【採用担当者向け】在留カードとその手続きを英語で説明できるようになる!実務に役立つフレーズ集付きガイド

「在留カードって英語でどう説明すればいい?」「手続きの流れを外国人に伝えるには、どう話せばいい?」そんな悩みを抱えたまま、対応していませんか?
この記事では、在留カードやその手続きについて、外国人社員から英語で質問されたときに落ち着いて説明できる力を身につけることを目指しています。
よく使われる表現や確認のしかたなど、実務にすぐ役立つ内容をまとめています。
入社時や更新時のやりとりに不安がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次 [非表示]
そもそも在留カードって何?
在留カード(Residence Card)は、日本に中長期滞在する外国人に対して発行される「滞在できる理由を示す身分証」のようなものです。
カードには、名前、生年月日、国籍、在留資格、いつまで日本にいられるか、働けるかどうかなど、大事な情報が書かれています。
企業が外国人を採用するときは、このカードを必ず確認する必要があります。また、本人はいつも持ち歩かなければならず、身分証として見せる場面もよくあります。
最近は、英語で説明を求められることも増えてきているので、基本的な内容は理解しておきましょう。
▼在留カードに関する詳細は以下の記事をご確認ください▼
在留カードの英語表記はどう見ればいい?
在留カードには、基本情報が英語で書かれています。どの部分をどう確認すればよいかを知っておくと、スムーズに対応できます。
基本情報「Name」「Nationality」「Status」の見方と伝え方
在留カードの表には、外国人社員の名前や国籍、在留資格などの情報が英語で書かれています。
その中でもとくに大切なのが、「NAME(氏名)」「NATIONALITY/REGION(国籍・地域)」「STATUS(在留資格)」の3つです。
ここでは、それぞれの項目について、英語でどう伝えるかもあわせて紹介します。
① NAME(氏名)
まずは、名前のつづりがパスポートと完全に一致しているかを確認します。
スペルのミスやミドルネームの抜け、順番のちがいなどに気をつけて見ていきましょう。
- Is your name spelled exactly as it appears on your passport?
(パスポートと同じつづりになっていますか?)
② NATIONALITY/REGION(国籍・地域)
国籍の確認は、文化や宗教などの背景を知る手がかりにもなります。相手の考え方や言語のちがいを理解しておくことで、職場での配慮もしやすくなるでしょう。
ただし、国籍によって相手を決めつけたり、接し方を変えたりするのは避けなければいけません。
- Could you confirm that your nationality is correctly written as shown in your passport?
(パスポートと同じように、正しく国籍が書かれていますか?)
③ STATUS(在留資格)
この項目は、働けるかどうかを判断するためにとても大切です。
たとえば「Engineer/Specialist in Humanities/International Services(技術・人文知識・国際業務)」と書かれていれば、就労が許可されていることになります。
- Your status is listed as “Engineer/Specialist in Humanities/International Services.” That permits full-time work. Is that correct?
(「技術・人文知識・国際業務」と書かれていますね。フルタイムで働ける在留資格ですが、間違いないですか?)
これらの項目は、一緒にカードを見ながら確認すると相手も安心しやすくなります。
見落としに注意したい「Period of Stay」の確認
在留カードに書かれている「PERIOD OF STAY(在留期間)」は、とくに重要な項目です。在留資格の期限と契約期間がずれていないかを確認することで、トラブルを防ぐことができます。
もし在留期間が切れたまま働かせてしまうと、企業にも責任が問われるおそれがあります。
まずは、具体的な期限を一緒に読み上げて確認しましょう。
- Your current period of stay expires on 30 June 2026. It’s best to begin the extension process about three months in advance.
(現在の在留期限は2026年6月30日ですね。延長手続きは、期限の3か月ほど前から始めるのが安心です。) - If you plan to extend your stay, please make sure your passport will remain valid. A passport close to expiry may cause issues with the procedure.
(在留期間を延長する予定がある場合は、パスポートの有効期限にも気をつけてください。期限が近いと、手続きに支障が出ることがあります。)
大学では更新を忘れて強制的に退学になったケースもあります。そのため、企業でも更新予定日をあらかじめ管理しておくと安心です。
本人に任せきりにせず、定期的にチェックできるしくみを整えておきましょう。
入社前にどんな確認が必要?
