山梨県では、働く外国人の数が年々増えています。観光業や製造業などで外国人の働く場が広がっていることや、地域での生活サポートが充実してきたことが、その理由のひとつです。

この記事では、山梨県で外国人労働者が増えている背景や、外国人が安心して働き、暮らせるように進められている支援制度についてわかりやすく紹介します。

山梨県の魅力と外国人が働く理由

まずは、山梨県の豊かな自然環境や地域の伝統が、外国人にとってどのような魅力を持っているのかを紹介します。

自然と伝統文化が楽しめる

山梨県には、四季折々の美しい風景があります。春には桜が咲き、秋には紅葉が広がり、ハイキングやキャンプを楽しむのにぴったりです。また、ワインの産地としても知られていて、ワイナリー巡りも人気です。

さらに、山梨県には昔からの文化や伝統がたくさん残っています。甲府の歴史ある街並みやお祭り、伝統工芸品など、日本らしさを感じられるものが多いのも特徴です。
日本の文化を深く知りたい外国人にとって、とても魅力的な場所といえます。

観光地が多く、暮らしやすい環境

山梨県には、富士山や河口湖、温泉など、多くの観光地があります。国内外から観光客がたくさん訪れるため、観光業の仕事も豊富です。
ホテルやレストラン、ガイドなど、外国人が活躍できる仕事のチャンスも多くあります。

また、山梨県は生活しやすい環境も整っています。都会に比べて物価が安く、静かで自然に囲まれた生活ができます。
学校や病院などの施設も充実しているので、家族と一緒に暮らしたい外国人にとっても安心です。

山梨県で暮らす外国人の現状

日本全体で人手不足が進むなか、山梨県でも外国人の力が必要とされています。では、どのような人たちが働いているのか、詳しく見ていきましょう。

外国人労働者数は、12,462人で過去最高

山梨県で働く外国人は、年々増え続けています。令和6年10月の時点で、外国人労働者の数は12,462人となり、前年より11％増えました。これは過去最多の数字です。

この背景には、日本の少子高齢化による人手不足があります。働く人が減る中で、外国人が貴重な労働力となっています。
また、企業が海外とのつながりを強め、外国人の雇用を積極的に進めていることも影響しています。
県内で外国人を雇う会社やお店の数も2,092か所に増え、前年比 10.1％ の増加となりました。今後も外国人労働者が活躍する場が広がると考えられます。

どの国の人が多い？

山梨県で働く外国人を国別に見ると、最も多いのはベトナム人で、次いでブラジル人、中国人が続きます。それぞれ、働く業種や在留資格に特徴があります。

ベトナム人（3,624人／全体の29.1％）

「技術・人文知識・国際業務（技人国）」や「特定技能」 のビザを持ち、エンジニアや技術者として働く人が増えています。とくに、製造業や建設業、外食産業での需要が高く、日本でキャリアを積むベトナム人が増加しています。
また、技能実習生 として工場や農業で働く人も多く、山梨県の人手不足を支えています。

ブラジル人（1,643人／13.2％）

身分に基づく在留資格を持つ人が多く、日本で長く暮らしながら働いています。
とくに、製造業での雇用が多く、安定した仕事に就くケースが目立ちます。

中国人（1,608人／12.9％）

「技人国」や「身分に基づく在留資格」 を持つ人が多く、技術職や通訳、観光業など幅広い分野で活躍しています。
とくに、ホテルや飲食業では中国語対応が求められる場面が多く、外国人観光客向けのサービスに貢献しています。

外国人労働者の増加は、日本の外国人雇用政策とも関係があります。特定技能ビザの導入により、一定のスキルを持つ外国人が長期間働けるようになり、山梨県でも受け入れが進んでいます。
そのため、特定技能の対象業種である製造業、外食業、建設業などでは、今後もさらに外国人の雇用が増えていくと考えられます。

このように、外国人の国籍ごとに働く業種や在留資格に違いがあり、それぞれが山梨県の産業を支える大切な存在になっています。

外国人が多く働く業種は？

山梨県で外国人が最も多く働いているのは「製造業」で、全体の36.2％を占めています。
工場の仕事は人手不足が深刻で、外国人が大きな役割を果たしています。技能実習生や技術者として働く人が多いのも特徴です。

