高齢社会を飛びこし、超高齢社会といわれている現代。2016年の段階で、高齢者は約35,000,000人にも及びます。そのような現状で、第一次産業の農業は、個人での就農は減りつつあるものの、国の政策などで法人として農業事業を始める企業が増加傾向に。現在の就農者は約1,800,000人。49歳以下の若年層で、新規で農業を始める人は2014年以降20,000人を超えています。そのため、農業を仕事とする農家や、企業はほとんどが人材不足に悩まされていることに。

人材不足問題に打ち出した国の政策が、外国人の受け入れ態勢の強化です。農業分野で活躍する外国人の労働者を雇うことを視野に入れれば、より効率的な仕事をすることができます。この記事を読めば受け入れ農業の現状から、外国人を受け入れた後まで網羅して知ることができます。

農業における外国人労働者の現状とは??

農業

外国人労働者は2017年時点で、610,000人と日本の人口の約1.2%。しかし、残念なことにそのうちの46,000人が不老就労者となっており、そのうち851人が農林水産業。また、外国人の技能実習生は、2000年には24,000人でしたが、2012年には151,477人、2017年には274,233人と年々増加傾向にあります。

しかし、外国人労働者の本来の目的である、「母国では体験できない職業を体験する」という目的は果たされておらず、劣悪な労働環境の中で働かせざるをえない農業事業者も多いのが現状です。

外国人労働者が、企業や農家の方と気持ちよく働くためには、お互いを理解する必要があるるでしょう。本来の目的であるはずのを果たすためには、労働者を搾取するような環境に置いてしまっている現状は問題と言えます。

話は変わりますが、茨城県の鉾田市では、外国人研修の受け入れ制度を整備して、平成8年に研修生の受け入れを開始しました。研修生は、日本でのマナーなどを学び、農家のもとで、トマトなどの畑作物の栽培技術を学んでいます。外国人研修生は、真面目に取り組んで、一部の実習生は、この農家に残るなど、意欲高く研修に励んでいます。

このように外国人労働者は、環境が良ければより真面目に働くことを期待することができ、生産性向上に繋がる可能性を秘めているのです。

データから見る現状とは?

農業分野の研修・技能実習生は、平成13年では3,516名となっており、平成17年に6,606名。技能実習へ移行した外国人労働者は13年には510名でしたが、約5倍の2,758名にも及びます。

このような現状がある中、高齢化が進む日本は、研修生や実習生を労働力とみなして農業を任せていこうという動きが出ています。しかし、過剰な仕事の割り振りや時間外の労働などがあり、管理が行き届いていないことが問題視されています。受け入れ機関が外国人雇用者を受け入れる体制になっていないことは事実で、体制を整え、外国人雇用者にも働きやすい環境を提供することが課題になります。

今後の見込み数は?

データ

農業分野の外国人の労働者の見込み数は、最大36,500人となっています。今後の5年間は目標とし36,500人を目標としています。36,500人という数値は、5年で約11,000人程度の日本人を雇うのと同じにもなる規模。

たとえ効率化を測って、国内での人材を80,000人ほど確保したとしても、不足すると見込まれる数値となっています。本来、技能実習の目的は、「母国では学べない技術を日本で学び、母国に持ち帰る」ですが、実際には安い賃金で働いている外国人労働者も多く監督指導が入ったうちの、約70%に労働基準関係法令違反が認められていて、課題となっています。

外国人労働者の資格「農業特定技能」とは

農家

農業特定技能とは、深刻化している人材不足への対応として、生産性を向上させたり、国内の人材を確保したりしても足りない産業分野に置いて、即戦力となる外国人を受け入れる制度です。漁業、農業、外食業、飲食料品製造業の4分野で、受け入れることを農林水産省は管轄しています。

新しい在留資格ある「特定技能」は、平成31年4月1日から施行されており、徐々に認知されてきています。

1号と2号:その要件は?

特定技能の1号とは、特定産業分野14分野のうち、建設、造船・舶用工業以外の分野に従事していて、相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する外国人向けの在留資格です。農業は特定1号に当たります。

特定技能2号とは、熟練した技能を要する業務建設、造船・舶用工業の分野に従事している外国人向けの在留資格です。1号と2号では、家族の帯同は1号では認められておらず、受け入れ期間や、登録支援期間による支援の対象になります。又基本的に2号での技能実習を修了した外国人は、1号の試験を免除されます。また、在留期間の違いもあります。1号は通算で上限5年までとなっています。

雇う側の注意点とは

注意点

・受け入れ可能な外国人人材がどうかチェックする。

18歳未満や、健康状態が良好で無い外国人の受け入れは不可です。又、日本語試験や、技能試験などの合否によっても、受け入れ可否が変わってきます。又、受け入れたい外国人がすでに決まっている場合、申請が通り許可が降りれば、引き続き仕事に従事することができます。

・働ける期間に注意する

技能実習は最長5年まで可能です。継続して働いてもらっても、仕事が無い時には一度帰国位して、通算で5年でもどちらでも可能です。又、1箇所の農業者が5年に満たない場合、他の農業者と契約を結び、計5年になるまで働くこともできます。

・外国人材にも日本人労働者と同じ労務管理を適用する

労働基準方には農業は、休日や、労働時間についての記載はありません。しかし、気持ちよく働いてもらい、優秀な人材になってもらうためにも、過度な労働時間や、休憩を挟まないなどといった過酷な労働は避けるようにしましょう。

農業における外国人労働者の今後

これまで説明してきた通り、農業の分野では深刻な人材不足に悩まされています。国が新しく施行した、特定技能制度はまだ始まったばかりで、データが集まっていない状況ですが、国の施作として支援の体制はどの程度のものなのでしょうか。また、国に頼るのではなく受け入れる機関が責任を持って外国人労働者を雇うことによって、双方にとってのメリットが大きくなります。

外国人労働者にとっては、今後、国の支援や受け入れ体制の整った環境の機関で働くことでより自らの才能が発揮できるように信じています。

 彼らへの支援策とは

特定技能1号に属する農業は、受け入れ期間に支援を求めることが許可されています。支援計画という書類を該当する申請書類と一緒に提出することで、受け入れる機関が支援をすることに同意したという証拠になります。

内容としては、日本におけるマナーや、公的手続きへの同行、クレームや相談への対応、転職の支援など様々な支援が挙げられます。また、受け入れる機関の他に登録支援機関に対しても同様の支援を委託することができます。

外国人雇用者を手厚い支援策で確保しようと国を上げて人材不足に立ち向かっているのです。

農業分野における外国人について掴めましたか?

女性考える

外国人の雇用に関する特定技能の政策が始まったことによって、外国人雇用者と、人材不足で悩む農業従事者にとってお互いにメリットがあります。個人間でのやりとりだけでなく、登録支援機関をとおして外国人を受け入れることも可能です。

個人農家の方にとっても、組み込みやすい制度となっているのではないでしょうか。今後さらに、農業就業人口が増えてくることが見込まれるため、人材不足を軽減するために、特定技能外国人の受け入れを検討してみてはいかがでしょうか。