在留外国人を国別ランキングでみてみよう! 3位は韓国、2位はベトナム、1位は・・・?
2022年6月末には、在留外国人数が296万人になり、日本の全人口の2.4%が在留外国人となりました。
これは日本の少子高齢化に伴って海外からの労働力に期待して、政府が規制を緩和している結果です。
これからの日本では、この流れはさらに強くなっていくでしょう。
しかし外国人がいざ「日本で働こう!」と思って来日したとしても、彼らを雇う日本企業やそこで働く人に諸外国の知識が充分にないこともあるでしょう。
そこで今回は、日本にいる在留外国人では、どんな国の方が多いかランキング形式で紹介いたします。
これからますます増加するであろう在留外国人についての知識をより深め、その特徴を抑えて受け入れる準備をしましょう。
目次
在留外国人ランキングはこちら!
外国人数の国別ランキングを1位から10位にまとめました。
国民性も合わせてリサーチしてありますので、ぜひご覧ください。
今回用いたデータは出入国在留管理庁の報道発表資料から抜粋しており、令和4年6月末時点での在留外国人数となっています。
10位:台湾 54,213人
国同士が友好関係にある台湾からは、多くの在留外国人が来ています。
「風土が似ているため住みやすい」という理由も相まって、台湾の方にとっては日本は人気の在留先です。
インターンシップ、ワーキングホリデーで在留している方がほとんどです。
また転勤や教授職など、高度な専門性のある優秀な人材が多くみられます。
▼台湾については以下の記事でも詳しく紹介しています。合わせて確認してみましょう!
国民性
- 自立心が強い:「責任を持って自分からチャレンジしよう!」という意識が国民に根付いています。スポーツでも個人競技の成績がいいのは国別にみても明らかです。
- 家族との時間を大事にする:年間行事だけでなく、日常的にも家族と過ごす時間が多いのが台湾人の特徴です。そのため仕事を定時で切り上げて、時間を確保する人も多いのだとか。
9位:タイ 52,323人
1980年頃から、単純労働を目的として来日するタイの方が多くいました。
当時は国別でもとくに多い在留外国人でしたが、日本政府の規制が強化されたことにより、労働許可が降りるタイ人が急減して現在は少なくなっています。
いま日本にいる方の多くは、日本人と結婚して国籍を取得しているタイ人かもしくは留学生です。
国民性
- 争いを好まない:仏教の思想が根付いているので争いが起こりそうな場合でも、一方的に相手に責任を押しつけたりしません
- 「快適さ」がいちばん:一年を通して夏のような気候の育ちなので、性格的にゆったりとしていています。争いは好きではありません。過剰な労働を好まない方が多いです。
8位:米国 57,500人
世界大戦以降、教育を目的として来日する米国人は多いです。
国別にみても教育従事者の割合は異常に高く、単純労働をしに日本に来ている米国人はほとんどいません。
物価を考えてみても、言語的側面でみても、あまりその必要性がないからでしょう。
「駐屯地にいる軍人」は在留外国人に含まれないので、実際はこの数字以上に国内で米国人に会う機会は多いでしょう。
英語教育はもとより、キリスト教の布教などを目的として、日本に在留している米国人もいます。
国民性
- 外交的かつ積極的:フレンドリーに見知らぬ人とも話す国民性です
- 表現がストレート:思ったことを思ったままに表現します。日本人のように人目を気にしないので、自分に正直に生きている人が多いです
7位:インドネシア 83,169人
バリ島などで有名な、日本人にとって人気の観光地であるインドネシア。このインドネシア出身の方は、ここ数年でも増加率が高いです。
理由のひとつに「外国人技能実習制度」が挙げられます。
外国人技能実習制度は、外国人が日本の技術や知識を習得できるようにするために整備されました。しかしこの制度には問題が多くあり、2019年から始まった「特定技能」などの方が現状にあった資格とされています。
国民性
- 楽観的でポジティブ:相互扶助の意識が強く、心遣いがある、とても優しい
- 帰属意識が強い:家族を大事にしたり目上の人を敬う姿勢を持つ方が多い
▼以下の記事でも詳しく紹介しています。合わせて確認してみましょう!
6位:ネパール 125,798人
日本政府により、2012年ごろからとくにネパール出身の留学生に対して在留規制が緩和されました。
現地の斡旋業者も多数あり、そのサポートのもと、祖国より賃金の高い日本で就職することを目的に来日する若者が増えています。
ただ漢字をはじめとする言語の壁が大きく、高い渡航費や留学の甲斐もなく就職できず、借金返済のためにアルバイトをする人が増えている問題があります。
このような問題は、日本、ネパールともに国が主導して解決していく必要があることは言うまでもありません。
▼以下の記事でも詳しく紹介しています。合わせて確認してみましょう!
