会社名: ワタミ株式会社さま

事業の紹介:

世界最大のサンドイッチチェーン「SUBWAY」、旨唐揚げと居酒メシ「ミライザカ」、「三代目 鳥メロ」、お手頃価格でお客さまのスタイルに合わせて楽しめる「焼肉の和民」、本場アメリカを感じるボリューミーな料理とサービスを提供するAmerican Restaurant and Bar「TGIフライデーズ」、おいしい寿司と多彩な居酒屋料理を楽しめる「すしの和」、ほかにも専門料理特化型、地域密着型の業態開発など、さまざまな業態を展開しています。

業種:飲食

お話をしてくださった方:吉松 卓哉(ヨシマツ タクヤ)さま 人材開発本部 採用部 課長

 

ーー人を雇うこと自体は、次第に難しくなっていますか?

コロナ後にお店に人手が戻ってきたあとで、少し雇うのが難しくなっていると感じています。居酒屋の店舗では充足しているところも多いですが、フライデーズの店舗では外国人の方の媒体での採用も進めています。

わたしたちとしては、留学生を採用して28時間以内の勤務で管理していきつつ、現地の国々と直接つながって特定技能ビザで採用することにも力を入れています。

ーー採用の一定数は特定技能で確保しないと成り立たないですか?

中途の採用がとくに厳しい状況ですね。アルバイトはいますが社員がいない、という現状があります。飲食業界はどこもそうかなとも思いますが。

弊社では昨年度から特定技能での採用にさらに力を入れることを決めました。今期末で、特定技能だけでも200名程度の方を抱えることになります。来年度もすでに70名ほど入社が決まっています。ワタミグループ(外食)の中では、来年度は特定技能の方が300名ほどに増えることになります。

またワタミグループのセンター(工場)にも、すでに特定技能の方が500名くらいはいます。ですから特定技能だけでも、1,000人を越す規模も見えてきていますね。

ーー外国籍の方の中で、キャリアを順調に登っている方はいますか?

昨年9月に行われた、特定技能2号の試験に受かっている方が何名もいます。今年も1月に試験を受けた方が2名、「外食業」の特定技能で2号を取得しました

弊社では専門のプログラムを組んでいて、社内でどのように教育していくか決まっています。ランクが上がれば、もちろん応じて時給が上がります。2号を取得するには副店長と同じくらいの業務がもとめられ、衛生管理、在庫管理、発注などもできる能力が必要です。

特定技能2号が始まってからは、まだ日が経っていません。ですが社内ですでに5名が取得しています。2019年に特定技能制度が始まりましたが、5年が経ち今回「1期生」が5名も出たのは、特定技能での採用が順調にいっている証拠かなと思います。

ーー特定技能2号を取得した、1期生のモチベーションは高いですか?

高いですね。たとえば受かった人がベトナム出身の方なら、わたしからは「あなたがベトナムのリーダーだよ」と伝えてます。今後さらに人が増えていくと、こういうリーダー的な存在がますます大切になると思います。

彼らと話していると「もっともっと勉強したい」「日本で長く働いて、長く暮らしたい」というのがすごくわかりますね。特定技能2号のあとには、もし大学に行けば技人国ビザへの道も開かれてきます。中にはキャリアを上がっていく方法として、特定技能制度を捉えている方もいると思いますね。

ーー外国の方は日本人と価値観が違う部分があると思いますが、マネジメントする上で気にしていることはありますか?

自分の価値観だけで、ものごとを判断しないように心がけています。つねに向こうの立場に立ち、「もし自分が海外にやってきて、彼らと同じことをするとしたらどうだろう?」と想像するようにしています。

尊敬がまず大前提ですね。そして一生懸命な子はもちろん応援したいです。わたしができることで解決できることがあれば、もちろんやってあげたいとも思っています。

店舗の店長たちも、多くがわたしと似た気持ちだと思います。わたしたちの業界だと今や外国人と関わりがない人はほぼいません。弊社には彼らと自然とコミュニケーションを取って、おたがいに成長し合える環境があると思います。

ーー御社で働く上で理想とする人物像はありますか?

元気で、明るくて、笑顔が多いといいですね。あとは本人が努力してくれる人かどうかが大切です。

もちろん外国籍の方と、わたしたちには文化的な違いもあるかもしれません。ですが遅刻した場合などでも「なぜ遅刻するのがダメなのか」をしっかりと伝えることが大事だと思います。

「ルールを破っているから注意する」とかではなく、「何かあったのではないかと心配になるよね」とか、日本人はどう考えるかをしっかり伝えれば、おたがいに理解が深まっていきます。

ここからはわたしの個人的な考えになりますが、やはりわたしたちの仕事では人の思い出に関わることがとても大事だと思います。たとえば誰かが、弊社のお店を選んで初めて来てくれたときに、またつぎの機会に「またあそこがいいよね」と選んでもらえることがすごく大切だと思います。

ですからそれを実現するために、どれだけいい接客できるのか、どれだけ美味しい料理を提供できるのか、どれだけお得だと感じてもらえたか、お客さまに気持ちいい空間を提供できたか。こういう意識を持って働くことで、思い出に残るお店になれると思っています。

ーー外国人採用自体は、今後も拡大していく予定ですか?

そうですね。どんどん拡大していく流れになっています。

 

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鈴木 雄真(スズキ ユウマ)さま

TGIフライデーズ お台場アクアシティ店  ゼネラルマネージャー

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ーー御社では特定技能にも力を入れているとお聞きしました

この1週間で、ちょうどこちらの店舗にも2人特定技能の方が入りました。合計で3名こちらにいます。

中でも前からいる方はレベルが高くて、ホールでも全然働ける語学レベルです。コミュニケーション面ではほとんど問題ないですよ。

ーーこちらの店舗では、外国人の方の比率はどのくらいですか?

現在では約半分は外国籍の方です。わたしがこちらの店舗に配属されて1年くらい経ちますが、10名くらい増えたと思います。

ーー外国人の方をマネジメントされる上で困ることはありますか?

ちゃんと話せば伝わるんですが、忙しい中で一瞬で伝えようとするときに、伝わらないことはあります。後日しっかり説明して振り返りをすれば、全然問題ないですが。

あとは文化の違いですかね。どうしても悪いところに目がいきがちですが、わたしとしてはいいところを見つけてほめて、ポジティブなコミュニケーションをすることが大切だと思っています。
「まじめに働いてくれる」「作った料理が完璧」とか、ほめられる部分は多いです。ポジティブな言葉をかけてあげられれば、いいコミュニケーションができて、彼らのモチベーションも上がります。

あと個人的に気をつけているのは、やはり日本人と外国人を区別することなく、公平に接することだと思いますね。

ーー店舗の中で特に活躍されている外国人の方はいますか?

そうですね。特定技能で最初からいる方はすごく有能で、ホールもできますし、キッチンも全部のポジションができます。今後はステップアップでバーテンダーに挑戦しようとしていますよ。

もちろん英語での接客もできるので、外国人の方の接客では助かります。わたしも英語での細かいニュアンスの注文はわからないことがあるので、そういうときは通訳として助けてもらっています。

ーー定着率を高く保つために、気をつけていることはありますか?

そうですね、新人の頃はとくにトレーニングをしっかりとすることでしょうか。フライデーズはトレーニング・システムがしっかりしていて、コーチというアルバイトのメンバーがいます。ホールだと5日間くらい研修期間があり、マンツーマンでコーチングをやってくれるので、定着率もある程度いいのかなと思っています。

ーーなるほど。今回は貴重なお話しを聞かせていただき、ありがとうございました。