【永住者採用の注意点】在留カードの有効期限・更新方法を解説|確認ガイド
-4-1.png)
外国人材の採用において、在留資格の確認はコンプライアンス上、とても大切です。
特に「永住者」は就労活動に制限がなく、企業にとって大きな戦力となり得ますが、その身分を証明する「在留カード」の確認と管理には注意が必要です。
永住者の在留資格自体に期限はありませんが、所持する在留カードには有効期間が存在します。
この点を正しく理解し、適切に対応することが、適正な雇用管理に繋がります。
本記事では、企業の採用・労務担当者の皆さまに向けて、永住者の在留カードの正しい見方、有効期間、更新手続き、そして採用時に確認すべき重要ポイントについて、出入国在留管理庁の情報をもとに解説します。
\ 外国人採用・雇用に関するお悩み、Guidableにご相談ください /
目次 [非表示]
全ての基本「在留カード」とは?
在留カードは、日本に中長期間在留する外国人(中長期在留者)に対して、上陸許可や在留資格の変更許可、在留期間の更新許可などの際に交付される、法的な身分証明書です。
- 法的根拠: 出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)に基づき発行されます。
- 役割: 氏名、在留資格、在留期間、就労の可否などの情報が記載されており、日本での適法な在留を証明します。
- 携帯・提示義務: 16歳以上の外国人は、常に在留カードを携帯し、入国審査官、入国警備官、警察官などから求められたときは提示する義務があります。
- ICチップ: 偽変造防止対策としてICチップが搭載されており、カード券面に記載された情報のすべて、または一部が記録されています。
(参照:出入国在留管理庁「在留カードとは?」)
採用担当者が永住者の在留カードを確認する際の重要ポイント
永住者を採用するとき、または雇用中の永住者の在留状況を確認するときは、以下の点を必ずチェックしましょう。
- 在留資格が「永住者」であるか。
- 「就労制限の有無」が「就労制限なし」であるか。
- カード自体の「有効期間」が切れていないか。 ← 特に注意が必要です!
- 券面の顔写真と提示している本人が合っているか。
- カードに不審な点(ホログラムの異常、不自然な印字など)がないか。
【補足】 「特別永住者」は、永住者とは違い、「特別永住者証明書」を所持しています。これは在留カードとは別の証明書ですので、間違えないよう注意が必要です。
(参照:厚生労働省「外国人雇用対策」ページ内関連資料)
なぜ重要?在留カード、表面・裏面の全チェックリスト
永住者の在留カードを確認するときは、以下の項目に特に注意しましょう。
【表面の確認ポイント】
- 氏名、生年月日、性別、国籍・地域: 本人の情報と合っているか確認しましょう。
- 住居地: 現在の居住地が書かれています。
- 在留資格: 「永住者」と明確に書かれていることを確認しましょう。
- 在留期間(満了日): 永住者には在留期間の制限がないため、この欄は「――――」(記載なし)となっています。
- 就労制限の有無:「就労制限なし」と書かれていることを確認しましょう。 これにより、職種や業種に関わらず就労が可能であることがわかります。
- 在留カードの有効期間:とても大切な確認項目です。 在留資格が無期限であっても、カード自体には有効期間が決められており、その有効期間満了日がYYYY年MM月DD日の形式で書かれています。 この日付が切れていないか必ず確認しましょう。
【裏面の確認ポイント】
- 住居地記載欄: 表面の住居地から変更があった場合に、新しい住居地が書かれます。
- 資格外活動許可欄: 永住者は就労制限がないため、この欄は通常、何も書かれていません。
- 在留期間更新等許可申請欄: 在留期間の更新が不要なため、この欄は基本的に、何も書かれていません。
(参照:出入国在留管理庁「在留カードとは?」、「永住許可申請」)
永住者の在留カード『有効期間』と『更新手続き』
永住者の在留資格は無期限ですが、在留カードは定期的な更新が必要です。
これは、カードの偽変造防止技術の更新や、ICチップに記録された情報、顔写真の更新を目的としています。
有効期間:
- 16歳以上の方:在留カードの交付日から7年間
- 16歳未満の方: 16歳の誕生日まで
更新申請期間:
- 16歳以上の方:有効期間満了日の2ヶ月前から有効期間満了日まで
- 16歳未満の方: 16歳の誕生日の6ヶ月前から誕生日まで
申請者:原則として本人(16歳未満の場合は、親などの法定代理人が申請)。
申請場所:住居地を管轄する地方出入国在留管理官署の窓口。
必要な主な書類:
- 在留カード有効期間更新申請書
- 写真(縦4cm×横3cm)1葉
- 現在お持ちの有効な在留カード
- 旅券(パスポート)または在留資格証明書(提示できない場合は理由書)
- ※申請者の状況により、追加書類が必要なこともあります。
手数料:更新手数料はかかりません。
