会社名:コーワフード株式会社さま  

 

事業の紹介:

うなぎ専門店を中心として、レストラン、小売事業を展開しています。「赤坂ふきぬき」は都内を中心に現在は7店舗を展開。「神楽坂 富喜貫」は贅沢なうなぎ会席の名店として知られています。

 

業種:飲食

 

お話をしてくださった方:
石井 孝幸(イシイ タカユキ)さま  常務執行役員統括マネージャー

 

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ーー御社は大阪の店舗でもともと外国人の方がいらしたそうですね?

 

アルバイトの方がいました。しかし関東でも外国人を斡旋する会社があって、そちらから紹介してもらった方に働いてもらっていました。この外国籍の方からさらに友だちを紹介してもらっていました。ですから弊社は外国人採用の経験値はそれなりにあると思いますね。

 

ーー外国人特化型の求人媒体は使うのは今回が初めてでしょうか?

 

わたしの知っている範囲だとガイダブルさんが初めてです。

 

ーー弊社のサービスであるガイダブル・ジョブス経由で採用された、スニルさまの働きはいかがでしょうか?

 

スニルさんと彼の紹介で入ってくれた方、現在はふたりとも調理補助をしてくれています。
朝の準備から出勤して、閉店後の片付けまで、毎週の土日に入ってくれているので助かっていますね。とてもまじめです。

 

ーー御社で働く外国籍の方の中には、昇給された方はいますか?

 

現在はまだいないですね。先述の2人は留学生なので、週28時間の就労制限があります。わたしたちのお店ですと、ほんとにお店の中心になって働くには、週に40時間以上は入ってくれないと難しい、という側面があります。

 

ーー御社は外国籍の方の定着率が高く、すでに入社された方の紹介での採用もうまくいっています。工夫されていることはありますか?

 

そうですね、お店のルールは基本的に守ってもらうようにしていますが。日本の価値観や考え方は固有のものなので、それをムリに押し付けないように気をつけていますね。国によって考え方に差があるという事実を、日本人スタッフにはしっかり伝えています。
それがわかっていないと、うまくいかないですね。

 

ーー具体的にどんなところでしょう?

 

たとえば自己主張の部分なんかですね。日本人は黙ってやるひとが多いですが、外国人は自己主張をはっきりするひとの方が多いです。これまで日本人だけの環境でマネジメントしてきたひとだと、少し主張されると「生意気だ」という風に感じてしまうようです。

でも主張することは、外国人にとって自然なことだと理解していると、そういうコミュニケーション上の感情的な齟齬は減ると思います。

 

ーー日本人と同じ、というのはやっぱり難しいですか?

 

日本人スタッフと同じには絶対ならないと思います。ただ、ひとそれぞれいいところ、悪いところがあります。
異なる文化圏で育ってきた方には、またちがった魅力があるんだということを、みんなにわかってもらうようにするのが自分の役目だと思っています。

 

ーースニルさんたちの強みはどんなところでしょう?

 

彼らはネパールの出身なので、やっぱり明るくて陽気な国民性ですよね。そこがいちばんいいところだと思います。

そのような面を悪い取り方をすると「手を抜いている」と見ることもできますが、そうではなく良い方から見ることが大切です。実際に仕事の手が開いたときに、彼らのすごく陽気なところが見えると調理場の雰囲気も良くなります。

そこはいいところとして認めています。「やるときはやる」という感じで、メリハリつけた方が彼らはやりやすそうですね。

 

ーー日本語能力試験(JLPT)は、どのくらいのレベルを希望していますか?

 

現在は調理場スタッフをしてもらっているので、あまり高いレベルの日本語は必要ないですね。ただお客さまのまえに出るならN2は必要です。弊社では特定技能生がひとりN2を取得していて、接客をしています。

 

ーー外国人もマネジメント層やリーダーになっていく道はありますか?

 

はい。特に特定技能生は、登用していくことを見据えて教えていますね。難しいことも多々ありますけど。いずれは主任とか副店長を経験して、特定技能1号から2号へ進んでもらいたいと思っていますね。それが理想です。

結局のところ日本は働ける人口が減っています。外国から働き手にきてもらうか、機械に頼るか、このどちらかしかないと個人的には思っています。

 

ーーインバウンド対応の接客では、まだ外国人の言語力が必要とは感じていないですか?

 

そうですね。現在はまだわたしたちのお客さまは韓国、中国などのアジア圏の方が多いので、接客でも英語はあまり使わないですね。それでも5年後10年後だと、どう変化していくかはわからないですが。もし必要になってきたら、接客の業務にも外国籍の方の力が必要になります。

 

ーーネガティブなことでも構わないので、外国籍の方をマネジメントするうえで印象的なエピソードがあればお聞きしたいです。

 

これはどこの国の方でもそうなんですが、やっぱり「手が止まる」というのは目につきますね。日本人は働いている時間はお金が発生していると考えるので、基本的にずっと動いています。ですがこういう考え方は、日本固有のものでもあります。

日本人で飲食店のキャリアを積んでいる方は、たとえば手が開いたら掃除しているとか、何かをするように習っています。ただ外国籍の方は、決まった業務や、やるべきことが終わったら、あとは休んでいても問題ないと考えていると思います。
このへんは考え方の違いに根ざしていますよね。ですからやっぱり、こちらからどうして欲しいかを言いつづけるのが理解し合う上で重要ですね。

 

ーー外国人を受け入れる職場を作る上で大切なことは?

 

やはり「こっちが変わるべき問題」と個人的には思ってますね。たとえば昔なら、私語や雑談なく黙々とやるのがよし、とされていました。

けれどいまはそういう時代じゃないですよね。イメージとしては、外国に行ったときにみる店員さんですね。彼らは仕事もしっかりしているけど、同時に楽しんでいるというか。そういう風な働き方を目指すのが理想かなと思います。