2025/12/03(公開日:2025/05/08)

【2025年最新】特定技能の必要書類を徹底解説！

手続き・書類

特定技能

外国人材の採用において、「特定技能」という在留資格への注目が高まっています。

しかし、その申請手続きや必要書類の複雑さに、戸惑いを感じる採用担当者の方も少なくないでしょう。

この記事では、特定技能人材の採用を検討している、または現在進行中である企業の採用担当者様に向けて、申請から受入れまでに必要な書類を網羅的かつ分かりやすく解説します。

特にご要望の多い飲食料品製造業や建設業などの分野にも触れながら、スムーズな採用活動をサポートします。

はじめに：特定技能とは？採用担当者が知っておくべき基本
特定技能の採用フローと必要書類のタイミング
- 【採用フローの概要】
- 【書類準備のタイミングと区分】
【一覧】特定技能申請に必要な書類リスト
- 【A】在留資格認定証明書交付申請（海外から呼び寄せる場合）
- 【B】在留資格変更許可申請（国内にいる外国人を採用する場合）
【分野別】特定技能申請に追加で必要な書類リスト（全12分野）
書類準備における注意点とよくある質問
- 【よくある質問】
まとめ：スムーズな特定技能人材採用のために

はじめに：特定技能とは？採用担当者が知っておくべき基本

特定技能制度は、国内人材の確保が困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とした在留資格です。

特定技能1号: 特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格。在留期間は通算で上限5年。家族帯同は基本的に認められません。
特定技能2号: 特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格。在留期間の更新に上限はなく、要件を満たせば家族帯同も可能です。

企業にとっては、即戦力となる人材を確保できるメリットがあります。この記事を通じて、特定技能の採用に必要な書類の全体像、入手方法、そして注意すべき点を把握し、円滑な受け入れ準備を進めましょう。

出典：出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック（PDF）」、「新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組（PDF）」

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特定技能の採用フローと必要書類のタイミング

特定技能外国人の採用は、大まかに以下のフローで進みます。各段階で必要となる書類が異なりますので、事前に確認し、計画的に準備することが重要です。

【採用フローの概要】

求人・募集: 特定技能の要件を満たす人材を募集します。
選考・内定: 候補者を選考し、内定を出します。
（必要な場合）技能試験・日本語試験の合格: 外国人本人が、分野ごとの技能試験および日本語能力試験に合格している必要があります。（免除規定あり）
受入れ機関による支援計画の策定: 外国人が日本で安定的かつ円滑に活動できるよう、職業生活上、日常生活上または社会生活上の支援計画を作成します。
必要書類の準備: 企業側と外国人本人側で、在留資格申請に必要な書類を準備します。
在留資格申請:
- 海外から呼び寄せる場合: 「在留資格認定証明書交付申請」を行います。
- 国内にいる外国人を採用する場合: 「在留資格変更許可申請」を行います。
審査・許可: 出入国在留管理庁による審査が行われ、許可されると在留資格が与えられます。
（海外からの場合）ビザ申請・入国: 在留資格認定証明書が交付された後、外国人本人が自国の日本国大使館・総領事館でビザ（査証）を申請し、入国します。
就労開始・支援の実施: 入社手続きを行い、就労を開始します。あわせて支援計画に基づいた支援を実施します。

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【書類準備のタイミングと区分】

申請準備段階で企業（受入れ機関）が主に準備する書類:
- 受入れ機関の登記事項証明書、決算書類の写しなど
- 特定技能雇用契約書の写し、雇用条件書の写し
- 支援計画書　など
申請準備段階で外国人本人が主に準備する書類:
- パスポートの写し、証明写真
- 履歴書
- 技能試験・日本語試験の合格証明書の写し（該当する場合）
- （在留資格変更の場合）現在の在留カードの写し　など

具体的な書類リストは次項で詳述します。

【関連記事】【特定技能】「雇用契約書」の作り方完全ステップガイド

【一覧】特定技能申請に必要な書類リスト

特定技能の在留資格申請に必要な書類は、外国人が海外にいるか国内にいるか、また、どの特定産業分野で就労するかによって異なります。ここでは、基本的な申請パターンである「在留資格認定証明書交付申請（海外から呼び寄せる場合）」と「在留資格変更許可申請（国内にいる外国人を採用する場合）」に必要な書類の概要を説明します。

必ず、申請前に出入国在留管理庁のウェブサイトで最新の情報を確認してください。

参照: 出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」

【A】在留資格認定証明書交付申請（海外から呼び寄せる場合）

	申請書等
1	在留資格認定証明書交付申請書
2	証明写真（規定サイズあり）

	受入れ機関（企業）に関する書類
3	登記事項証明書（法人の場合）
4	直近の決算書類の写し（損益計算書、貸借対照表など）
5	労働保険に関する資料（労働保険料等納入通知書の写しなど）
6	社会保険に関する資料（健康保険・厚生年金保険料領収証書の写しなど）
7	税に関する資料（法人住民税等の納税証明書など）
8	特定技能雇用契約書の写し
9	雇用条件書の写し
10	事前ガイダンスの確認書
11	支援計画書
12	（登録支援機関に支援を委託する場合）登録支援機関との支援委託契約書の写し

