ハローワークは厚生労働省が運営する行政機関です。求職者と事業者がどちらも活用でき、事業主は求人掲載だけではなく、雇用に関しての各種の申し込みや手続きを行うことができます。

ハローワークに求人を出して満足する企業と満足していない企業の比率は?

ハローワークは多くの企業に利用されていますが、その中で約8割の企業がほかの求人媒体と併用していることがわかっています。これは、ハローワーク単独で十分な人材を確保できない企業が多いことを示唆しています。

一方で建設業などの特定業界では、いまだにハローワークの利用率が高い状況です。たとえば建設業界では、2020年にハローワーク利用率が66.2%となり、他の求人媒体を上まわる利用率を記録しています。

ハローワークを利用して満足している企業も一定数存在しますが、他の採用手法や求人媒体を併用することで、より効果的な採用活動ができるという意見が主流です。

ハローワーク(職業安定所)で応募がこないのはなぜ?

【原因1】求人情報の質と見せ方の問題

ハローワークの求人情報は基本的にテキストベースで、企業の魅力を伝えきれていないことが多いです。
経済産業省の「2023年版中小企業白書」によれば、とくに中小企業は求人広告作成にリソースを割くことができず、結果として簡素な求人情報を掲載することが多いといわれています。このため求職者には企業の求人情報が魅力的に映らず、結果として応募が集まりにくくなります。

【原因2】求人のミスマッチ

ハローワークには求人が多く掲載されています。しかし求職者のスキルや経験と、職務の内容が合致しないことが多いです。とくに技術職や専門職など、特定のスキルセットを求めると応募者が少なくなります。このような要件の不一致が、ハローワーク経由で人が集まらない要因となっています。

【原因3】競合の存在

現在、多くの求職者はオンラインの求人サイトやSNSを利用しています。Indeed、リクナビ、マイナビなど、オンライン求人プラットフォームは使いやすさや情報の充実度でハローワークを上回っています。インターネットを通じた求人・求職活動は増加傾向で、求職者はより多くの選択肢を持っています。

このためハローワークに頼る企業は相対的に、応募者も減少する傾向にあります

【原因4】求人の信頼性とイメージ

一部の求職者は、ハローワークの求人に対して「条件が悪い」「ブラック企業が多い」という先入観を持っている場合があります。これは過去にハローワークを通じて不適切な求人に応募した経験がある場合や、ネット上での悪い評判が影響しています。
このようなイメージによって、ハローワークの求人にもし優良なものがあったとしても、敬遠されてしまうことがあります。

【原因5】地域格差

地方ではハローワークが主要な求人媒体となる一方、都市部では多くの求人媒体が存在し、ハローワーク利用率が低下しています。内閣府の「地域別雇用動向調査」(2023年)によると、地方の求人は都市部にくらべて応募者が少なく、若年層の求職者が不足しています。

これらの要因が重なって「日本で職業安定所に無料で求人を掲載しても人が集まらない」状況が生じています。企業は求人情報の質を高め、ほかの媒体と併用することで、より効果的に人材を集めなければなりません。

ハローワークでの求人を増やすには?

ハローワークでの求人を増やすには、求人をブラッシュアップすることが大切です。具体的には、以下のことを考えてみましょう。

仕事内容をより詳細に記載

求人票を掲載するときには「応募したい」と意欲をかき立てる要素が必要。

情報が薄かったり、会社の雰囲気がよくわからないと、求職者にとっては自分がそこで働いているイメージが持ちにくいです。

「ここで働くことでどのように成長できそうか」「どんなキャリアパスにできそうなのか」を、理解してもらえるように伝えましょう。

雰囲気がいい写真を掲載する

社内のイメージが伝わる写真を掲載すると、応募書に興味を持ってもらえます。

ハローワークにはたくさんの案件があります。そのたくさんの求人の中から注目してもらい、なおかつ求人申し込みしてもらうには、相手にとって魅力的な環境であることをビジュアルでも伝えることが大切です。

福利厚生の条件を明確に

福利厚生は、競合となる企業に対して、差別化できる部分を伝えることができます。
また、手厚い福利厚生の制度があるのに、表記の仕方がいまいちなことで魅力が伝わっていなければもったいないです。

魅力的な求人であることを伝えるために「家族手当」「交通費」「家賃補助」などをこまかく記載しましょう。

年齢が若い方を採用したいなら外国人採用がおすすめ?

永住権を持つ外国人材の採用がとくにおすすめ

日本国内には永住権を持つ外国人が増えています。
こうした方々は若く、日本語でもある程度のレベルのコミュニケーションができる方が多いです。

「身分系(みぶんけい)」と呼ばれる、すでに日本国内で永住権を持っている外国人の方は、ほとんど日本人と同じように雇用が可能。

今後も人口が減っていく日本では、労働力を確保する意味でも外国人を採用することは当たり前になってきています。

ハローワークなどを使って求人活動をしていると、ひとつの求人に多くの外国人が殺到するケースはあまりないはず。外国人向けの求人媒体なら、ひとつの募集に対して20〜40代の方の数十件の応募があります(もちろん中には日本語があまりできない方もいますが)。ぜひお問い合わせください!