マレーシア人は英語が話せるの? 母国での英語教育や、発音のクセや訛りについても解説!
多民族国家であるマレーシアでは何語が話されているのでしょうか? マレーシアの外務省のデータによると、民族的には約7割が先住民族などを含めたマレー系、2割が中国系、残りにインド系が含まれているといいます。
国で使用されてる言語も、メインとなるのは「マレー語」ですが「中国語(広東語・福建語)」や「タミル語」も使用されています。そして何よりも世界共通語である「英語」も準公用語として使用されており、マルチリンガルな国であるといえるでしょう。
そんなマレーシアの英語のレベルは非英語圏の英語力の指標となっているEF EPI(Education First , English Proficiency Index)にて113カ国中、25位(ちなみに日本は87位です。)マレーシアはアジアでは第3位と、非常に高いレベルです。
今回はそんなマレーシアでの英語の位置付けや英語教育など、マレーシア国内での英語について紹介します。
目次
マレーシア人は小さい頃から英語が話せる?
マレーシアは小学生1年生のころから英語の勉強がスタートします。しかし家庭によってはさらにそれを見越して、幼稚園・保育園でも英語の教育を行っていることが多いようです。
日本では2020年から小学3年生から英語が必修となりましたが、マレーシアでは6〜7歳から本格的に英語の学習が始まります。英語に触れる年齢が早くなることで、無意識のうちに英語への苦手意識が減るということも考えられるかもしれません。
マレーシアの基礎知識をチェック
マレーシアは東南アジア諸国連合(ASEAN)の加盟国で、人口は3,230万人、国土は日本の0.87倍の33㎢と日本よりもひとまわり小さな島国です。人口は前年比で1~1.5%程度ずつ増えています。
マレーシアは1957年にイギリスから独立、65年にシンガポールがマレーシアから独立し、現在のかたちになりました。
現在はほかのアジア諸国と同様に、経済発展を遂げている国です。2022年のマレーシアの経済成長率は8.7%で、東南アジアの主要国の中では最高でした。人種によって話す言語はさまざまですが、みな共通して英語を話すことができるといわれています。
宗教はイスラム教がもっとも多く、ほかにも仏教やヒンドゥー教などさまざま。ざっくりとまとめると「熱帯地域に位置するヨーロッパや、東アジア、インドなど多くの文化的影響が混ざりあった国」であるといえるでしょう。
マレーシアの英語教育とは?
マレーシアでは具体的にはどんな教育方法なのでしょうか? マレーシアの英語教育を語る前には、まず国家としての歴史を知らなければいけません。
もともとマレーシアはイギリスの植民地化にある国でした。1957年にイギリスから独立したマレーシアは、マレー語を公用語として教育なども転換点を迎えました。
こうして一時期は英語でなくマレー語での教育がメインであったものの、近年は国家としてもグローバルに活躍できる人材を育成すべく、ふたたび英語教育に力を入れています。
イギリス統治時代のマレーシア小学校では、「マレー語」と「英語」の2言語教育が行われていました。しかしイギリスからの独立後は、マレー語重視の教育に変わり、英語の教育水準は低下しました。
しかしその後に時代の流れから、英語教育の重要性が再認識されて2004-2012年には、小学校での算数や理科などの理数科目を英語で教えることが義務づけられ、現在では英語もしくはマレー語で選択して授業を受けられる仕組みとなっています。
なおマレーシアの小学校では英語の4技能のうち、低学年では「スピーキングとリスニング」を、高学年では「リーディングとライティング」に重点を置いて授業が行われているようです。
バランスが整った教育カリキュラムですね。
マレーシア人の英語は訛りがあるの?
アジアの中ではハイレベルな英語教育のマレーシアですが、ネイティブにくらべて訛りはあるのでしょうか? マレーシア英語の訛りや、英語圏へ留学する留学生について探っていきましょう。
母語と似た発音になる英語
マレーシアはイギリスの統治下であったことから、イギリス訛りの英語かと思われがちですが実際はそうではありません。多民族国家なのでそれぞれの民族の母語が反映された訛りであるとされてます。
たとえばマレー系であれば、マレー語由来から来ていて「パ行」や「チャ行」が多く聞こえる。また中国系であれば中国語がそのまま英語になったような感じ、など。
それぞれの民族の母語に引っ張られるかたちで英語にも訛りがあることが多いです。とくにインド系の訛りは「タミル語やヒンドゥー語」の発音が反映されており、独特な巻き舌での発音が最初は聞き取りづらいと感じることがあります。
こうした「民族間によって異なる英語の訛り」が、マレーシア英語の特徴といえるでしょう。
マレーシアでは他国への留学生も多い?
マレーシアでは日本と同様で、アメリカやイギリスなどの英語圏に留学するひとがとても多いです。
マレーシアは1981年に「日本の集団主義と勤労倫理を学べ」というルックイースト政策を打ち出した、日本への留学生が比較的多い国です。現在でも政府のスポンサーを受けて、マレーシア教育機関にて日本語や基本技術を習得して、日本の国公立大学や一部の私立大学に編入・留学している現状です。
しかし近年になるにつれて経済成長著しい中国や欧米への留学が急増。
2016年に発表されたユネスコの調査では、マレーシア学生の留学先のうちの上位3位はイギリス、オーストラリア、アメリカです。この3カ国だけで全留学生の約65%を占める人気です。
日本でも欧米諸国が人気なので、かなり近い割合になってきています。
日本で働くマレーシア人は英語ペラペラ?
日本で働くマレーシア人を採用するメリットは、高い英語力でしょう。
TOEICのスコアは800点以上が当たり前で、英語でのコミュニケーションがストレスなく取れます。
マレーシア人が多い業種は?
近年ではマレーシア人向けにも日本企業の求人は多く存在します。
求人サイトを見てみると、最近は製造・メーカーや貿易関係など、さまざまな職種での募集がありますが、いちばん人気の業種はIT・システム系のエンジニア。
スマートフォン向けのアプリ開発や、AI、Fintech系など、日本でも伸びてきている業界、業種にて海外人材の人気があります。
マレーシア人にとっても日本で就職するメリットは大きいため、英語圏への留学生が多いものの、日本への就職を希望するマレーシア人学生も多いです。日本企業は研修が充実していたり、初任給もマレーシアと比較すると高く点も魅力的に思えるポイントでしょう。
まとめ|マレーシア人は英語が得意なことが多い
今回はマレーシア人の英語の特徴や、英語教育、キャリアに関して紹介しました。
多民族国家でありながら、準共通語として多くの人が英語を喋ることができるマレーシア。
日本も人口減少によって多くの外国人労働者を受け入れるため、今後はますますマレーシア国籍の方も増えていくでしょう。
今後は留学生としてだけでなく、日本企業に就職した方と接する機会が増えていくことでしょう。