「彼はウチのヌートバー」外国人の優秀人材を採用して成長を続ける、愛知のものづくり企業にインタビュー
- <会社紹介> 会社名:株式会社佐々木コーティング 従業員数:60名 業種:製造業愛知県名古屋市に本社を構える自動車部品メーカー。「こころをつなぐものづくり」をスローガンに掲げ、主力商品である自動車の内装品を通じ、「人とクルマ」をつなぐことを目指す。
現場社員が博士号?!
--御社で外国人採用を始めたきっかけについて教えてください。
小野さま:
最初は15年ほどまえのベトナムの研修生(技能実習生)ですね。
2期目の募集から参加したので、取り組み始めたのはかなり早い方だと思います。
ただ当時は日本語を話せない人がほとんどだったこともあって、あまりハイレベルな仕事をお願いすることはできませんでした。
転機となったのが6年前のことです。
なかなかいい派遣会社さんが見つからず、たまたまブラジル人の方を派遣してくれる派遣会社へ依頼をすることになりました。
--その派遣会社から来たブラジル人の方の働きぶりはどうでしたか?
小野さま:
かなりよかったです。
カタコトですが日本語も話せましたし、日本人より仕事の覚えも早かったです。
日本人に対してネガティブなことを言うつもりはないのです。
しかし当時の日本人の派遣会社はすぐに人がいなくなって入れ替わるので、外国人のほうがよほどいいなと感じました。
ブラジル人の派遣社員の中には正社員になることを希望してくれる人もいましたので、正社員登用も行いました。
--もともと外国人採用に対するイメージはよかったわけですね。
そこから、どうしてGuidable Jobs(ガイダブルジョブス)をご利用いただく運びとなったのでしょうか?
小野さま:
2021年にindeed(インディード)で求人を公開したとき、たまたまバングラデシュ人から応募がありました。
すでに社内では外国人の方に抵抗がなかったので、すんなり採用したのですが、驚いたのは採用した後でした。
なんとその人は、大学の博士号を持っていたのです。
--それは驚かれたでしょうね。なぜそんな方が見つかったのでしょう?
小野さま:
非常に優秀な人でした。
なぜこのレベルの人がたまたま採用できたのか、とても不思議でした。
事情を聞いてみると、彼は日本大学で農業分野の博士号を取った後、母国に帰って農業分野で活躍したいと考えていたようです。
しかしコロナをきっかけに、日本に残って働きたくなったとのことでした。
そんなに優秀な人であっても、外国人ということが理由で面接を受けさせてもらえない。
これは非常に境遇としてもったいないと思いましたね。
--ほかにも同じような人はいましたか?
小野さま:
ほかにもいますね。
ブラジル人の女性で、母国では小学校教員をしていた方で、ニューヨークの法律事務所での秘書経験もある、非常に事務処理能力が高い方です。
2人とも現場の理解度が上がり次第、管理系のポジションへと昇進してもらう予定です。
--外国人の優秀な人材が集まるのに、なにか秘訣はありますか?
小野さま:
そもそも日本に来ている外国人はとても優秀です。
これは疑いようのない事実だと思います。
わたし自身もアメリカで事業を立ち上げた経験がありますが、自国から離れて海外に行くということは「かならず成果を上げなければならない」という大きなプレッシャーを背負っています。
現地で働いている人とは覚悟がちがうので、意識レベルがとても高いのではないでしょうか?
DX人材が前職はイタリアンレストラン勤務?
--Guidable Jobsを通じて採用いただいた社員の方のお話もお伺いできますか?
小野さま:
何名か外国人を採用しましたが、今日はカールという社員をご紹介します。
彼はフィリピン出身で、デジタルやコンピューターに強い社員です。
非常に明るいのも特徴で、「仕事が楽しい」と毎日言ってくれる、野球の日本代表でいえばヌートバー選手*のような社員です。
*ラーズ・ヌートバー。カージナルス所属のメジャーリーガーでWBC2023の日本代表。本インタビューはWBC2023開幕戦の翌日に実施されました。
--カールさんはどんな仕事をされているのですか?
