【最新版】特定技能1号と2号の違いとは? 採用前に確認したい制度の基本を解説
特定技能外国人の採用を考えている方の中には、「特定技能1号は5年たったら帰国しなければならないの?」「2号は家族も一緒に日本で暮らせるの?」といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
在留資格「特定技能」には1号と2号があり、その性質にははっきりとした違いがあります。
2024年からは対象分野が拡大され、より長期的な就労を見すえた選択もしやすくなりました。
この記事では、特定技能1号と2号の違いを、最新の16分野に対応した比較表を用いて整理します。
企業担当者の方にとっても、日本での就労を目指す外国人の方にとっても、制度全体の見通しをつかむための基本として役立つ内容です。
目次
在留資格「特定技能」とは?
「特定技能」とは、日本の深刻な人手不足を解消するために、2019年4月に創設された在留資格です。
従来の「技術・人文知識・国際業務」などの専門職ビザとは異なり、これまでは外国人の就労が難しかった現場作業(建設、農業、外食など)において、即戦力となる外国人材を受け入れることを目的としています。
2024年には新たに「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野が追加され、現在は合計16分野での受け入れが可能になっています。
この制度は、能力や経験に応じて「1号」と「2号」の2段階に分かれている点が、大きな特徴です。
【比較表】特定技能1号・2号それぞれの特徴は?
比較項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
在留期間 | 通算5年まで | 制限なし(更新可能) |
対象分野 | 16分野 | 11分野 |
技能水準 | 相当程度の知識・経験(即戦力) | 熟練した技能(現場監督レベル) |
日本語能力 | 生活・業務に必要なレベル(N4相当) | 試験不要(1号での経験で証明) |
家族の帯同 | 原則不可 | 可能(配偶者・子) |
永住申請 | 不可 | 要件を満たせば可能 |
支援義務 | 企業(または登録支援機関)に義務あり | 義務なし |
特定技能1号・2号の決定的な7つの違い

前項の比較表で挙げた7つの項目について、それぞれの違いを最新情報にもとづいて整理します。
① 在留期間の違い:通算5年の壁
- 特定技能1号: 在留期間は通算で最大5年です。どれだけ優秀な人材であっても、5年を超えると、ほかの在留資格へ切り替えない限り、母国へ帰国する必要があります。
- 特定技能2号: 在留期間に制限はありません。定期的な更新を続けることで、日本で期限なく働き続けることができます。
② 対象分野の違い:16分野と11分野
特定技能1号は、2024年の制度改正により16分野に拡大されました。2号は、一部を除いた11分野が対象です。
特定技能1号(16分野)
以下の分野で「相当程度の知識・経験」を持つ外国人が就労できます。
- 介護
- ビルクリーニング
- 工業製品製造業
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 【2024年追加】 自動車運送業
- 【2024年追加】 鉄道
- 【2024年追加】 林業
- 【2024年追加】 木材産業
特定技能2号(11分野)
2号は、1号の分野のうち「介護」や新設の「4分野」を除いた、熟練した技能が求められる分野が対象です。
- ビルクリーニング
- 工業製品製造業
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
※注意:介護分野には、すでに「介護」という別の在留資格(国家資格取得で取得可能)があります。この資格が「期間無制限・家族帯同可」の役割を担っているため、特定技能2号は設定されていません。
特定技能の職種は何がある?16分野の仕事内容と最新ルール【2025年版】
③ 技能水準の違い:即戦力か熟練工か
- 特定技能1号: 相当程度の知識や経験を確認する技能試験への合格が求められます。現場ですぐに働ける「即戦力」としての水準です。
- 特定技能2号: 1号よりも高度な「熟練した技能」が必要になります。現場で複数の作業員をまとめ、指導や監督を行えるリーダーレベルの力が前提です。
④ 日本語能力の違い:試験免除の有無
- 特定技能1号: 日常会話や業務に支障がない水準(日本語能力試験N4以上など)への合格が必須です。
- 特定技能2号: 原則として日本語試験は課されません。1号として5年間日本で活動した実績が、生活に必要な日本語力を持っている証明とみなされます。
⑤ 家族の帯同(呼び寄せ)の違い
- 特定技能1号: 原則として、家族を日本に呼び寄せることは認められていません。
- 特定技能2号: 配偶者と子を日本に呼び寄せ、一緒に暮らすことができます。生活の安定や働き続ける意欲に影響する大きな違いです。
⑥ 永住申請(永住権の取得)への影響
- 特定技能1号: 1号として活動した期間は、永住申請に必要な「居住10年・就労5年」の期間に含まれません。
- 特定技能2号: 2号として活動する期間は、永住申請のカウント対象になります。長期的に日本で暮らしたい外国人にとって、2号への移行は避けて通れないステップです。
⑦ 支援義務・コスト面の違い
- 特定技能1号: 企業には「生活支援」を行う法的義務があります。外部の登録支援機関に委託する場合、月ごとの委託費用が発生します。
- 特定技能2号: 熟練した人材として自立した活動が前提となるため、1号のような義務的支援やそのコストは不要です。企業側の事務負担や費用を抑えやすくなります。
特定技能1号から2号へ移行するには?