在留カードの確認は、外国人社員が入社するときにおこなう大切な手続きです。
履歴書や雇用契約書と見比べながら在留カードの情報を確認することで、雇用条件に間違いがないかを早めに見つけることができます。
ここでは、カードを見ながらチェックする流れと、そのときに使える英語の例文を紹介します。
氏名・在留資格・在留期限の3つは必ずチェック
外国人社員から在留カードを受け取ったら、次の3つを会社の書類と照らし合わせて確認しましょう。
- NAME(氏名)
- STATUS(在留資格)
- PERIOD OF STAY(在留期間)
本人が安心して在留カードを手渡せるよう、丁寧に声をかけながら確認を進めていくことが大切です。
- Do you have your Residence Card with you?
(在留カードをご持参されていますか?) - For onboarding, we need to double-check your full name, status of residence, and period of stay as printed on your card.
(入社手続きのため、カードに書かれた氏名・在留資格・在留期間を確認させてください) - Could you verify that the information matches your passport and employment contract?
(パスポートや雇用契約書と同じ内容になっているか、ご確認いただけますか?)
在留カードのコピーを取っておくと安心
外国人社員を雇うときには、ハローワークに提出する書類を作る場面などで、在留カードの情報が必要になることがあります。
そのため、あらかじめ在留カードをコピーして保管しておくと安心です。
ただし、在留カードには個人情報が多く書かれているので、コピーを取る前にきちんと説明し、本人の同意を得るようにしましょう。
- May I take a photocopy for our HR files?
(人事記録用にコピーを取ってもよろしいでしょうか?)
同意してもらえた場合は、コピーの扱いについてもしっかり伝えると安心してもらいやすくなります。
- This copy is kept securely in accordance with our personal data protection policy and will only be used for necessary employment procedures.
(このコピーは、当社の個人情報保護方針に基づいて安全に保管し、雇用手続きに必要なときだけ使います) - The data is stored for five years and accessible only to authorized HR staff.
(このデータは5年間保管され、認められた人事担当者だけが見ることができます) - We will not share your information without your consent.
(ご本人の同意なしに情報を外部に伝えることはありません)
あらかじめ、個人情報の取扱いルールをしっかり説明しておくと、相手との信頼関係を築きやすくなります。
説明はわかりやすく、丁寧に行いましょう。本人が納得したうえで対応することが大切です。
在留カードの受け取りや更新はどう伝える?
外国人社員が来日後、スムーズに働き始めるためには「在留カードの取得」や「住民登録」「在留期間の更新」といった手続きを英語でしっかり伝える必要があります。
ここでは、入国から在留カードの更新までの流れを、採用担当者が英語でどう案内すればよいかを紹介します。
入国時に在留カードを受け取るタイミング
外国人社員が初めて日本に入るとき、在留カードがもらえるタイミングは空港によって異なります。
成田・羽田・関西などの主要な空港では、入国の際にその場で発行されます。それ以外の空港から入国する場合は、市役所で住所登録をしたあとに自宅へ郵送されることを伝えましょう。
- If you arrive at Narita, Haneda, Kansai or other major airports, you will receive your Residence Card on the spot.
(成田・羽田・関空など主要な空港に到着した場合は、その場で在留カードが交付されます) - Otherwise, it will be mailed to your registered address after you file your address at the city office.
(それ以外の空港では、市役所で住所登録をしたあとに登録住所へ郵送されます)
企業としては、初出社時にカードを持ってきてもらえるよう、次のように伝えておくと安心です。
- Please bring the card on your first day so that we can make a copy.
(初出社日に在留カードを持ってきてください。コピーを取らせていただきます)
来日後の住民登録
外国人社員は、来日してから14日以内に、住んでいる市区町村の役所で住民登録をしなければなりません。これは法律で決められており、違反すると罰金が科される可能性もあります。
- Please make sure to register your address at the city hall within 14 days after moving in.
(引っ越し後14日以内に、市役所で住所登録を行ってください) - Once your address is registered, you will be able to obtain a copy of your residence certificate, which is required to open a bank account and enroll in health insurance.
(住所登録が完了すると、住民票の写しを取得できるようになります。それは銀行口座の開設や健康保険の加入に必要です)
また、登録後に届く「マイナンバー(個人番号)」も大切な情報です。次のように注意を促しましょう。
- You will receive your Individual Number by post. Please keep it safe and do not share it unnecessarily.
