地方警備業はじめての外国人採用に挑戦! バングラデシュ出身の若くて意欲ある働き手を採用
<会社紹介>
会社名:株式会社大警
従業員数:約50名
業種:警備
まもなく創業30年を迎える警備会社で、工事関係の警備業務、イベント関係の警備業務などを幅広く行う。
岐阜県の瑞雲(ずいうん)町に本社を構え、県内を中心に活躍。
「安全」を守るエキスパートとして地域の安寧に貢献している。
新しい風を吹き込み会社を変えるために、外国人採用を始めた株式会社大警さま。 今回は社長 森さま、採用担当 山口さま、Guidable Jobs(ガイダブルジョブズ)を通して採用された留学生の外国人スタッフ ラハマンさんにお話を伺いました。
目次
「社内に新しい風を」外国人採用を始めたワケ
ーーラハマンさんを採用される以前、日本人の採用活動ではどんな点で悩まれていましたか? 地方ならではの採用の難しさなどはありましたか?
森さま:
10年程前なら募集をかければ、5人程度は応募がありました。
現在はいろいろなところで求人を出しても応募がなく、あっても年齢の高い方の応募が多く、若い方を採用することに難しさがありました。
仕事はあっても警備員の数が徐々に減少していたので、つねづね増やさなければとは感じていました。
ーー具体的にはどんな対策を行いましたか?
森さま:
さまざまな求人媒体に長期で広告を出したりしていました。
ですが、あまりうまくいきませんでした。
ハローワークからの紹介も以前より減っていましたね。
一時的に収入が欲しい人や、他の会社で不採用だったため「警備でいいか」という考えの人が多かったので採用に至りませんでした。
ーー外国人採用にチャレンジした理由を教えてください
森さま:
・政府も含めて、高度外国人材や留学生を採用しようとする動きがあること
・永住者や日本人の配偶者等の身分に基づく在留資格の方の就労が進んでいること
・東京などの大都市では警備業で働いている外国人がかなり多いということ
以上の3点を踏まえ、弊社でもやってみようと思いました。
また外国人の労働者の方は母国語に加えて、日本語や英語など3ケ国以上話せる方もいると聞いていました。
海外からのお客さまとの対話・通訳など、さまざまな場面での活躍も期待していました。
挑戦ではありましたけど、新しい風を入れることで会社の流れも変わるのではと思って外国人採用を始めました。
Guidable Jobsについて
ーー外国人採用サービスはいくつかあるかと思いますが、Guidable Jobsをお選びいただいたのはなぜですか?
森さま:
警備業では法的に20時間の研修が必要になります。
しかし外国人採用をしたことがない弊社では、そのための教科書が日本語版しかなかったんです。
Guidableさんでは教科書の翻訳もしていただけると聞き、そんなサービスをしてもらえる会社があることに驚きました。
そこでGuidableさんにかけてみようと思いました。
ーーサービス利用前に不安な点はありましたか?
森さま:
Guidableさんで一次面接を実施してもらい、ある程度日本語が理解できて条件に合った方を案内してもらえると聞いていたので安心でした。
実際にこれがいちばんのメリットでしたね。
ーー実際にサービスを利用してみて、「面接」→「採用」→「定着」の流れはスムーズでしたか?
森さま:
弊社では外国人採用は初めてのことなのに、スムーズにできたなという印象です。
わからないことがあったときの質問への回答、アドバイスがもらえたのもよかったです。
「この仕事でがんばりたい」外国人ユーザーさまの声
ーーラハマンさん、就職が決まるまでの経緯を教えてください
ラハマンさん:
以前に自分の通っていた大学のまわりで仕事を探したのですが、日本人向けのものばかりでした。
そんな時にGuidable Jobsを見つけてメールをしてみました。
すると数日で面談が決まり、担当者の人と話すことができました。
面談を通して「この仕事ならできるかも」と感じたので、会社との面接に進みました。
実際の面接では外国人に対してもフレンドリーな空気で、この会社でがんばりたいと思いました。
この仕事を見つけられなかったら、今ごろ大変だったと思います。
ーー実際に仕事をしてみてどうでしたか?
ラハマンさん:
会社の人はみんなとても優しいです。
何か業務をすれはほめてくれるし、ほんとにありがたいです。
雨や雪の日は大変ですが、それでもがんばりたいと思えます。
休憩もきちんとあって、わからないことは教えてもらえるし、困ることはありません。
だからつづけられています。
(お仕事中のラハマンさんの様子)
外国人採用の実際は? 緊張しない雰囲気作りが大切?
