昨今、日本と海外を結ぶLCC便の増加やビザの緩和に伴い、日本に観光目的でやってくる外国人が急増しています。2018年の年間訪日外国人数は300万人を突破しました。オリンピックも近く今後はさらに増加していくでしょう。

そこで、増加する外国人観光客に向けた対応が必要になります。観光事業者は様々な策を講じる必要があるでしょう。外国人観光客対策の一つとして、鍵を握っているのが外国人採用です。

今回は、急増する外国人観光客の現状を解説し、日本国内における外国人労働者の人数や雇用するメリットを解説していきます。

日本で急増する観光客の外国人の現状とは?

東京 人込み

最近、都市部をはじめ、地方の観光地でも多くの外国人で賑わっています。感覚的に外国人観光客が増加していることはわかっているでしょう。

では、実際にどの国の人がどれくらいの人数、日本に訪れているのでしょうか。まずは日本で急増する外国人観光客について、データなどを交えながら詳しく解説していきます。

訪日外国人数は上昇中?

日本政府観光局(JNTO)が発表した統計データによると、2018年に日本を訪れた訪日外国人数は31,191, 856万人でした。初めて300万人を突破しています。2013年に初めて100万人突破してから約3倍と急増しています。

2018年の国別訪日外国人数では、中国8,380,034人(26.9%)、韓国7,538,952人(24.2%)、台湾4,757,258人(15.3%)の順に多くの外国人観光客が日本に訪れています。その他にもタイ・マレーシア・シンガポールなど、外国人観光客の中で大半を占めているのはアジア圏からの観光客です。

どの地域が多いのか

観光庁のデータ(2018年)によると、観光客が多い都道府県トップ5は以下となります。

  • 1位:東京都
  • 2位:大阪府
  • 3位:千葉県
  • 4位:京都府
  • 5位:福岡県

首都圏に外国人観光客が集中しているようです。とはいえ、昨今はリピーターも増えていることから、首都圏以外の各地域を観光したい外国人のニーズが高まっています。外国人のニーズに合わせたサービスが環境の整備が重要となります。

日本で急増する観光客の対策に外国人採用は…

日本で急増する観光客の対策としての外国人採用は有効だといえます。日本における外国人採用の現状から外国人を採用するメリット、採用する方法まで解説します。

外国人採用はどこも取り入れ始めている!

日本での外国人労働者数は増加傾向にあり、厚生労働省が公表した資料によると、2018年10月時点で外国人労働者数は過去最高の146万463人となっています。なお、在留資格別にみると、「特定活動(35.6%)」・「技能実習(19.7%)」・「専門的・技術的分野の在留資格(16.1%)」の増加率が大きくなっています。

国籍別では、中国が最も多く389.117人で外国人労働者全体の26.6%を占めています。次いで、ベトナム人316,840人(21.7%)、フィリピン人が164,006人(11.2%)の順となります。

外国人を雇用する事業所は2014年の137,053事業所以降、毎年約2万事業所ペースで増加しています。2018年10月時点で過去最高の216,348事業所を記録しました。外国人を採用している企業数が急増していることは明白です。

インバウンドとは

インバウンドとは、外国人が訪れる旅行のことです。一方で自国から海外への旅行をアウトバウンドといいます。日本の場合、外国人観光客が日本に訪れる旅行を「インバウンド」と呼びます。元々はマーケティング用語でしたが、最近ではビジネス界で広く認知されている言葉です。最近では、新聞やニュースでインバウンドという言葉を目にする機会も多いでしょう。

外国人観光客が増えている日本では、インバウンド需要が高まっているといえます。高まるインバウンド需要に対し、対策する必要があります。各国の趣味嗜好に合わせた「インバウンド対策」が重要です。

インバウンド対策の一環として、外国人の採用は検討すべきことです。外国人を採用するメリットは次で詳しく解説します。

観光における外国人採用メリットは

観光における外国人を採用するメリットは様々ありますが、今回は主な3つのメリットを紹介します。外国人採用のメリットは以下となります。

多言語対応

外国人を採用することで、多言語対応が可能です。日本人スタッフだけでは、様々な国からやってくる外国人観光客に対する接客に限界があるでしょう。前半に説明したように、外国人観光客の大半はアジア圏からの観光客です。英語だけではなく、中国語や韓国語など、各国の言語に対応する必要があります。

現在は便利な翻訳アプリが増えてきましたが、まだまだ接客レベルで使えるのは多くありません。飲食店での接客や店舗での商品説明など、外国人観光客とのコミュニケーション機会の多い事業者も多いでしょう。そこで各国出身の外国人を採用することで、多言語対応が可能になり、外国人観光客のニーズをおさえることができます。

外国人のニーズを把握できる

日本には日本ならではの文化や視点がるように、外国人にも日本人にはない外国人ならではの視点をもっています。外国人観光客のニーズはアンケートや様々なデータの分析によって、把握することも可能ですが、外国人本人に聞いた方が手取り早いでしょう。

外国人を採用することで、その国ならではの視点を取り入れたマーケティングが可能です。日本ではあまり評価されない商品やサービスも海外では評価される可能性もあります。外国人の採用によって、外国人観光客のニーズを把握できることに加え、自社の商品やサービスの可能性を広げられます。また、訪日韓国人向けの施策や訪日中国人向けの施策など、ピンポイントでのアプローチが可能です。

グローバル展開の足掛かりとなる

現在は日本国内のみで外国人観光客向けの商品やサービスを提供しているものの、将来的にはグローバル展開を見据えている企業もあるでしょう。外国人採用によって、グローバル展開の足掛かりができます。

すでに説明したように、外国人の採用により、多言語対応や外国人のニーズを汲み取ることで、グローバル展開がしやすくなるでしょう。海外展開するには、各国の文化に合わせる必要がありますが、進出したい国出身の外国人を採用することで、現地でのコミュニケーションが円滑になります。日本人と現地人の間に入り、「ブリッジ人材」として活躍するでしょう。

外国人採用には専門求人媒体を!

外国人採用には、専門の求人媒体を活用しましょう。ハローワークや外国人求人サイトで募集をかけることも可能です。とはいえ、マッチング率は高いとはいえません。そこで、おすすめなのが外国人特化の人材紹介サービスです。

外国人特化の人材紹介サービスは、外国人採用に特化していることで、外国人採用に関する知識と経験が他の媒体よりも豊富です。各サービス、専門のコンサルタントが在籍しており、求めるスキルや予算に応じて柔軟な対応をしてくれます。

外国人観光客増加への対策はできそうですか?

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外国人観光客の増加に伴い、対策が必要になってきます。外国人採用は、ひとつの有効手段です。

外国人採用は多言語対応はもちろんのこと、外国人観光客向けのマーケティング促進やグローバル展開などのメリットがあります。自社のサービスや商品をさらに発展させる為にも、外国人の採用を検討しましょう。