日本の企業が外国人を採用する時、英語力は大切なポイントです。ネパール人の英語力は、日本人よりも高いことが多いのをご存知ですか?その理由には、ネパールの教育や社会の仕組みが関係しています。

この記事では、ネパール人の英語力の特徴と、日本の企業が求めるネパール人の能力について説明します。

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ネパールの基礎的な知識

ネパール国旗

ネパールは南アジアにある内陸の国で、北は中国のチベット自治区、南はインドと隣接しています。首都はカトマンズで、面積は約14.7万平方キロメートル、人口は約3000万人です。
公用語はネパール語で、約80%の人々がヒンドゥー教を信仰しています。

ネパールにはエベレスト山を含むヒマラヤ山脈があり、観光が重要な産業です。最近では経済の成長が期待されていますが、インフラの整備が課題となっています。

ネパールと日本の関係

ネパールと日本の関係は1956年に外交関係が始まり、友好的に続いています。日本はネパールの経済発展やインフラ整備を支援しており、とくに教育や医療分野で協力しています。

また、ネパールから日本への留学生が増えており、日本政府も留学生支援を強化しています。つまり日本はネパールにとって大切なパートナーで、両国の文化交流も盛んということです。

日本で働くネパール人の特徴

ネパール人は、とくに技術的な仕事(技人国ビザ)やサービス業の仕事に多く従事しています。彼らは家族を大切にし、送金のために一生懸命働いていることが特徴です。

また、ネパール人は日本語を早く覚える人が多く、コミュニケーションも得意です。
日本の治安の良さや、働きやすい環境を魅力に感じて来日するネパール人が増えていて、2024年には在留ネパール人(就労ビザ以外も含む)が約206,898人に達しました。

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ネパール人の英語力は日本人よりも高い!

ネパールでは「ネパール語」が最も多く話されていますが、最近では英語を話せるネパール人が増えてきています。
たとえば、TOEFL(英語のテスト)の平均スコアは86点で、日本の平均スコアの73点を大きく上回っています。これは、ネパールの英語力が国際的にも高い水準にあることを示しています。
ここでは、その理由について詳しく見ていきましょう。

ネパールの学校では英語教育が盛ん

ネパールの女学生の画像

ネパールでは、英語は公用語のひとつとされており、とくに都市部の学校では英語教育がとても大切にされています。
多くの私立学校では幼稚園から英語の授業があり、幼い頃から英語を学ぶことが一般的になっています。公立学校でも英語は必須の科目で、小学校では国語以外の授業で英語の教科書を使うことが多いです。
この教育があることで、ネパールの子どもたちは早い段階から英語を学び、自然と基礎を身につけることができます。

また、都市部では観光業が盛んなため、日常的に英語を使う機会も増えています。
このような環境で育ったネパールの学生たちは、国際的な場でも活躍できる英語力を身につけることができるのです。そのため、ネパールはアジアの中でも英語が得意な国として知られています。

参考:IBS バイリンガルサイエンス研究所 ネパール編 – バイリンガル国の英語力

ネパールの英語の普及率は?

ネパールの若者たちは、学校で英語の読み書きを早い段階で学びます。そのため多くの学生が英語の文法や単語を覚え、TOEFLのような試験でも高得点を取ることができます。

しかし、日常的に使える会話力には個人差があり、文法がしっかりしていても実際の会話がうまくいかないことがあります。これは、学校での授業が主に文法や読み書きに重点を置いているため、会話の練習が不足しがちだからです。
都市部では英語を使う機会が多く、実際に英語を話す場面が増えるため、留学や出稼ぎを目指している人々は実際の会話能力が向上しています。
しかし、地方ではそのような機会が少ないため、地域ごとに英語力に差が出ることもあるのが現状です。

参考:TOEFL iBT® Test and Score Data Summary 2023

 

日本企業がネパール人に求める英語能力とは?

