素形材産業における外国人採用についてご紹介します。
現在、日本の経済に必要不可欠である素形材産業は深刻な人材不足に陥っています。そんな中、日本で急増している「外国人労働者」が貴重な戦力として注目されています。
この記事では、素形材産業を営んでいる方へ向けて、特定技能での外国人採用についてくわしく解説いたします。

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素形材産業ってなに?

建設現場で話し合う人

素形材産業は建築や工業などで使用される、非装飾的な素材の製造や供給に関連する産業のことです。
具体的には鉄や鋼、セメント、コンクリート、ガラス、プラスチック、陶器、木材などの基本的な素材や、部品が含まれます。
これらの素材は建築や土木工学、製造業などのさまざまな分野で使用され、建築構造物や製品の製造に不可欠です。素形材産業はこれらの素材の製造、流通、販売および関連するサービスを提供する業界全体を指します。

この素形材産業の有効求人倍率は、平成29年度時点で2.83倍。就職素希望する人ひとりに対して就職する先が2.83ヶ所もあり、どこも人材が欲しい状況です。
そんな素材産業で外国人を雇用するためには、どのようなことに注意すればいいのでしょうか?

素形材産業はこんな分野

おもな産業内容
金属素形材産業鉄や鋼などの金属素材を製造・供給する産業
建築、機械工学、自動車産業などで使用される
セラミック素形材産業陶器やセラミック製品を製造・供給する産業
タイルや陶器製品耐火材料などが含まれる
ガラス素形材産業ガラス製品の製造・供給を行う産業
建築、自動車産業、家庭用品などで使用される
プラスチック素形材産業プラスチック製品の製造・供給を行う産業
包装材料、建材、電子部品などに広く使われる
木材素形材産業木材製品や加工木材の製造・供給を行う産業
建築、家具製造、造船業などで使用される
コンクリート素形材産業コンクリート製品の製造・供給を行う産業
建築、インフラ、道路舗装などに利用される

これらの素形材産業は、それぞれ異なる素材や製造プロセスを持ち、建築、工業、農業、日常生活などのさまざまな分野で広く使用されています。
素形材の場合、最終財(※最終消費者によって直接消費される財やサービスのこと)はほとんどなく、中間投入財(※企業や生産者が生産プロセスで消費する、別の生産物やサービスの生産に使われる財やサービスのこと)で、その需要構造は輸送機械工業に大きく依存しています。

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なぜ今、素形材産業で外国人雇用が注目されるのか?

日本の製造業、特に素形材産業は、いま深刻な人手不足に直面しています。この課題を解決する手段として、特定技能制度を活用した外国人雇用が急速に注目を集めています。

素形材産業に外国人労働者はどのくらいいる?

日本で働く外国人労働者は、右肩上がりで増えています。その中でも製造業で働く方は全体の18%程度といわれており、卸売業や小売業のつぎに外国人労働者が多い業界といわれています。
2019年に在留資格として「特定技能」が制定されましたが、この数年で日本の労働力を埋める手立てとして各業界から多くの働き手がもとめられています。

ここまで外国人労働者が増えてきた背景には、いくつかの構造的な要因が存在します。

1. 日本の労働人口減少という構造的課題

少子高齢化が加速する日本では、生産活動の中心となる15歳から64歳の生産年齢人口が年々減少しています。これにより、製造業全体で新たな人材を確保することが極めて難しくなっています。特に、熟練の技術が必要な素形材産業では、若手社員の確保ができず、将来的な技術継承に大きな不安を抱えています。

2. 若い世代の製造業離れ

「きつい、汚い、危険」という「3K」のイメージは、今でも日本の若い世代に根強く残っています。このため、製造業の現場を敬遠する若者が増え、新しい人材がなかなか集まらない状況が続いています。ベテラン社員が引退していく一方で、後継者が育たず、長年培ってきた技術やノウハウが失われるリスクが高まっています。

3. 経済回復と需要拡大

一時的に停滞していた経済活動が回復し、自動車や建設資材などの需要が再び高まっています。これにより、製造業は生産拡大が求められていますが、人手が足りないため、その需要に応えきれていません。こうした状況下で、経験やスキルを持つ外国人材は、生産体制を維持・拡大するための貴重な労働力として期待されています。

 

特定技能「素形材産業」って?

日本では外国人の単純労働は原則として禁止されてきました。しかし、人手不足を解消するために多くの業界が、2019年から特定技能ビザでの外国人労働者を受け入れています。

その対象となる業界として、「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」が対象となっています。

特定技能をカンタンに説明すると?

