外国人とのコミュニケーションで大切なこと|日本人との違いがわかれば難しくない「伝える・話す・理解する」コツを解説
外国人を雇うとき、必ずぶつかるのがコミュニケーションの取り方です。
職場で外国人と話すとき、日本人と同じように話してもうまくいかないことがよくあります。
この記事では、筆者がグローバルな人材と一緒に働いた経験をもとに、職場で外国人とコミュニケーションを取るポイントやコツを紹介します。
外国人と日本人、コミュニケーションの違いは?
外国人と日本人のコミュニケーションには、文化や考え方の違いがあります。
代表的な違いを以下にまとめました。
意見の伝え方
日本人は、相手の気持ちを察して「空気を読む」ことを大切にします。相手の表情や仕草、その場の雰囲気から気持ちを理解しようとするので、すべてを言葉にしない場合が多いです。
それに対して、外国人は自分の意見をはっきりと伝えることを重視します。自分の考えをしっかり表現しながら、相手と意見を交換することで誤解を防ごうとします。
また、意見が違う場合でも、お互いを尊重することが特徴です。
話し合い方
日本人は、意見がぶつかることを避ける傾向があり、議論が控えめになりがちです。調和を重んじて、全体の雰囲気を壊さないように配慮することを優先することが多いです。
一方、外国人は議論を重視します。意見の違いを率直に話し合い、解決策を見つけるプロセスそのものを大切にしています。
このような話し合いのスタイルは、様々な角度から問題を考え、解決策を見つけやすいというメリットがあります。
結論の伝え方
日本人は、まず状況を詳しく説明してから最後に結論を伝えることが多いです。
一方で、外国人は最初に結論をはっきり伝え、その後で理由や背景を説明することが多いです。
この方法は、話のポイントが最初にわかるので相手が内容を早く理解しやすく、効率よく話を進められるというメリットがあります。
会話のペース
日本人は会話の中で「間」を大切にして、相手の話をよく聞いたり、自分の意見を考える時間を取ることが多いです。
これによって会話が少し静かになったり、沈黙が生まれることがありますが、相手の話を尊重する文化です。
一方、外国人は会話をスムーズに進めるために、相手が話し終わるとすぐに自分の意見を言うことが多いです。そのため、会話のテンポが速く、沈黙を避けることが一般的です。
この違いで、日本人は外国人の会話の速さに驚いたり、外国人は日本人の沈黙に不安を感じることもあります。
言葉以外での気持ちの伝え方
日本人は、感情を抑えたり間接的に伝えることが一般的な文化の中で、言葉だけでなく、相手の表情や仕草、雰囲気から気持ちを読み取ることを大切にします。
一方、外国人は言葉で直接的にコミュニケーションを取ることが多く、表情や仕草からのサインを読み取るのが難しいことがあります。
また、外国人は言葉と一緒に体の動き(ボディランゲージ)を使って自分の考えを強調することがあります。たとえば、声のトーンに合わせて手振りを使ったりすることで、言葉だけでは伝えきれない強い気持ちや意図をよりはっきり伝える方法です。
外国人とのコミュニケーションを取る8のコツ
ここからは、実際に外国人と上手にコミュニケーションを取るための8つのコツを紹介します。
これらのポイントに気をつけることで、誤解を避け、相手との関係をもっと良くすることができますので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 日本語をシンプルにして話す
日本人が使う尊敬語・謙譲語、略語などは、外国人にとって理解が難しいことがほとんどです。
そのため、できるだけ簡単で明確な日本語を使い、外国人に伝わりやすくすることが大切です。
- 「〜していただけますか」→「これをしてください」
- 「お世話になっております」→「いつもありがとうございます」
- 「お手数ですが」「ご足労おかけしますが」→「お願いします」
- 「リモコン」→「リモートコントローラー」
- 「バイト」→「アルバイト」 など
2. 難しい言葉は似た表現で言い換える
難しい表現や専門用語は理解しづらい場合があります。簡単で一般的な言葉に置き換えることで、外国人との会話がスムーズになります。
- 「配慮する」→「気を使う」
- 「指示する」→「教える」
- 「進捗」→「どれくらい進んでいるか」
- 「外注する」→「他の人に仕事をお願いする」 など
3. 曖昧な表現は使わない
曖昧な言い方では、外国人がその意味を正しく理解できないことがあります。
誤解されずに自分の考えを伝えるためには、できるだけ具体的ではっきりとした言葉を使うことが大切です。
