建設業界では深刻な人手不足が続いており、求人を出しても応募が集まらないという課題に直面している企業が多く存在します。この問題の背景には、業界特有のイメージや労働条件など、さまざまな要因が絡んでいます。

本記事では、建設業界で日本人労働者を採用する難しさを詳しく解説し、人材確保の新たな選択肢として「外国人採用」の可能性を探ります。さらに、外国人労働者の活用がもたらすインバウンド対応でのメリットについてもご紹介します。

建設業界の有効求人倍率と人手不足の現状

建設業で働いている人の画像
令和6年の厚生労働省データによれば、全産業の有効求人倍率は1.05倍でした。

しかし、建設業関連の職種ではこの数値がさらに高く、特に「建築躯体工事の職業」では8.26倍、「土木の職業」では5.25倍、「建築・土木・測量技術者」では4.84倍、「電気工事従事者」は3.07倍、「採掘従事者」5.12倍と、建設業全体では約4倍の有効求人倍率の数値で、深刻な人手不足が浮き彫りになっています。

建設業界の有効求人倍率を表すグラフの画像

10年前と比べても約1.6倍悪化しており、今後も長期的に人手不足が激しくなる見込みです。

出典:厚生労働省

建設業界で求人応募が集まらない理由

3Kのイメージ

建設業は「きつい」「汚い」「危険」という「3K」のイメージが根強く、若年層を中心に敬遠される傾向があります。このため、求人を出しても応募が集まりにくい状況が続いています。

キャリアアップの難しさ

建設業は体力勝負の仕事と見なされ、長期的なキャリア形成が難しいと考えられがちです。また、資格の有無が採用条件となる場合、未経験者や資格を持たない求職者は応募をためらうことがあります。

求人内容の魅力不足

求人票に具体的な仕事内容や労働条件が詳しく記載されていないと、求職者にとって魅力的に映りません。また、年齢制限や高い採用条件を設けることで、応募者の幅を狭めてしまうこともあります。

賃上げすれば人は採用できる?

採用を改善する打ち手として良く取り上げられる賃上げですが、
結論から言うと賃上げしても採用は楽になりません。

10年前と比べて建設業の賃金は19%UP(※)しましたが、
求人倍率(採用難易度)は2.84→4.58と【1.6倍に悪化】しています。

建設業の賃上げと採用難易度を表したグラフの画像

人手不足で求人倍率が高くなった場合には、多くの企業が賃金を上げて改善しようとするため、自社が同じペースで賃上げをしても「他社並みの待遇」にしかならず、求人への応募者は増えません。

応募者数をこれ以上減らさない(=現状維持)という意味では一定の効果があるものの、あくまでも「守りの賃上げ」と言えます。

応募者が増えるほどの「攻めの賃上げ」を行えば、採用数を増やす事は出来ますが、人件費が大幅に増えることもあり、なかなか実施できる企業は少ないようです。

厚生労働省「毎月勤労統計調査」より、建設業の賃金指数を抽出

外国人採用は伸びるマーケットだが、実は9割が「実施していない」

次に考えられるのが、建設業では一般的になってきた外国人の採用です。建設分野では14.5万人の外国人が働いており、直近1年(22年→23年)でも2.8万人が増加しています。

人が減っていく日本において、労働者のパイ自体が増える貴重なマーケットです。建設業全体では約23万人の求人があるため、少なくとも新規採用の10%以上が外国人によって支えられていると言えます。

建設業の外国人労働者数を表すグラフの画像

しかし実は、外国人採用を実際に行っている事業所は1割程度しかなく、「残り9割は実施していない」という事はあまり知られていません。

神奈川県の例では、建設業の全事業所27845に対し、外国人採用を行っている事業所は3732と、13%の事業所しか外国人採用を行っていないことが分かります。

建設業の会社で外国人採用を実施している事業所の割合を表したグラフ

国土交通省「建設分野における外国人材の受入れ」より

外国人採用は「やれば伸びる」成功パターン。過去4年で実施件数は2.85倍に

ここまでのデータを見ると、「全企業がまんべんなく1割の外国人を採用する」のではなく、「外国人採用に取り組んでいるごく一部の企業が、大量に人員を採用できている」事が分かります。

つまり、外国人採用を実施していない企業は、業種平均以上に厳しい人手不足になっている、という事が読み取れます。

外国人採用をしている企業に関しての画像

もし自社でまだ積極的に取り組んでいないのであれば、外国人採用を積極的に行う事で大きく伸びる余地があります。実際にGuidableでは、建設業の利用企業が過去4年で2.85倍に増加しており、豊富な実績が生まれています。

建設業の外国人採用利用実績を表すグラフの画像

神奈川労働局「外国人雇用状況の届出状況まとめ」より

ボリュームが大きいだけでなく「50%安く」採れる有望株

建築・土木における正社員の採用単価は5年前に比べても横ばい、もしくは微減であり、平均すると19年130.1万→23年102.9万となっています。
建設業の採用平均単価の推移を表す画像

オリンピック直前で採用費が高騰していた時期に比べると改善されていますが、採用単価が下がってきたとはいえ、まだまだ企業の負担は重い状態です。

一方で、Guidableでは外国人に強いコネクションを持っているため、日本人を雇うよりもはるかに安く採用できる点が特徴です。建設業の採用単価は、正社員58.6万円となっており、通常の日本人の採用よりも非常に安い水準になっています。

建設業の採用単価とguidable jobsの採用単価を比較したグラフの画像

※就職白書2020、ツナグ・ソリューションズプレスリリース、マイナビ中途採用状況調査を元にGuidable編集部が推計
※Guidable利用実績より建設業の正社員採用単価を抽出

建設業界の外国人採用成功事例をご紹介

実際にGuidable Jobsに求人を掲載し、外国人人材を採用した建設業界の事例になります。

ハローワークなどで人材を募集していましたが、長期定着に課題があり、Guidable Jobsで外国人採用におこないました。

こちらの記事では、外国人採用に至る経緯、不安だったことや外国人人材の活躍ぶりについてご紹介しております。

▼建設業界の外国人採用事例については詳しく知りたい方はこちらをチェック!

【建設業】外国人採用のコツはオープンマインドになること? 優秀な人材を雇用して管理者に育てるには?

建設業界の求人応募がこない問題の解決策:「外国人採用」

建設業界で働いている人たちの画像
上記の課題を踏まえ、建設業界では外国人労働者の採用が注目されています。外国人採用は以下のようなメリットをもたらします。

労働力の確保

国内での人材確保が難しい中、外国人労働者の採用は即戦力となる人材を確保する手段として有効です。特に、技能実習、育成就労や特定技能制度を活用することで、必要なスキルを持つ人材を採用できます。

若い人材で長期定着が見込める

日本に在留している外国人、また就労している外国人は20〜40代の若い人材が多く、成長意欲が高い傾向にあります。

そのため、若い人材確保がむずかしく、会社で高齢化が起きている建築業界の企業に適した外国人人材も多くいます。また、環境によっては長期定着を見込むことも可能です。

外国人採用を使って建設業界の求人応募を最大化!

建設業界における求人応募を集める問題は深刻ですが、外国人労働者の採用はその解決策の一つとして有望です。外国人採用を検討することで、労働力の確保だけでなく、組織の多様性向上といったメリットも享受できます。自社の人材戦略に新たな視点を取り入れ、持続可能な成長を目指しましょう。