外国人は仕事に熱心なの? 同僚から助言をもらおうとしている人の割合は? 外国人労働者にアンケートを実施
日本国内で働く外国人が増えています。まじめに働く方もいれば、あまりまじめではない方を雇うこともあると思います。今回は日本で働いたことがある方に対して、仕事についてどんな考え方で取り組んでいるかを質問するアンケートを取りました。
外国人は本当にまじめに働いてくれるか不安、と考えている企業担当者さまには、耳寄りな情報になっています。
目次
日本国内の外国人労働者を対象にしてアンケートを実施
日本国内の外国人労働者を対象としたアンケート調査の回答数は、合計で105件でした。回答者のおもな情報は、以下のようになります。
項目 | 内訳 |
国籍 | フィリピン:46.7% ブラジル:4.8% ペルー:4.8% その他:43.7% |
性別 | 男性:52.4% 女性:42.9% |
日本に滞在している期間 | 5年以上:77% |
日本での居住地 | 東京都:24.8% 神奈川県:20% |
ビザの種類 | 永住者:42.9% 定住者:20% |
日本語能力 | 日常会話レベル:61.9% |
性別については、男性が52.4%、女性が42.9%です。回答者の国籍はおもにアジアの国で、最多は46.7%のフィリピンでした。今回のアンケートにおいては、回答者の64.8%が仕事に満足しています。
満足している理由は「働く環境がいい」や「同僚との関係がいい」という答えが最多でした。仕事に満足している方が多い一方で、残りの35.2%は満足していない理由もあります。理由としては、「給料が良くない」や「スキルアップやキャリア開発の機会がない」などでした。
外国人労働者の多くは積極的に仕事をしている
「仕事で新しいことを学ぼうとしていますか?」という質問に対して、回答者の85.7%が「はい」と答えました。
「上司があなたの仕事に満足しているかどうかを尋ねていますか?」という質問には、54.3%が「はい」と答えました。
また、回答者の70.5%が同僚からアドバイスを求めており、66.7%が定期的に追加の仕事を引き受けています(それに対して追加の給与をもらえなくても)。
これらの回答から、外国人労働者の多くが積極的に仕事に取り組んでいることが明らかです。
仕事に熱心ではない、外国人労働者の割合は?
「ときどき仕事を先延ばしにすることがありますか?」という質問に対して35.2%が「はい」と答えました。また「仕事の中で特定の責任を怠ったり、特定のタスクにあまり努力を払わなくなることがありますか?」という質問に対する「はい」の回答は36.2%でした。
これらの回答から、外国人労働者の約3割が仕事に熱心とは言えない行動を取っていることがわかりました。
より仕事に積極的になってもらうには?
調査の結果から、多くの外国人労働者が積極的に働いていることがわかりましたが、約3-4割は消極的な行動もしています。
では企業としては、どのようにすれば労働者の積極的な仕事を増加させ、消極的な仕事を行動を減少させられるのでしょうか?
言語面での問題をケアする
外国人が日本で働く際に、いちばんの問題となるのが言語的な障壁でしょう。何を言っているのかわからない空間で、慣れない仕事をしないとなると、そのストレスはかなり大きいです。
ですからまずは、日本語がわからないことで戸惑ったことなどを、丁寧に外国人の従業員から話を聞くことが大切です。
ある程度の日本語レベルの人なら、うまく職場になじんでくれるかもしれませんが、日本語検定でN3レベル以下の方を雇おうと考えるなら、最初は複数の方をいっしょに雇うことをおすすめいたします。
英語と日本語ができる人材を雇う
インドネシア、フィリピン、ネパールなどでは、みな英語のレベルがかなり高いため、これらの国の方を雇うなら会社内でも英語と日本語がどちらもできる方を雇う方がいいでしょう。
細かなニュアンスを日本語でうまく伝えられない場合にも、このような少し通訳をしてくれる方がいるだけで問題を解決することができます。
また会社としても、外国人にただ日本語を学んでもらうという期待をするのではなく、英語を社内で積極的に学ぶようにしている会社もあります。
やさしい日本語を学ぶ
「やさしい日本語」とは、外国人など、日本語に不慣れな人々でも理解しやすいように、簡単な言葉や短い文をもちいた日本語です。たとえば専門用語や難解な漢字を避けて、平易な表現やひらがなを多く使います。
今後、日本では外国人労働者がますます増加することにともなって、行政サービスや企業でのコミュニケーション手段として、やさしい日本語の必要性が高まると予想されます。
外国人労働者の仕事への熱意、アンケート結果まとめ
今回のアンケートでは、多くの在留外国人が仕事に対して熱心に取り組んでおり、定期的にアドバイスをもとめている方も多いことがわかりました。また自分の仕事に満足しているかを確認する方も、全体の半分以上で主体的であることがわかります。
とはいえ、やはり言語レベルがまだまだ十分ではなかったり、見た目が一般的な日本人と大きく異なっていることで、仕事中に難しい状況になってしまう方も多いです。一度就いた仕事に定着してもらい、やる気を持って仕事をしてもらうには、会社として外国人雇用者を気にかけることも非常に大切です。
ほかにも在留外国人に向けて、アンケートを定期的に取っていますので、ぜひ定期的にチェックしてみてください!