(マイナンバーは郵送で届きます。大切に保管し、むやみに他人に教えないようにしてください)
参考:マイナンバーカード総合サイト 外国人住民の方へ マイナンバー制度について
在留期間の更新
在留カードの期限が近づいたら、更新手続きを早めに始めてもらう必要があります。延長の申請は、期限の3か月前から受け付けてもらえます。
そのため、外国人社員には、メールなどで余裕をもって連絡しておきましょう。
- Your Residence Card will expire on 30 June 2026. Please start the extension procedure at the immigration office as soon as possible.
(あなたの在留カードは2026年6月30日に期限を迎えます。早めに入管で延長手続きを始めてください) - Please apply at least one month before expiry to avoid any gap in your legal stay.
(在留期限が切れる少なくとも1か月前には、更新申請を行ってください。合法的な滞在に空白ができないようにしましょう)
申請をしたあとも、新しいカードを受け取るまでは手続きが終わったことにはなりません。その点もきちんと伝える必要があります。
また、カードを受け取ったあとは、会社にも報告してもらいましょう。
- Even after filing, your application is not complete until you receive the new card.
(申請後も、新しいカードを受け取るまでは手続きが完了したとはいえません) - Kindly submit a copy of the renewed card to HR as soon as you receive it.
(新しいカードを受け取ったら、すぐに人事にコピーを提出してください)
このように、リマインドと確認をセットで行うことで、手続きの抜けを防ぐことができます。
在留期間の更新は、本人だけでなく企業にとっても大切なことなので、その気持ちが伝わるような言葉を選ぶようにしましょう。
資格外活動許可があるかどうか、どうやって確認する?
在留カードに「就労不可」と書かれている外国人でも、資格外活動許可を取れば、決められた条件のもとで働くことができます。
とくに、留学生や家族滞在の人をアルバイトで雇うときは、制度のしくみや注意点を英語で説明できると安心です。
「週28時間まで働ける」の伝えかた
資格外活動許可があっても、働ける時間にはルールがあります。
たとえば、留学生や「家族滞在」の在留資格を持っている人は、学期中は週28時間までしか働けません。夏休みなどの長い休みのときは、1日8時間まで働くことができます。
このルールは誤解されやすいので、英語では次のように伝えるとわかりやすくなります。
- With a Work Permit, you may work up to 28 hours per week during term time and up to 8 hours per day during long vacations.
(資格外活動許可があれば、学期中は週28時間まで、長期休暇中は1日8時間まで働けます)
このルールを守らないと、ビザが取り消されたり、学校を辞めさせられたりすることもあります。そのリスクについても、しっかり伝えておきましょう。
- Exceeding the limit may lead to cancellation of your visa status.
(上限を超えると、在留資格が取り消される可能性があります)
もちろん、企業側も働いた時間をきちんと管理する責任があります。
資格外活動許可の申請先と、当日発行の流れ
資格外活動許可は、管轄の地方出入国在留管理官署で申請します。必要な書類がそろっていれば、その日のうちに許可が出るケースもあります。
申請について英語で説明する場合は、次のように伝えるとよいでしょう。
- You can apply for the Work Permit at your local Immigration Services Bureau.
(資格外活動許可は、近くの出入国在留管理局で申請できます) - If all documents are complete, the permit is usually issued on the same day.
(書類がそろっていれば、その日に許可が出ることが多いです)
必要なものは、以下の3点です。すべて原本を持参するよう伝えましょう。メールなどで書面にまとめて送っておくと、より親切です。
- Please bring the following originals:
① Passport
② Residence Card
③ Application Form
(必要な原本は以下の3点です:①パスポート②在留カード③申請書)
申請書には、働く企業名や仕事内容を簡単に書く必要があります。そのため、採用担当者があらかじめ情報を準備しておくと、当日の手続きがスムーズになります。
また、申請ミスを防ぐために、英語と日本語が両方書かれた記入例を渡してあげるのもよい方法です。必要に応じて社内で準備しておくと、安心して申請を進めることができるでしょう。
在留カードに関するトラブルが起きたときはどうすればいい?
