【2025年最新】在留カード申請とは?採用担当者が押さえるべき全知識

外国人材の採用がますます重要となる中、採用ご担当者様にとって避けては通れないのが「在留カード」に関する諸手続きです。
特に「申請」手続きは、採用の成否やコンプライアンスに関わる重要なプロセスとなります。
本記事では、在留カードの「申請」に特化し、採用フローの各段階で直面する疑問や必要な手続きを、行政機関の情報を基に分かりやすく解説します。
最新情報を確認し、外国人採用を円滑に進めるための一助となれば幸いです。
【この記事でわかること】
- 在留カード「申請」の基本的な種類と重要性
- 採用フローの各シーン(採用決定前~内定時、海外在住者の採用、国内在住者の採用)における具体的な「申請」手続きと企業側の対応
- 「申請」に必要な書類や情報収集の方法
- 「申請」手続きにおけるトラブル事例と予防策
Guidable Jobsのサービス概要資料のダウンロードはこちら>>
目次 [非表示]
なぜ外国人採用で「在留カードの申請」が重要?採用担当者の疑問を整理
まず、外国人採用において「在留カードの申請」がなぜ重要なのか、基本的な定義と合わせて確認しましょう。
在留カードの「申請」とは何を指すのか?
在留カードは、日本に中長期間在留する外国人に交付されるもので、氏名、在留資格、在留期間などが記載された法的身分証明書です。
(参照:出入国在留管理庁「在留カードとは?」)
企業が外国人採用において関わる主な「申請」手続きには、以下のようなものがあります。
- 在留資格認定証明書交付申請: 海外にいる外国人を日本に呼び寄せて雇用する場合に必要な手続きです。この証明書を基に、本国の日本大使館・領事館で査証(ビザ)の発給を受け、来日後に空港等で在留カードが交付されます。
(参照:出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」) - 在留資格変更許可申請: すでに日本に在留している外国人(例:留学生、他の企業で就労していた方など)が、現在の在留資格では許可されていない就労活動を行うために、新たな在留資格へ変更する際に必要な手続きです。
(参照:出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」) - 在留カードの交付(新規学卒者等): 例えば、日本の大学等を卒業した留学生を採用し、在留資格変更許可申請が認められた場合などに、新しい在留カードが交付されます。
本記事では、主にこれらの企業が関わる「申請」手続きを中心に解説します。
なぜ企業がこの手続きを把握する必要があるのか?
企業が在留カードの「申請」手続きを正確に把握することは、以下の理由から極めて重要です。
- 法的リスクの回避:
- 不法就労助長罪の防止: 就労が認められない在留資格の外国人を雇用したり、許可された範囲を超えて就労させたりした場合、企業側も不法就労助長罪に問われる可能性があります(出入国管理及び難民認定法 第七十三条の二)。
適切な申請手続きと在留カードの確認は、このリスクを避けるための基本です。
(参照:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」)
- 不法就労助長罪の防止: 就労が認められない在留資格の外国人を雇用したり、許可された範囲を超えて就労させたりした場合、企業側も不法就労助長罪に問われる可能性があります(出入国管理及び難民認定法 第七十三条の二)。
- 採用活動の円滑化:
- 申請手続きには一定の期間を要します。採用計画に合わせてスムーズに手続きを進めることで、入社時期の遅延などを防ぎ、円滑な受け入れが可能になります。
- コンプライアンスの徹底:
- 適法な外国人雇用は、企業の社会的責任であり、信頼性にも繋がります。
これらの理由から、採用ご担当者様は在留カードの「申請」手続きについて正しい知識を持つことが不可欠です。
【採用フロー別】在留カード「申請」が必要となるタイミングと手続き
外国人採用のフローにおいて、在留カードの「申請」手続きはどのタイミングで、どのように関わってくるのでしょうか。
