観光客の急増などによってグローバルな市場があたりまえとなっている今、外国人採用をしている企業が多くなっています。

しかし、外国人は「急に仕事に来なくなる」「すぐにやめてしまう」という話はよく見聞きするもので、そのような経験・イメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

本記事では、外国人にきいた日本の職場にもとめる労働環境や条件をもとに、外国人の定着率をあげる方法について解説します。

外国人人材の定着率・離職率の現状

外国人人材は増加

外国語をあつかえるだけでなく、人手不足を解消する力としても外国人労働者は貴重な人材となっています。とくに、飲食店やコンビニでは外国人のスタッフがほとんどであることも珍しくないでしょう。

実際に、外国人労働者の数はおよそ205万人となっており、年々増加し続けています。さまざまな業界で人材確保のために外国人人材の採用を行っています。

今後人手不足がより深刻化し、どの業界でも外国人採用は避けては通れない選択肢になるといえます。

参考:厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ

定着率と離職率

一方で、外国人労働者の離職率がたかく、定着させるのが難しいのも事実です。厚労省の調査によると、1年間で約45%の外国人が離職しています。

参考:厚生労働省 直接雇用の外国人労働者の入職、離職状況

また、べつの調査では1年以内に離職をする方が28%を記録し、半数以上がモチベーションダウンを感じたと答えています。

参考:ヒューマングローバルタレント株式会社 日本で働く外国籍人材の離職とモチベーションダウンに関する調査

外国人をたくさん雇用していても、おおくが短い期間でやめてしまい、日本の職場で仕事への熱が持続しない現状があることがわかります。

離職率をさげ、外国人人材を定着させるためには、離職する理由や、定着させる方法を把握しなければいけません。

外国人人材の離職率が高い理由

人間関係と給料

なぜ外国人の離職率は高いのでしょうか。

ITmediaの調査によると、外国人が離職する原因は「上司のマネジメント・指導に対する不満」がトップとなっています。そのほかに「給料が安い、残業代が支払われない」、「職場の人間関係に対する不満」が上位となっています。

この結果から、外国人はおもに人間関係と給与の面で離職していることがわかるでしょう。とくに、人間関係は日本人の離職理由としても3番目におおくなっており、言語や文化のことなる外国人となるとさらにむずかしい問題となります。

参考:ITmedia 日本で働く外国人の早期離職率は28%、理由は?

業務内容のミスマッチ

外国人が離職する理由として2番目におおいのが「業務内容のミスマッチ」です。就労前にイメージしていた業務と実際の内容がことなると不満を感じやすいようです。とくに、外国人は日本人にくらべてどのような仕事に就くのかを学生のころから考え、大学で学んだスキルを仕事に生かしたいと考える方がおおい傾向があります。

面接の段階で本人のきぼうや思い描くキャリアプランを丁寧にきくことが大切だといえます。

外国人人材の定着を上げるための方法

外国人材に定着してもらうためには、外国人が日本の職場をどうみており、仕事に対してなにを求めるのかを理解することが重要です。

以下では、日本の大学に通う留学生へのインタビューをもとに、外国人がもつ日本の職場へのイメージと求めるものについてご紹介します。

英語の導入

外国人が職場に一番もとめるのが、英語の導入です。日本語だけでなく、かんたんな英語を交えたコミュニケーションができると職場になじみやすく、仕事もスムーズに覚えられるといいます。

また、「日本語ができないと、日本では働けない」という強い固定概念があるそうです。そのため、職場をえらぶ際にほかに外国人がいるのかどうかをすごく気にします。

完璧な英語をもとめてはいないので、会話やマニュアルなどで積極的に英語を利用することが、良好な人間関係の構築につながり、外国人人材の定着の促進になりそうです。

日本語トレーニング制度

英語を交えたコミュニケーションをもとめる反面、日本で働く外国人は日本語の学習意欲がたかい方がほとんどです。

ただ、留学生は大学でおこなう日本語の授業で基礎的なレベルまでしか学べないため、在学中にビジネスレベルの日本語を習得するのはむずかしいそうです。社会人になっても、日本人が英語に苦戦するのと同じように、外国人にとって日本語を学習するのは困難でしょう。

そのため、職場でも日本語を学べる環境を整備することで、モチベーションの向上につながるといいます。

フレキシビリティ

フレキシビリティや福利厚生も外国人は働く上でつよく意識します。仕事における極度な重圧や、強制的かつ長時間の残業は早期の離職につながります。

例えば、日本に多くいる南アジアの方々は家族との時間や自分の生活スタイルをなによりも優先します。また、会社にフリードリンクなどの充実した環境があると魅力的に感じるそうです。適度な残業には納得できるので、仕事とプライベートのバランスを適切に与えることが定着につながるといえます。

成果を考慮した報酬

日本では年功序列による評価制度がおおいのに対して、海外では成果主義が一般的です。

そのため、高い評価と給料を得るためにハードワークする方がおおい傾向にあります。しかし、日本ではたらくと、能力や成果に応じた評価・給料をもらえていないとみな感じてしまうそうです。

外国人材を受け入れるさいには、評価・給料の基準をみなおすか、納得のいくよう話し合いを手厚くおこなうことが必要であるといえます。

外国人にとって働きやすい日本の職場について解説した記事もありますので、定着率をあげたい方はぜひご覧ください。

グローバル企業の条件とは? 外国人の働きやすい日本の職場|メリット・おすすめ人材について解説

まとめ

本記事では、日本の職場で外国人材の定着率をあげる方法についてご紹介しました。外国人の離職をふせぐためには、多言語をまじえた交流や報酬面での理解が欠かせません。

他にも、それぞれの外国人によって職場にもとめるものや働きやすい環境は異なってきます。

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