外国人採用を始めようと決めたものの、日本人と外国人の面接ではどのような違いがあるのか、まだ明確なイメージを持っていない方もいるのではないでしょうか。今回は外国人と日本人との面接で異なる点などをコンパクトにまとめました。

留意点に注意して、自社にとってプラスとなる、有能な外国人を採用しましょう!

外国人と面接する前に確認しておくこと

面接を行う前には、書類選考をすることになると思いますが、外国人雇用の場合には、自社で働くことに問題ない人材かをしっかりと確認する必要があります。

就労ビザ、国籍など、かならずチェックすべきポイントがありますので、その点をまずは抑えましょう。

在留資格と在留期間を確認

ビザ申請書記入

在留外国人が日本で就労するときには、それぞれの方が保有している在留資格で条件が異なることがあります。
「永住権」を持っている方など、就労制限がほとんどない方、日本人とほとんど同じように働ける方(※一般に「身分系」と呼ばれています)もいますが、そうではない在留資格を持っている方の場合には注意が必要です。

◆就労できる在留資格の中でよく知られているもの

◉技術・人文知識・国際業務(Engineer/Specialist in Humanities/International Services)

◉特定技能( Specified Skilled Worker(SSW))

◉高度専門職( Highly skilled professional ) 

◉「特定活動(Designated Activities)」(ワーキングホリデー、経済連携協定にもとづく看護師・介護福祉士、特定活動46号)など

その他にも「留学」の在留資格を持っていて、資格外活動許可をもらって週28時間以内の勤務を行っている方なども多いです。また在留資格には日本に在留できる期間も定められており(多くは更新できます)、中には働ける期間が限られるケースもあります。

在留資格はどんなものを持っていて、在留期間がどのくらい残っているのか(更新時期はいつなのか)はかならず確認する必要があります!

勤務できる時間について確認

日本で働く外国人は、ひとによっては複数のアルバイトをしていたり、派遣としてはたらきながら自分でも事業をしていたりなど、いろいろなはたらき方をしています。

留学生などはとくに週に28時間以内に労働時間が定められており、大学が定めている夏季の長期休み中であっても週に40時間までです。

◆上記以外に活動時間に制限がある在留資格の例

ビザ内容
特定活動ビザ(「ワーキングホリデー」など)1週間に28時間までの労働が認められています。これは日本とワーキングホリデー協定を結んでいる国の方が対象です
家族滞在ビザ配偶者や扶養家族として日本に滞在している人が対象です。許可を得れば週に28時間まではたらくことができます
文化活動ビザ日本の伝統文化や芸術を学ぶために滞在する人が対象で、基本的には就労が禁止されています。ただし特定の条件下で短期間の仕事が許可される場合もあります

仕事の経歴を確認(在留資格変更の可能性があるため)

日本で転職を希望する外国人は、場合によっては在留資格の変更が必要になることがあります。そのため企業は応募者が、これまでどんな仕事をしてきたかを確認する必要があります。

外国人の在留資格にはできる仕事が制限されていることが多く、新しい職務が現在の在留資格で可能かどうかを確認しなければなりません。
また在留資格の変更が必要な場合、法務省への申請が必要となります。その際には過去の職歴やスキルの証明がもとめられるため、スムーズに採用のプロセスを進めるためにも、企業は応募者の職歴や現在の在留資格について把握し、必要な手つづきをサポートしましょう。

外国人と面接する際の注意点

育ってきたバックグラウンドがちがうことが多いため、外国人は日本人と異なっている面も多いです。異なる点についてある程度知識をつけておくことで、おたがいに戸惑わなくてすむでしょう。

文化的なちがいを理解

外国人の候補者は日本のビジネスマナーなどに、くわしくないことがあります。たとえば着席するタイミングであるとか、会う前にコートを脱いでおくなど、こまかなことでビジネスマナーが異なることがあるでしょう。

また日本人は非常にまじめな国民性であり、企業と応募者で面接の日程を決めた場合には、多くの方が面接にやってくると考えるのではないでしょうか。

外国人の求職者の場合には、応募した企業に連絡を入れずに面接に行かないことも多々あります。もちろん日本人の場合にも起こりますが、外国人採用の場合にはこうしたケースはより多くなるというのは事実としてあると思います。

