近年ではほとんどの企業がインターンシップを実施しており、学生にとっても就職活動において欠かすことのできないものとなっています。

しかし、インターンシップの目的は就職活動の一環としてだけでなく、学生と企業双方に対して大きなメリットをもたらします。

本記事ではインターンシップの目的を「学生側」・「企業側」の視点から掘り下げ、それぞれがどのようなメリットを得られるのかを解説します。

インターンシップの現状

企業・学生にとって当たり前となりつつあるインターンシップですが、どのくらいの実施数・参加数があるのでしょうか。
以下では、マイナビの調査をもとに詳しくご紹介します。

参考:マイナビ「2025年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査」

大学生インターン

インターンシップ実施企業数

マイナビ2026におけるインターンシップ掲載企業数は12,640を記録しており、年々増加しています。
また、受付コース数では29,773を記録し、前年度から約1万個も多くなっています。

新卒の早期選考や採用が進むなか、インターンシップを実施する企業は今後も増え続けることが予測されます。

インターンシップ参加学生数

マイナビ2025では、学生のインターンシップ・仕事体験参加率が過去最多となる89.5%を記録しました。
また、一度でも選考を受けたことがある学生の割合も半数を超える68.2%となっています。

多くの企業がインターンシップを実施するのに合わせて、意欲的な学生も急増しています。

インターンシップの目的とメリット【学生側】

では、なぜ多くの学生がインターンシップに参加しているのでしょうか。
以下で、具体的な目的とメリットについて解説します。

学生インターンの目的とメリット

【1】キャリアの方向性を確認する

多くの学生にとって、将来のキャリア選択は大きな課題です。

インターンシップを通じて、実際に働くことで自分がどの職種や業界に向いているのかを確認することができます。
どれだけ業界研究をして、人の話を聞いても、実際に働いてみると「想像と違った」ということはよくあります。

逆に、元々は興味がなかったものの、実際に働いてみたら楽しい、向いているといった発見を得られることも多々あります。

インターンシップを経験することで、キャリア選択の失敗を防ぐことができ、就職活動の指針を形成することにつながります。

【2】実務的な経験をつむ機会

よく、インターンシップとアルバイトの違いについて取り上げられますが、インターンシップではより社会人の仕事に近い実務的な経験をつむことができます。

また、大学生の専攻や研究によっては、学んだ知識が実際の職場でどのように応用できるのかを直接体験する機会となるでしょう。
仕事の内容だけでなく、社会人になってからの生活スタイルを経験してなれることもできます。

このように、学生はインターンシップを通じて、社会人となって働くイメージを掴みながら実務的な成長をすることができます。

【3】ビジネスマナーを学べる

インターンシップは、実際の職場で働くことでビジネスの現場で求められるコミュニケーション能力やビジネスマナーを学ぶ機会でもあります。

例えば、上司や同僚との適切なコミュニケーションの取り方、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)の重要性、メールや電話対応の基本的なマナーなど、ビジネスシーンにおける常識を身につけることができます。

これらのスキルは、インターンシップ終了後の就職活動や社会人生活においても非常に役立ちます。

【4】人脈形成と早期採用

インターンシップはまた、将来のキャリアに役立つ人脈を形成する場でもあります。職場で出会う上司や先輩、同僚とのつながりは、就職活動時のアドバイスや推薦状、さらには就職先そのものを紹介してもらう可能性を広げてくれます。

近年では、インターンシップからそのまま早期採用を行う企業も少なくありません。

さらに、インターンシップを通じて出会う他の学生とも、将来のキャリアで協力し合えるネットワークを築くことができます。

インターンシップの目的とメリット【企業側】

学生だけでなく、企業もインターンシップを実施することで多くのメリットを得られます。

企業がインターンを開く目的とメリット

【1】優秀な人材の確保

企業にとって、インターンシップは将来の優秀な人材を早期に見つけるための機会です。
学生がインターンシップを通じて実際の業務を体験することで、企業側は面接やESだけでは測りきれない学生の適性や能力を直接確認することができます。

インターン期間中に優れた成果を上げた学生は、将来の新卒採用の有力候補となり、採用リスクを軽減する効果も期待できます。

【2】企業ブランドの向上と認知度拡大

インターンシップの実施を通じて学生に自社の魅力をアピールすることができます。
大手企業や知名度の高い企業だけでなく、中小企業にとっても、インターンシップは学生に自社を知ってもらう絶好の機会です。

さらに、インターン生がポジティブな経験をすることで口コミやSNSでの評価が高まり、企業ブランドの向上に寄与します。

【3】学生から刺激を得られる

インターンシップを通じて、学生は企業に新しい視点やアイデアをもたらすことがあります。

特に、デジタルネイティブ世代である学生たちは、最新のテクノロジーやトレンドに敏感であり、従来の社員とは異なる視点から業務改善の提案をしてくれることがあります。
たとえば近年では、インターン生主体でまわしているSNSの企業アカウントが急増しています。

このように大学生インターンは、企業が変化する市場や顧客のニーズに対応するための貴重なインプットとなるでしょう。

【4】採用ミスマッチを防ぐ

インターンシップは、企業と学生の間で相性を確認する場でもあります。
近年では、採用した後にミスマッチが生じて早期退職に至るケースが多くなっています。

インターンシップで事前に学生の適性や企業文化との相性を確認することで、採用後のトラブルやコストを削減につながります。

インターンシップの目的を達成する方法

インターンシップは、学生と企業の双方にとって大きなメリットがありますが、それを最大限に活かすためにはいくつかの工夫が必要です。
以下では、インターンシップの目的を成功させるための具体的な方法をいくつか紹介します。

インターンシップの目的の達成方法

学生が目標を明確にする

学生にとって、インターンシップを始める前に自分の目標を明確にすることが重要です。

具体的には、どのようなスキルを習得したいのか、どのような経験を積みたいのかを事前に考えておくことで、インターン期間中の行動に一貫性が生まれます。

例えば、「営業スキルを学びたい」「マーケティングの実務を体験したい」など、目標を具体的に設定することで、企業側もその目標に合わせた指導を行うことができ、双方にとって有意義な時間を過ごすことができます。

企業が明確なタスクやプロジェクトを与える

企業側も、インターン生に対して適切なタスクやプロジェクトを設定することが求められます。

インターン生にただ雑用を任せるのではなく、実務に直結した課題やプロジェクトを与えることで、学生は実際のビジネス環境で必要なスキルを習得することができます。

また、企業としてもインターン生に裁量権をもって仕事にコミットしてもらうことで、大きな業績を得られることがあります。

定期的なフィードバックと評価

インターンシップ期間中に、定期的なフィードバックや評価を行うことも重要です。

学生が自分の進捗や課題を把握し、改善するためには、企業側からのフィードバックが欠かせません。
例えば、週に一度の面談や業務報告を行い学生の成長を見守ることや、社内のミーティングへと参加させることで学生はより効率的にスキルを伸ばすことができます。

また、学生のモチベーションを維持するためにも、成果に対してポジティブな評価を行うと同時に成長のためのアドバイスをすることが大切です。

さいごに

インターンシップは、学生と企業にとってお互いに大きなメリットをもたらす貴重な機会です。

学生にとっては、実務経験を積み、キャリアの方向性を確認する絶好のチャンスであり、企業にとっては、将来の優秀な人材を発掘し、実務に役立つフィードバックを得る場となります。

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