日本の介護業界は、少子高齢化の急速な進展に伴い、深刻な人材不足に直面しています。国内における労働力人口の減少も相まって、介護サービスの需要拡大に供給が追いつかない状況が続いており、多くの介護事業所にとって人材確保は喫緊の経営課題となっています。

このような背景から、外国人材の受け入れは、介護現場の安定的な運営とサービス品質の維持・向上を図る上で、ますます重要な選択肢となっています。

本記事では、介護分野における外国人採用をご検討中、または既に進めていらっしゃる企業の採用担当者様に向けて、公的な最新データをもとに、外国人介護人材の現状と今後の展望について解説します。

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日本の介護業界における人手不足の現状

介護分野における人手不足の深刻さは、各種データからも明らかです。厚生労働省の発表によると、介護分野の有効求人倍率は他の産業と比較しても高い水準で推移しており、人材確保の困難さを示しています。

例えば、2024年の介護サービス職種の有効求人倍率は3.84倍となっており、これは全職種の平均1.13倍を大きく上回っています。

さらに、厚生労働省は「第8期介護保険事業計画にもとづく介護職員の必要数について」において、2025年度末には約243万人、2040年度末には約280万人の介護職員が必要になると推計しています。

現状のまま推移した場合、将来的に数十万人規模での供給不足が見込まれており、この需給ギャップを埋めるための方策が急務となっています。

参照:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業別)」、厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について

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介護業界で働く外国人の推移

最新データ:介護分野で活躍する外国人の総数

厚生労働省のデータによれば、介護分野で就労する外国人の数は年々増加傾向にあります。2023年10月末時点で、特定技能の在留資格で介護業務に従事する外国人は約3万人、経済連携協定(EPA)にもとづく介護福祉士候補者は約6,400人などとなっています。

これらの在留資格以外にも、身分にもとづく在留資格(永住者、定住者など)の方や、介護福祉士の資格を持つ留学生なども介護現場で活躍しています。

過去からの推移:増加傾向とその背景

外国人介護職員の数は、ここ数年で顕著な増加を見せています。特に、2019年4月に創設された在留資格「特定技能」は、介護分野での外国人材受け入れの門戸を大きく広げました。

深刻な人手不足を背景に、介護現場からの強いニーズがあること、そして政府が外国人材の受け入れ促進策を講じていることが、この増加の主な要因と考えられます。

例えば、特定技能制度においては、一定の専門性と技能を持つ外国人に対して、最長5年間の就労が認められており、介護業務全般に従事することが可能です。また、EPAにもとづく受け入れも継続的に行われており、候補者は日本の国家資格である介護福祉士の取得を目指しながら実務経験を積んでいます。

主な在留資格と国籍の内訳

介護分野で働く外国人の在留資格は多岐にわたりますが、代表的なものとしては前述の「特定技能」「EPA介護福祉士候補者」「技能実習」があげられます。このほか、「介護」の在留資格を持つ介護福祉士もいます。

国籍別に見ると、アジア諸国からの人材が多くを占めています。特にベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、ネパールなどからの出身者が多い傾向にあります。これは、これらの国々と日本との間で経済連携協定が結ばれていることや、送り出し機関の整備が進んでいることなどが背景にあると考えられます。

参照:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数」、厚生労働省「EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れについて

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なぜ今、介護業で外国人採用が注目されるのか?

介護分野で外国人採用が注目され、積極的に進められている背景には、いくつかの重要な理由があります。

人手不足解消

第一に、国内の労働力だけでは対応しきれない深刻な人手不足解消への貢献が期待されている点です。高齢化が一層進む中で、介護サービスの需要は増え続ける一方、若年層の労働力人口は減少傾向にあります。この構造的な課題に対応するため、外国人材は不可欠な存在となりつつあります。

政府による受け入れ強化

第二に、政府による外国人材受け入れ支援策の強化が挙げられます。特定技能制度の創設や運用改善、EPAを通じた受け入れ枠の確保など、国として介護分野への外国人材導入を後押しする姿勢が明確になっています。これにより、企業側も以前に比べて計画的に外国人採用を進めやすくなりました。

日本での労働の魅力

第三に、外国人材側の日本での就労意欲の高まりと介護分野への関心です。日本の介護技術や知識、労働環境に関心を持つ外国人は少なくありません。特にアジア諸国では、自国でも高齢化が進展しており、日本で習得した介護スキルを母国で活かしたいと考える人もいます。

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外国人介護人材はますます重要な存在に

今後の受け入れ人数の見通しと予測

政府は、介護分野における外国人材の受け入れ目標数を設定するなど、引き続き積極的な姿勢を示しています。例えば、特定技能制度全体においては、今後5年間で82万人の受け入れを目指すといった目標が掲げられています。

高齢化のさらなる進行と介護ニーズの増大を考慮すると、外国人介護職員の数は今後も増加していく可能性が高いと言えるでしょう。

外国人材がもたらす介護現場への多様な価値

外国人材は、単なる労働力不足の解消にとどまらず、介護現場に多様な価値をもたらす可能性を秘めています。異なる文化背景を持つ人材が加わることで、職場内の活性化や新たな視点の導入が期待できます。また、利用者にとっても、異文化に触れる機会や、多様な価値観を理解するきっかけとなり得ます。

グローバル化が進む現代において、多様性を受け入れる組織文化の醸成は、企業の持続的な成長にも繋がるでしょう。

おわりに

深刻な人手不足に直面する日本の介護業界において、外国人材は今や欠かすことのできない貴重な戦力です。

今後もその重要性は増していくと考えられ、外国人材が働きやすい環境を整備し、彼らと共に質の高い介護サービスを提供していく体制を構築することが、介護事業の持続的な発展に不可欠と言えるでしょう。

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