特定技能2号へ移行(在留資格変更)するためには、国が定める「技能水準(試験)」と「実務経験」の2つの要件をクリアする必要があります。
2号に移行する段階で必要な実務経験
特定技能2号へ移行するには、特定技能1号として在留しているあいだに、各分野で求められる実務経験を積むことが前提です。
2号で重視される実務経験の核心は、「複数の作業員を指揮・命令する立場(指導・監督者)」として働いていたかどうかにあります。
【一覧表】全11分野の移行要件
分野 | 実務経験の要件 |
ビルクリーニング | 2年以上の現場管理者としての実務経験 |
工業製品製造業 | 3年以上の班長などとしての実務経験 |
建設 | 指導・管理者としての実務経験(年数は試験区分ごとに定められる) |
造船・舶用工業 | 2年以上の監督者としての実務経験 |
自動車整備 | 3年以上の事業場での実務経験 |
航空 | 指導者としての実務経験(空港グランドハンドリング業務)、3年以上の現場での実務経験(航空機整備業務) |
宿泊 | 2年以上の指導を含めた実務経験 |
農業 | 2年以上の指導・管理者としての実務経験、もしくは3年以上の現場での実務経験 |
漁業 | 2年以上の監督補佐・指導・管理者としての実務経験 |
飲食料品製造業 | 2年以上の現場管理者としての実務経験 |
外食業 | 2年以上の店舗管理補助者(副店長など)としての実務経験 |
移行を成功させるためのポイント
実務経験の証明
移行のときには「実務経験証明書」の提出が必要です。
単に長く働いていただけでは足りず、「複数の人をまとめてリーダー業務を行っていた」ことが伝わる内容であるかが問われます。
日々の業務でどのような立場を担っていたのか、会社側と認識をすり合わせておきましょう。
2号試験の実施状況
分野によっては、2号試験の実施回数が1号より少ない場合があります。そのため、条件を満たしていても、すぐに受験できるとは限りません。
制度上の要件だけでなく、試験のタイミングも含めて確認しておくと、移行までの流れが見えやすくなります。
日本語試験の免除
全分野共通で、2号への移行時に新たな日本語試験に合格する必要はありません。1号としての在留期間そのものが、日本での生活や業務に対応できる力の裏づけとされています。
この点は、移行を考えるうえでの一つの安心材料になるかもしれません。
特定技能ビザに関するよくある質問【FAQ】
Q. 特定技能ビザの外国人は転職が可能?
A. はい、可能です。
特定技能(1号・2号とも)は、同一分野内であれば転職が認められています。ただし、転職先でも同等の技能水準が求められます。
2号のまま転職する場合は、新しい職場でも「指導・監督者」としての役割を担うケースが多い点に注意が必要です。
Q. 家族を呼ぶための条件や、永住権へのパスは?
A. 2号取得後に家族帯同が可能になり、永住申請にもつながります。
特定技能2号になると、配偶者と子を日本に呼び寄せることができます。ただし、親や兄弟は対象外で、家族を養える十分な給与所得があることが条件です。
永住申請には原則として「就労5年以上」の期間が必要ですが、1号の在留期間は含まれず、2号へ切り替えてからの期間がカウントされます。
Q. 1号の期間が終わる前でも2号へ移行できる?
A. 要件を満たしていれば、在留期間を残したまま移行できます。
特定技能1号の在留期間である5年を使い切る必要はありません。
実務経験を積み、現場リーダーとしての経験を備えたうえで、2号技能測定試験に合格すれば、2〜3年で在留資格変更申請を行うことも可能です。
Q. 2号の更新回数に制限はある?
A. 更新回数に制限はありません。
特定技能1号には「通算5年」という上限がありますが、特定技能2号にはその制限がありません。
更新を続けることで、日本で長く働き続けることができます。
さいごに
特定技能1号と2号の最大の違いは、「日本での定住と将来設計が可能かどうか」にあります。
- 1号:日本での就労の入り口(即戦力として5年間)
- 2号:日本での長期的な活躍(リーダー候補・永住の道)
深刻な人手不足が続く中、優秀な人材に長く働いてもらうためには、1号で終わらせず、「2号への移行」を見すえた受け入れ体制を整えることが欠かせません。その姿勢が、企業にとっての違いとして伝わる場面も増えています。
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