「特定技能」外国人の採用を検討する中で、「履歴書のどこを、どのように見ればよいのか」「日本人と同じように選考して問題ないのか」といった疑問をお持ちではないでしょうか。

特定技能外国人の採用選考は、基本的な人柄やスキルの確認に加え、在留資格に関わる専門的なチェックが不可欠です。書類選考の段階で確認漏れがあると、後の手続きが滞ったり、採用後のミスマッチにつながったりする可能性があります。

この記事では、特定技能外国人の採用において、履歴書や関連書類で必ず確認すべき9つのポイントを、具体的な手順に沿って徹底的に解説します。公的機関の情報を基に作成しており、採用担当者様が自信を持って書類選考を進められるよう、正確かつ分かりやすくまとめました。

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【前提知識】特定技能制度とは

 

まず、特定技能制度の基本を簡潔におさらいします。

特定技能とは、国内人材の確保が困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を持つ外国人材を受け入れるための在留資格です。

種類主な特徴
特定技能1号特定の産業分野において、相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの資格。在留期間は通算で上限5年。家族の帯同は基本的に認められない。
特定技能2号特定の産業分野において、熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの資格。在留期間の更新に上限がなく、要件を満たせば家族の帯同も可能。

「特定技能」制度は、従来の「技能実習」制度(※)が主に国際貢献を目的としていたのに対し、明確に人手不足の解消を目的とした就労のための在留資格である点が大きな違いです。

※注:技能実習制度は廃止が決定しており、2027年までに人材育成と確保を目的とする新制度「育成就労」へ完全に移行します。

(参照: 育成就労制度の概要 )

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書類選考で失敗しないための4ステップ・9つの確認ポイント

ここからは、具体的な書類選考の手順と確認すべきポイントを解説します。応募者の履歴書とあわせて、必ず「在留カード」の写しを提出してもらい、内容を突合しながら確認を進めてください。

ステップ1:基本情報と「就労の可否」を確認する

まず、応募者が日本で適法に就労できる状態にあるかを確認します。

ポイント①:氏名・国籍・生年月日

履歴書と在留カードの記載が一致しているか、基本的な情報を確認します。

ポイント②:在留資格

在留カードの中段に記載されている「在留資格」欄を確認します。「特定技能1号」や、他の就労可能な在留資格(例:「永住者」「日本人の配偶者等」)かを確認します。 「留学」や「家族滞在」の資格で応募してきた場合は、原則としてそのままでは就労できません。特定技能への資格変更許可申請が必要となります。

ポイント③:就労制限の有無

在留カードの最下部にある「就労制限の有無」は非常に重要です。 「就労不可」と記載されている場合や、資格外活動許可の範囲を超えて就労することはできません。特定技能として雇用する場合は、この資格への変更が許可されることが前提となります。

【注意】在留カードの真偽確認 偽造在留カードによる不法就労を防ぐため、出入国在留管理庁が提供する「在留カード等読取アプリケーション」をご自身のスマートフォンにインストールし、ICチップ情報を読み取ることで、カードの真偽を必ず確認してください。(参照:在留カード等読取アプリケーション サポートページ | 出入国在留管理庁

ステップ2:特定技能の「要件」を満たしているか確認する

次に、応募者が特定技能の要件(技能水準・日本語能力水準)を満たしているかを確認します。これらは、試験に合格することで証明されます。

ポイント④:技能試験の合格証明

採用する分野(建設、飲食料品製造業など)の「技能試験」に合格しているか、合格証明書の写しなどで確認します。 ただし、同じ分野の技能実習2号を良好に修了した者は、この技能試験が免除されます。その場合は、技能実習の修了証明書等を確認してください。

ポイント⑤:日本語試験の合格証明

特定技能には、業務や生活に必要な日本語能力が求められます。以下のいずれかの試験に合格しているか、合格証明書の写しなどで確認します。

  • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
  • 日本語能力試験(JLPT)のN4以上 こちらも、技能実習2号を良好に修了した者は免除されます。

ステップ3:職務経歴と「業務内容の整合性」を確認する

応募者のこれまでの経験が、自社で任せる業務内容とマッチしているかを見極めます。

ポイント⑥:職務経歴

日本国内・国外での職務経歴を確認します。特に、募集している職種(例:建設現場での型枠施工、レストランでの調理・接客など)と関連する経験があるかは、即戦力となるかを見極める重要な指標です。

ポイント⑦:従事する業務との関連性

特定技能制度では、「従事する業務」と「技能試験(または技能実習2号の職種)で証明された技能」が関連している必要があります。例えば、飲食料品製造業の試験に合格した人材を、建設現場の業務で採用することはできません。この整合性を必ず確認してください。

ステップ4:日本語能力の実態と「人柄」を確認する

履歴書の記述内容から、応募者のより深い情報を読み取ります。

ポイント⑧:日本語能力の実態

ポイント⑤で試験合格を確認しましたが、履歴書が本人の手で、どの程度丁寧な日本語で書かれているかも、実務的な日本語能力を推測するヒントになります。ただし、支援者などが作成している可能性もあるため、あくまで参考程度と捉えましょう。

ポイント⑨:志望動機・自己PR

なぜ日本で、そして自社で働きたいと考えているのか。志望動機や自己PR欄からは、仕事への意欲や人柄が読み取れます。定型文を写したような内容ではなく、自身の言葉で書かれているかを確認することで、入社後の定着率や貢献意欲を測る一助となります。

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【要注意】書類だけで判断は危険!面接で深掘りすべきこと

履歴書や書類だけで採用を決定するのは非常に危険です。書類選考はあくまで「面接に進めるか」を判断するプロセスと捉え、以下の点は面接で直接確認しましょう。

  • コミュニケーション能力: 書類上の日本語レベルと、実際の会話能力に乖離がないか。指示を正確に理解し、報告・連絡・相談ができるか。
  • 職歴の深掘り: ブランク期間がある場合や、短期間での転職を繰り返している場合は、その理由を必ず確認しましょう。
  • キャリアプラン: 特定技能1号の在留期間は通算5年です。その期間内で、どのようにスキルアップし、会社に貢献したいと考えているか。本人のキャリアプランと会社の方向性が一致しているかを確認します。
  • 日本での生活への適応力: 困ったときに相談できる友人やコミュニティがあるかなど、日本での生活基盤について尋ねることも、長期的な就労を支える上で重要な要素です。

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まとめ:正確な書類選考で、貴社にマッチする人材を採用しよう

特定技能外国人の書類選考は、確認項目が多く複雑に感じるかもしれません。しかし、今回ご紹介した手順とポイントに沿って一つひとつ丁寧に進めることで、確認漏れを防ぎ、採用のミスマッチを大幅に減らすことができます。

ステップ確認ポイント
ステップ1①基本情報、②在留資格、③就労制限の有無
ステップ2④技能試験、⑤日本語試験の合格証明
ステップ3⑥職務経歴、⑦業務内容との整合性
ステップ4⑧日本語の実態、⑨志望動機・人柄

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