国民性
- 礼節を重んじ、年長者を敬う、勤勉な国民性
- 信仰心、愛国心が強い
5位:ブラジル 207,081人
在留の資格取得が厳しくなる中で、日系の外国人は許可が簡単に降りるようになったことがブラジル人が多く在留するようになった理由です。
さらに日系三世までは「定住者」として認められ、日本において職業選択の自由を手にしました。
あらゆる職種で仕事ができますが、とくに多いのは製造業です。
鈴鹿など国内でも大都市近郊の工業地帯には、とくに多くのブラジル人が定住しています。
国民性
- ラテン系の性格で陽気、マイペース、時間に比較的ルーズ
- 小さいことは気にしない
- 家族や友人を大切に考えている人が多い
4位:フィリピン 291,066人
1970年代以降、多くのフィリピン人が日本に在留しています。
アジア諸国の中でも「地理的近さ」という点で来日しやすいのがフィリピン人が多い理由のひとつです。
以前はフィリピンパブで働く女性がメインでした。
ただ不法でフィリピン人を雇う会社やお店が多かったため、アメリカの指導により一時は就労規制が厳しくなりました。
現在では日本人と結婚して家庭をもち、さらに祖国の家族を日本に呼ぶというかたちで、フィリピン人の人口は増えつづけています。
国民性
- 親切、丁寧でホスピタリティに溢れている
- 時間に対してはあまり厳格ではない人もいる
3位:韓国 412,340人
第二次大戦後にそのまま特別に在留しつづけた韓国人に加えて、少し前の韓流ブームによって来日する韓国人は増加しました。
地理的にもっとも近い隣国で、文化や風土も似ていることから、在留だけでなく観光目的の方も増えています。
新大久保を中心として、韓国料理屋さんや韓国雑貨の店で働く人が多いです。
もともと日本にいる韓国人のつてで来日するケースが多いようです。
- 年長者や家族を敬う:儒教に基づく思想が根付いているので、上下関係がしっかりしています
- 競争心が強くて負けず嫌い
- 身内を大切にする
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2位:ベトナム 476,346人
2013年頃から、日本に在留するベトナム人は急速に増加しました。
東日本大震災や福島第一原発事故により、2011年以降中国人残留者が急速に減少し、それに代わる海外からの若い労働力を確保しようと日本政府がベトナム人への規制を緩和したためです。
国民性
- 勤勉で温厚
- 繊細
- 向学心が旺盛で、母国語以外でも高い語学スキルを持っている
▼以下の記事でも詳しく紹介しています。合わせて確認してみましょう!
1位:中国 744,551人
中国が国別在留外国人1位です。
日本国内の中華街の多さ、中華料理屋さんの多さをみると想像に難くないですね。
技能実習生と留学生が、その大半を占めています。
働いている業界としては、生産工程従事者(30%)、サービス職業従事者(11%)、販売従事者(8%)、農林漁業従事者(4%)の順番で多いです(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%A8%E6%97%A5%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E4%BA%BA)。
これから働くことを前提に、国内の大学に留学している中国人は国べつにみてももっとも多いです。
国民性
- トップへのこだわりが強い:「自分こそトップに!」という意識を持つ方も多いです
- 同族意識が強い:儒教思想に根づいているお国柄、家族や親類を大事にするという考えから、大事な仕事を任せる場合には同族を選ぶ傾向にあります
在留外国人と働くうえで気をつけるポイントは?
日本には多くの在留外国人の方がいらっしゃいます。
ここでは外国人の方と一緒に働くうえで、知っておくべきポイントをまとめました。
しかし一括りに「外国人」といっても、それぞれの国によって国民性が異なるだけでなく、日本人と同じように個人によって性格や考え方なども異なります。
そのため外国人採用に関しても、ひとりひとりの人として接することが重要になってきます。
在留外国人の国民性や日本で働く背景を理解できましたか?
日本も決して単一民族の国という訳ではありませんが、島国ですので同質性が高い時代が長くつづいていました。
しかしここ10年では日本を訪れる外国人も増え、また日本に住んでいる外国人も増えました。
今後も社会が「日本人だけの同質性の高い状態」に戻ることは考えにくいです。
そういう意味で、日本人にとっては新しい価値観が必要とされる時代になっているともいえます。
世界中で基本的に労働力は足りていないため、諸外国から日本に働きに来てもらうには、日本の社会自体が変化していき、よりこれまで以上に他者理解が求められることでしょう。