更新を怠った場合:
- 在留カードの更新申請を期間内にしなかった場合、罰則(1年以下の懲役または20万円以下の罰金)の対象となることがあります(入管法第71条の2)。
- また、正当な理由なく更新申請をしないことは、永住許可の取消事由に当てはまることもあります(入管法第26条の2)。
(参照:出入国在留管理庁「在留カードの有効期間の更新申請」)
\ 初めての外国人採用も安心。Guidable Jobsが伴走します。/
その他の関連手続き(参考情報)
在留カードに関して、更新以外にも以下のような手続きが必要になることがあります。 従業員から相談があったときなどの参考情報としてください。
- 紛失・盗難・滅失時の再交付申請: 事実を知った日から14日以内に、地方出入国在留管理官署で申請が必要です。
- 氏名、生年月日、性別、国籍・地域の変更届出:結婚などで氏名が変わったときなど、変更があった日から14日以内に、地方出入国在留管理官署へ届け出る必要があります。
- 住居地の(変更)届出:
- 新規入国後、住居地を決めた日から14日以内に市区町村へ届け出ます。
- 引越しで住居地が変わったときは、転入・転居先の市区町村へ転入届・転居届を出すことで、入管への届出もしたことになります(転入・転居日から14日以内)。
(参照:出入国在留管理庁「紛失等による在留カードの再交付申請」、Answer (Q80~Q149) | 出入国在留管理庁、総務省「外国人住民に係る住民基本台帳制度について」)
よくある質問
Q1. 永住者は在留期間が無期限なのに、なぜ在留カードの更新が必要なのですか?
A1. 在留資格としての「永住権」は無期限ですが、身分証明書である「在留カード」には有効期間(16歳以上の方は原則7年)が定められています。これは、偽変造防止技術の高度化や、定期的な顔写真の更新などを目的としているためです。在留資格の永続性と、カード自体の有効性は別物とご理解ください。
Q2. 採用候補者の在留カードが、もうすぐ有効期間切れです。採用しても問題ないですか?
A2. 有効期間内であれば採用は可能です。ただし、採用後すぐに有効期間が満了する場合は、本人に更新申請期間(有効期間満了日の2ヶ月前から)に必ず手続きを行うよう、事前に伝えておくことが重要です。入社後の早い段階で、更新後の新しい在留カードを改めて確認し、適切に雇用管理を行ってください。
Q3. 在留カードの更新手続きは、会社が代行したり、サポートしたりする必要はありますか?
A3. 更新申請は原則として本人が行うものであり、会社に法的な代行義務はありません。しかし、更新忘れは本人の罰則だけでなく、企業の労務管理上のリスクにも繋がります。そのため、有効期間を社内で管理し、更新時期が近づいた従業員に「更新手続きは済みましたか?」と一声かけるなどのリマインドを行うことが、トラブル防止の観点から推奨されます。
Q4. もし従業員が更新を忘れて有効期間が切れたら、すぐに不法就労になりますか?
A4. 在留カードの有効期間が切れても、在留資格「永住者」が即座に失われるわけではないため、直ちに不法就労となるわけではありません。ただし、更新を怠った本人は罰則(1年以下の懲役または20万円以下の罰金)の対象となる可能性があり、永住許可が取り消される事由にもなり得ます。企業としては、速やかに更新手続きを行うよう指導し、新しい在留カードが交付されるまで状況を注視する必要があります。
Q5. 「永住者」と「特別永住者」は何が違うのですか?
A5. 「永住者」は、原則として10年以上日本に在留し、素行が善良であることなどの条件を満たして許可を得た外国人で、「在留カード」を所持しています。一方、「特別永住者」は、戦前から日本に居住していた方とその子孫などを対象とする方々で、所持しているのは「特別永住者証明書」です。確認すべき証明書が異なりますので、混同しないようご注意ください。どちらも日本での就労活動に制限はありません。
まとめ
永住者の採用は、企業にとって大きな可能性を秘めていますが、その一方で、在留カードの確認、特に有効期間の管理は、担当者にとって注意し続けなければならないポイントです。この記事でご紹介した内容が、皆さまの理解の一助となれば幸いです。
とはいえ、「日々の業務の中で、常に最新情報を追いかけ、正確に対応し続けるのは大変だ」「個別のケースで判断に迷うことがあるかもしれない」といった不安を感じる場面もあるかもしれません。
もし、そのような外国人採用に関するお悩みや、「もっとスムーズに、安心して採用活動を進めたい」というご希望をお持ちでしたら、私たちGuidable株式会社がお力になれるかもしれません。
在留資格に関する不安の解消から、優秀な人材とのマッチングまで、採用に関するさまざまな課題の解決をお手伝いします。
[Guidable Jobsのサービス詳細・お問い合わせはこちら]
\ 人材不足に、外国人採用という解決策。Guidable Jobsがお手伝いします /
外国人採用ハンドブックを見てみる⇒資料はこちらから