アパレル業界は日々トレンドが変わり、常に新しいアイデアが求められています。
外国人を雇用しようと考えている方の中には、必要な在留資格や手続き、職種ごとの仕事内容に不安を感じている方も多いかもしれません。

この記事では、企業が抱える疑問に答え、外国人ならではのスキル評価方法など、採用をスムーズに進めるために役立つ情報をお届けします。

Guidable株式会社の「外国人採用に役立つウェビナー」開催をお知らせする画像

アパレル業界で外国人の採用が増えている理由

近ごろ、日本のアパレル業界では外国人スタッフを採用する動きが広がっています。
外国人を採用すると企業にどんな良いことがあるのか、なぜ今注目されているのか、その理由を紹介します。

グローバル化とファッション業界の変化

ソウルファッションウィークに参加する韓国人女性の画像

今、アパレル業界では世界中のトレンドやデザインの多様性が求められています。たとえば、体型や文化の違いに合わせた服が必要とされるようになり、ブランドはプラスサイズやユニセックスのアイテムを増やしています。また、環境を大切にする意識が高まり、リサイクル素材を使った服やエコフレンドリーな商品も増えています。

こうした変化に対応するため、ブランドは新しいアイデアを取り入れることが大切です。
海外のブランドとの競争も激しくなっているため、日本のブランドも国際的な視点を持つことが求められています。
とくに、海外に進出したい企業にとっては、その国の文化や消費者の好みを理解できる人材が必要です。こうした理由から、アパレル業界では外国人スタッフの採用が注目されています。

多くのブランドが国際的な接客力を求めている

日本では外国人観光客が増えているため、アパレル業界でも外国語で接客できるスタッフが求められています。
とくに、海外ブランドグローバル展開しているブランドでは、外国人スタッフがいることで、お客さんとの会話がスムーズになり、満足度が上がると考えられています。リピーターが増えることも期待できます。

また、外国人スタッフは母国の文化や流行を知っているため、より多様な視点で接客ができます。これにより、ブランドの国際的なイメージが強まり、他のブランドとの差別化にもつながります。
こうした理由から、アパレル業界では国際的な感覚を持つ人材がますます必要とされています。

アパレル業界で外国人を採用するメリット

アパレル業界では、外国人スタッフを採用することでさまざまなメリットがあります。どのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

デザインや企画へのメリット

ジャケットのデザインポイントを調整するパタンナーの画像

外国人スタッフがいると、さまざまな国や文化の影響を受けたデザインやアイデアが生まれます。たとえば、アフリカの伝統的な布の模様や、日本の着物のデザインが、新しいファッションとして取り入れられることもあります。
自分の国では「普通」と思われていたものが、海外の視点で見ると新鮮なデザインになることもあるのです。

マーケティングへのメリット

外国人スタッフは、自分の国の流行や消費者の好みをよく知っています。そのため、海外のトレンドを取り入れた商品企画や、各国の人々に響く宣伝ができます。
さまざまな国の文化や価値観を理解することで、より多くの人に受け入れられるマーケティング戦略を立てることができます。

販売や店舗運営のメリット

アパレルショップのセール品の画像

外国語が話せるスタッフがいれば、海外からのお客様も安心して買い物ができます。とくに、観光客が多い地域では、外国語対応や好まれる接客ができることで店舗の評価が上がることは必然といえます。
また、どの国からのお客様が多いかを把握して、それに合った品ぞろえやサービスを考えることもできます。外国人スタッフの経験を活かせば、より多くの人に喜ばれるお店作りができるのです。

社内のコミュニケーションや教育のメリット

外国人スタッフと一緒に働くことで、日本人スタッフも自然と外国語を使う機会が増えます。そのため、語学力が伸びたり、異なる文化に触れることで視野が広がり柔軟な考え方を持つきっかけにもなります。これが、会社全体の成長につながるのです。

このように、外国人スタッフの採用には、デザインやマーケティング、販売、社内の環境づくりまで、幅広いメリットがあります。
会社の強みを活かしながら、適材適所で外国人スタッフを迎えることで、アパレル業界の競争力を高めることができます。

アパレル業界で外国人を雇うにはどんな在留資格が必要?

