日本の英語力は世界で何位? 「EF EPI(EF 英語能力指数)」からわかる世界の英語力の推移を徹底解説します!
「EF 英語能力指数(EF EPI, EF English Proficiency Index)」とは、Education Firstという機関が毎年出している国別の英語力ランキングに使われる指標のことを言います。
本年度のEF EPIは、英語が母国語の国を除いた世界116か国および地域の18歳以上が対象となり、約210万人が受験しました。そのランキングが先日公開され、日本は116か国中92位でかなり下位という結果になっています。
本記事では、ランキングの詳細と世界全体で見た英語力の推移について解説していきます。
世界ランキング
EF EPIが非常に高い国
順位 | 国名 | EF EPIスコア |
1位 | オランダ | 636 |
2位 | ノルウェー | 610 |
3位 | シンガポール | 609 |
4位 | スウェーデン | 608 |
5位 | クロアチア | 607 |
6位 | ポルトガル | 605 |
7位 | デンマーク | 603 |
8位 | ギリシャ | 602 |
9位 | オーストリア | 600 |
EF EPIが高い国
順位 | 国名 | EF EPIスコア |
10位 | ドイツ | 598 |
11位 | 南アフリカ | 594 |
12 位 | ルーマニア | 593 |
13位 | ベルギー | 592 |
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28位 | アルゼンチン | 562 |
29位 | キプロス | 558 |
30位 | ナイジェリア | 557 |
31位 | スイス | 550 |
EF EPIが標準的な国
順位 | 国名 | EF EPIスコア |
32位 | 香港特別行政区 | 549 |
33位 | ホンジュラス | 545 |
34位 | ジョージア | 543 |
35位 | ベラルーシ | 539 |
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58位 | グアテマラ | 507 |
59位 | ニカラグア | 505 |
60位 | ドミニカ共和国 | 503 |
61位 | バングラデシュ | 500 |
EF EPIが低い国
順位 | 国名 | EF EPIスコア |
62位 | イラン | 499 |
63位 | エチオピア | 498 |
63位 | ベトナム | 498 |
65位 | トルコ | 497 |
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89位 | クウェート | 456 |
90位 | カーボベルデ | 456 |
91位 | 中国 | 455 |
92位 | 日本 | 454 |
EF EPIが非常に低い国
順位 | 国名 | EF EPIスコア |
93位 | ミャンマー | 449 |
94位 | パレスチナ | 448 |
95位 | アフガニスタン | 447 |
95位 | マラウイ | 447 |
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113位 | ルワンダ | 401 |
114位 | コートジボワール | 399 |
114位 | ソマリア | 399 |
116位 | イエメン | 394 |
日本の英語力
世界ランキングからもわかるように、日本は116か国中92位で、英語力が低い国という位置づけになっています。アジアでの順位は23か国中16位で、こちらも下位となっています。
また、EF EPIスコアから見ても、「EF EPIが低い国」という区分では最下位となっており、「EF EPIが非常に低い国」とほとんど違いがなくなっています。2011~2015年までは、500台のスコアを記録していましたが、近年では下がる一方となっています。
本年度のEF EPIは、前回と比べると3下がっていて、全世界の平均スコアである477とは23の差があります。
男女格差はあまり開いておらず、女性が458、男性が450と女性がわずかに上回っている形となっています。
地域別EF EPI(高い順)
順位 | 地域 | EF EPIスコア |
1位 | 関東 | 482 |
2位 | 関西 | 477 |
3位 | 四国 | 468 |
4位 | 北海道 | 461 |
5位 | 九州・沖縄 | 454 |
6位 | 中部 | 448 |
7位 | 中国 | 444 |
8位 | 東北 | 440 |
EF EPIが高い都市TOP9
順位 | 都市 | EF EPIスコア |
1位 | 東京 | 496 |
2位 | 大阪 | 488 |
3位 | 川崎 | 482 |
4位 | 横浜 | 476 |
5位 | 京都 | 467 |
6位 | 神戸 | 441 |
6位 | 福岡 | 441 |
8位 | 名古屋 | 439 |
9位 | 広島 | 435 |
世界の英語力の推移
世界全体の英語力は4年連続で低下しており、今年は60%の国が昨年より低いスコアとなりました。各国で見るスコアの変動は少ないですが、世界的に英語力への向上心がなくなってきていることを示しています。
昨年と比べて最も低下した地域はアジアです。主にインドが低下の要因となっており、中国も影響を与えています。
ラテンアメリカも英語力が停滞している地域の1つです。ブラジル、エルサルバドル、キューバは10ポイント以上低下しています。ただ、メキシコは数年続いた低下からわずかに回復し、ウルグアイとコロンビアは成長を続けています。
中東の平均英語力は昨年最下位を脱出し、着実に成長しています。過去10年間ゆっくりと向上してきましたが、本年度のサウジアラビアの18~25歳の伸びが最も大きく、今後が期待されます。
アフリカは全体平均スコアは上がりましたが、国別で見ると、スコアが低下した国の方が多いという結果になりました。
ヨーロッパの英語力は依然として高いですが、若干の低下を見せています。10ポイント以上スコアが伸びた国はなく、過去4年間の英語力の低下幅は、主にEU加盟国が原因となっています。
英語力の男女格差
昨年と比較すると、女性の英語力は横ばいでしたが、男性の英語力は低下しており、世界的な英語力の男女格差は縮小しています。若い世代での格差が最も大きく、年齢が上がるにつれて差が縮まっています。
世界で最も男女格差が大きく、男性の英語力が高い国には、アジアのアフガニスタン、キルギス、スリランカ、ラテンアメリカのほぼ全ての国が含まれます。その次に大きい国は、ヨーロッパのスカンジナビア、チェコ、ブルガリアがあります。
反対に、アフリカでは女性の英語力の方が高い傾向にあります。特に、エチオピアの男女格差は女性のスコアが男性のものよりも58ポイント高いという結果になりました。
おわりに
英語力は、将来の可能性を測る指標となります。自身の選択肢を増やすためにも、高い英語力を身につけておくことをおすすめします。