小野さま:
弊社は自動車部品メーカーです。
粘着部品といわれる車のシートの部品の製造を請け負っています。
新しい部品の製造を始めるときに重要になるのは、発注元から形状データをもらって、それを展開図に落とし込み、その後に設計図を発注元に送るという工程です。
ここはデータをもとに職人が紙とハサミ、糊なんかを使用して模型を作成して、図を書いていく訳です。
カールがすごいのは、この工程を全部3Dプリンターでやれるようにしたところです。
--それは、御社にとってどんなインパクトがあったのでしょうか?
小野さま:
このDXによって、発注元企業から見本をもらってから設計図を送り返すまでのスピードが格段に向上しました。
これは弊社にとっては、とても強い競合優位性になるんです。
他社と比較したときに、製造に入れるスピードが格段に上がったわけですから。
大企業で3Dプリンターを導入しようとすると、部署を横断する案件になって半年以上かかるはずです。
当社は中小企業なので動きが早いので、カールのようにデジタルに強い社員が入れば、すぐに導入が可能なのです。
--つぎはカールさまにもお話を伺いたいと思います。まずは経歴などをお話しいただけますでしょうか?
カールさま:
わたしはフィリピンの大学でエレクトロニクス、ソフトウェア、デザインを学んだあとで、母といっしょに日本へ来ました。
日本に来てしばらくはほかの仕事をしていましたが、いまはここ「佐々木コーティング」でデジタルチーフエンジニアをしています。
仕事内容としては、発注企業からもらったデータを3Dデータに変換して、3Dプリンターで出力、展開図を作るというところを担当しています。
--こちらに来られる以前のお仕事はどんなものをされていましたか?
カールさま:
イタリアンのレストランでシェフをしていました。
小野さま:
めちゃめちゃもったいないですよね。
持っているスキルと、仕事内容がまったく一致していない。
--コンピューター関連の仕事をしたいとは思っていたんでしょうか?
カールさま:
コンピューターを触りたくて仕方がなかった(笑)。
でも面接もまったく受けられなかった。書類審査が通らないんです。
日本は世界有数のテクノロジーの国ですから、そこで働きたかったのでほんとに残念でした。
小野さま:
テクノロジーの国じゃないってことかな?(笑)
彼はたぶん氷山の一角で、優秀だけどそれに見合った仕事を得られていない外国人は多いと思います。
--今後の目標はありますか?
カールさま:
世界に誇るようなものづくりに、デジタルやデザインのスキルを活かして携わることです。
小野さま:
うちで大手の日本車部品の製造にも関わっているから、叶ってるんじゃないの?
カールさま:
そうですね。(笑)
好きな仕事だからストレスがありません。毎日が楽しいです。
小野さま:
こんな感じで楽しく働いているから、営業先につれていくとお客さまも喜んでくれるんですよ。
優秀な外国人の人材を採用できるGuidable Jobs(ガイダブルジョブス)
--ここまでお話を伺って来ましたが、最後にGuidable Jobsについてもお伺いできればと思います。サービスを実際に利用して感じる魅力はどんなものがありますか?
小野さま:
なんといっても、カールのように優秀な人材を採用できることです。
日本にいる外国人は覚悟を決めて日本に来た、とても優秀な人達ばかりです。
しかし日本では、まだまだ外国人というだけで自分のレベルに見合った仕事を見つけられていない方が多いです。
私たちの会社は外国人であっても、優秀な人にはポジションを与えます。
もちろん優秀な日本人を採用できるのがいちばんいいかもしれません。
でも、東大卒のキラキラした経歴の方は、大企業の名前につられてそちらにいってしまい、中小企業では採用が難しいのが実情です。
でもGuidable Jobsなら、優秀人材を採用するチャンスがあります。
中小企業こそ、外国人採用で優秀な人材を獲得すべきです。
だから私たちにとっては、ほかの有名どころの日本人向け求人サービスの100人より、Guidable Jobs(ガイダブルジョブス)の100人のほうが、かなり質が高いと思っています。