大使館は原則として相手国の首都に置かれ、国を代表して相手国政府と交渉する外交の拠点です。総領事館(領事館)は主要都市に置かれ、担当地域に住む自国民の保護や、パスポート・ビザの発給などの領事業務を担います。
日本で働く外国人がパスポートの更新や本国の証明書を取るときは、自国の駐日大使館や総領事館を利用します。

この記事では、領事館と大使館それぞれの役割と違い、外国人採用で大使館・総領事館が関わる場面を、採用担当者向けに解説します。

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領事館とは?何ができる?

領事館は、相手国の主要都市に置かれ、担当する地域に住む自国民の保護や、パスポート・ビザの発給などの「領事業務」を行う機関です。規模の大きいものは「総領事館」と呼ばれ、トップは総領事です。

領事館でできること

領事館のおもな業務は次のとおりです。

領事館のおもな業務

  • パスポートの発行・更新:自国民のパスポート更新や、紛失・盗難時の再発行を行います。
  • ビザの申請・発給:自国へ渡航する外国人に、渡航目的に応じたビザを発給します。
  • 緊急支援・保護:事件・事故・災害に巻き込まれた自国民や、旅行・出張中の自国民を支援し、必要に応じて帰国を手助けします。
  • 届出・証明:出生・婚姻・死亡などの届出の受理や、各種証明書の発行を行います。
  • 在外選挙の支援:海外に住む自国民が本国の選挙で投票できるよう手続きを支えます。
  • 情報提供:現地の安全情報や法律・制度に関する情報を自国民に提供します。

大使館とは?何ができる?

大使館は、原則として相手国の首都に置かれ、その国に対して自国を代表する機関です。トップは特命全権大使で、相手国政府との交渉や連絡、政治・経済の情報収集、広報文化活動を担います。自国民の生命・財産を守ることも重要な任務です。

大使館でできること

大使館のおもな業務は次のとおりです。

大使館のおもな業務

  • 外交交渉・政府間の連絡:条約や政策について相手国政府と交渉・協議し、両国政府の連絡窓口になります。
  • 情報収集・分析:相手国の政治・経済などの情報を集め、本国に報告します。
  • 広報文化・経済交流:文化イベントの開催や貿易・投資の促進を通じて、両国の関係を深めます。
  • 自国民の保護:事件・事故・災害のときに自国民を支援し、避難や帰国を手助けします。
  • パスポート・ビザの発給:大使館もパスポート(旅券)やビザ(査証)の発給を行います。就労ビザも、日本大使館または総領事館で申請します。

(参照:外務省 在外公館の仕事/総務省 在外公館に関する行政評価・監視 結果に基づく勧告/外務省 就業査証)

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領事館と大使館の共通点は?

領事館と大使館の共通点のイメージ

領事館と大使館は、どちらも自国民や自国へ渡航する人を支える在外公館です。共通する業務は次のとおりです。

領事館と大使館に共通する業務

  • ビザの発給:自国へ渡航する外国人のビザは、大使館でも総領事館でも扱います。どちらに申請するかは、住んでいる地域によって決まります。
  • パスポート・証明の手続き:自国民のパスポート再発行や、出生・婚姻などの届出を扱います。
  • 自国民の保護:犯罪や災害に巻き込まれた自国民を支援します。

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領事館と大使館の違いは?

領事館と大使館は、役割と設置場所、相手国政府との関わり方が異なります。

主な目的の違い

大使館は国家間の外交を担当し、相手国政府とのやりとりを行う機関です。一方、領事館は自国民の保護やパスポート・ビザの発給など、より実務的な領事業務を目的としています。

設置場所の違い

大使館は原則として相手国の首都に1つ置かれ、総領事館は主要都市に置かれます。たとえば日本の場合、在アメリカ合衆国日本国大使館はワシントンD.C.にあり、ニューヨークやロサンゼルスなどには総領事館があります。

外交と市民サービスのバランス

大使館は外交が中心ですが、パスポートやビザの発給など市民向けの手続きも行います。総領事館は領事業務が中心で、相手国政府と交渉する権限はありません。

大使と総領事(領事)の違いは?

大使は大使館のトップで、国を代表して相手国政府と交渉する外交官です。総領事は総領事館のトップで、担当地域の自国民の保護や通商の促進、パスポート・ビザの発給などの領事業務を指揮します。
(参照:外務省 在外公館の仕事/総務省 在外公館に関する行政評価・監視 結果に基づく勧告)

外国人採用で大使館・領事館が関わる場面は?

採用担当者が大使館・総領事館を意識するのは、おもに次の2つの場面です。

海外から外国人を呼び寄せるとき

海外に住む外国人を就労目的で呼び寄せる場合、原則として、まず受入れ企業などが地方出入国在留管理局で在留資格認定証明書の交付を受けます。本人はその証明書を添えて、住んでいる地域を管轄する日本大使館・総領事館でビザ(査証)を申請します。ビザは日本国内では申請できません。
在留資格認定証明書があると、ビザは申請受理の翌日から5業務日の標準処理期間で発給を受けやすくなります(発給が保証されるわけではありません)。
(参照:外務省 査証(ビザ)/外務省 就業査証)

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日本で働く外国人がパスポートを更新するとき

日本で働く外国人がパスポートの更新や再発行、本国の証明書の取得をするときは、自国の駐日大使館や総領事館で手続きします。窓口や受付方法は国によって異なるため、本人に各国の大使館・総領事館のホームページで確認してもらいましょう。

おわりに

領事館と大使館は、どちらも自国民や自国へ渡航する人を支える機関ですが、大使館は外交、領事館は領事業務と、中心となる役割が異なります。外国人を採用する企業にとっては、海外からの呼び寄せでビザを申請する窓口や、社員がパスポートを更新する窓口として関わります。

労働力不足に対応するためには、外国人労働者を円滑に受け入れ、サポート体制を強化することが今後ますます重要になるでしょう。

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