	申請人（外国人本人）に関する書類
13	パスポートの写し（身分事項ページ）
14	技能試験の合格証明書の写し
15	日本語能力試験の合格証明書の写し（または日本語能力を証明する他の書類）
16	履歴書
17	（該当する場合）健康診断個人票

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【B】在留資格変更許可申請（国内にいる外国人を採用する場合）

基本的には【A】の書類に加え、以下の書類が必要となります。

	申請書等
1	在留資格変更許可申請書
2	証明写真（規定サイズあり）

	申請人（外国人本人）に関する書類
3	現在所持する在留カードの写し（表裏）
4	パスポートの写し（身分事項ページおよび資格外活動許可の証印ページなど）
5	住民票の写し（マイナンバーの記載がないもの）

【補足】書類の入手先・作成方法の概要

申請書様式: 出入国在留管理庁のウェブサイトからダウンロードできます。
企業に関する書類: 法務局、税務署、年金事務所、労働基準監督署などから取得します。
本人に関する書類: 外国人本人が準備します。

重要: 上記はあくまで一般的な例であり、個別の状況や申請する地方出入国在留管理局によって、追加の書類提出を求められる場合があります。申請前には必ず、管轄の地方出入国在留管理局または外国人在留総合インフォメーションセンターに確認することをお勧めします。

参照: 出入国在留管理庁「インフォメーションセンター・ワンストップ型相談センター」

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【分野別】特定技能申請に追加で必要な書類リスト（全12分野）

1. 介護分野

書類区分	書類名	概要・備考	出典（所管省庁）
受入れ機関	受入れ機関が満たすべき要件（介護分野）に係る誓約書	基準に適合していることを誓約する書類。	厚生労働省
受入れ機関	運営規程	事業所等の運営に関する規程（例：人員配置、サービス内容、料金など）の写し。	厚生労働省
受入れ機関	特定技能外国人受入れに関する計画書	介護分野に特有の受入れ・支援に関する計画書。	厚生労働省
受入れ機関	特定技能雇用契約書（特記事項）	介護分野特有の業務内容等について定めた契約書の特記事項。	厚生労働省

2. ビルクリーニング分野

書類区分	書類名	概要・備考	出典（所管省庁）
受入れ機関	特定技能外国人受入れに関する誓約書（ビルクリーニング）	分野別の基準を満たしていることを誓約する書類。	厚生労働省
受入れ機関	業務内容を説明する資料	従事させる業務がビルクリーニング業務に該当することを示す資料。	厚生労働省
受入れ機関	指導体制を説明する資料	適切な指導体制を確保していることを示す資料。	厚生労働省

3. 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野（旧３分野）

書類区分	書類名	概要・備考	出典（所管省庁）
受入れ機関	特定技能外国人受入れに関する誓約書（製造３分野）	分野別の基準を満たしていることを誓約する書類。	経済産業省
受入れ機関	製造工程に関する資料	従事させる業務が特定技能の対象となる製造業の業務に該当することを示す資料。	経済産業省

4. 建設分野

書類区分	書類名	概要・備考	出典（所管省庁）
受入れ機関	建設特定技能受入計画認定証の写し	国土交通大臣の認定を受けた「特定技能外国人受入計画」の認定証の写し。（必須）	国土交通省
受入れ機関	建設特定技能受入計画の写し	認定を受けた受入計画の写し。	国土交通省
受入れ機関	建設業許可証の写し	建設業の許可を受けていることを証明する書類。	国土交通省
受入れ機関	建設キャリアアップシステム（CCUS）の登録に関する書類	事業者登録、外国人本人の技能者登録に関する書類。	国土交通省

5. 造船・舶用工業分野

書類区分	書類名	概要・備考	出典（所管省庁）
受入れ機関	特定技能外国人受入れに関する誓約書（造船・舶用工業）	分野別の基準を満たしていることを誓約する書類。	国土交通省
受入れ機関	業務内容に関する説明資料	従事させる業務が特定技能の対象となる業務（溶接、塗装など）であることを示す資料。	国土交通省
受入れ機関	安全衛生に関する体制資料	労働安全衛生法に基づいた体制を整備していることを示す資料。	国土交通省

