「人手不足で仕事が回らないけれど、外国人を雇うのは少し不安…」「せっかく採用しても、すぐに辞めてしまったらどうしよう」そんな悩みを持つ担当者の方は多いのではないでしょうか?

最近では街中で働く外国人の姿をよく見かけます。しかし、職場になじめず、離職してしまうケースも少なくありません。

この記事では、最新のデータをもとに「なぜ外国人は転職を考えるのか」という本音を掘り下げます。
そのうえで、長く一緒に働いていくためのヒントをわかりやすく解説します。

外国人採用を現場でサポート guidableオペレーションバナー

【最新データ】日本で働く外国人は過去最高の257万人に

外国人採用には、人手不足を助けてくれるだけでなく、多くのメリットがあります。

若いスタッフが増えて職場が明るくなったり、日本人にはない新しいアイデアをもらえたりする点は大きな魅力です。
また、海外のお客さまへの対応ができたり、将来的に海外へお店を出したいときの力になってくれたりと、会社を強くするきっかけにもなります。

257万人が活躍中! いまや日本に欠かせない外国人採用

外国人労働者数の推移グラフ

引用:厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)

厚生労働省が発表した「外国人雇用状況」の最新報告書によると、日本で働く外国人労働者数は2,571,037人となり、過去最高を更新しました。
前の年と比べて約27万人増えており、多くの企業で外国人採用が当たり前になってきています。
外国人を雇用する事業所数も37万か所を超え、これからの日本にとって外国人の労働力は欠かせない存在です。

一方で、厚生労働省の別の調査では、直接雇用されている外国人労働者の入職・離職状況についてもまとめられており、雇用を続ける難しさに直面している企業が多い現状も見えてきます。

「専門的・技術的分野」の採用がもっとも多い

在留資格(ビザ)で見ると、ITエンジニアや通訳、そして「特定技能」などを含む「専門的・技術的分野」で働く人が約87万人と、もっとも多くなっています。
この分野は全体の約34%を占めており、いまとても勢いのある採用枠です。

じつは、日本で働く外国人の約60.8%には「前職」があります。日本人と同じように、キャリアアップのために会社を移ることは珍しくありません。
人手不足の分野で即戦力として期待される「特定技能」などのビザでも、同じ仕事の内容であれば転職が認められています。

以前の「一度雇ったら数年は辞めない」という仕組みから、いまは「良い環境を作らないと、より良い条件の会社へ移っていく」時代へと変わりました。
そのため、離職率を下げて長く働いてもらうための工夫が、これまで以上に大切になっています。

引用:厚生労働省 令和6年外国人雇用実態調査

外国人が離職を考える「本当の理由」

外国人採用で離職が起こる理由を貼りだしたイラスト

ここからは、外国人が離職を考えるときの「本当の理由」について、厚生労働省の外国人雇用実態調査データをもとに見ていきます。
単に「飽きたから」ではなく、そこには生活や将来への切実な想いが隠れていました。

転職すると「給料が上がる」のが当たり前?

離職の大きな理由の一つが、給料アップを求めた転職です。
厚生労働省の調査によると、転職した外国人のうち約46.5%が、前の仕事よりも給料が「10%以上増えた」と回答しています。

多くの外国人労働者は、母国の家族へ仕送りをしていたり、高い学費を払っていたりします。
そのため、少しでも条件がいい会社があれば、そちらへ移るのは自然な流れです。

「言葉の壁」が孤独感やミスにつながる

働く上で一番の悩みになりやすいのが、コミュニケーションの問題です。
実際に、外国人採用をしている企業の44.8%が「日本語能力などのためにコミュニケーションが取りにくい」ことを課題に挙げています。

コミュニケーションで困ることの例

  • 安全のための指示が正しく伝わらず、ケガをしそうになる
  • 休憩時間の雑談についていけず、職場で独りぼっちだと感じる
  • 専門用語が難しすぎて、仕事の手順を覚えられない

言葉がうまく通じない状況が続くと、孤独感が強まり「この会社で働き続けるのは難しい」と離職を選んでしまうことがあります。

「聞いていた仕事と違う!」入社前の説明不足

就労上のトラブルとして多いのが「事前に説明された内容と、実際の仕事が違った」という不満です。
とくに、入社前に聞いていたよりも高い日本語能力を求められたり、仕事の内容が思っていたものと違ったりすると、会社への不信感につながります。

初心者の担当者がやりがちなのが、求人票でいいことばかりを書いてしまうことです。
実際の大変な部分も含めて、入社前に「やさしい日本語」でしっかり説明することが大切になります。

日本の「暗黙のルール」や文化に馴染めない

日本の職場には「空気を読む」「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」といった独特のルールがあります。
これは日本人にとっては当たり前ですが、外国人にとっては非常に難しい文化です。

たとえば「何かあったら自分から言ってね」と言われても、自分から上司に話しかけるのは失礼だと考える文化の人もいます。
こうした違いを「常識がない」と決めつけてしまうと、お互いにストレスが溜まり、離職率を上げる原因になってしまいます。

「自分だけ正しく評価されていない」と感じる不安

「どれだけ頑張れば給料が上がるのか」がわからないことも、不安の種です。
昇進や昇給のルールが不透明だと「自分は外国人だから評価されないのかも」と感じさせてしまうかもしれません。

