【求人倍率2.4倍】飲食業の求人応募が集まらない原因と解決策
ホールスタッフや調理スタッフの人手不足に悩む飲食店は、全国にたくさんあります。常に求人を出しているのに、思うように応募が集まらないと感じているお店も多いのではないでしょうか。
この記事では、なぜ飲食業の求人に応募が集まりにくいのかを分かりやすく解説します。
さらに、業界で行われている対策や、採用につなげるための新しい工夫についても、最新データをもとに紹介していきます。
目次
飲食業の採用難易度は全産業平均の2倍!

2025年8月時点の統計によると、全産業の有効求人倍率(実数)は1.18倍でした。
一方で、飲食業の主要な職種である「飲食物調理従事者(厨房・調理)」は2.37倍、「接客・給仕職業従事者(ホール・配膳・接客)」は2.42倍となっています。
つまり、飲食業では他の業種に比べておよそ2倍の「人材の取り合い」が起きているということです。
※補足:季節要因を取り除いた「季節調整値」では同月1.20倍となっています(冒頭のグラフ)。この記事では職業別の倍率が公表されている「実数」で統一して比較しています。
「厨房・調理」と「ホール・配膳」は全国平均よりも明らかに高い
前述したとおり、厨房は2.37倍、ホールは2.42倍と、どちらも全産業の平均1.18倍を大きく上回っています。
この数字は、求職者1人あたりの求人件数が多く、採用がむずかしい職種であることを意味します。
とくにホールは接客のニーズが常に高く、厨房は生産量や営業時間に直接関わるため、求人が出やすい傾向があります。
その結果、同じエリア・同じ時間帯でも、飲食業の募集はなかなか埋まりにくい状況が続いているのが現実です。
応募が集まりにくいと感じやすい背景
まず前提として、飲食業は全体的に求人倍率が高く、もともとの条件が厳しめです。
同じエリア内でも、求職者1人を複数の店舗で取り合う構造になっているため、似た条件の募集が並ぶと応募が分散しやすくなります。
さらに、勤務地や時間帯、時給といった条件が似通いやすいのも飲食業の特徴です。
求人サイト上で同じような募集が並ぶと、求職者の目が分かれてクリック率が下がり、結果的に応募数も伸びにくくなります。
つまり「応募が来ない」と感じるのは、数字が示す市況の厳しさに加え、求人の見せ方が似てしまうことが原因といえるでしょう。これは単なる印象ではなく、データにも裏づけられた傾向です。
参考:厚生労働省 一般職業紹介状況(令和7年8月分)について
賃上げしても応募が増えにくい理由は?
飲食業の採用では、「時給を上げたのに応募が増えない…」という状況がよく見られます。
では、なぜこのようなことが起きるのでしょうか。その理由を順に見ていきましょう。
物価上昇で「必要ライン」が上がっている

ここ数年の物価上昇によって、求職者が「これくらいは欲しい」と感じる金額が高くなっています。
2024年の全産業の平均賃金はおよそ33万円ですが、宿泊・飲食サービス業に限ると約27万円と最も低い水準です。
このため、時給を少し上げた程度では生活の実感があまり変わらず、検索や応募といった行動にもつながりにくいのが現状です。
物価の上昇や他業種との比較が常に意識されるため、時給だけで応募の決め手になるケースは減っています。
飲食業は時給が横並びに見えやすい
同じエリアや時間帯の求人では、時給の水準が似通いやすい傾向があります。
求人サイト上で並ぶと、わずかな金額差が目立ちにくく「どれも同じ」に見えてしまうこともあります。
その結果として、応募者は「休みの取りやすさ(シフトの融通)」「通勤のしやすさ(駅からの距離)」「仕事内容(ホール中心かキッチン中心か)」といった具体的な条件を重視して選ぶ傾向が強まっています。
シフト制だから「実際の収入」が読みづらい

飲食業ではシフト制が基本のため、働く時間によって月の収入が変わります。
そのため求職者は、時給そのものよりも「どれくらいの時間入れるのか」「どの時間帯に働けるのか」といった点を重視して判断します。
このように、名目の時給よりも実際に得られる金額が大切にされる構造が、応募の決まりにくさにつながっています。
お金以外の安心感が最後の決め手になる
最終的な応募の判断では、通勤のしやすさや休みの取りやすさ、仕事の負担感、終電に間に合うかどうかなど、お金以外の安心感が大きく影響します。
これらの条件があいまいだと応募をためらいやすく、逆に明確であれば、同じ時給でも「ここで働きたい」と感じてもらいやすくなります。
このような理由が重なり、単に時給を上げるだけでは応募が増えにくい状況が生まれているのです。
飲食業でも広がる「外国人採用」という選択肢

