【運輸】バス運転手での外国人採用にチャレンジ! 小田急ハイウェイバスさまに詳しく聞きました
会社名:小田急ハイウェイバス株式会社さま
事業の紹介:
小田急ハイウェイバスさまは、東京と主要地方都市をダイレクトに結ぶ高速バスを運行しています。また都内でルート運行をするバスや、貸切バス、シャトルバスの運行も行っています。
業種:運輸
お話をしてくださった方: 総務部 課長 渡邊 陽子(ワタナベ ヨウコ)さま
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ーー外国人採用を始めたのは、やはり人手不足が理由でしょうか?
はい。募集してるのはバスの運転手さんなんですけど、 いまのバス業界はどこも運転手さんが足りていないんです。法律の改正や働き方改革の影響で、従業員ひとりひとりが働ける時間が短くなったので、現状と同じ本数の運行をつづけるにはもっと多くの運転手さんが必要になりますね。
最近では女性、高齢者の方、高校を卒業したばかりの方も採用しているんですけど、それでも数が足りない現状です。そこで在留外国人の方のお力を借りたいということで、今回はGuidable(ガイダブル)さんにお願いしました。
ーー外国人採用を始めるに当たって、なにか不安はありましたか?
最初はうまくいくのか不安でした。でも応募が何人かからあって、実際にお話もさせていただいたんですけど、まじめで一生懸命な方がすごく多かった印象です。今回初めて採用した外国籍の方も、お人柄がすごく良くて、面接をみていた役員からもすぐ採用を推す声が上がっていました。
ーー外国人採用を始めるとき、社内で可能性を感じている方は少数だけで、ほかの部署の方は乗り気じゃないというケースが多くあります。だから最初に入った方の働きぶりは重要ではないでしょうか?
ほんとにそうだと思います。わたしが「外国人採用をしたい」と会社に伝えたときは、みんな怯んでましたね。会社内の張り紙、規則、バス停の表示などは日本語でしか書かれていません。「規則をどうやって覚えるんだ」「バス停の名前を覚えられなかったらどうするんだ」という声も多かったです。
でもわたしとしては、人が足りないという問題意識がありました。外国籍の方の手を借りないと、仕事を存続できない可能性すらあるように思えていました。結局は上も納得してくれて、今回無事に初めての外国人採用を進めることができました。
ーー今回の場合、最初3か月は募集がひとりも集まりませんでした。その中でも御社は掲載を継続していただき、一名採用することができました。
一ヶ月くらいで採用が決まると期待していましたが、ふたを開けてみると中々難しかったですね。
ただ実際に採用すると決まったあとに社内で受け入れ態勢を整えるのは大変でした。
「就業規則」「運輸規則」など、ドキュメントがいろいろあります。これらにフリガナをふる作業などは、会社の多くの方に協力してもらいました。
ーー今後は初めて採用された外国人であるミッコさんに、社内で担ってほしい役割はありますか?
外国人のお客さまの対応をがんばってほしいですね。
今後、実際にミッコさんが担当するバスは利用者の8割が外国人です。いまの運転手だと英語で話しかけられても返事ができません。ミッコさんが活躍してくれると考えています。
活躍するミッコさんのことを見て、ほかの在留外国人の方もこの仕事に応募してくれたら嬉しいですね。また日本人の運転手もミッコさんから英語を教えてもらって、外国の人との接客を楽しんでもらえたらうれしいです。
ーー面接される上で、読み書きや会話レベルはどのくらいを期待されていましたか? 御社は日本語能力試験(JLPT)のような資格はもとめていなかったそうですね。
バスの運転手は接客業ですので、ある程度は日本語を理解する力は必要かなと思いますね。ミッコさんは面接のときに問いかけたことをきちんと返してくれてたので、理解できてるんだなとわかりました。
業務においても、バス停は場所を覚えておけばいいですし、運転中になにか複雑な書類を読まなきゃいけないという状況もありません。だから会話力がある程度のレベルならば、JLPTなどの資格を持ってなくても、ある程度は大丈夫かなと思います。
意思疎通が取れる、というのが大事ですね。
ーーなるほど。ミッコさんに対して、御社の中ではどのような印象を持たれてますか?
ミッコさんは素直でコミュニケーションが取れる人なので、社内の雰囲気が明るくなっていますね。若いというのもあって、先輩たちにかわいがられていますよ。笑
ーー免許の取得に対して、会社からのサポートはあったのですか?
長野の教習所へ案内するというサポートをしました。費用も会社で全額負担しています。教習所でも朝昼晩の食事をすべて出しますので、免許を取得する期間も手厚くサポートしていますね。
ちなみにバスを運転するには「大型二種免許」が必要ですが、今年(2024)の春から英語を始めとして、べつの言語でも受けることができるようになりました。これは業界にとっては大きな変化だと思います。
ーー外国人採用に関して、今後の展望や計画はありますか? またドライバーとして働きたいと考えている方に、伝えたいことがあれば教えていただきたいです。
実際にバスを利用するお客さんには、インバウンド需要もあって外国の方が多いです。外国人スタッフはどんどん増やしていきたいですね。
わたくしどもは、日本人と外国人で待遇をわけるということも決してありません。「チャレンジしてみたい」という方は手厚く支援しますので、ぜひ応募してきて欲しいですね。
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お話をしてくださった方:ミッコ・アギロス さま
国籍:フィリピン
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ーー実際に会社に行って面接を受けたときは緊張しましたか?
はい。すごく緊張しました。
ーー特に心配だった部分はありましたか?
やっぱり漢字ですね。
ーーこの大型バスの運転手を目指された理由、きっかけはありますか?
最初はトラックドライバーになりたかったんです。でも仕事をネットで探してて、いちばん要件がよかったのがバスのドライバーでした。
ーー試験は難しかったですか?
普通車の試験よりは少し難しかったなと思います。大きい車を運転することは難しくなかったですね。
ーーちなみに、日本語はどんな理由で勉強してきたんですか?
真剣に勉強を始めたのは半年前ぐらい前ですね。息子がいるんですけど、息子は日本語が話せるので、大きくなったらバカにされるんじゃないか、と思って勉強を始めました。笑
ーーそういう理由だったんですね。最後の質問です。「将来こんな風になりたい」「こういうチャレンジをしたい」という希望はありますか?
まだ特にいまはないんですが、とにかくこの会社でスタートしてがんばりたいと思います。高速バスの運転にも挑戦してみたいです。