具体的に「この作業ができるようになったら〇円アップ」といった、数字や目で見える評価基準がない場合、将来に希望が持ちにくくなります。
その結果、条件がはっきりしている他社へ流れてしまうケースも少なくありません。

外国人労働者の離職率を下げるための3つの工夫

外国人採用で離職率を下げるコツを探す男性のイラスト

ここからは、採用した外国人が長く安心して働けるようにするための工夫を紹介します。今日からできることを始めてみましょう。

相談しやすい「メンター」の外国人スタッフを育てる

困ったときにすぐ相談できる相手がいることは、定着率を高める大きなポイントです。
すでに日本語が上手な外国人スタッフがいれば、その人を「メンター」として任命してみましょう。

同じ出身国の先輩がメンターになれば、新人のスタッフも生活の悩みや仕事の不安を本音で相談しやすくなります。
日本人社員には言いにくいことも、同郷であれば安心して聞けるため、大きなトラブルになる前に解決できることが増えます。

翻訳ツールと「やさしい日本語」で会話の壁をなくす

すべての会話を日本語だけで完璧にしようとする必要はありません。

最近はスマートフォンの翻訳アプリや、AIを使った翻訳ツールがとても優秀です。
これらを仕事中に活用したり、以下のようなコミュニケーションの工夫を取り入れてみましょう。

  • やさしい日本語を使う:難しい言葉を避け、一文を短くします(例:「提出してください」→「出してください」)
  • 写真や動画を使う:言葉で説明するよりも、写真を見せたり動画で作業の流れを見せたりする方が、圧倒的に伝わります

「分かったふり」を防ぐために、最後に「今の内容を自分の言葉で言ってみて」と確認する習慣をつけると、コミュニケーションのミスを減らせるでしょう。

将来の「キャリア」や「昇給ルール」をはっきり伝える

「この会社で頑張れば、こんな将来が待っている」という道筋(キャリアパス)を見せてあげましょう。
半年ごとに面談をして、今の頑張りを褒めたり、次の目標を一緒に決めたりする方法が効果的です。

評価のステップできるようになること昇給の目安
ステップ1基本のあいさつと掃除、準備ができる基本給
ステップ2指示を受けずにルーチン作業ができる+5,000円
ステップ3新しく入った後輩に仕事を教えられる+10,000円

このようにルールを紙に書いて渡しておけば、「もっと頑張ろう!」という気持ちにつながり、離職を防ぐことができます。

▼ さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです ▼

外国人材の定着率を高める方法|離職率を防ぐ企業の取り組みと対策

✔︎ 関連コンテンツ

外国人採用に関するよくある質問【Q&A】

Q. 外国人は日本人よりもすぐ辞めてしまうの?

「外国人はすぐ辞める」というイメージを持たれがちですが、実際には日本人と同様に、自分に合う職場を探しているだけです。

過去の調査では、技能実習生よりも特定技能や専門的なビザを持つ人の方が、転職できる自由がある分、離職する傾向が見られた時期もありました。
しかし、これは「外国人だから」ではありません。職場の環境や給与条件が、本人の求めているものと合っていなかったことがおもな理由です。

しっかりしたサポートがあれば、日本人以上に長く活躍してくれる方もたくさんいます。

Q. 給与を上げること以外にできる対策はある?

もちろんあります。お金も大切ですが「この会社は自分を大切にしてくれる」という安心感が、定着の鍵になります。

  • 生活のサポート:役所の手続きや病院、スーパーの場所を教える
  • 食事の配慮:お弁当や飲み会で、宗教上の理由などで食べられないものがないか確認する
  • 歓迎の気持ち:誕生日にメッセージを送ったり、日常的に名前で呼びかけたりする

こうした「心のつながり」を感じられる職場は、少し給料が高い他社よりも魅力的に映ります。

Q. どんな在留資格(ビザ)の人が長く働いてくれる?

永住者や日本人の配偶者など「身分にもとづく在留資格」を持つ人は、日本に生活の基盤があるため、長く定着しやすい傾向があります。

一方で「技能実習」は原則として転職ができませんでした。しかし、新しく始まる「育成就労」や、現在の「特定技能」では、一定の条件のもとで転職が認められています。

ビザの種類に関わらず、「ここでずっと働きたい」と思える環境を作ることが、定着へのいちばんの近道です。

身分系ビザとは? 就労制限がない外国人の在留資格をわかりやすく解説

✔︎ 関連コンテンツ

さいごに

外国人採用や離職率のニュースを見ると、少し難しそうに感じるかもしれません。ですが、現在多くの企業が外国人を雇う一番の理由は、労働力不足の解消や緩和です。
言葉や文化の壁に悩む企業も少なくありませんが、お互いに歩み寄ることで、日本人スタッフだけでは気づけなかった新しい発見や活気が生まれます。

「相手をひとりの人間として大切に思う気持ち」があれば、一生懸命に頑張る姿を認め合い、信頼関係を築くことができます。
まずは難しい専門用語を使わず、今日から笑顔で「お疲れさま!」と声をかけることから始めてみませんか?

「具体的にどう進めればいいか不安」という方は、こちらの資料も参考にしてみてください。
初心者の担当者が押さえておきたいコミュニケーションのポイントを、わかりやすくまとめています。

「外国人材とのコミュニケーションの課題を解決する方法」を無料ダウンロード>>

外国人採用スムーズ 相談 バナー