K-POPや韓国ドラマ、韓国料理など、韓国の文化は日本でも広く親しまれています。
言葉や生活スタイルが日本と似ている部分も多いため、日本での生活にすぐなじみ、職場で活躍している人も多いでしょう。

一方で、見た目や使う言語が似ているからといって、考え方や人との接し方まで同じとは限りません。とくに性格や人間関係の築き方には、韓国ならではの特徴がある場合もあります。

この記事では、韓国人に多く見られる性格の傾向を紹介しながら、仕事や日常生活の中でうまく関わるためのヒントもあわせてお伝えしていきます。

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目次 [非表示]

日本の在留外国人の中で、韓国人は第3位!

日本に住む韓国人

日本に住む外国人の中で、韓国人は3番目に多い国籍です。長く日本社会に根づき、安定した生活を送っている人も多く見られます。

まずは、韓国人の在留者数や在留資格の傾向、そして働き方の特徴について見ていきましょう。

日本に住む韓国人の数

法務省の統計によると、2024年末時点で日本に在留する韓国人は40万9238人です。中国、ベトナムに次いで、在留人数としては第3位にあたります。
ここ数年は少し減ってきているものの、多くの韓国人が日本で暮らしていることに変わりはありません。

居住地としては、東京都がもっとも多く、約9万3000人が住んでいます。続いて大阪府が約8万7000人、兵庫県が約3万4000人です。都市部に多く集まる傾向はありますが、それ以外の地域でも「永住者」として生活に根づいている人がたくさんいます。

日本に住む韓国人の在留資格

韓国人が持つ在留資格の割合(最新データ)

韓国人の多くは「身分に基づく在留資格」を持っています。なかでも「特別永住者」の割合が高く、約25万人がこの資格で日本に暮らしています。
これは、ほかの国から来た外国人と比べても、かなり大きな割合です。

それ以外にも「技術・人文知識・国際業務」といった働くためのビザや「留学」「配偶者」など、目的に応じたさまざまな資格で日本に滞在しています。
近年は、日本企業でのキャリアアップを目指し、来日する若い韓国人も増えてきました。

日本で働く韓国人の数

厚生労働省の調査によると、2024年10月末時点で日本で働いている韓国人の数は7万5003人となっています(※特別永住者を除く)

働く業種を見ると「卸売・小売業」がもっとも多く、次いで「情報通信業」や「飲食サービス業」などが続きます。販売や接客の仕事に加えて、ITスキルや語学力をいかした職種で活躍する人が増えているようです。

韓国ではICT教育が早くから進められていて、プログラミングやデジタル分野に強い若者が多く育っています。
そのため、日本語が堪能で専門的なスキルを持つ韓国人が、IT企業や国際部門、マーケティング分野などで活躍するケースも目立ち始めています。

参考:出入国在留管理庁 令和6年末現在における在留外国人数について
参考:厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)

韓国人の性格的な特徴

韓国人と接していると、話し方や考え方が日本人とは少し違うと感じることがあります。
その背景には、育った環境や家庭のあり方、社会で大切にされてきた価値観が関係しているようです。

ここでは、韓国人に多く見られる性格の特徴を7つに分けて紹介していきます。

1. ハッキリとした物言いを好む

韓国では、自分の考えを率直に伝えることが大切にされています。
遠まわしな表現よりも、はっきりと「イエス」か「ノー」を伝えるほうが誠実だと考えられており、その姿勢が信頼につながるとされているからです。

日本のように、相手の気持ちを察して言葉を選ぶ文化に慣れていると、言い方が強く感じられることもあるかもしれません。ただし、韓国では「本音を隠さずに伝えること」が礼儀とされる場面も多くあります。
ビジネスの場面では、結論や提案を端的に伝えるスタイルが好まれることもあるでしょう。

2. 感情表現が豊かでリアクションが大きい

喜びや驚きなどの感情を、素直に表す人が多いのも韓国の特徴です。感情を共有することで相手との距離を縮めようとする姿勢は、親しみやすさにつながっています。
話をしているときの表情やジェスチャーがわかりやすく、リアクションも大きいため、会話が弾みやすいと感じる人も多いでしょう。
その一方で、感情が高ぶりやすい面もあるため、仕事では落ち着いた対応を意識すると良い関係を築きやすくなります。