- 「まあ、なんとなく」→「これはこうです」
- 「~な感じ」「〜っぽい」→「これと同じようにやってみて」 など
4. 「ですます調」を使う
友達同士の会話で使うようなカジュアルすぎる表現は、外国人には理解しづらいことがあります。
日本語学習者向けの「〜です」「〜ます」のように、省略せずに丁寧に話すようにしましょう。
- 「〜なの?」→「〜ですか?」
- 「これやっといて」→「〜をしてください」
- 「〜しちゃうよ」→「〜します」 など
5. 共通語を使って会話する
外国人が日本語をよく理解していない場合、英語などの共通語を使うとスムーズに話ができることがあります。ただし、相手が理解できるレベルの共通語を使うことが大切です。
- 「報告書を提出して」→「report をください」
- 「情報を共有して」→「share してください」 など
6. 言葉以外の方法でサポートする
言葉だけではなく、絵や図を使って説明することで、外国人が理解しやすくなります。
とくに、難しい内容や抽象的なことを話すときには、とても役に立ちます。
- 「プロジェクトの進行状況」を、フローチャートを使って示す
- 「仕組み」を説明するときに、絵を描いて視覚的に説明する
- 「遅刻しないために気をつけること」を話すときに、時間を確認する動作をジェスチャーで加える
- ホワイトボードに「チームの役割分担」を書きながら、どのメンバーが何をするかを一緒に説明する など
7. 相手のペースに合わせて話す
外国人が情報を理解しやすいペースで話すように心がけ、焦らずに進めましょう。相手の理解度を見ながら、ゆっくりと説明することが大切です。
- 重要な部分では、ゆっくりと時間をかけて説明する
- 相手が反応しないときは、少し待ってから次に進む
- もし相手が理解していない様子だったら、もう一度説明する など
8. 相手の反応をチェックする
外国人が会話の内容を理解しているかどうかを確認しながら話すことが大切です。そうすることで、誤解を防ぐことができます。
- 理解しているか不安なときは、途中で「わかりますか?」と質問してみる
- 表情を見て、困っていそうならもう一度説明を加える
- 質問してきたときは、話を途中で止めず、最後までしっかり聞くようにする
- 誤解があった場合は優しく訂正して、相手に安心感を与える など
外国人とのコミュニケーションで大切にしたいポイント
外国人と話すときは、日本人との違いを理解し、柔軟な考え方で接することが大切です。
ここからは、良い関係を作るために大事な意識について説明します。
1. 毎日笑顔や挨拶を心がける
仕事の場でも普段から挨拶をしたり、笑顔でいることを心がけましょう。これは礼儀だけでなく、相手を安心させるためにも大切な行動です。
言葉がうまく通じなくても、話しかけやすい印象を与えることで、お互いに緊張せずスムーズに話が始められるようになります。
2. ちょっとした会話では日本語を使う
日本語を学んでいる外国人には、積極的に日本語で話しかけてみましょう。日常会話で日本語を実際に使うことで、外国人は学んだことが活かせます。
最初はうまく話せなくても大丈夫なので、間違いを恐れずに続けることが大切です。
ゆっくりわかりやすい言葉で話すと、相手の自信をつける手助けにもなります。
3. 冷静で穏やかに対応する
相手が言葉に自信がなくても、焦らずに聞くようにしましょう。
間違いを恐れずに話しても大丈夫だと伝えてあげることで、相手は安心して話せるようになります。穏やかな雰囲気が、より良いコミュニケーションを生みます。
4. 文化の違いを尊重する
海外と日本では文化や常識が異なるため、相手の文化に配慮し、その違いを尊重することが大切です。
このことは、日本人だけでなく、外国人にも理解してもらう必要があります。
たとえば、時間の感覚や食事のマナーが異なることがありますが、お互いの立場を理解することで対立を避け、スムーズにコミュニケーションを取ることができます。
5. 期限や条件をはっきり伝える
外国人と仕事をする時は、期限や条件を明確に伝えることは必須です。
文化や言語の違いから、何が重要なのか、どれくらいの時間が必要なのかがわかりにくいことがあります。
具体的な期日や手順を伝えることで、相手が理解しやすくなり、仕事がスムーズに進みます。
さいごに
外国人とコミュニケーションを取るときは、日本人との違いを意識して言葉や話し方を工夫したり、気持ちを整えることが大切です。
これから外国人と一緒に働くときには、この記事の内容を参考にしてみてください。