在留外国人が日本の生活で困ることは? 7つのポイントにしぼって解説します!
豊かな文化遺産、高度な技術、質の高い生活を誇る日本は、世界中のひとびとを魅了しています。しかし、多くの外国人にとって、日本での生活にはさまざまな困難がともないます。これらの課題は、言葉の壁から社会的統合の問題まで多岐にわたり、しばしば日常生活を日本で生まれて育ってきた人よりも複雑なものにしてしまいます。
この記事では外国人が日本で生活する際に直面する、問題をいくつかご紹介します。
言葉の壁
在日外国人にとってもっとも大きな課題のひとつは、言葉の壁です。英語教育は日本の学校のカリキュラムの一部ですが、多くの日本人は英語を話す能力に自信がありません。この言葉の壁により、日本語を話せない人にとっては、食料品の買い物、医者への受診、公共交通機関の利用など、日常的なタスクでさえも大変な経験となってしまいます。
言葉の壁は、公的な手続きや書類にも及びます。政府の書式、契約書、法律文書のほとんどは日本語でしか入手できません。十分な語学力がない外国人は、重要な書類作成を理解し、完了させるために、友人、翻訳アプリ、専門家のサービスに頼ることになりがちです。これには時間がかかり、ストレスもたまるのはいうまでもありません。
社会に溶け込むこと(社会的統合)
外国人居住者が直面するもうひとつの課題は、社会に溶け込むことです。日本は同質的な社会で知られ、強い文化的規範が社会的な相互作用を支配しています。そのため外国人が日本に溶け込み、受け入れられていると感じるのは難しいかもしれません。
多くの外国人居住者は、とくに他の外国人居住者と交流する機会が少ない地方に住んでいる場合、孤立感や孤独感を感じていると報告しています。
文化のちがいや多くの日本人は控えめな性格であることもあって、日本人の友人を作るのは難しい場合も多いかもしれません。
おじぎや名刺交換、集団の和の大切さなどの社会習慣は、慣れない人にとっては混乱する要素になります。また外国人の居住者は、地域の行事や活動に参加することが難しく、孤立感をさらに悪化させることもあります。
差別と固定観念
日本は一般的に安全な国ですが、外国人住民の中には差別やいやがらせに近いことを経験する人もいます。これは公共交通機関でじろじろみられたり、避けられたりするような微妙な自覚なき差別(マイクロ・アグレッション)から、住居や雇用の機会を拒否されるようなあからさまな差別までさまざまです。
外国人、とくにアジア人以外の外国人に対する固定観念も、フラストレーションの原因となりえます。日本人の中には「外国人はみな英語を話し、日本の習慣に疎く、長期滞在者ではなく一過性の旅行者だ」と思い込んでいる人もいるかもしれません。
こうした思い込みは誤解を招き、外国人住民の「よそ者」意識を強めることになります。
住居、保証人の問題
日本に住む外国人にとって、適切な住居をみつけることも大きな困難となります。多くの家主は、コミュニケーションの問題や文化のちがいを懸念して、外国人の入居者に賃貸することをためらっています。このためとくに東京や大阪のような競争の激しい賃貸市場では、外国人が利用できる住居の選択肢がかなり制限されています。
最近では外国人が増えていることもあり賃貸市場も変化してきている側面もありますが、まだまだ偏見は残っているのは事実です。
外国人が住む場所をもし見つけても、賃貸手続きで困難に遭遇することがあります。
日本の賃貸契約では、借主が債務不履行に陥った場合に家賃を支払う責任を負う「保証人」がもとめられることが多い。親しい日本人の友人や家族がいない外国人にとって、保証人を見つけるのは難しいことです。
さらに敷金、礼金、仲介手数料など、賃貸契約の初期費用が法外に高額になることもあります。
雇用に関する課題
雇用もまた、外国人住民が困難に直面する可能性のある分野です。
日本ではとくに労働力不足に直面している多くの産業において、外国人労働者に次第に門戸を開いてきてはいますが、多くの外国人は安定した高収入の仕事をみつけるうえで、依然として障壁に遭遇しています。また多くの企業が少なくとも「会話レベルの日本語」を要求するため、語学力は重要な要素です。
雇用をみつけた外国人は、「雇用の安定」や「キャリアアップの問題」に直面することもあります。外国人労働者のあいだでは契約社員や派遣社員であることが多く、福利厚生や長期的な安定性は日本人よりもさらにかけています。
しかし年々労働力が減っている日本では、若い労働者の定着を促すために、雇用の安定やキャリアアップの道を整備している会社も増えています。
医療と保険
日本に住む外国人にとって、医療を利用することもまた課題です。日本にはよくできた医療制度がありますが、言葉が十分に話せなかったり、制度になじみがなかったりすると、その制度を利用するのは難しいこともあります。英語を話せるスタッフがいる医療施設は、とくに大都市以外では限られていることが多いです。
健康保険を理解することもハードルのひとつです。日本には国民健康保険制度がありますが、その詳細や手続きは初めてのひとにはわかりにくいです。また外国人居住者は、外国人患者特有の健康問題に詳しい医師を見つけるのに苦労することもあり、診療の格差が生じる懸念があります。
文化的適応
日本の文化に適応することは、外国人居住者にとって諸刃の剣です。多くのひとがその独特な文化に惹かれて日本を訪れますが、実際にその中で生活するのは難しいです。家に入る前に靴を脱ぐ、厳格なリサイクル規則に従ってゴミを分別する、公共交通機関では沈黙を守るなど、日常的な習慣は大きな適応を必要とすることがあります。
さらに、間接的なコミュニケーションスタイル、面子を保つことの重要性、「義理」の概念など、より深い文化的側面を外国人が完全に理解するのは難しいかもしれません。こうした分野での誤解は、社会的摩擦や疎外感につながることもあるようです。
まとめ|在日外国人が日本の生活で困ること
今回は日本に住む外国人が、生活の中で困ることについて詳しく見てきました。
外国人として日本で生活することは、多くの機会を与えてくれますが、同時に多くの困難も伴います。言葉の壁や社会的統合の問題から、差別や雇用の問題に至るまで、外国人居住者は日本で自分の人生を切り開くために、複雑な状況を切り抜けなければなりません。
日本が徐々に受け入れ態勢を整えつつある一方で、こうした課題は、日本を故郷とすることを選んだひとたちにとっての支援ネットワーク、言語学習、文化理解の重要性を浮き彫りにしています。こうした問題に取り組むことで、日本は増えつづける外国人居住者の経験を改善しつづけ、すべてのひとにとってより歓迎され包摂的な社会にすることができるでしょう。