日本国内には、さまざまな国の方々が滞在されています。短期の観光や仕事だけでなく、中長期的に居住されている場合も多くあります。お金を稼ぐには魅力が薄れつつある日本に何を求めているのでしょうか。

都道府県別の在留外国人数はどうなっている?

都道府県別の在留外国人数(令和5年6月末現在)を見ると、埼玉県の在留外国人数は第5位であることがわかります。人気の高い順に、東京都、愛知県、大阪府、神奈川県、埼玉県となっています。

出入国在留管理庁を基に作成

埼玉県の在留外国人数は増加傾向!

埼玉県の在留外国人数は、令和5年6月末時点で221,835人です。令和4年末(212,624人)と比較すると、4.3%増加しています。全体的にも増加傾向が見られます。

出入国在留管理庁を基に作成

埼玉県の国籍・地域別在留外国人はどうなっている?

国籍は165の国及び地域にわたり、最も多いのは中国(35.4%)であり、ついでベトナム(16.3%)、フィリピン(10.6%)、韓国(7.3%)、ネパール(4.2%)となっています。

 

埼玉県庁のデータを基に作成

日本一外国人が多い街も埼玉にあるの?!

川口市に過去10年間で、外国籍の住民は1.8倍に増加し、2023年4月1日現在、世界104の国・地域からの4万124人(市の総人口の約6.6%)が居住しています。新型コロナウイルスの流行により、多くの外国人が日本を離れましたが、川口市では逆にその数が増加しました。法務省の在留外国人統計によると、2020年に東京都の新宿区、江戸川区を抜いて、全国の区市町村で最多となりました。

2022年6月時点の「在留外国人総数上位100市区町」を見ると、栄えある第一位は変わらず埼玉県の川口市になっています。

政府統計のデータを基に作成

外国人が東京ではなくて、あえて埼玉の川口市に住んでいる理由とは?

なぜ外国人が川口市に集まるのか? 2021年に市が外国籍住民に対してその理由を尋ねたところ、多くの人が交通の利便性や職場・学校への近さ、同じ国の家族や知人が住んでいること、そして低い家賃を挙げました。

 

川口市多文化共生社会のためのアンケートのデータ

外国籍住民のニーズの中で最も顕著なのは、「日本語を学びたい」というものです。川口市では、40年近く続く「自主夜間中学」や日本語教室など、市民ボランティアが19の教室を運営し、これらのニーズに応えています。

一方で、市役所では多文化共生を担当する職員は協働推進課の3人と、中国語を話せる国際交流員3人、そして韓国語、英語、ベトナム語、フィリピン語、トルコ語が理解できる外国人相談員5人の計11人で、小規模な体制で対応しています。

また、先進地の取り組みを参考にして、ゴミの出し方や税金の申告方法などを7つの言語で説明するポータルサイト「外国人生活ガイド」を開設しました。これはスマートフォンで利用できます。外国人相談窓口では20以上の言語で相談に応じています。

川口市は「キューポラのある街」として知られる1962年に公開された映画の舞台としても有名です。この市は、鋳物などの産業で栄えた歴史を持つだけでなく、外国人の増加でもその知名度を上げつつあります。

外国人と共生することは?

埼玉県に住む外国人の数は概ね増加傾向にあり、今後も外国人の生活者が増えることが予想されます。そのため、埼玉県が県民の関与や考え方を把握し、今後の施策の参考とするために、令和5年9月7日から9月13日までの期間に、地域の外国人との共生や外国人支援に関するアンケート調査を実施しました。

例えば「外国人との交流はどのようなものですか? これまでの経験も含めてお答えください」という質問に対して、「一緒に働いている(働いていた)」という回答が最も多く、約39.2%でした。

埼玉県に住む外国人が増えて困った経験の有無について尋ねたところ、「困った経験をしたことはない」が7割半ば(75.2%)で大半であった。

また、埼玉県に住む外国人に、日常生活の中で期待することについて尋ねたところ、「日本や地域のルールや慣習を遵守する」という回答が最も多く、約78.9%でした。

外国人との共生を促進するためにできることについて尋ねたところ、「外国の文化や慣習を理解する」という回答が最も多く、約53.1%でした。

埼玉県が外国人との共生に取り組むべき施策について尋ねたところ、「外国人に日本の生活ルールや文化、慣習の違いなどを周知する」という回答が最も多く、約63.0%でした。

調査の結果を見ると、埼玉県民の約39.2%が職場で外国人と交流しており、7割の方が困った経験をしたことがないことが明らかです。外国人には日本や地域のルールや慣習を守ることが期待されますが、同時に埼玉県民も外国の文化や慣習を理解することで、外国人との共生を促進させることができます。
また、埼玉県も外国人との共生に向けて取り組むべき施策としては、「外国人に日本の生活ルールや文化、慣習の違いなどを周知する」ことが求められます。