指定書ってなに? 発行される外国人の条件、書かれている内容や採用時に確認したいポイントを見本付きで解説!
外国人を採用する際に重要な指定書。これは、その人がどんな仕事ができるかを証明する書類です。
しかし、「指定書ってなに?」「どんなことが書かれているの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。また、在留資格によっては指定書が発行されない場合もあります。
この記事では、「指定書を一度も見たことがない」という人事担当の方や、外国人材の採用を検討中の方に向けて、指定書の内容や見本をわかりやすくご紹介します!
指定書とは
指定書は、外国人が日本でどのような活動をするのかを詳しく記した書類です。この書類は日本の入国管理局が発行し、外国人が日本に滞在中に認められている活動内容が具体的に書かれています。
たとえば、働く場合には仕事内容や勤務先が記載されており、これを見ることでその人が日本でどのような目的で滞在しているのかが一目でわかります。
外国人を雇う企業は、在留カードと指定書の両方を確認する必要があります。
在留カードだけでは具体的な活動内容がわからない場合があるため、指定書を確認して、その人が認められた範囲内で活動しているか、またその範囲内で雇用できるかを確認することが重要です。
指定書はどんな人に発行されるの?
指定書は、特定の条件を満たした外国人に発行されます。おもに、次の3つの在留資格を持っている人が対象です。
- 特定活動
- 特定技能
- 高度専門職
発行のタイミングは、在留カードが交付されるときと同じです。
たとえば、日本に入国するときや、すでに持っている在留資格を変更するときに、入国管理局から発行される仕組みです。
指定書はどこにあるの?
指定書は、外国人のパスポートにホチキスでとめられています。これは、入管が指定書を交付するときにその場で行う手続きです。
パスポートに指定書がとめられていることで、入管や警察、雇用主が簡単に内容を確認できます。たとえば、空港の入国審査や職場での身分確認のときに、パスポートを見せれば指定書の内容をすぐに確認することができます。
「特定活動」の指定書
在留資格「特定活動」は、他の在留資格に該当しない特別な活動をする外国人に与えられるものです。
この資格には、さまざまな活動があり、告示に載っているものだけでも50種類以上あります。また、告示に載っていない活動も多いため、指定書の内容は個別に異なります。
そのため、指定書には、どんな活動ができるのか、どんな制限があるのかが詳しく書かれています。
見本:告示特定活動(第46号:本邦大学等卒業者)
「特定活動46号」は、日本の大学や大学院を卒業した外国人が、さまざまな職種で働けるようにするための在留資格です。この指定書には、活動内容に加え、就職先の会社名や所在地が書かれています。
見本:告示外特定活動(継続就職活動)
「継続就職活動」は、日本の大学や専門学校を卒業した外国人が、引き続き就職活動を続けるための資格です。
卒業前に就職活動をしていたけれど、卒業時に内定がもらえなかった場合に発行されます。この指定書には、通常、次のように活動内容が書かれます。
この資格を持っている人は、資格外活動許可を取ることで、週28時間以内のアルバイトができます。ただし、アルバイト先の情報は指定書には書かれません。
あくまでも、「継続就職活動」の指定書を持っている外国人は、在留期間内に就職を決めることが目標です。
「特定技能」の指定書
在留資格「特定技能」は、特定の業界で人手不足が問題になっている分野で、即戦力として働く外国人に与えられる資格です。
見本:特定技能(飲食料品製造業)
特定技能は、2024年時点で16の業種があります。指定書の内容はどの分野でも同じで、就職先の会社名や所在地、そしてその業界(特定産業分野)が書かれています。
特定技能を持つ外国人は、すぐに仕事を始められる即戦力として認められているため、さまざまな業務に携わることができます。そのため、指定書には業務内容も参考として書かれています。
「高度専門職」の指定書
在留資格「高度専門職」は、特別な技能や知識を持っていて、専門的な分野で活躍できる外国人に与えられる資格です。
見本:高度専門職1号(ロ)
「高度専門職」には、1号や2号、(イ)、(ロ)、(ハ)など、いくつかの種類があります。指定書には、その種類と就職先の会社名、所在地が書かれています。
外国人材採用で「指定書」をしっかり確認しよう
外国人を採用するとき、「指定書」はその人がどんな仕事を合法的にできるのかを示す大事な書類です。確認を忘れると、後でトラブルや法律違反につながることがあります。
ここでは、採用前に確認しておきたい指定書のポイントをわかりやすく説明します。
指定書でできる仕事を確認する
指定書には、その外国人がどんな仕事ができるのかが書かれています。たとえば「介護」や「飲食料品製造業」など、仕事の内容が決まっています。
この内容を確認しないまま採用すると、外国人労働者は認められていない仕事をすることになり、会社が法律違反になるかもしれません。必ず指定書を見て、自分の会社でやってほしい仕事が条件に合っているか確認しましょう。
指定書の企業情報も要チェック
指定書には、その外国人が今働いている会社の名前や住所が書かれています。もしその人が転職を希望している場合は、指定書の情報が最新かどうかを確認してください。
たとえ同じ仕事内容でも、転職先が変わる場合は、在留資格を変更する手続きが必要です。この手続きを忘れると、新しい職場で働けなくなることもあるので注意しましょう。
指定書に関するよくある質問
ここでは、指定書に関して採用担当者からよく寄せられる質問を紹介します。
指定書に有効期限はありますか?
指定書には有効期限はありません。
もし在留資格を更新しても、勤務地や仕事内容に変更がなければ、新たに指定書が交付されることはなく、パスポートに貼られたものがそのまま使われます。
指定書の内容に変更があった場合、どうすればいいですか?
転職や業務内容の変更があった場合は、在留資格を変更する手続きが必要です。
また、所属する会社の名称や所在地の変更があった場合は、指定書に書かれている内容を訂正する手続きが必要です。変更後の情報を証明できる書類を持って、入国管理局に申請してください。
指定書が貼られていないこともありますか?
はい、場合によっては指定書が貼られていないこともあります。
オンラインで在留資格を切り替えた場合、指定書は別で送られることがあり、パスポートには貼られません。その場合は、外国人本人から「就労資格証明書」を提出してもらうことで、活動内容を確認できます。
指定書に「報酬を受ける活動を除く」と書かれているけれど、採用できますか?
基本的には採用できません。ただし、本人が「資格外活動許可」を持っていれば、その範囲内でアルバイトなどを行うことができます。
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