「定住者」採用の不安解消!在留カード確認の疑問を完全解決

外国人材の採用において、「定住者」の在留資格を持つ方は、就労活動に原則として制限がなく、多くの企業にとって貴重な戦力となり得ます。定住者を採用するメリットについては、既にご存知の方も多いかと存じます。
しかし、採用プロセスにおいて最も重要なステップの一つが「在留カード」の確認です。
基本的な確認はもちろんのこと、細部まで正確にチェックすることで、コンプライアンス違反のリスクを回避し、安心して採用活動を進めることができます。
本記事では、定住者の採用を検討・実施されている担当者様に向けて、既存の情報から一歩進み、「定住者」の在留カードについて、特に確認すべき重要項目や注意点を、出入国在留管理庁の情報を基に解説します。
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「定住者」カード確認の基礎:在留資格欄
まず、在留カードの表面にある【在留資格】の欄を確認します。
ここに「定住者」と明確に記載されていることが、当該外国人が定住者の在留資格を有していることの証明となります。
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「定住者」カードで“必ず”見るべき他の重要項目
在留資格欄の確認に加え、以下の項目も必ずチェックしてください。これらは就労可否や在留の有効性を判断する上で不可欠な情報です。
チェックポイント①:「就労制限の有無」欄 → “就労制限なし”か?
在留カード表面の【就労制限の有無】欄を確認してください。 「定住者」の在留資格を持つ方は、原則として就労活動に制限がありません。そのため、この欄には「就労制限なし」と記載されているはずです。
この記載があることで、職種や業種、労働時間に制限なく(※風俗営業等の一部業務を除く)、日本人と同様に雇用できることが確認できます。
チェックポイント②:「有効期間」欄 → 期限は切れていないか?
在留カード表面下部にある【在留期間(満了日)】および【有効期間満了日】を確認してください。 定住者の在留期間は、法務大臣が個々に指定する期間(5年、3年、1年、6月など)が定められており、永続的なものではありません。
採用時点および雇用期間中に、記載された有効期間満了日が過ぎていないかを必ず確認する必要があります。期限切れの在留カードは無効であり、その状態で就労させることは不法就労助長罪にあたる可能性があります。
【カード裏面】定住者の場合、どこをどう見る?
在留カードは裏面にも重要な情報が記載される場合があります。定住者のカードを確認する際は、以下の点に注意してください。
- 住居地記載欄: 最も新しい住所が記載されているか確認します。転居した場合、本人は14日以内に届け出る義務があります。 (参照:出入国管理及び難民認定法 第十九条の九)
- 在留期間更新等許可申請欄: 在留期間の更新や在留資格の変更を申請中の場合、カード裏面の右下にあるこの欄に「申請中」である旨を示すスタンプが押されます。申請中であっても、原則として元の在留資格の範囲内での就労は可能です。ただし、申請結果によっては就労できなくなる可能性もあるため、状況を注視する必要があります。なお、在留期間満了日から2ヶ月間は、適法に在留できる特例期間が設けられています。
(参照:出入国在留管理庁「在留審査手続」) (参照:出入国管理及び難民認定法 第十九条の十六、第二十条第六項) - 資格外活動許可欄: 「定住者」は就労活動に制限がないため、この欄は通常空欄です。もし何らかの記載がある場合は、その内容について慎重な確認が必要です。
採用担当者向け:「定住者」在留カード確認FAQ
Q1. 在留カードの有効期間が残りわずかです。採用しても問題ありませんか?
A1. 在留カードの有効期間内であれば、法的に採用・就労は可能です。ただし、有効期間満了日が近い場合は、本人に更新申請の意思や状況を確認し、雇用契約期間の設定などに配慮することが望ましいでしょう。企業として更新手続きをサポートすることも、安定した雇用関係の構築に繋がります。
Q2. 「永住者」の在留カードと「定住者」のカード、見分けるポイントは?
A2. 最も明確な違いは、在留カード表面の【在留期間(満了日)】欄の記載です。「定住者」には具体的な満了年月日(例:2028年5月10日)が記載されますが、「永住者」には在留期間の定めがないため、この欄が存在しないか、または「永住者」としての有効期間満了日(カード交付日から7年後の日付)が記載されています。
Q3. 在留カードの原本確認で気をつけることはありますか?
A3. 在留カードは必ず原本で確認してください。コピーでの確認は認められていません。確認時には、カード表面の顔写真と本人が一致するか、改ざんされたような不審な点がないかなども目視でチェックすることが重要です。
「定住者」在留カード確認チェックリスト
定住者の在留カードを確認する際は、以下の項目を漏れなくチェックしましょう。
【表面】
① 在留資格: 「定住者」と記載されているか
② 氏名・顔写真: 本人と一致しているか
③ 就労制限の有無: 「就労制限なし」と記載されているか
④ 有効期間満了日: 期限が切れていないか
【裏面】
⑤ 住居地記載欄: (必要に応じて)最新の情報か
⑥ 在留期間更新等許可申請欄: 「申請中」スタンプの有無とその意味を理解しているか
【確認方法】
⑦ 原本確認: 必ず原本で確認したか
まとめ:正確な在留カード確認で、「定住者」採用を成功させよう
定住者の在留カード確認は、単に「定住者」という記載を確認するだけでは不十分です。「就労制限の有無」「有効期間」、そして裏面の情報まで正確に読み取ることで、採用におけるリスクを最小限に抑えることができます。
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