【シリーズ】マレーシア人は英語が話せるの?

多民族国家であるマレーシアは、何語が話されているのでしょうか?マレーシアの外務省のデータによると民族的には、約7割が先住民族などを含めたマレー系、2割が中国系、残りがインド系が含まれているとしてます。
国で使用されてる言語も、メインは「マレー語」ですが「中国語(広東語・福建語)」「タミル語」も使用されているとのこと。そして何よりも、世界共通語である「英語」も準公用語として使用されていて、マルチリンガルな国と言えるでしょう。
そんなマレーシアの英語のレベルは、非英語圏の英語力の指標となっているEF EPI (Education First , English Proficiency Index)にて88ヶ国中、22位。(日本は49位)アジアでは、フィリピンに注ぐ第2位のレベルです。今回は、そんなマレーシアでの英語の位置付けや、英語教育などマレーシアの英語に関して紹介していきます。
目次
マレーシア人は小さい頃から英語が話せる?
マレーシアは小学生1年生の頃から、英語の勉強がスタートします。さらにそれを見越して、幼稚園・保育園でも始まることが多いようです。日本では、2020年から小学3年生から英語が必修となることが騒がれていますが、対照的にマレーシアでは6,7歳から本格的に英語を学び始めています。英語に触れる年齢が、日本と比較してもかなり早いですよね。
具体的には、どれくらいのレベル感なのでしょうか? こうしたハイレベルな英語力の背景から、教育まで詳しく解説していきます。
マレーシアをまずはおさらい
マレーシアは東南アジア諸国連合(ASEAN)の加盟国であり、人口は約3000万人、国土は日本の0.9倍の33㎢と日本よりも一回り小さな島国です。
1957年にイギリスから独立、65年にシンガポールがマレーシアか独立し、現在の形となりました。現在は他のアジア諸国と同様に経済発展を遂げている国です。民族は多民族国家で、主にマレー系、中華系、インド系が大半を占めています。人種によって話す言語は様々ですが、皆共通して英語を話すことができるといわれています。
宗教は、イスラム教がが最も多く、他にも仏教やヒンドゥー教など様々。ざっくりとまとめると、「熱帯地域に位置するヨーロッパや、東アジア、インドなど多くの文化的影響が混ざり合った国」のようです。
マレーシアの英語教育とは?
では、具体的にどんな教育方法なのでしょうか。マレーシアの英語教育を語る前にはまず、マレーシアの歴史を知らなければいけません。マレーシアは元々は、イギリスの植民地化にある国でした。1957年にイギリスから独立したマレーシアは、マレー語を公用語として教育等も転換点を迎えました。こうして一時期は、英語でなくマレー語での教育がメインであったものの、近年はグローバル化人材育成へのニーズから再び英語教育に力を入れています。
イギリス統治時代のマレーシア小学校では、マレー語と英語の2言語教育が行われていましたが、イギリスからの独立後はマレー語重視の教育に変わり、英語の教育水準は低下しました。その後、時代の流れから英語教育の重要性が再認識され、2004-2012年には、小学校での算数や理科などの理数科目を英語で教えることが義務付けられ、現在では英語もしくはマレー語で選択して授業を受けられる仕組みになっています。
なお、マレーシアの小学校では英語の4技能のうち、主に低学年では「スピーキングとリスニング」を、高学年では「リーディングとライティング」に重点を置いて授業が行われているようです。日本人では読み書きに重点が行くのに比べて、バランスが整った教育カリキュラムですね。
マレーシア人の英語は訛りがあるの?
アジアの中では、ハイレベルな英語教育のマレーシアですが、ネイティブに比べて訛りはあるのでしょうか?マレーシア英語の訛りや、英語圏へ留学する留学生について探っていきましょう。
一般的には…
マレーシアはイギリスの統治下であったことから、イギリス訛りの綺麗な英語だと思われがちですが、実際はそうではありません。多民族国家なので、それぞれの民族の母語が反映された訛りだとされてます。
例えばマレー系であれば、マレー語由来から来ていてパ行やチャ行が多く聞こえる。また、中国系であれば、中国語がそのまんま英語になったような感じ。などそれぞれの民族によってかなり英語の訛りが反映されていることが多いです。特に、インド系の訛りは「タミル語やヒンドゥー語」の訛りがかなり反映されており、独特な巻き舌での発音が、日本人からすると聞き取りづらいことがあります。
こうした民族間によって異なる英語の訛りが、マレーシア英語の特徴といえるでしょう。
留学生も多い?
マレーシアでは、日本と同様でアメリカやイギリスなどの英語圏に留学する人がとても多いです。
マレーシアは元々、1981年に日本の集団主義と勤労倫理を学べというルックイースト政策を打ち出し、日本への留学生が多い国です。現在でも、政府のスポンサーを受けて、マレーシア教育機関にて日本語や基本技術を習得し、日本の国公立大学や一部の私立大学に編入・留学している現状です。
しかし近年になるにつれて、経済成長著しい中国や欧米への留学が急増。2016年に発表されたユネスコの調査では、マレーシア学生の留学先のうちの上位3位はイギリス、オーストラリア、アメリカとなっています。この3カ国だけで全留学生の約65%を占める人気です。
日本でも欧米諸国が人気なので、かなり近い割合になってきているといえます。また、こうした欧米諸国に留学経験のある学生は、先述の英語の訛りも少なく、日本人にも馴染みのあるネイティブに近い英語を喋ります。
日本で働くマレーシア人は英語ペラペラ?
日本で働くマレーシア人のメリットとしては、何といっても高い英語力です。TOEICのスコアは800点以上が当たり前で、日本語よりも英語でのコミュニケーションが得意としています。
そのため、ビジネスの中でも商社やエンジニアといった、比較的英語を使うシーンの多い仕事で人気です。
マレーシア人が多い業種は?
近年では、マレーシア人向けに日本企業の求人がたくさん存在します。ネットや、エージェントなど多くの求人方法があります。その中で、マレーシア人が多い業種にはどんなものがあるでしょうか。
求人サイトを見てみると最近は製造・メーカーや、貿易関係など、様々な職種での募集がありますが、一番人気の業種はIT・システム系のエンジニアです。スマートフォン向けのアプリ開発や、AI、Fintech系など、最近日本でも伸びてきている業界・業種にて海外人材の人気があるようです。
一方マレーシア人にとっても、日本で就職するメリットは大きいため、まずマレーシア人学生などもまず日本への就職を希望する人が多いそうです。日本企業は研修が充実していたり、初任給もマレーシアと比較して何倍も高く、技術力も高いなどさまざまな理由があります。
マレーシア人は英語が話せるか徹底検証してみました
今回はマレーシアでの英語の特徴や英語教育などに関して、またマレーシア人のキャリアに関して紹介しました。
多民族国家でありながら、準共通語として多くの人が英語を喋ることができるマレーシア。日本も人口減少によって、外国人労働者が増えていくとされています。今後は、高校や大学といった留学生としてだけでなく、日本企業に就職することで、会社の中でも接する機会が増えていくことでしょう。
そんな時にぜひ、彼らと英語でコミュニケーションを取ってみてはいかがでしょうか。