ハローワークは厚生労働省が運営する行政機関です。求職者と事業者がどちらも活用でき、事業主は求人掲載だけではなく、雇用に関しての各種の申し込みや手続きを行うことができます。

ハローワークで応募がこないのはなぜ?

求人情報の魅力不足

応募者が興味を持つような、魅力的な求人情報が提供されていない可能性があります。

給与や勤務時間、福利厚生、労働条件など、求職者が関心を持つ要素が明確に書かれていない場合には、応募者の数が少なくなってしまうでしょう。

とくに以下のような点で、募集に魅力を感じない方が多いようです。

  1. ・月給が低すぎる
  2. ・勤務時間が変則的
  3. ・休日数が少ない
  4. ・賞与がない など

求人票から仕事内容がわからない

ハローワークの求人では記載できる情報量が限られており、求人を出している企業の多くが自分たちの事業の概要を詳細に書くことができていません。
「細かいことは面接で確認」というケースも多いようです。

「資材の営業」「カンタンな事務作業」などという記事では、実際に働くイメージを持つことができず、応募をためらってしまう方が多いです。

また、もし採用ができたとしても、「思っていた内容と違った」と感じてすぐにやめてしまうケースもよく見られるでしょう。
仕事内容や、条件面など、求職者が欲しいと思える情報を、自分自身が求職者になったらどう思うかを考えつつ作成するかが大切になります。

競合との比較をする 

求職者にとっては、自分のスキルをより高めることができそうなことで、やってみたいことを探していますが、やはり仕事内容だけで応募を決めることはありません

もしあまり応募がこないのであれば、同業他社で競合となりそうな企業が、どのような条件で求人を出しているのかを調査してみるのもおすすめ。

「募集条件」はとくに重要視するポイントで、勤務条件、給与、福利厚生などは、できる限り求職者にとって魅力的なものにする企業努力が必要です。

ターゲット(若い層)がハローワークを利用していない

ハローワークの利用者を見てみると、おおよそ60%の方が40歳以上で、29歳以下では利用者は20%ほどといわれています。
近年は少子高齢化もあり、ハローワークでの日本人の求職者が高齢になっており、若い方を採用できていないケースも多いようです。

また「これから育てて行きたいと思える人材」に出会えないというのも、事業者さまにとってあまり魅力的とはいえないポイントかもしれません。

ハローワークでの求人が難しいポイントは?

ハローワークから応募がこない原因として、若い方の利用は近年どんどん減少していることが挙げられます。以下にいくつかのポイントをピックアップします。

オンライン求人サイトの利用増加

インターネットの普及により、オンライン求人サイトや転職サイトの利用が広まりました。
これらのサイトは利便性が高く、多くの求人情報を提供しています。応募者は自宅やスマートフォンから気軽に求人情報を検索し、応募することができるため、ハローワークへの依存度は低下しています。

就職・転職の方法の多様化

ハローワーク以外にも企業の直接採用や人材紹介会社、個人の人脈や紹介によって仕事を見つけることができます。
とくに専門的な職種や高いスキルを求められる場合、直接採用や専門の人材紹介会社を利用することが一般的です。

そのため、ハローワークに頼らずに就職・転職活動を行う方が増えています。

求人が候補者の目に触れない

ハローワークでは記載できる求人は基本は管轄している地域の求人で、地方での採用を考えるなら比較的強い媒体でした。

しかし都市圏になると、魅力的な仕事を露出する力はウェブ求人媒体などの方が強く、ハローワークのプレゼンスは弱まっています。
また地方でも高齢化の進行により、若い方はハローワークで求職情報を得ないという傾向があります。

求人の露出という意味では、ハローワーク経由だと難しいといわざるを得ないでしょう。

応募しにくい

ハローワークでもし希望の職種を見つけたとしても、「窓口で面接日程を調整する」のは遅いと感じる方が多いです。
民間の求人媒体から応募するよりも時間が長くかかるため、多くの方がストレスを感じているようです。

ハローワークでの求人を増やすには?

ハローワークでの求人を増やすには、上記で述べたことを考えてハローワークの求人をブラッシュアップすることが大切です。

具体的なことを挙げるなら、以下のことを考えてみてはいかがでしょうか。

仕事内容をより詳細に

求人票を掲載するときには「応募したい」と意欲を掻き立てる要素が必要です。

情報が薄かったり、会社の雰囲気がよくわからないと、求職者にとっては具体的に自分がそこで働いているイメージが持ちにくいです。

「ここで働くことでどのように成長できそうか」「どんなキャリアパスにできそうなのか」を、理解してもらえるように伝えることを考えてみてはいかがでしょうか。

雰囲気がいい写真を掲載する

社内のイメージが伝わる写真を掲載すると、応募書に興味を持ってもらえます。

ハローワークにはたくさんの案件がありますが、そのたくさんの求人の中から注目してもらい、なおかつ求人申し込みしてもらうには、相手にとって魅力的な環境であることをビジュアルでも伝えることが大切です。

福利厚生の条件を明確に

福利厚生は、競合となるような企業に対して、差別化できる部分を伝えることができます。
またせっかく手厚い福利厚生の制度があるのに、表記の仕方がよくないことで、その魅力が伝わっていなければもったいないです。

魅力的な求人であることを伝えるために、「家族手当」「交通費」「家賃補助」などを詳細に記載するようにしましょう。

若い方を採用したいなら、外国人採用がおすすめ?

技能実習生ではなく、永住権がある外国人採用

日本国内には永住権を持つ外国人が年々増えています。

こうした方々は若くて、日本語でも意思疎通が充分できる方が非常に多くいらっしゃいます。

外国人を雇用することに抵抗がない企業は、「若くて能力が高い永住権を持っている外国人を積極的に雇用して、事業を拡大している」というケースも国内で増加しています。

現在(2023年6月現在)、技能実習生はその制度自体が見直されていますが、労働力として不当に扱うような側面が長くみられました

しかし「身分系(みぶんけい)」と呼ばれる、すでに日本国内で永住権を持っている外国人の方に対し、日本人を雇うのと同じくらいの賃金体系で積極的に採用を行っていくことが、事業を活性化する意味では非常に重要であることが明らかになってきています。

外国人採用からリファラルが進む

日本国内に住んでいる外国人の方は、コミュニティに所属していることが多いです。
働き始めた方を日本人と同等に正当に扱い、いい職場だと思ってもらえば、外国人同士でリファラル採用が行われるケースもあります。

「ハローワーク経由での応募は高齢の方ばかりだった」という体験を過去にされていた企業さまも、国内に永住権がある外国人の採用を積極的に行うことで、Win-Winな関係を築いている方も増えています。

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