シーン別に解説します。
シーン1:採用決定前〜内定時確認すべきこと
- 現有の在留資格と在留期間: 応募者がすでに日本に在留している場合、まず在留カードの記載内容を確認し、現在の在留資格、在留期間満了日を把握します。
- 就労の可否:
- 在留カード表面の「就労制限の有無」欄を確認します。「就労不可」と記載されている場合(例:「留学」「家族滞在」など)、原則としてそのままでは雇用できません。
- 「留学」や「家族滞在」の資格を持つ外国人がアルバイトとして働く場合は、「資格外活動許可」を得ているかを確認する必要があります。在留カード裏面の「資格外活動許可欄」で確認できます。ただし、許可されている時間は週28時間以内などの制限があります。
(参照:出入国在留管理庁「資格外活動の許可(入管法第19条)」)
- 職務内容との適合性: 現在の在留資格で、貴社が任せたい職務内容に従事できるかを確認します。例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ方が、単純作業とみなされる業務に主に従事することは原則として認められません。
必要な場合がある手続き:就労資格証明書の活用採用予定の外国人が持つ在留資格で、貴社での就労が可能かどうかを事前に法務大臣に確認できる「就労資格証明書」という制度があります。
これは任意の手続きですが、企業にとっては適法性を確認でき、外国人本人にとっても転職時などにスムーズな手続きが期待できるメリットがあります。
- 企業側のメリット: 採用前に就労可否を公的に確認できるため、不法就労のリスクを低減できます。
- 申請者: 外国人本人またはその代理人(企業が代理人となることも可能)
- 申請先: 地方出入国在留管理局
(参照:出入国在留管理庁「就労資格証明書交付申請」)
シーン2:海外在住者を採用決定後
海外に居住する外国人を採用し、日本に呼び寄せる場合は、「在留資格認定証明書」の交付申請が最初のステップです。
手続き:在留資格認定証明書交付申請この証明書は、外国人が日本で行おうとする活動が、特定の在留資格に該当するものであることを法務大臣が事前に認定するものです。
- 申請者: 原則として外国人本人ですが、日本国内にいる受入れ機関の職員(企業の採用担当者など)が代理人として申請を行うことが一般的です。
- 申請先: 受入れ機関(企業)の所在地を管轄する地方出入国在留管理局。
- 企業の役割と準備:
- 申請書類の準備: 申請書、受入れ機関に関する資料(会社案内、登記事項証明書、直近の決算文書の写しなど)、雇用契約書の写し、本人に関する資料(学歴・職歴を証明する書類など)を準備します。必要な書類は、予定される在留資格や企業のカテゴリー(規模などにより4つのカテゴリーに分類されます)によって異なります。
- カテゴリーについては、出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」内の各在留資格別のページで確認できます。
- 雇用条件の明確化: 雇用契約書等で、職務内容、給与、労働時間などの雇用条件を明確に定めます。これは審査においても重要なポイントです。
- 申請書類の準備: 申請書、受入れ機関に関する資料(会社案内、登記事項証明書、直近の決算文書の写しなど)、雇用契約書の写し、本人に関する資料(学歴・職歴を証明する書類など)を準備します。必要な書類は、予定される在留資格や企業のカテゴリー(規模などにより4つのカテゴリーに分類されます)によって異なります。
- 本人への指示(証明書交付後):
- 在留資格認定証明書が交付されたら、それを本人に送付します。
- 本人は、その証明書とその他必要書類を、自国の日本大使館・領事館に提出し、査証(ビザ)の発給を受けます。
- 査証が発給された後、日本に入国する際に、主要な空港(成田、羽田、中部、関西など)では在留カードが交付されます。その他の空港・海港から入国した場合は、後日、市区町村への届出後に郵送で交付されます。
シーン3:国内在住者を採用決定後(在留資格変更が必要な場合)