日本で働く外国人は、2024年10月時点で230万2,587人にのぼり、過去最多を更新しました。前年から約25万人の増加で、ここ数年でとくに伸びが目立ちます。
在留資格の内訳を見ると、「専門的・技術的分野」で働く人がはじめて最も多くなり、働き方の幅が広がっていることがわかります。
飲食業でも、キッチンやホールの人手確保を目的に、外国人を採用する企業が少しずつ増えてきました。
事業所・労働者ともに右肩上がりで増加
最新のデータでは、外国人を雇用する事業所も、実際に働く人の数も右肩上がりで増えています。
全体では事業所数が34万2,087か所にのぼり、そのうち「宿泊業・飲食サービス業」は4万8,922か所まで拡大しました。
外国人労働者数は前述のとおり230万2,587人で、前年比12.4%増と過去最多を記録しています。
なかでも「宿泊業・飲食サービス業」は27万3,333人で、前年比16.9%増と全体平均を上回る伸びを見せています。
つまり、飲食業では「受け入れる側」も「働く側」も増えており、外国人採用が現場でより身近な存在になりつつあります。採用の選択肢としての存在感は、年々大きくなっているといえるでしょう。
「もう始めている会社」と「まだの会社」で生まれる差
数字が示すように、飲食業での外国人採用はすでに一般的な動きになりつつあります。
その中で差がつくのは、「始めているかどうか」だけでなく、どれだけ受け入れの準備が整っているかという点です。
たとえば、求人票に「配属(ホール・キッチン)」や「日本語レベルの目安」が明記されている、在留資格ごとの就業範囲を整理している、衛生や安全の手順を共有しているなど、基本の仕組みを整えている店舗は、応募から面接、入社までの流れがスムーズに進みやすくなります。
一方で、準備が不十分なまま募集を出すと、ミスマッチや辞退が起こりやすく、結果として「応募が来ない」と感じるケースも少なくありません。
周囲の企業が着実に体制を整え始めている今、小さくても早く動くことで、採用面での差を広げずにすむ可能性が高まります。
参考:厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)
【飲食業×外国人採用】今日からできる実務の工夫

外国人の採用を始めるために、特別な準備は必要ありません。求人票・集客・面接・配属・衛生の5つを少しずつ見直すだけで、応募数や定着率はぐっと上がりやすくなります。
ここでは、現場で今日から取り入れられる採用の工夫を、実務に沿って紹介します。
求人票は翻訳ではなく再設計から
応募者が最初に目にするのは求人票です。ここで仕事内容、日本語の目安、初月の流れがはっきりしていると、応募者は自分の姿をイメージしやすくなります。反対に、情報があいまいだと不安が残り、クリック率や応募率が下がりやすくなります。
まずは、求人票の最初の3行で安心感をつくりましょう。
ポイント
- 業務範囲を明確にする:ホール・キッチン・洗い場・清掃を分けて書く
- 日本語レベルの目安を示す:接客ありはN3、厨房中心はN4など
- 初月の流れを簡潔に:1週間ごとに覚える内容を一行ずつ書く
- 在留資格でできる仕事を明示する:OK・NGを簡潔に先に伝える
集客は1つに絞らず、複数の経路で進める
応募者を安定して集めるには、求人媒体だけに頼らないことが大切です。1つの媒体に集中すると、季節やキャンペーンの影響を受けやすく、応募数が不安定になります。
一方で、学校・地域コミュニティ・社員紹介など複数の経路を同時に動かすと、少しずつでも確実に応募の入口が広がります。
ポイント
- 日本語学校や専門学校へPDF形式の求人票を送る
- SNSや地域の外国人向けコミュニティで情報を共有する
- 社員紹介制度を活用して紹介の輪を広げる
面接は「型」で不安をなくす
面接は、企業と応募者のどちらにとっても不安を減らすための場です。
言葉のやりとりだけでなく、実際に少し仕事を体験してもらったり、店内を案内したりすることで、応募者は職場のイメージを具体的に描けるようになります。
また、結果をできるだけ早く伝えることも、応募者の気持ちを前向きにする大切なポイントです。
ポイント
- 実技チェック:盛り付け1皿、手袋の着脱、簡単な指示の理解を確認する
- ロールプレイ:注文の復唱や温度帯の確認を往復で試す
- 職場見学:導線・更衣場所・まかない・終電時刻を案内する
- 当日合否:基準表を用意し、その場で結果を伝える
配属と育成は「段取り表」で見える化する