特定技能(在留資格)とは、日本の深刻な人手不足に対応するため、特定の専門分野で即戦力となる外国人労働者を受け入れる制度です。

目的:日本の労働力不足を解消すること。

対象分野:介護、建設、農業など、人手不足が特に深刻な12分野(2023年時点)が対象となります。

制度開始:2019年に導入された比較的新しい在留資格です。

取得条件:特定技能の在留資格を得るには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 技能試験: 従事する業務に関する「特定技能評価試験」に合格すること。
  • 日本語能力: 基本的な日常会話や業務に必要な日本語能力があること。

これらの試験を通じて、日本の労働市場で即戦力として働くための能力があるかを評価します。詳しくは「こちら」をチェックしましょう。

技能実習との違い:特定技能は、技能を習得しながら働く「技能実習制度」とは異なり、すでに一定の技能と知識を持った外国人を即戦力として雇用することを目的としています。

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素形材産業で外国人を雇用するには?

考え事をする女性

〈特定技能外国人を雇用する会社の条件〉

まず、「製造業特定技能外国人材受入れ協議会(JAIM)」の構成員になることが義務付けられています。この協議会は、外国人材の適切な受け入れや、人権侵害の防止などを目的としており、加入後は、協議会が行う指導や報告、調査などにも協力する必要があります。

次に、雇用形態は必ず「直接雇用」でなければなりません。外国人材を自社の正社員として雇用する必要があり、派遣社員としての受け入れは認められていません。

〈在留資格申請に必要な添付書類〉

「在留資格認定証明書交付申請書」に加え、主に以下の書類が必要です。

  • 会社の概要資料: 会社の案内やパンフレットなど。
  • 雇用契約書: 雇用期間、業務内容、給与などが明記されたもの。
  • 支援計画書: 会社の支援内容(住居、離職時の転職支援、日本語学習支援など)をまとめたもの。
  • 外国人の能力を証明する資料: 日本語能力試験の合格証明書や、特定技能評価試験の合格証明書など。
  • 仲介に関する資料: 仲介者がいる場合に、その概要を記載した書類。

〈注意点〉

協議会に入ることや直接雇用なことはもちろん、その業務範囲にも注意が必要です。協議会では外国人の受け入れや課題の把握、不正行為を防ぐことや再発防止策、人権侵害に対しての情報の共有もしています。ここに入る前に、ぜひ素形材産業の特定技能1号の外国人ができる仕事を知っておきましょう。

できる仕事内容
鋳造溶かした金属を型に流し込み製品を製造する作業
鍛造金属を打撃・加圧することで強度を高め、目的の形状にする作業
ダイカスト溶融金属を金型に圧入して高い精度の鋳物を短時間で大量に生産する作業
機械加工旋盤、フライス盤、ボール盤等の各種工作機械や切削工具を用いて、金属材料などを加工する作業
金属プレス加工金型を用いて金属材料にプレス機械で荷重を加えて曲げ、成形、絞りなどを行い成形する作業
工場板金各種工業製品に使われる金属薄板の加工・組立てを行う作業
めっき腐食防止などのため、金属などの材料表面に薄い金属を被覆する作業
アルミニウム陽極酸化処理アルミニウムの表面を酸化させて、酸化アルミニウムの皮膜を生成させる作業
仕上げ手工具や工作機械により部品を加工・調整し、精度を高めて部品の仕上げおび組立てを行う作業
機械検査各種測定機器などを用いて、機械部品の検査を行う作業
機械保全工場の設備機械の故障や劣化を予防し機械の正常な運転を維持し保全する作業
塗装塗料を用いて被塗装物を塗膜で覆う作業
溶接熱または圧力若しくはその両方を加えて部材を接合する作業

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素形材産業だからこそ得られる、外国人雇用のメリット

1. 技術継承と生産性の安定化

素形材産業の現場では、鋳造や鍛造、溶接など、熟練した技術が求められます。しかし、日本の若者からは敬遠されがちなため、長年の経験を持つベテランが引退すると、技術が途絶えるリスクがあります。

特定技能外国人は、母国でこれらの分野の経験や知識をすでに持っていることが多く、即戦力として期待できます。彼らを雇用することで、ベテランのノウハウを新しい人材にスムーズに継承させ、生産体制を安定させることができます。

2. グローバルな視点と市場の拡大

素形材産業は、自動車や航空機、家電など、グローバル市場で活躍する最終製品に不可欠な部品を供給しています。

外国人材を迎え入れることは、単に労働力を増やすだけでなく、多様な文化や考え方を社内に取り入れるきっかけになります。彼らが持つ母国の情報やネットワークは、将来的な海外展開を考える上で貴重な財産となり、新たなビジネスチャンスの創出にもつながります。

3. 職場環境の改善とイノベーション

多くの素形材産業の現場は、「3K(きつい、汚い、危険)」のイメージから、職場環境の改善が長年の課題とされてきました。

外国人材を雇用し、彼らが安心して働ける環境を整える過程で、企業は既存の職場を見直すことになります。外国人材の視点から出た意見やアイデアを取り入れることで、安全性の向上や業務効率の改善が進み、結果的に日本人社員にとってもより良い労働環境が生まれます。これは、技術革新や生産性向上といった、業界全体の発展にもつながります。

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