在留カードに関するトラブルは、突然起こることがあります。たとえばカードをなくしたり、壊れたり、住所や名前が変わったりする場合です。
外国人社員が慌てないように、採用担当者は英語での説明を準備しておくと安心です。
在留カードをなくしたとき
在留カードをなくしたり壊したりしたときは、14日以内に再発行の申請をしなければなりません。まずは警察に届け出をしてから、入管で手続きをします。
- If your card is lost or damaged, report it to the police and apply for reissuance at the immigration office within 14 days.
(カードを紛失または破損した場合は、警察に届け出たうえで、14日以内に入管で再発行を申請してください)
再発行に必要な書類は以下の4点です。
- Please bring the following documents for reissuance:
① Passport
② Certificate of Loss issued by the police
③ Application form for reissuance of Residence Card
④ One photo (taken within the past 3 months)
(必要な書類は次のとおりです:①パスポート②警察発行の遺失届出証明書③在留カード再交付申請書④3か月以内に撮影した写真1枚)
再発行の手数料はかかりませんが、その日にカードを受け取れるとは限りません。数時間〜数日かかることもあるため、後日連絡してもらえるように伝えておきましょう。
- Please inform HR once you receive the new card.
(新しい在留カードを受け取ったら、人事までご連絡ください)
引っ越したとき(住所変更)
引っ越しをした場合は、14日以内に新しい住所を市区町村の役所へ届け出る必要があります。新しい住所は、在留カードの裏側に書き込まれます。
外国人社員には、次のように伝えるとよいでしょう。
- You need to update your address within 14 days at your city office and have it recorded on the back of your Residence Card.
(引っ越し後14日以内に市役所で住所変更を行い、その情報を在留カード裏面に記載してもらってください)
変更が終わったら、企業でも情報を更新する必要があります。次のように声をかけましょう。
- Kindly provide HR with a photocopy of the updated card.
(更新されたカードのコピーを、人事までご提出ください)
住所変更を忘れると、在留カードが無効になったり、銀行や携帯電話の手続きに影響が出たりすることがあります。変更後の情報は社内でもしっかり記録しておきましょう。
名前や国籍などが変わったとき
氏名・生年月日・性別・国籍(または地域)に変更があった場合は、14日以内に、住んでいる地域を管轄する出入国在留管理局に届け出る必要があります。
外国人社員には、次のように説明しましょう。
- If your name, date of birth, gender, or nationality/region changes, please report the change to your local immigration office within 14 days.
(氏名・生年月日・性別・国籍や地域が変わった場合は、14日以内に入管に届け出てください) - If your passport has been updated, a new Residence Card is usually issued on the same day. However, if it has not been updated yet, same-day issuance may not be possible.
(パスポートの情報が変更済みであれば、新しい在留カードは通常その日に発行されます。ただし、パスポートがまだ更新されていない場合は、即日発行されないことがあります)
必要な書類は次のとおりです。すべて原本を用意してもらいましょう。
- Please bring the following documents:
① Completed notification form for changes in card details
② One photo (taken within the past 3 months)
③Supporting documents that prove the change
(必要な書類は次のとおりです:①在留カード記載事項変更届出書②3か月以内に撮影した写真1枚③変更を証明する書類※)
※変更の内容に応じて、次のような書類が必要です
【結婚で名前が変わった場合】新しいパスポートと結婚証明書(日本人と結婚した場合は戸籍謄本)
【国籍や地域が変わった場合】新しい国のパスポートと、あれば以前のパスポートも持参
【その他の理由で名前や性別が変わった場合】新しいパスポート、出生証明書、または裁判所の判決書など
手続きが終わって新しい在留カードを受け取ったら、会社にもコピーを提出してもらいましょう。
- Please submit a copy of your new Residence Card to HR once it has been issued.
(新しい在留カードを受け取ったら、人事にコピーを提出してください)
何を、どこで、いつまでに行うのかが明確に伝わるよう、落ち着いてわかりやすく説明することが大切です。
さいごに
在留カードの確認や更新の手続きは、外国人社員にも会社にも大切なポイントです。あらかじめ英語での伝え方を用意しておくことで、トラブルを防ぐことができ、相手との信頼も深まりやすくなります。
今回紹介したフレーズやチェック内容は、社内のマニュアルや定型文としてそのまま使うことができます。
対応に迷ったときは、このページを見直して確認してみてください。
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