入社後の流れが見えると、本人も安心して仕事を始められます。初日から1か月までのスケジュールを1枚の紙で示すだけで、覚える順番や評価のタイミングが共有しやすくなります。
やることが明確になれば、教える側も教わる側も迷わずに進められるでしょう。
ポイント
- 初日:ルール・衛生確認、見学、基本動作の説明
- 3日目:担当範囲を少し広げ、短い振り返りを行う
- 1週間:落ち着いた時間帯に一部を単独で任せる
- 1か月:繁忙時間の一部を担当し、到達度を確認する
衛生と安全は「言葉に頼らない仕組み」でそろえる
衛生は飲食店の信頼を支える基本です。口頭で説明するだけでなく、写真・イラスト・色分けなどを使って視覚的に統一すると、誰でも同じ動きができるようになります。
このような仕組みが整うと、教育の手間が減り、ミスも起きにくくなるでしょう。
ポイント
- 衛生手順は写真や掲示で統一する
- 道具は色分けして使い分ける
- 交換や清掃の基準は掲示で明示する
- 多言語マニュアルを用意して確認しやすくする
外国人採用の費用対効果と実績を整理!
飲食業で外国人を採用する企業は、ここ数年で急速に増えています。
Guidableでも導入企業がこの5年間で大きく伸び、現場で役立つノウハウが数多く蓄積されました。
ここからは、実績の概要と費用面での強み、そして成功につながる基本の仕組みを紹介します。
導入企業は過去5年で56倍に増加

Guidableを活用して外国人採用を行う飲食店は、過去5年間で56倍に拡大しました。
応募を集める段階から、面接、受け入れ準備までを一貫してサポートしており、多くの企業で成果が出ています。
また、成功事例だけでなく、つまずきやすいポイントや改善のコツも整理しています。くわしく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。担当チームが個別にご案内いたします。
▼ Guidable Jobsで外国人採用を成功させた飲食店の事例はこちら!
採用単価は約40%圧縮できる見込み

一般的に、日本人の正社員を採用する場合、1人あたりの採用コストが100万円近くかかると言われています。
一方、Guidableを利用した飲食業での正社員採用では、平均58.8万円と約40%抑えられる水準です。
※根拠:就職白書および民間調査の平均値をもとにGuidable編集部が算出/飲食業に関するGuidable実績を抽出して整理
アルバイトやパートの採用では、さらにコストを抑えやすく、短期間で多くの人を採用するケースにも対応しています。
また、SNS広告と組み合わせて応募者を増やし、面接代行(設定・日程調整・当日案内・合否連絡)まで一括でサポートするため、採用までの流れがはやく応募者とのやり取りもスムーズに進みやすいのが特長です。
外国人採用におけるGuidable独自のメソッド
同じ求人媒体に同じ内容を掲載しても、成果が伸びないことがあります。
Guidableでは、外国人採用に特化した独自のメソッドをもとに、次の基本を押さえて運用しています。
- 応募数を増やすための求人の書き方
- 大手求人サイトとの効果的な併用バランス
- 掲載前に確認すべき注意点
- 国籍や文化の違いを理解するための考え方
- 面接時に確認しておくべきチェック項目
- 採用後の受け入れや研修の進め方
業態や地域別の成功事例、採用単価の内訳、運用テンプレートなどもご用意しています。
気になるテーマがあれば、1つからでもご相談いただけますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
さいごに
この記事では、飲食業が求人を出しても応募が集まりにくい理由や、企業が実際に行っている工夫、そして新しい採用の方法について紹介してきました。
いま、日本では少子高齢化と人口減少が進み、人手不足が年々深刻になっています。
このような環境の中で店舗を続けていくには、テクノロジーを活用した業務の効率化にくわえ、従来のやり方にとらわれない新しい採用の仕組みを取り入れることが大切です。
もし「求人を出しても応募が少ない」「人手が足りなくて困っている」と感じている方は、ぜひ外国人採用の専門サービス「Guidable Jobs」にご相談ください。
あなたのお店に合った採用方法を、一緒に考えていきましょう。
飲食業で即戦力を見つけにくいと感じていませんか?
初めて外国人を採用する際、「本当に定着してくれるだろうか」「言葉の壁は大丈夫だろうか」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
ガイダブルジョブスでは、実際に外国人採用を成功させた飲食業の事例をまとめた資料をご用意しています。教育や受け入れ体制の工夫、採用コストの比較など、すぐに現場で役立つ内容です。今の採用活動を見直すきっかけとして、ぜひチェックしてみてください。

