日本で働く外国人の数はどのくらい? 在留資格は何が多い? 働く業界としてはどんなところが多いの?
近年、日本で外国人労働者を目にしたり、耳にすることが増えているのではないでしょうか?日本の人口は減少の一途をたどっており、15年連続の減少になっています。人口減少にともない、生産人口の減少も続いており、経済に大きな打撃、人手不足を引き起こしています。
日本人が減少している一方で、日本で働いている外国人労働者は増え続けており、人手不足の解決策に。この記事では、日本で働いている外国人労働者について、人数や国籍、さまざまな観点から解説していきます。
目次
外国人労働者の実態を徹底解説!
出典:文部科学省 ホームページ
上記グラフの通り、日本で働く外国人は基本的に増加の傾向がつづいています。
2013年の約71万人から、10年後の2023年には約204万人に増加しており、東京、大阪、愛知などの都市圏を中心にますます外国人が増えていく傾向があります。
日本の労働力人口は約6000万人で、日本で働くひとのうちおよそ約3%がすでに外国人労働者ということになります。
少子高齢化にともなって日本の労働人口の減少は著しく、毎年50万から60万人ほど減っていきます。
今後は外国人労働者が日本の産業にとって重要な戦力になるのはほぼまちがいがないことであり、「やさしい日本語対応」を行うことや、「外国人採用」へ注力していくことが、企業にとっては非常に重要になっていくでしょう。
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日本で働く外国人の在留資格は?
出典:文部科学省 ホームページ
専門的・技術的分野の在留資格
26%を占めるのが、「専門的・技術的分野の在留資格」です。
語学力や技術力を生かして、特定の職種のみで就労が許可されるかたちで働いている外国人の方がこの資格に分類されます。
学校や英会話教室の教師、外国料理店で働く方、エンジニアなどです。
特定の職種であれば働き方には制限がないため、日本人と同様に正社員としてフルタイムで働く方が多いです。
特定活動
全体の4%を占めるのが「特定活動」です。
この在留資格に属するのはほとんど「ワーキングホリデー」のひとたちといわれています。
ワーキングホリデーは日本で一定期間の休暇をすごし、その期間の生活費を補うために就労する制度のことです。
基本的には就労する職種の制限はありません。多くの方は飲食店や小売店舗などで働いているようです。
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技能実習
全体の18%を占めています。5年前は全体の23%だったことから、割合としてはすこしずつ減っています。
技能実習生を受け入れを決めた、特定の企業のみで就労が許可されます。
こちらの制度を上手に使っている企業も多かったですが、一方で自分たちの都合だけを考えて劣悪な環境で働かせる企業も一定数存在していました。
世界からも批判の対象になっている制度であり、現在はべつの制度へと移行が進んでいます。
資格外活動
全体の18%を占めるのが「資格外活動」です。
これに相当するのは、在留資格「留学生」や「家族滞在」の方。
一般的に、週28時間の制限のもとで働く方です。
とくに留学生は日本語学校で学んでいたり、大学の日本人コミュニティで生きた日本語を吸収していることが多く、アルバイト・パートタイムとして即戦力になります。
飲食店やコンビニエンスストアで働く外国人は、この「資格外活動」であることが多いといわれています。
身分に基づく在留資格(身分系)
「永住者」「定住者」「日本人配偶者等」「永住者の配偶者等」の方がこの身分系(みぶんけい)と呼ばれる在留資格を持つ方で、就労制限がなく生活も自分たち自身でできているためほとんど日本人と同じです。
とくに「永住者」「定住者」は日本で一定期間生活しており、日本語レベルが高く、文化的にも日本の常識を知っています。当然ながらさまざまな職業に就いています。
こちらの身分系外国人をもっとも多く登録しているのが弊社です。初めて外国人採用をされる方はぜひ一度ご連絡いただければと思います。
日本で働く外国人の出身国は?国籍別割合
出典:文部科学省 ホームページ
次は外国人労働者の国籍について解説していきます。もちろん、さまざまな国籍の方が日本で働いていますが、国籍別の割合でみると、ベトナム国籍が約51万人、全体の25.3%で割合的に一番多くなっています。その次に中国の約39万人、19.4%。また、フィリピン国籍の方も多く、約22万人、11.1%です。
全体的にアジア圏出身の方が多いです。国家間での政策意向や地理的にも日本から比較的近いこと、給与水準が日本の方が高いなどさまざまな理由があげられます。
また、ベトナム人留学生の中には、日本の大学や専門学校で学んだあとに日本での就職を希望する人も多いです。ベトナム人の増加傾向は近年かなり顕著ですが、今後もつづくと考えられます。
日本で働く外国人の住んでいる場所は?