日本企業がネパール人に求める英語能力一覧

ネパール人は英語が得意な人が多いですが、日本企業で働くにはその英語力をどのように活かすかが大切です。
ここでは、日本の企業がネパール人に求める英語力の具体的な使い方について説明します。

① 実務で活かせる英語力

国際的な企業で働いている場合、海外の顧客とメールや電話で英語を使ってやり取りをすることがあります。また、ホテルのフロントで働くネパール人スタッフが、海外からの宿泊客にチェックインの手順や館内施設の場所を英語で説明する場合、相手が迷わないように簡潔で分かりやすい伝え方が求められます。
要するに日本企業が求めるのは、英語を話せるだけでなく、相手にしっかりと伝わるように説明できる力です。

② 異文化に対応するための英語力

ネパール人は英語を母国語としていませんが、英語を使いこなす能力が高く、そのため異文化に柔軟に対応できる特徴があります。
日本のビジネスマナーや職場文化に馴染むことは最初は大変かもしれませんが、英語を通じて異なる文化や仕事の進め方を学び、スムーズに順応していきます。

つまり、ネパール語を話せない日本人との共通語として英語を使います。英語で研修や説明を受けることで早い段階で業務内容を理解し、日本の職場環境に順応する力が必要だと考えられています。

③ 顧客満足度向上のための英語力

サービス業では、英語での対応力が顧客満足度を高める大きなポイントになります。
たとえば、観光地で働くネパール人スタッフが、外国から訪れた観光客に対して英語でスムーズに道案内をしたり、観光名所を説明することがあります。
この対応があったことで、観光客は安心して観光を楽しむことができ、観光地全体の評価が高くなります。
ほかにもレストランであれば、外国人のお客様に英語でメニューを説明し、注文を受けることができます。
このように、英語を使って顧客との信頼関係を築く能力も大切とされています。

④ 情報共有とチームワークのための英語力

オフィスで働く場合、英語を使って同僚や上司、外国のパートナーと効率よく情報を共有する能力も重要です。
たとえば外国の取引先との会議では、英語で報告をしたり、進行中のプロジェクトに関する情報を英語で伝えることがあります。こういった場面で英語を使って意見を交わすことで、チームのコミュニケーションを円滑に進めることができます。
このように、ネパール人が英語で自分の意見を伝えられたり、指示を理解したりすることは、グローバルな環境で働く企業にとって非常に価値のある力となります。

英語力を仕事で活かすための評価方法とサポート体制

仕事で求められる英語能力を測るため、企業はさまざまな方法を取り入れています。
ここでは、どんな評価方法が使われているのか、そして英語力を支援するために企業がどのような体制を整えているのかを見ていきましょう。

ネパール人の英語力の具体的な測定方法は?

日本の企業は、英語力を測るために面接や試験を行うことが多いです。たとえば、面接では英語で自己紹介をしたり、これまでの仕事経験を英語で説明することで、どれくらい英語をうまく使えるかを見ます。

さらに、英語での会話や書類作成の能力を確認することもあります。
書類作成のテストでは、ビジネスメールや報告書を作成し、文法や表現が適切かどうかをチェックします。
また、企業の中には、実際に仕事の中で英語を使う場面をシミュレーションするロールプレイグループディスカッションを取り入れて、さらに実践的な英語力を評価するところも増えています。

英語能力に関するサポート体制を整備しよう

英語を勉強するチームの画像

もし英語に自信がないネパール人を採用する場合、サポート体制を整えることも大切です。
多くのネパール人は英語を話せますが、ビジネスの場で必要とされる英語には少し難しさがあります。
このような場合は、企業が英会話のレッスンやビジネス英語の研修を提供することで、従業員の英語力を向上させることができます。

たとえば、定期的に英会話クラスを開き、実際に使える会話能力を育てます。ビジネス英語の研修をおこなえば、仕事でよく使う専門的な言葉や表現を学ぶこともできます。
最近はオンラインで学べる英会話サービスも増えているので、従業員が自分のペースで勉強することも可能です。
このようなサポート体制を整えておけば、ネパール人はもちろん、日本人の従業員もビジネスシーンで自信を持って英語を使えるようになるでしょう。

さいごに

ネパール人は、英語力だけでなく、さまざまな経験や背景を活かして日本企業に大きく貢献できる力を持っています。
英語が得意なことは、国際的なビジネスでとても役立ち、企業の成長にもつながります。

今、グローバル化が進んでいる中で、ネパール人のように多様な能力を持つ人を採用することは、非常に大きなメリットになります。
もしこれから外国人を採用しようと考えているなら、ネパール人の採用を検討してみるのもいいかもしれません。

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