6. 自動車整備分野

書類区分	書類名	概要・備考	出典（所管省庁）
受入れ機関	特定技能外国人受入れに関する誓約書（自動車整備）	分野別の基準を満たしていることを誓約する書類。	国土交通省
受入れ機関	地方運輸局長から受けた認証（若しくは指定）の写し	認証工場または指定工場であることを証明する書類。（必須）	国土交通省
受入れ機関	業務内容に関する説明資料	従事させる業務が特定技能の対象となる業務（日常点検、定期点検など）であることを示す資料。	国土交通省

7. 航空分野

書類区分	書類名	概要・備考	出典（所管省庁）
受入れ機関	特定技能外国人受入れに関する誓約書（航空）	分野別の基準を満たしていることを誓約する書類。	国土交通省
受入れ機関	空港の設置者等からの利用許可に関する書類	空港の敷地内等で業務を行う許可を受けていることを示す書類。	国土交通省
受入れ機関	業務内容に関する説明資料	従事させる業務が特定技能の対象となる業務（グランドハンドリング、航空機整備など）であることを示す資料。	国土交通省

8. 宿泊分野

書類区分	書類名	概要・備考	出典（所管省庁）
受入れ機関	特定技能外国人受入れに関する誓約書（宿泊）	分野別の基準を満たしていることを誓約する書類。	観光庁
受入れ機関	旅館業法に基づく営業許可証の写し	旅館・ホテル等の営業許可を受けていることを証明する書類。（必須）	観光庁
受入れ機関	業務内容に関する説明資料	従事させる業務が特定技能の対象となる業務（フロント、接客、レストランなど）であることを示す資料。	観光庁

9. 農業分野

書類区分	書類名	概要・備考	出典（所管省庁）
受入れ機関	特定技能外国人受入れに関する誓約書（農業）	分野別の基準を満たしていることを誓約する書類。	農林水産省
受入れ機関	農地の権利関係を示す書類	耕作する農地に係る権利（所有権、賃借権など）を証明する書類。	農林水産省
受入れ機関	業務内容に関する説明資料	従事させる業務が特定技能の対象となる業務（耕種農業、畜産農業）であることを示す資料。	農林水産省

10. 漁業分野

書類区分	書類名	概要・備考	出典（所管省庁）
受入れ機関	特定技能外国人受入れに関する誓約書（漁業）	分野別の基準を満たしていることを誓約する書類。	農林水産省
受入れ機関	漁業許可証または漁業権に関する書類	漁業を行うための許可等を受けていることを示す書類。	農林水産省
受入れ機関	漁船登録票の写し	漁船を使用する場合の登録票の写し。	農林水産省
受入れ機関	業務内容に関する説明資料	従事させる業務が特定技能の対象となる業務（漁業、養殖業）であることを示す資料。	農林水産省

11. 飲食料品製造業分野

書類区分	書類名	概要・備考	出典（所管省庁）
受入れ機関	特定技能外国人受入れに関する誓約書（飲食料品製造業）	分野別の基準を満たしていることを誓約する書類。	農林水産省
受入れ機関	食品衛生法に基づく営業許可証の写し	許可を受けていることを証明する書類。	農林水産省
受入れ機関	HACCPに関する知識を有すること等の受入れ要件を満たすことを示す資料	衛生管理体制に関する資料（例：HACCP導入・運用に関する記録など）。	農林水産省

12. 外食分野

書類区分	書類名	概要・備考	出典（所管省庁）
受入れ機関	特定技能外国人受入れに関する誓約書（外食業）	分野別の基準を満たしていることを誓約する書類。	農林水産省
受入れ機関	食品衛生法に基づく営業許可証の写し	飲食店等の営業許可を受けていることを証明する書類。	農林水産省
受入れ機関	店舗の業務内容に関する説明資料	従事させる業務が特定技能の対象となる業務（飲食物調理、接客、店舗管理）であることを示す資料。	農林水産省

書類準備における注意点とよくある質問

スムーズな申請のためには、書類の準備段階でいくつか注意すべき点があります。

書類の有効期限:
- 日本で発行される証明書類（登記事項証明書、納税証明書など）は、原則として発行日から3ヶ月以内のものを提出する必要があります。（参照：出入国在留管理庁「提出資料・手数料等」）

翻訳の必要性:
- 外国語で作成された書類には、原則として日本語の翻訳文を添付する必要があります。翻訳者（法人または個人）の氏名と連絡先を記載することが求められる場合があります。
提出先の機関:
- 原則として、受入れ機関の所在地を管轄する地方出入国在留管理局に提出します。
書類のコピー:
- 提出する書類は、特に指示がない限り、鮮明なA4サイズのコピーで問題ありませんが、原本の提示を求められる場合もあります。
マイナンバー（個人番号）の取り扱い:
- 住民票など、マイナンバーが記載されている書類を提出する場合は、マイナンバー部分をマスキング（黒塗りするなどして見えないように）してください。