その日の気分によって来なくなることがある、キャンセルされる可能性があることを考慮に入れておき、多めに面接の候補者を確保しておくことも大切です。

言語の壁に注意

日本語が母国語ではない候補者に対しては、ゆっくりと話すように心がけて、業界特有の言葉や専門的な言葉、むずかしい言葉も避けるほうがいいでしょう。曖昧でどちらとも取れるような言い方を避けて、理解できているかをしっかりと確認することも大切です。

とくに仕事の内容を確認することは非常に重要です。

言語の壁や文化の違いがあると、こちらがしっかり伝えたと思っていても外国人は理解し切れていないケースもあり、いざ業務が始まってみると想定とちがった業務の場合、おたがいに時間のロスになってしまいます。

クドすぎるくらい確認する意識があってもいいかもしれません。

日本語だけでなく英語能力もチェック

外国人を採用する企業は「英語が話せるひとを採用できる」というメリットもあります。フィリピン、マレーシア、ネパール、バングラデシュなどの国から日本にきている方は、たいてい英語もかなり高いレベルであることが多いですが、話して見ると思っていたより英語能力が低かったということもあるかもしれません。

海外とも定期的にやり取りをしたり、海外からの旅行客とコミュニケーションができる人物をもとめている場合には、面接時に日本語能力と英語能力がどの程度か確認しましょう。

英語は多くの検定があるため、応募書類や面接時に聞いた情報をもとに慎重に判断しましょう。英語能力検定試験のTOEICでは、仕事をするなら「800点以上」、英検なら「2級以上」でないとむずかしいかもしれませんね。

外国人の面接で使える質問3選

日本人の候補者に対しての面接でも、外国人候補者への面接でも、基本的な部分では変わらないと思います。しかしながら実際に遠くの土地から日本へやってきている、文化的な背景も違う、仕事にもとめていることも少し違うということはあるかもしれません。

今回はこれらのことを踏まえて、面接段階で聞くべきとくに「おすすめの質問」をご紹介いたします。

質問1:異文化適応できる力

日本の職場では礼儀やチームワークが重視され、コミュニケーションスタイルや業務プロセスも外の世界からみると独特です。これに適応することで職場での信頼関係を築きやすくなり、スムーズな業務遂行が可能になります。また日本の文化を理解し尊重する姿勢があると、同僚との関係も深まり仕事の成果も上がるでしょう。異文化適応、また適応しようとする意志は成功するための鍵となります。

◇具体的な質問

「日本で働くことに関して、どのような準備をしています?」

「これまでの職場で同僚と仲良くなるために積極的にしたことはありますか?」 など

質問2:コミュニケーション能力

日本で働く上ではコミュニケーション能力はとても重要です。日本の職場では円滑なコミュニケーションが信頼関係を作る基盤となります。たとえば報告や連絡や相談(ホウレンソウ)が日常的に求められ、これを適切に行うことで業務の進行がスムーズになります。また日本語だけでなく、日本のビジネスマナーや文化を理解したコミュニケーションは、同僚や上司との関係を良好に保つためにも欠かせません。

◇具体的な質問

「職場でのコミュニケーション方法について、どのように考えていますか?」

「これまでの職場で仲良くなった方とのエピソードなどを教えてください」 など

質問3:仕事へのコミットメント

外国人が日本で働く上で仕事へのコミットメント(献身や責任感)は非常に大切です。日本の職場では、仕事に対する真摯な姿勢や責任感が高く評価されます。業務をただやり遂げることだけでなく、チーム全体の成功に貢献する姿勢がもとめられます。

時間厳守や業務への積極的な取り組みは、信頼関係を築く基本となります。また困難な状況でもあきらめずに取り組む姿勢は、同僚や上司からの信頼を得るために欠かせません。

◇具体的な質問

「これまでの仕事場でもっとも熱意を注いでした仕事を教えてくだい」

「チームに対してどんな価値を提供できるのか、熱意についても教えてください」 など

終わりに

外国人を採用するうえでは書類の手続きや言語能力など、確認しなければならないことは多くあります。就労できる在留資格を持っているかどうかを面接前にちゃんと知っておくことも大切ですが、面接時には仕事に対して熱意をもって取り組んでくれる方かしっかりと見極める必要があります。

もし外国人採用を始めるのが初めてという方には、国内で就労制限がない外国人がもっとも多く登録しているといわれているGuidable Jobs(ガイダブル・ジョブス)を検討されてみてはいかがでしょうか。詳しいことを知りたい方はぜひウェビナーやホワイトペーパーをダウンロードしてみてください。