3. 年齢や上下関係を重んじる

韓国軍の兵役・軍事訓練の画像

韓国では、年上の人を敬うという考え方が、文化として深く根づいています。
現在は、宗教としての儒教はあまり信仰されていませんが、その影響は今も礼儀や人づきあいに残っていると言えるでしょう。

たとえば、初対面で年齢をたずねたり、年上の人に対しては必ず敬語を使ったりと、上下関係を意識した行動が自然に身についています。
こうした姿勢は、職場でもよく見られますが、近年は年齢に関係なく意見を伝え合える環境を求める若者も増えてきました。

4. 仲間意識が強く、身内にやさしい

韓国人の仲良しチーム

韓国語では「私たち」のことを「ウリ(우리)」と表現します。
これは、個人よりも集団を意識する文化があることを表しており、仲間に対してとても親身になる人が多いのが特徴です。

たとえば、困っている同僚にすぐ声をかけたり、まわりの体調の変化に気づいたりと、思いやりのある行動が自然に表れます。そのため、職場でもチームの一体感を大切にし、同僚との信頼関係を重視する傾向があるようです。

5. 世話好きで情に厚い

韓国の人は、身近な人を気づかい、相手のことを自分ごとのように考える人が多いです。
これは家族や友人だけでなく、仕事関係の相手に対しても同じで、親身になって接する姿勢がよく見られます。

ときには「少し踏み込みすぎかな?」と思うほど関わろうとすることもありますが、それは相手を大切に思っている気持ちの表れです。こうした好意には、感謝の気持ちを伝えることで、おたがいの信頼が深まりやすくなります。
一度つながった縁を大事にし続ける人が多いのも、韓国人の特徴のひとつです。

6. 結果や優劣を意識しやすい

韓国では、子どものころから厳しい受験や競争を経験する人が多く「成績」や「順位」などを強く意識する文化があります。
そのため、努力して成果を出すことにやりがいを感じる人も多く、目に見える評価がある環境では力を発揮しやすい傾向があります。

ただし、人と比べられる場面ではストレスを感じやすくなることもあるため、接し方には配慮が必要です。評価を重んじる姿勢は、努力を大切にする価値観とも結びついています。

7. 繊細さや気配りも持ちあわせている

韓国の人は、率直に意見を伝えるだけでなく、まわりの空気を読む繊細さも持っています。
たとえば、目上の人の表情から気持ちを察して動いたり、さりげなく相手を気づかう言葉をかけたりすることがよくあります。

「思いやり」と「正直さ」が両立しているところが、韓国人の魅力のひとつと言えるでしょう。
まわりの様子をよく見て行動できるため、チームのまとめ役としての活躍も期待できる人材です。

韓国の文化的な特徴

韓国人のふるまいや考え方には、社会全体で共有されてきた文化や価値観が大きく影響しています。
ここからは、韓国社会に根づく特徴的な文化や生活習慣を、7つの視点から紹介していきます。

1. 学歴社会と激しい競争環境

学校の授業

韓国では、名門大学に進学できるかどうかが将来を大きく左右すると考えられており、受験への競争がとても厳しいです。
高校生の多くは夜遅くまで塾や自習室で勉強し、大学入試当日はリスニング中に飛行機の離着陸が一時停止されるほど、社会全体が試験に集中します。

このような環境で育った人は、努力や結果を重視し、自分を高めようとする意識が強い傾向にあります。就職においても学歴が重視されるため、社会人になってからも学びを続ける人が少なくありません。

2. 「パリパリ文化」=スピード重視

韓国では「빨리빨리(パリパリ/早く早く)」という言葉に象徴されるように、スピード感を大切にする文化があります。
飲食店の提供時間や宅配の速さだけでなく、仕事でも即決や素早い返信が好まれる傾向が見られます。

そのため、日本のように慎重な準備や段取りを重視する文化とは違いが出やすく、すれ違いが生まれることもあるでしょう。スピードを武器とする一方で、丁寧な確認が必要な場面では、双方の理解と歩み寄りが必要です。

3. コリアンタイムと時間感覚の違い

韓国では、日常生活の中で「コリアンタイム」と呼ばれる独特の時間感覚が根づいています。約束の時間より5〜10分程度遅れることを気にしない人も多く「少し遅れても問題ない」という考えが一般的です。

ただし、近年はビジネスの場面において時間を守る意識が強まってきており、状況に応じた対応ができる人も増えています。
予定を伝えるときに「〜ごろ」や「〜前後」といったあいまいな表現が使われることもあるため、大切な予定の前には確認をとっておくと安心です。

