人(2020年度の総計)
首都:ネピドー(※2006年度まではヤンゴン)
公用語:ミャンマー語
宗教:上座部仏教(85%)、ヒンドゥー教など
ミャンマーの文化、歴史など、特徴について
文化と宗教
ミャンマーは仏教(上座部仏教)が主要な宗教であり、多くの仏教寺院や仏像が国内に存在します。仏教はミャンマー社会や日常生活に深く根づいており、宗教行事や祭りも重要な要素となっています。
歴史的な遺産
ミャンマーには多くの歴史的な遺跡や建造物が存在し、バガン遺跡などは特に有名です。
これらの遺跡は、古代からの歴史と文化を伝える重要な存在です。
民族の多様性
ミャンマーには多くの異なる民族が暮らしており、ビルマ族(バマ族)以外にもカレン族、シャン族、カチン族などが存在します。
これらの民族は独自の文化や言語を持ち、ひとつの国内で多様性が広がっています。
美しい自然環境
ミャンマーは自然景観が美しい国としても知られており、山脈や河川、緑豊かな森林などが広がっています。エーヤワディー川は国内を縦断し、交通や生活に重要な役割を果たしています。
政治的な不安定さ
ミャンマーは長らく軍事政権による支配が続いてきましたが、2011年以降、民主化への動きが進展しました。
しかし、2021年にはクーデターが発生し、政治的な不安定さも見られます。
日本でも有名なアウン・サン・スー・チー氏は非暴力民主化運動のもと指導者で、2016年からミャンマー政府でトップでした。
クーデター以降はまたもや軍事政権になっており、諸外国からは経済制裁を受けています。
貧困と社会問題
ミャンマーは経済的には発展途上国であり、貧困が依然として大きな課題です。
また、民族間の対立や人権問題も社会的な懸念事項となっています。
治安、病院・保健、教育などの政府サービスも、クーデターの後では大きく質が下がっており、社会的な機能が低下している(参考:「ミャンマー クーデターから2年でどうなった? 専門家に聞く」)といわれています。
若年人口が多い
国民の27%が14歳以下で若い人が多いです。
日本で働くミャンマー人が増えている
海外からの就労者数としては、ベトナムが46万人程度ですが、ミャンマーも2023年1月末時点で47,000人以上になっており、前年と比べての増加率が37.7%と高い数値になっています。
上述しましたが、ミャンマーでは軍のクーデターによって、生活をする上で不安を感じている国民が増えているようです。
ミャンマーの方は現在日本では「技能実習」で来日している方が多いようですが、この制度は国際的にも多く批判されており、今後見直されることが決定しています。
日本国内で良好な環境で働ける状態、ビザの制度が整備されていけば、ますますミャンマー国籍の方で来日されるケースが増えることでしょう。
ミャンマーの主要な産業は?
農業
ミャンマーの経済の中心的な産業のひとつが農業です。
人口の70%が地方農村部で居住しており、農業を基盤として生計を立てています。
稲作や穀物栽培、果樹栽培などが行われており、国内外への農産物の輸出が行われています。
主要作物は米、胡麻、豆類などです。
鉱業
ミャンマーは天然資源に富んでおり、鉱業も重要な産業です。
主要な鉱物資源には、翡翠(ジェード)、ルビー、サファイア、錫、タングステンなどがあります。
これらの鉱石の採掘と加工が盛んに行われています。
エネルギー
エネルギー産業も成長しており、石油・ガスの採掘や発電が行われています。
国内の電力需要に対応するため、再生可能エネルギーへの投資も進められています。
製造業
軽工業や食品加工業がミャンマーの製造業を構成しています。
衣料品、靴、家具、食品などが生産されており、一部は輸出されています。
観光業
ミャンマーには「美しい自然景観」や「歴史的な遺産」が多く存在し、観光業も重要な収入源となっています。
バガン遺跡やシュエダゴンパゴダなどが、観光名所として知られています。
金融・サービス業
ミャンマーの金融セクターやサービス業も成長しており、銀行業や通信業が含まれます。
外国からの投資やビジネスの拡大により、これらの分野が発展しています。
ミャンマー人の性格や特徴は?
以下に、ミャンマー人の一般的な性格や特徴を紹介いたします。
友好的、温和、周囲に気を遣う性格
ミャンマー人は一般的に友好的で温かい性格があります。訪問者や新しい人との交流を歓迎し、ホスピタリティを大切にします。
人前で怒ることなどはあまりないといわれており、穏やかさや、徳を積むことが尊いと考えられています。
自己主張に関してもヨーロッパやアメリカの人に比べると比較的少なき、周囲のことを気にするのは日本人と似ています。
宗教と家族の価値
宗教はミャンマー社会の重要な要素であり、多くの人々が仏教を信仰しています。親や年上の方を敬う傾向が強く、家族内では両親の意向が意思決定に関わる傾向が強いです。
東南アジアでは「家族が最優先」という文化がある国が多いですが、ミャンマーでも家族で支え合います。
日本との違いとしては、遠い親戚であっても家族の一人に数えるようなところがあるところでしょう。
親日国で日本へ偏見はあまりない
ミャンマーは過去の歴史から見ても、「親日派」といわれています。
ミャンマーには日本語学校も多く、日本の都会的な街並みや、整ったインフラなどに興味を持っている方も多いです。
日本人とともにルーツとしてもモンゴルあたりにあるとされており、見た目が似ていることもお互いに好意を持つ理由かもしれません。
仕送りのために働く人が多い
家族への仕送りをするために働いている方が多いです。手取りでの金額などを重要視する傾向があります。
ミャンマーの方を採用するメリット、デメリット
メリット
メリットとしては、以下のものがあります。
・ミャンマー人は日本語が習得しやすい
・周囲を気にする性格、日本人とも親和性が高い
デメリット
デメリットとしては、以下のようなものがあります。
・遠慮がちで、何が嫌なのかわかりにくい
・文化的に叱責に慣れていないので一緒に働く際には注意が必要
ミャンマー人についての性格、特徴、文化的な背景などはわかりましたか?
ミャンマーは国内の情勢が不安定なところがあり、それゆえに安心して暮らすことができる日本へ来ている方も多いようです。
ミャンマーの方は、日本と同様に仏教の影響を受けていて、言語的にも日本語が上手になりやすいといわれています(文章の構造が似ているため)。
「外国人採用を始めたい」と考えている企業さまにとっても、ミャンマーの方を採用するのは最初のステップとして非常にいいのではないでしょうか。