日本で外国人を雇うには、決められた在留資格が必要です。
在留資格とは、外国人が日本でどんな仕事ができるかを決めるものです。アパレル業界でも、職種によって必要な資格が異なります。

ここでは、アパレル業界で働くための主な在留資格について説明します。

技術・人文知識・国際業務

この在留資格があれば、外国人は専門的な知識や技術を活かして働くことができます。アパレル業界では、MD(マーチャンダイザー)、デザイナー、生産管理、プレス(広報)、人事・総務などの職種が対象になります。

たとえば、日本の専門学校でファッションデザインを学んだ外国人が企画部門で働く場合や、海外で実務経験のある人が就職する場合、この資格を取得することができます。

✔︎ 関連コンテンツ

特定活動(46号)

特定活動の告示46号は、日本の大学や大学院を卒業した留学生が、語学を使った仕事をするための在留資格です。この資格を持っている外国人は、通訳や翻訳、外国語を使った接客などの仕事ができます。

アパレル業界では、訪日外国人観光客に対して接客や商品説明をする際に語学力が求められるので、この資格はとても役立ちます。

✔︎ 関連コンテンツ

身分系の在留資格

身分系の在留資格には、「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の4つがあります。
これらの資格を持っている外国人は、日本で働くことに制限がなく、アパレル業界でも日本人と同じようにどんな職種にも応募できます。

✔︎ 関連コンテンツ

特定技能(工業製品製造業分野)

2024年から、特定技能の対象に繊維業が加わりました。特定技能は、特定の業種で足りない人手を補うための制度です。
この資格を持っている外国人は、自社で製造部門(縫製工場など)を持っている企業で働くことができます。縫製技術を持っている外国人は、この資格を使って働き、生産管理などの職種を目指すこともできます。

参考:経済産業省 特定技能外国人材制度(工業製品製造業分野)

✔︎ 関連コンテンツ

資格外活動について

資格外活動は、留学や家族滞在などの特定の在留資格を持っている外国人が、許可を得てできるアルバイトパートタイムの仕事を指します。たとえば、留学生がアパレルショップで接客や販売の仕事をする場合、この資格を使って働けます。
ただし、働ける時間に制限があるので、事前に確認することが大切です。

これらの在留資格を正しく理解して使うことで、外国人が日本のアパレル業界で活躍できるようになります。

参考:出入国在留管理庁 資格外活動許可について

アパレル業界の外国人採用の注意点とポイント

外国人を採用する時、基本的な流れは他の業界と同じで、在留資格の確認や入管への申請、入社後のサポート体制などが必要です。
ただし、アパレル業界には特有のポイントがいくつかあるので、これから紹介する内容に注意する必要があります。

クリエイティブ職と店舗・運営職の違い

アパレル業界では、デザイナーやパタンナーなどのクリエイティブ職と、販売員や店舗管理者などの店舗・運営職では、求められるスキルや経験が大きく違います。
クリエイティブ職では、デザインの専門知識トレンドを先読みする能力が重要です。
一方で、店舗・運営職では、接客スキル販売戦略を理解することが求められます。

採用の際は、職種に合った評価基準を設け、応募者のスキルをしっかり確認することが必要です。

求めるスキルの評価方法

デザイン画を描く女性の画像

ここでは、前述した各職種に合った評価基準についてご紹介します。

クリエイティブ職(デザイナーやパタンナーなど)の場合、応募者には自分の作品をまとめたポートフォリオを提出してもらったり、実技試験を行うことがよくあります。その中で、デザインの質や独自性、技術力を評価しましょう。
また、日本の文化や消費者の好みにどれくらい詳しいかも重要です。
面接では、応募者に日本のファッション市場や文化についてどれくらい理解しているかを質問し、実際の例を挙げてもらうことで、その理解度を確認できます。

店舗で働く場合、面接では実際の仕事に近いシミュレーションやケーススタディを使って、応募者がどれくらい実践的なスキルを持っているかを評価できます。
外国人の応募者が日本のビジネスマナーや文化にどれだけ適応できるかも重要です。たとえば、母国での接客と日本での接客の違いを理解し、うまく使い分けることができるかなどです。面接での質問は、この点を確認できるように準備しておきましょう。

求人広告とブランディングの重要性

アパレル業界では、求人広告の内容や企業のイメージ作りが採用活動に大きな影響を与えます。
外国人労働者をターゲットにした求人広告では、企業の文化や働きやすさ、キャリアの成長のチャンスをしっかりと伝えることが重要です。魅力的な職場環境をアピールすることで、優れた人材を引き寄せやすくなります。

とくにアパレル業界で働きたいと考えている外国人に向けては、SNSやオンラインのプラットフォームを使って、企業のスタイルや価値観をビジュアルで伝えることで、求職者の興味を引くことができます。

さいごに

外国人採用は、コツを掴めばスムーズに進めることができます。
弊社では、外国人採用のプロが求人から採用までサポートするサービスを提供しています。

これから外国人採用を始めようと考えているアパレル企業様は、ぜひ一度ご相談ください。安心して採用活動を進められるようお手伝いさせていただきます。

Guidable株式会社の「外国人採用の基礎知識が学べるホワイトペーパー」のダウンロードページにアクセスする画像