ーー外国人の方との面接や入社の際、気をつけた点や工夫した点はありますか? また、どういったスキルや人柄を重視していましたか?
森さま:
外国人の方は母国を離れて日本に来ていて、ましてや知らない会社の面接を受けるわけですから、その不安は相当なものです。
面接では外国人の方が緊張せず話せるように、リラックスした雰囲気にしています。
応募者の方が入社を決めるかどうかは、最初のコミュニケーションに左右されると思っているのでとくに気をつけていますね。
外国人に限らず、人と人とのあいだでいちばん大切なのはコミュニケーションや最初の印象だと思っています。
ラハマンさんを面接したときも、緊張や心配がすごく伝わってきて、外国人の方が日本の企業の面接に行くことの大変さを感じました。
勉強や技術の習得のために日本に来ている外国人はたくさんいますが、それはほんとにすばらしいことなんだな、と勉強になりましたね。
山口さま:
スキルや人柄については、会社にどの程度なじめそうかを見ています。
また最低限の日本語能力と、コミュニケーション能力も必要ですね。
逆にそれさえあれば、もし仮にある程度の時間がかかっても、現場の仕事はあとから教えられますから。
ーーラハマンさんの会社での様子はいかがですか?
森さま:正直ラハマンさんが入社した当初は、「とうとう大警にも外国人が入ったのか」という不安が広がりました。
しかしラハマンさんの日本語能力がすばらしく、仕事にとても熱心なので、「こんなに一生懸命やってくれるなんて」「日本人よりすごい」という声がすぐ聞こえるようになりました。
他の新人さんにくらべても研修時の吸収がとても早く、現場でも問題なく仕事をこなしています。
またラハマンさん自身が、ほかの社員と積極的に仲良くしようと努力してくれますので、それがわたしたちにとっても大きな助けになっています。
ーー先日、ラハマンさんが自国の料理を持ってきてみなさんで召し上がったそうですね
森さま:
ラハマンさんの奥様のお料理を会社に持ってきてくれたんです。
みんなでおいしくいただきました。
ほんとならこちらがしてあげなきゃいけないことを、ラハマンさんが自分からしてきてくれるんですよね。
コロナ禍なのでみんなで食事に行くのも難しい状況です。
ほんとに素敵な経験でした。
ラハマンさん:
バングラデシュでは、誰かに感謝の気持ちを表すときに料理を振るまいます。
同じように会社のみなさんに感謝を表したくて、料理を持っていくことを考えました。
(実際のお写真)
ーー今回初めての外国人採用ということで、社内での教育やサポートはいかがでしたか?
山口さま:教育は翻訳していただいた研修のマニュアルテキストも活用して進めていきました。弊社では外国の方に対しても上手にコミュニケーションをとれる社員がいたことで、スムーズな受け入れと定着に繋がったと思います。
外国人の不安を払拭しなじみやすい職場であることを示し、現場でもしっかりとトレーニングを行うことが大切だと感じました。
警備業における外国人採用の展望は?
ーー外国人採用の今後について、ぜひ展望をお聞かせください
森さま:
ラハマンさんは留学生ですから、さらに長期で働いてくれる外国人を採用したいです。
弊社では岐阜の大きな花火大会、イベントのセキュリティを担当しており、外国人観光客と接する機会も多くあります。
しかし英語で質問をされると、日本人の隊員ではお答えするのが難しい場合が多いです。
ですから外国人の隊員に警備に参加してもらえれば、通訳という面でも活躍してもらえると考えています。
コロナ禍が終われば、また海外からのお客様も増えます。
外国人の隊員がいれば、弊社のアピールにもつながるでしょう。
ラハマンさんを採用したことで、弊社でも「外国人採用ができるんだ」という希望が持てました。
今後も外国人社員の採用に向けて、ひきつづき力を入れていきたいです。
警備業としても外国人採用は大事なことです。
東京では外国人の警備員の方が多く活躍されていますから、地方でも外国人採用を進めていきたいですね。
山口さま:
弊社では外国人の方を多数採用して、外国人隊員の組織を作り、その中のリーダーを中心に動いていけるようにしたいと考えています。
警備業界においては、人事担当がどの現場で外国人が活躍できるかを見極めてサポートしていけば、外国人の方の警備業への就職も増えていくはずです。
逆にそうしないと、今後は業界も苦しくなると思いますね。