この記事では外国人労働者の実態について政府の発表している『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ』で示されているデータをもとに外国人労働者の実態について詳しく解説します。

外国人労働者の実態を徹底解説!

上記グラフの通り、日本で働く外国人は基本的に増加の傾向がつづいています。
2012年の68万人から、10年後の2022年には182万人に増加しており、東京、大阪、愛知などの都市圏を中心にますます外国人が増えていく傾向があります。

日本の労働力人口は5,975万人なので、日本で働くひとのうちおよそ3%がすでに外国人ということになります。

少子高齢化にともなって日本の労働人口の減少は著しく、毎年50万から60万人ほど減っていきます。
今後は外国人労働者が日本の産業にとって重要な戦力になるのはほぼまちがいがないことであり、「やさしい日本語対応」を行うことや、「外国人採用」へ注力していくことが、企業にとっては非常に重要になっていくでしょう。

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日本で働く外国人の在留資格は?

専門的・技術的分野の在留資格

26%を占めるのが、「専門的・技術的分野の在留資格」です。
語学力や技術力を生かして、特定の職種のみで就労が許可されるかたちで働いている外国人の方がこの資格に分類されます。

学校や英会話教室の教師、外国料理店で働く方、エンジニアなどです。
特定の職種であれば働き方には制限がないため、日本人と同様に正社員としてフルタイムで働く方が多いです。

特定活動

全体の4%を占めるのが「特定活動」です。
この在留資格に属するのはほとんど「ワーキングホリデー」のひとたちといわれています。
ワーキングホリデーは日本で一定期間の休暇をすごし、その期間の生活費を補うために就労する制度のことです。
基本的には就労する職種の制限はありません。多くの方は飲食店や小売店舗などで働いているようですね。

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技能実習

全体の18%を占めています。5年前は全体の23%だったことから、割合としてはすこしずつ減っています。
技能実習生を受け入れを決めた、特定の企業のみで就労が許可されます。

こちらの制度を上手に使っている企業も多かったですが、一方で自分たちの都合だけを考えて劣悪な環境で働かせる企業も一定数存在していました。
世界からも批判の対象になっている制度であり、現在はべつの制度へと移行が進んでいます。

資格外活動

全体の18%を占めるのが「資格外活動」です。
これに相当するのは、在留資格「留学生」や「家族滞在」の方。
一般的に、週28時間の制限のもとで働く方です。

とくに留学生は日本語学校で学んでいたり、大学の日本人コミュニティで生きた日本語を吸収していることが多く、アルバイト・パートタイムとして即戦力になります。
飲食店やコンビニエンスストアで働く外国人は、この「資格外活動」であることが多いといわれています。

身分に基づく在留資格(身分系)

「永住者」「定住者」「日本人配偶者等」「永住者の配偶者等」の方がこの身分系(みぶんけい)と呼ばれる在留資格を持つ方で、就労制限がなく生活も自分たち自身でできているためほとんど日本人と同じです。

とくに「永住者」「定住者」は日本で一定期間生活しており、日本語レベルが高く、文化的にも日本の常識を知っています。当然ながらさまざまな職業に就いています。

こちらの身分系外国人をもっとも多く登録しているのが弊社です。初めて外国人採用をされる方はぜひ一度ご連絡いただければと思います。

日本で働く外国人の出身国は?

外国人労働者の出身国は1位がベトナム、2位が中国、3位フィリピン
やはり地理的にも近いアジアの国が7割以上を占めています。

中国人は日系2世、3世の割合が高いことが特徴。すでに日本社会に溶け込んでいる人が多いです。

対年増加率でいうと、インドネシア、ミャンマー、ネパールの方が多いです。中国や韓国などは減少していることも覚えておきましょう。

ベトナム人留学生の中には、日本の大学や専門学校で学んだあとに日本での就職を希望する人も多いです。ベトナム人の増加傾向は近年かなり顕著ですが、今後もつづくと考えられます。

日本で働く外国人の住んでいる場所は?

外国人を雇用する事業所数は、都道府県べつでみると東京が25%、愛知が8%、大阪も7.8%程度です。
対年増加率だと長崎は12%程度の増加、高知が11.4%、大分でも10%以上も増えています。

関東圏ではどんどん外国人が増えていますが、地方にも多くの外国人がすでに住んでいます。
しかし都心でも地方でも、まだまだ外国人採用を考えている企業数が少なく、就業場所が限られています。

優秀な人材が欲しいという方は、ぜひ外国人採用を検討してみてはいかがでしょうか?

日本に在住する外国人はどんな仕事をしている?

産業別に外国人の就労状況をみると、「卸売業務・小売業(55,712所)」「宿泊業・飲食サービス業(42,896所)」「製造業(53,026所)」がトップ3になっています。

国籍別・産業別に見ると、ブラジル、ベトナム、インドネシア、ペルー、フィリピン、ミャンマーでは、「製造業」がもっとも高い割合です。

わたしたちが外国に行ったときにも、やはり同じ国民同士でネットワークを作って仕事をリファラルで紹介することがありますが、外国人ももちろん同様です。
地域や業界ごとに偏りがあるのも、リファラル(口コミ)の影響が大きいからであるといえると思います。

わたしたちも国民の中に多様性があり、仕事に向き不向きがありますが、他国でも状況は同じです。「建設業に向いている」「製造業に向いている」国籍などはとくにありません。
どのような職場であっても、本人の資質を見てあげることが大切だといえるでしょう。

 

 

事業所の規模別でみると従業員数が「30人未満」の企業の割合がもっとも高いです。全体の60%を占めています。
外国人を雇用している事業所数は全体的に増加傾向。
とくに「30人未満」の企業は前年比で5.4%増で、もっとも大きな増加率です。

規模の大きくない事業所ほど、日本人のみを採用し事業をつづけるのが難しくなっており、採用の範囲を広げています。
外国人採用は中小企業の人材確保のソリューションの中でも、もっとも有力なもののひとつといえるでしょう。

まとめ | 在留外国人の動向はつねにチェック!

外国人労働者の実態について把握できましたか?
将来的には日本国内で事業をする上では、かならず日本にいる外国人居住者の力が必要になってきます。企業としても英語学習に力を入れたり、やさしい日本語でのコミュニケーションを取るといった変化も必要でしょう。

今後とも在留外国人の動向はつねにチェックしておきましょう!