すでに日本に在留している外国人(例:留学生、転職者)を採用し、現在の在留資格では予定している業務に従事できない場合、「在留資格変更許可申請」が必要です。
手続き:在留資格変更許可申請
- 申請者: 原則として外国人本人です。企業は申請に必要な書類の準備をサポートする形となります。
- 申請先: 外国人の住居地を管轄する地方出入国在留管理局。
- 企業のサポート範囲と注意点:
- 職務内容と在留資格の整合性: 最も重要なポイントです。例えば、留学生が「留学」の在留資格から「技術・人文知識・国際業務」などの就労可能な在留資格に変更する場合、大学等での専攻内容と、企業で従事する職務内容との関連性が審査されます。
- 必要書類の準備サポート: 企業側で用意する書類(会社案内、登記事項証明書、雇用契約書の写し、理由書など)を準備し、本人に提供します。本人も申請書や学歴・職歴証明書などを準備します。
(参照:出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」内の各在留資格別のページ) - 申請のタイミング: 原則として、新たな活動(就労)を開始する前に行う必要があります。
- 転職者の場合: 同一の在留資格(例:「技術・人文知識・国際業務」)で転職する場合でも、前職と同様の活動が継続できるか、入管当局に確認することが望ましい場合があります。その際に「就労資格証明書」が役立つこともあります。
「外国人材とのコミュニケーションの課題を解決する方法」を無料ダウンロード>>
【書類・情報収集】在留カード「申請」手続きで企業が準備すべきこと
正確かつ迅速な「申請」手続きのためには、適切な情報収集と書類準備が不可欠です。
どこで最新情報を得るか?
在留資格や申請手続きに関する情報は、法改正や運用の変更などにより変わることがあります。
必ず最新の公式情報を確認してください。
- 出入国在留管理庁ウェブサイト:
- 各種手続き案内: https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/index.html
- 申請様式のダウンロード: 同ウェブサイト内の各申請ページから入手可能です。
- 外国人在留総合インフォメーションセンター: 電話や訪問による相談が可能です。多言語に対応しています。
- 地方出入国在留管理局: 直接窓口で相談することも可能です(予約が必要な場合あり)。
「申請」で企業が準備する主な書類例必要な書類は、申請の種類、外国人の状況、企業のカテゴリー、予定される職務内容などによって大きく異なります。
ここでは一般的な例を挙げますが、必ず個別のケースに応じて出入国在留管理庁のウェブサイトで確認してください。
- 共通的に求められることが多い企業の書類:
- 会社案内、パンフレット等
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書など)
- 直近年度の決算報告書(貸借対照表、損益計算書の写しなど)
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
- 雇用契約書の写し(職務内容、雇用期間、地位、報酬、労働時間などを明記)
- 採用理由書(なぜその外国人を採用する必要があるのかを具体的に説明)
- 業種・職種によって特に求められる書類例:
- 建設業: 建設業許可証の写し、現場の写真など
- 飲食業(調理師など「技能」ビザの場合): 店舗の図面、メニュー、調理師としての実務経験を証明する書類など
- 特定技能: 特定技能雇用契約書の写し、1号特定技能外国人支援計画書など(分野により異なる)
(参照:出入国在留管理庁「特定技能制度」)
効率的な書類準備と申請の進め方
- チェックリストの活用: 出入国在留管理庁のウェブサイトで提供されている申請別の必要書類リストを確認し、独自のチェックリストを作成して漏れを防ぎましょう。
- 早めの準備: 書類の収集や作成には時間がかかるものもあります。採用計画が決まったら、速やかに準備を開始しましょう。
- 記載内容の正確性: 提出する書類の内容は全て正確である必要があります。誤りや虚偽の記載は不許可の原因となるだけでなく、企業が法的責任を問われる可能性もあります。