次に多いのが「小売業（16.0％）」や「宿泊・飲食業（14.9％）」です。山梨県は観光地として有名なので、ホテルやレストランなどで外国人観光客に対応するスタッフの需要が高まっています。

また、外国人を雇っている会社の62.6％は、従業員30人未満の小規模事業所です。
これは、中小企業や個人経営の店舗でも、外国人を積極的に雇っていることを意味しています。今後もこの傾向は続くと考えられています。

参考：厚生労働省　山梨県内の「外国人雇用状況」について（令和６年 10 月末時点）

山梨県が進める在留外国人のサポートとは？

山梨県では、外国人が安心して暮らし、働けるようにさまざまな支援を行っています。とくに生活のサポート、仕事の支援、医療や福祉の充実に力を入れています。
それぞれの取り組みを詳しく見ていきましょう。

安心して暮らせるためのサポート

山梨県では、外国人が日本の生活に慣れやすいように、いろいろなサポートをしています。
そのひとつが「多文化共生」という考え方です。これは、日本人と外国人が一緒に暮らしやすい環境を作る取り組みです。

たとえば、市町村にある外国人向けの相談窓口では、日本での生活についての情報を教えてくれます。住民登録の方法やゴミの出し方、電車やバスの乗り方など、日常生活に必要なルールを外国語でも説明しています。

また、日本語を学ぶ機会も多く、日本語教室が各地で開かれています。なかでも、日常生活で役立つ言葉を学ぶ「生活者向け日本語教室」は、外国人にとってとても助かる場所です。日本語を話せるようになると、仕事や地域の人との交流がスムーズになります。
さらに、外国人と日本人が交流できるイベントやお祭りも多く開かれています。
こうした場でお互いの文化を知ることで、地域に溶け込みやすくなっています。

働きやすい環境を作るためのサポート

外国人が山梨県で安心して働けるように、就職のサポートや職場の環境づくりも進めています。
ハローワーク（職業紹介所） では、外国人向けの相談窓口を設けており、日本語が苦手な人でも仕事を探しやすいようになっています。
また、企業向けの研修も行い、外国人を雇う際のルールやビザの手続きについて説明しています。

外国人労働者は、製造業、小売業、宿泊・飲食業などで多く働いています。とくに技能実習生や特定技能の在留資格を持つ人が増えており、県内の企業では、日本語での仕事にまだ自信がない外国人でも安心して働ける環境づくりが求められています。
そのため、職場での日本語教育の実施や、多言語対応のマニュアル作成など、外国人労働者がスムーズに仕事を進められる工夫が進んでいます。

また、働く人の労働条件の改善にも取り組んでいます。
具体的には、技能実習生の働く環境が問題視されることがあるため、適正な賃金が支払われているかどうかのチェックなどを行っています。

医療や福祉のサポート

外国人が安心して病院にかかれるように、医療機関の多言語対応も進められています。たとえば、一部の病院では通訳サービスを導入し、日本語がわからない人でも診察を受けやすくしています。
また、医療従事者向けのガイドラインを作り、外国人患者への対応方法を学べるようにしています。

医療費の支払いに関するサポートもあります。日本の健康保険制度を知らない外国人も多いため、自治体では健康保険の説明会を開き、手続きの仕方を教えています。
これにより、医療費の未払いトラブルを防ぐことができます。

さらに、妊娠・出産、子育て、高齢者の介護などの福祉サービスも充実してきています。
外国人の母親が安心して赤ちゃんを産めるように、助産師や保健師が相談に乗る制度が整っています。また、高齢の外国人向けの介護サービスも拡充されつつあり、今後もサポートが増えていくことが期待されています。

さいごに

山梨県では、日本で働きたい外国人が増えており、観光業や製造業などで多くの人が活躍しています。優れた外国人を採用することは、企業にとって大きなメリットとなり、今後のビジネスにも良い影響を与えるでしょう。

弊社の採用プラットフォーム「Guidable Jobs（ガイダブルジョブス）」には、山梨県に住む多くの外国人が登録しています。
外国人採用を検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください！