いま知っておくべき「外国人採用に関連したニュース」について、厳選してご紹介いたします。

前月の厳選ニュースはこちら!

◉愛媛の農業・漁業 外国人材が急増 スリランカと覚書で受け入れ拡大へ

愛媛県の農業や漁業の現場で働く外国人材が増えています。

農業ではこの10年で50%、漁業では300%という著しい増加を見せており、少子高齢化や人手不足が深刻な愛媛県において、外国人材は欠かせない存在となっています。

また、愛媛県は外国人材の受け入れに対して予算をつけて取り組むなど、外国人材確保に対して積極的な姿勢を見せています。

農業分野では、去年6月にスリランカ政府との間で実習を希望する人を派遣してもらうために覚書を交わしました。また、県漁協は、自ら受け入れを仲介する「監理団体」になり、県内での受け入れを進めています。

しかし、言語の壁や外国人材用の宿舎の不足など、受け入れ態勢に課題が残っているのも現状です。

また、2023年に成立した「育成就労制度」により待遇競争が激化する可能性が指摘されています。

貴重な戦力である「外国人材を地域に定着させ、持続可能な1次産業を構築するためには、制度を見据えた対応が求められています。

◉外国人材の提案力、企業成長や職場活性化に一役(福井県・小野谷機工)

福井県越前市の小野谷機工は、タイヤ関連機械を製造・販売する国内唯一の企業で、将来的な海外展開を視野に高度外国人材の採用と育成を進めています。現在12名の外国人社員が在籍し、提案力やバイタリティーを活かして活躍中です。

同社は外国人社員が長く働ける環境を整えるため、文化体験や多言語対応の研修を行う「つぼみプロジェクト」を実施しています。業務面では、母国語字幕付きの動画マニュアルを制作し、効果的な技術習得を支援。

これらの取り組みは外国人社員自身の提案から始まり、彼らの視点を積極的に活用しています。

また、外国人社員は日本人社員にも良い影響を与えています。「シャイでは突破できない」という外国人社員の姿勢が、チーム全体のモチベーションを高めています。

外国人社員を将来的な基幹人材として位置付け、社員数500人(うち外国人材100人)体制を目指しています。さらに、海外展開を再び視野に入れ、外国人社員の母国を進出先候補とするなど、国際的な成長を計画しています。同社は外国人材を企業成長の原動力と捉え、持続可能な組織づくりに注力しています。

◉新制度、外国人「育成就労」で雇用はどう変わる? 導入前にセミナー

2024年6月に成立した改正入管難民法により、外国人技能実習制度が廃止され、新たな「育成就労制度」が2027年までに施行される予定です。

この制度では、外国人労働者が職場を変更できる期間が現行の3年から1~2年に短縮される一方、受け入れ企業には新たに業種別協議会への加入が義務付けられるなど、雇用環境に大きな変化が予想されています。

奈良県橿原市の橿原商工会議所で10月28日に開催されたセミナーには、外国人労働者を雇用する、または導入を検討している県内中小企業の事業者46名が参加しました。参加者は、職場変更が短期間で可能になることについて「戦力の流出」への懸念を示す一方、外国人労働者が働きやすい環境整備の重要性を指摘しました。

特に技能実習生を受け入れる企業役員からは、「職場変更の期間短縮が現場にどう影響するのか不安」との声が上がる一方、「日本人と同じく快適な職場環境を提供することが必要」との認識が共有されました。

また、セミナーでは「制度の認知度が低く、施行までの3年間でさらに周知が必要」と強調。
新制度の導入に向け、受け入れ企業は外国人労働者が定着するための働きやすい環境づくりと新たな法制度への対応が急務となっています。