出典:文部科学省 ホームページ
外国人を雇用する事業所数は、都道府県べつでみると東京が25%、愛知が8%、大阪も7.9%程度です。
対年増加率だと長崎は14%程度の増加、佐賀が13.6%、熊本が12.2%も増えています。
関東圏ではどんどん外国人が増えていますが、地方にも多くの外国人がすでに住んでいます。
しかし都心でも地方でも、まだまだ外国人採用を考えている企業数が少なく、就業場所が限られています。
優秀な人材が欲しいという方は、ぜひ外国人採用を検討してみてはいかがでしょうか?
日本に在住する外国人はどんな仕事をしている?産業別の割合をご紹介
出典:文部科学省 ホームページ
外国人労働者はどのような産業、業界で働いているのでしょうか。ここでは、外国人労働者が働いている産業についてご紹介します。
外国人労働者が一番多く働いている産業は、製造業で約55万人、全体の約27%が就労。その次に多く働いている産業がサービス業で約32万人、約15%の外国人労働者が働いています。また、小売業が約26万人、宿泊業・飲食サービス業が約23万、建設業も約14万人と、外国人労働者は比較的幅広い産業で活躍しています。
もちろん、上記の産業以外にも医療・福祉産業や情報通信業、教育産業などたくさんの産業で外国人労働者を雇用して、サービスを運営しています。
わたしたちも国民の中に多様性があり、仕事に向き不向きがありますが、他国でも状況は同じです。「建設業に向いている」「製造業に向いている」国籍などはとくにありません。
どのような職場であっても、本人の資質を見てあげることが大切だといえるでしょう。
出典:文部科学省 ホームページ
事業所の規模別でみると従業員数が「30人未満」の企業の割合がもっとも高いです。全体の60%を占めています。
外国人を雇用している事業所数は全体的に増加傾向。
とくに「30人未満」の企業は前年比で7.5%増で、もっとも大きな増加率です。
規模の大きくない事業所ほど、日本人のみを採用し事業をつづけるのが難しくなっており、採用の範囲を広げています。
外国人採用は中小企業の人材確保に重要な解決策の1つになっています。
日本に外国人労働者が増えている理由
多くの外国人労働者が日本で働いていることを紹介してきました。では、なぜ近年、日本で外国人労働者が増え続けているのでしょうか。外国人労働者が増えている理由にはさまざまな要因があります。ここでは日本になぜ外国人労働者が増えているのか、その要因を紹介します。
日本の生産人口の減少
出典:文部科学省 ホームページ
日本に外国人労働者が増えている理由の1つには、日本の人口減少があげられます。出生率が落ちたことで少子高齢化が進み、日本の人口は15年連続で減少し続けています。
そして同時に日本人の生産人口も減少。人材リソースが減少したことで多くの業界で人手不足が進み、外国人労働者の雇用を加速化させています。
外国人労働者に対する支援事業などの制度
外国人労働者が増えている理由には、日本政府の外国人労働者への取り組みもあげられます。日本政府は外国人の就労支援・安定雇用確保や、外国人指針に基づく雇用管理改善指導などの取り組みを実施。
また、外国人が集住している地域を中心に外国人専門の相談員を設置し、職業相談を行える体制を整えています。そういった政府の取り組みも外国人労働者が増えている理由です。
まとめ | 在留外国人の動向はつねにチェック!
外国人労働者の実態について把握できましたか?
ここまで日本で働く外国人労働者について、人口や国籍、従事している産業などを中心をご紹介してきました。現在、日本は深刻な人口減少に直面しており、多くの業界で人手不足が起きています。人手不足の解決策の1つが、外国人労働者の雇用。人手不足に困っている業界の方はぜひ、外国人労働者の雇用を考えてみれはいかがでしょうか。
今後とも在留外国人の動向はつねにチェックしておきましょう!