4. SNSや流行に敏感

SNSをチェックする若者

韓国は世界でもトップクラスのSNS利用率を誇っており、若者を中心にトレンドや情報の広がりが非常に早いのが特徴です。ファッションや美容、カフェなどの流行はSNSで一気に拡散し、あっという間に全国へ広がっていきます。

こうした感度の高さは、消費の動きや価値観にも影響しており、韓国人のライフスタイルの一部になっています。
また、記念日や日常の出来事をSNSでシェアする文化も根づいており、ちょっとした出来事を投稿する人が多いようです。

5. 礼儀作法やマナーを重んじる

年齢や上下関係を大切にする韓国では、目上の人への配慮や礼儀を意識したふるまいが重視されています。たとえば、年上の人とお酒を飲むときは、正面を向かずに体を少しそらし、口元を手で隠して飲むのが一般的です。

また、食事の際には目上の人より先に箸をつけないといった作法も、今も多くの場面で見られます。敬語にもさまざまな種類があり、場面に応じて使い分けることが求められるようです。
こうした礼儀は日常生活だけでなく、ビジネスの場でも重要なマナーとして根づいています。

6. スマホ中心の生活スタイル

スマートフォンを操作する韓国人

スマートフォンの利用が非常に進んでいる韓国では、生活の多くがスマホを中心に成り立っています。
カカオトークやNAVERといった韓国独自のアプリが広く使われており、メッセージや通話、支払いまですべてスマホで完結するのが当たり前です。

こうした背景から、韓国ではITリテラシーが高く、情報収集やタスク管理も効率的にこなす人が多くなっています。電車内や飲食店でもスマホを使う姿が日常的に見られ、生活や仕事のスピード感にもつながっているといえるでしょう。

7. 周囲の目を気にする傾向がある

韓国では「他人からどう見られるか」を意識する文化が強く、身だしなみや言動に気を配る人が多く見られます。
「恥をかかないように行動する」という考え方は、社会の秩序や礼儀を支える土台となっており、協調性の高さにもつながっています。

その一方で、人と比べられることにストレスを感じる人もおり、まわりの目を気にしすぎないようにする配慮も必要です。外見やふるまいを通じて「しっかりした人」と思われることが重視されており、自己表現の仕方にも工夫がこらされています。

韓国人を雇用するメリット

韓国人は、日本の職場文化になじみやすいといわれており、採用後もスムーズに適応できるケースが多く見られます。
ここでは、日本企業が韓国人を雇うことで得られる代表的なメリットを5つ紹介します。

1. 日本語力が高く、やり取りがスムーズ

韓国語と日本語は、語順や表現方法が似ている部分が多く、韓国人にとって日本語は習得しやすい言語とされています。
実際、JLPT(日本語能力試験)のN2以上を取得して来日する人も多く、日常会話はもちろん、ビジネスの場でも問題なく対応できる人材が多数います。

また、アニメやドラマ、J-POPなど日本の文化に親しみを感じている人が多く、日本語の勉強に前向きに取り組める環境が整っているのも理由のひとつです。

2. スピード感と柔軟性がある

韓国には「パリパリ文化(빨리빨리)」と呼ばれる、スピードを重視する考え方があります。そのため、仕事でも即断即決や迅速な対応が得意な人が多く、変化の多い職場でも力を発揮しやすいといえるでしょう。

とくにスタートアップ企業やIT分野のように、スピード感が求められる現場では、韓国人の特性が強みとして生きてきます。

3. チームワークを大切にし、責任感がある

韓国では、集団の一員として協力しながら行動することが大切にされています。そのため、職場でもまわりとの関係を大事にしながらチームで働くスタイルを好む人が多いです。

さらに、自分に任された仕事には真面目に向き合い、しっかり責任を持って取り組む姿勢が評価されています。こうした真面目さは、日本の職場文化とも相性が良いといえるでしょう。

4. 日本の職場文化に早くなじみやすい

日本と韓国は、地理的にも文化的にも距離が近く、生活やマナーに共通点が多くあります。そのため、韓国人は他の国の人と比べて、日本の職場になじむまでの時間が短いと感じられることも多いです。

たとえば、接客や身だしなみへの意識など、日本で求められる基本的なルールにも早く対応できるのが特徴です。
日本での留学や就労経験を持つ人も多く、即戦力として活躍できる人材がそろっています。