- 事前相談の検討: 不明な点や複雑なケースの場合は、事前に地方出入国在留管理局や専門家(行政書士など)に相談することを検討しましょう。
- 提出前の最終確認: 全ての書類が揃っているか、記載内容に不備はないか、署名・押印漏れはないかなどを複数人で確認することをお勧めします。
在留カード「申請」トラブルシューティングと予防策
慎重に準備を進めても、予期せぬトラブルが発生することもあります。よくある事例と予防策を理解しておきましょう。
よくある不許可・不交付事例とその原因
- 職務内容と在留資格の不整合:
- 例:「技術・人文知識・国際業務」で申請したが、実際の職務内容が主に単純作業であると判断された。
- 予防策:申請する在留資格の活動範囲を正確に理解し、職務内容がそれに合致することを具体的に説明できるようにする。
- 立証資料の不足・不備:
- 例:学歴や職歴の証明が不十分、企業の安定性・継続性を示す資料が不足している。
- 予防策:出入国在留管理庁が求める書類を正確に提出する。必要に応じて補足資料も準備する。
- 申請者(外国人)の過去の在留状況の問題:
- 例:過去にオーバーステイや資格外活動違反などがあった。
- 予防策:採用選考の段階で、可能な範囲で在留状況についてヒアリングする(ただし、プライバシーには十分配慮する)。
- 虚偽申請:
- 絶対にあってはならないことですが、事実と異なる内容で申請した場合、不許可はもちろん、企業も厳しい処分を受ける可能性があります。
- 予防策:常に真実に基づいて申請を行う。
審査長期化の要因と対策
- 書類不備・追加資料提出指示: 提出書類に不備があったり、審査の過程で追加の資料提出を求められたりすると、審査期間が長引くことがあります。
- 対策:提出前の入念な確認。追加資料提出の指示があった場合は、速やかに対応する。
- 申請の集中時期: 年度末や新学期前など、申請が集中する時期は審査に時間がかかる傾向があります。
- 対策:可能な限り、余裕を持ったスケジュールで申請を行う。
- 複雑な案件: 転職回数が多い、専門性が高度であるなど、審査に時間を要する案件もあります。
採用予定者とのコミュニケーションの重要性
申請手続き中、採用予定の外国人は不安を感じやすいものです。
- 進捗状況の共有: 定期的に申請の進捗状況を伝え、企業としてサポートしている姿勢を示すことが大切です。
- 質問への対応: 外国人からの質問には誠実に対応し、不安を軽減するよう努めましょう。
- 入社までのプラン共有: 許可が得られた後の入社までのスケジュールや準備についても、事前に共有しておくとスムーズです。
「外国人材とのコミュニケーションの課題を解決する方法」を無料ダウンロード>>
まとめ:在留カード「申請」をマスターし、外国人材の活躍を支援する
外国人採用における在留カードの「申請」手続きは、一見複雑に感じるかもしれません。
しかし、正しい知識を持ち、一つ一つのステップを丁寧に進めることで、必ず円滑な受け入れが実現できます。
重要なポイントの再確認
- 最新かつ正確な情報収集: 必ず出入国在留管理庁の公式情報を確認する。
- 職務内容と在留資格の整合性: 企業が最も注意すべき点の一つ。
- 書類準備の徹底: 不備なく、正確な書類を準備する。
- 採用予定者との連携: スムーズなコミュニケーションを心がける。
適法かつ適切な「申請」手続きは、外国人材が安心して日本で能力を発揮し、貴社で活躍するための第一歩です。
本記事が、その一助となれば幸いです。外国人採用に関する手続きは多岐にわたります。
継続的に情報をアップデートし、必要に応じて専門家のサポートも活用しながら、外国人材との素晴らしい出会いを実現してください。
在留カード申請の次は、採用成功の具体策を!
今なら、実際の企業事例から学ぶ「外国人採用の成功事例」を無料配布中!
様々な企業の取り組みと成果から、貴社の外国人採用戦略のヒントを発見してみてください。
[Guidable Jobs(ガイダブルジョブス)へのお問い合わせはこちら]
外国人採用ハンドブックを見てみる⇒資料はこちらから