5. 専門性と語学力を兼ね備えた人材もいる

韓国ではIT教育が盛んで、若い世代を中心にプログラミングやWeb系のスキルに長けた人が多く育っています。
さらに、英語教育にも力が入れられているため、日本語・韓国語・英語の3言語を使いこなせる人も珍しくありません。

こうした語学力と専門性を活かして、貿易・国際営業・マーケティングといったグローバルな仕事を担う人材としても期待されています。

参考:JASA 韓国におけるIT人材の状況と日韓交流の可能性

韓国人と仕事をするうえでのポイント

韓国人と一緒に働くとき、文化や考え方の違いから、ちょっとした誤解が生まれることがあります。
ただし、あらかじめポイントを押さえておけば、日々のコミュニケーションや信頼関係づくりをスムーズにすることも十分可能です。

ここでは、職場でよく見られる考え方の違いや、うまく付き合うためのヒントを紹介します。

1. スピード重視の姿勢には方向づけが効果的

韓国では「早く進めること」が良いとされており、仕事でも即決や迅速な対応が好まれる傾向があります。そのため、日本のように丁寧な準備や根回しを重視する進め方は、遠回りに感じられることがあるようです。

スピード感のある行動は大きな強みですが、確認不足によるミスを防ぐためには「ここは慎重に進めよう」といった考え方を共有しておくことが大切です。
あらかじめ方針を明確にしておくことで、衝突を避けながら持ち味を活かすことができるでしょう。

2. 年齢や役職に対する敬意を忘れない

上下関係を大切にする文化の影響で、韓国の人は年上や上司への言葉づかいや態度にとても敏感です。たとえば、上司より先に意見を述べたり、くだけた口調で話したりすると、失礼だと受け取られる場合があります。

日本ではフラットな関係性が広がってきていますが、韓国人スタッフと接するときは、基本的な礼儀を守ることが信頼の第一歩になります。
相手への敬意を忘れずに接することで、安心して働ける関係が築かれていくでしょう。

3. 感情表現の豊かさをネガティブに受け取らない

韓国の人は感情をストレートに表す傾向があり、会話中のリアクションも大きめです。そのため、驚いたり不満を伝えたりする場面では「怒っているのかな?」と感じることがあるかもしれません。

ただし、多くの場合は感情の動きが表に出やすいだけで、相手を否定するつもりはありません。
こうした価値観の違いを理解しておけば、過度に気にすることなく、率直な対話がしやすくなるはずです。

4. 評価や成果には具体的なフィードバックを

韓国では、成果をどう評価されているかを気にする人が多く、あいまいな言い回しでは伝わりづらいことがあります。
「よかった」だけでは不十分な場合もあり「〇〇の工夫が良かった」「以前よりここが成長した」といった具体的な言葉が効果的です。

どこを評価しているかを明確に伝える姿勢は、相手のモチベーションに直結します。小さなフィードバックでも、信頼を積み重ねるきっかけになるでしょう。

5. チーム意識を尊重した声かけを意識する

韓国の人は、仲間とのつながりを大切にし、チームで動くことにやりがいを感じる人が多くいます。その一方で、個人の役割を強調しすぎると、少し冷たく感じられてしまうこともあります。

業務の分担は明確にしつつも「一緒にがんばろう」や「みんなで取り組もう」といった声かけを意識すると、より良い関係が築きやすくなります。
小さな気づかいが、職場の一体感を生み出すきっかけになるはずです。

さいごに

韓国人の性格や文化的な背景を知っておくことで、職場や日常のコミュニケーションがよりスムーズになります。
たとえば、率直な物言いや感情表現の豊かさ、年齢や上下関係を重んじる姿勢など、日本とは少し違った価値観にふれる場面もあるでしょう。

こうした違いに戸惑うのではなく、「そういう考え方もあるんだ」と受け止めることが大切です。
相手の行動の理由や背景を理解しようとする姿勢が、すれ違いを減らし、信頼関係を築くきっかけにつながっていきます。

文化の違いは、分かり合うことで新たな強みに変わります。多様な個性が活きる職場づくりに、ぜひ今回の内容を役立ててみてください。

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韓国人をはじめとする外国籍の社員と働く中で、「伝えたつもりだったのに伝わっていなかった」「いつの間にか離職につながっていた」と感じた経験はないでしょうか。
こうしたすれ違いの多くは、本人の性格や能力だけが原因ではなく、職場の伝え方や関わり方に左右されることがあります。

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