ハローワークでも外国人の採用はできるのか、疑問に思う人もいるかもしれません。
結論からすれば、ハローワークで外国人の求人を出すことは可能です。
費用は無料です。この記事ではハローワークや外国人雇用サービスセンターの概要に加え、ハローワークで外国人の求人を出す方法やメリットを解説いたします。

またハローワークで行われているのは求人支援だけではありません。
雇用保険や助成金、「外国人雇用管理アドバイザー」などのサービスも無料で運営されています。外国人採用を考える企業なら気軽に利用できる制度も多いです。
これを読んで、外国人採用の新たな一歩をぜひ踏み出してみて下さい!

ハローワークで外国人の求人を出す前に…

ハローワークでは日本人だけでなく、外国人に対しても求人募集を出すことが可能です。
求人を出すまえに、まずはハローワークの仕組みについて押さえておきましょう。

厚生労働省が運営するハローワークの概要と、同じく厚生労働省が運営する「外国人雇用サービスセンター」について解説します。

ハローワークとは?

ハローワーク(公共職業安定所)は「安定した雇用機会を確保すること」を目的に、厚生労働省が運営する組織です。

企業には、雇用に関する国の助成金や補助金、雇用保険に関する申請と相談、求人情報の受け付けなどが行われています。
全国200万人以上の求職者に対して、アプローチできることが特徴です。

仕事を求める人には、就職・転職に関する相談やアドバイス、職業紹介や雇用保険の受給手続きなどを行っています。
なお最近では外国人が増えてきたため、外国人専門の就職相談員や複数言語での通訳を設置するようにもなりました。

詳しくは以下をご覧ください。

★通訳を配置しているハローワークの一覧についてはこちら

★外国人出張行政相談コーナーについてはこちら

外国人雇用サービスセンターとは?

高層ビル

外国人雇用サービスセンターは厚生労働省が運営するもので、外国人の就職支援を行っています。拠点は4ヶ所です。

東京、名古屋、大阪には「外国人雇用サービスセンター」が設置され、
福岡では「福岡学生職業センター」(福岡新卒応援ハローワーク)が設置されています。

外国人留学生に対して就職情報を提供するだけでなく、入学後の早い段階からの就職支援(就職ガイダンス)や大学との協力(訪問ガイダンス)、留学生向けインターンシッププログラムの提供や、留学生向け就職面接会、その他、留学生に対する職業相談や職業紹介などが行われています。

外国人採用を考えるなら、ぜひ一度訪問してみることをおすすめします。
所在地と連絡先は以下の通りです。

・東京外国人雇用サービスセンター

〒163-0721 

東京都新宿区西新宿2-7-1 小田急第一生命ビル21

TEL: 03-5339-8625  FAX: 03-5339-8654

ホームページはこちら

・名古屋外国人雇用サービスセンター

〒460-0008 

名古屋市中区栄4-1-1 中日ビル12階

TEL:052-264-1901 FAX:052-249-0033

ホームページはこちら

・大阪外国人雇用サービスセンター

〒530-0017

大阪市北区角田町8-47 阪急グランドビル16階

TEL: 06-7709-9465 FAX: 06-7709-9468

ホームページはこちら

・福岡学生職業センター(福岡新卒応援ハローワーク)

〒810-0001

福岡市中央区天神1-4-2 エルガーラオフィスビル12階

TEL:092-714-1556 FAX:092-717-6276

ホームページはこちら

ハローワークに外国人の求人を出すには?

ハローワークと「外国人雇用サービスセンター」の概要について解説してきました。
以下では具体的に求人を出すための方法について見ていきましょう。

申し込み方法とは?

ハローワークで求人を申込み、採用するまでのステップは以下になります。

事業所の登録

まずは事業所の住所を管轄するハローワークで「事業所登録」を行う必要があります。

事業所を登録する際には、会社の特徴や事業の内容、社会保険や福利厚生などを記入します。
登録した内容は、今後申し込む求人情報・求人票に掲載されます。

★全国ハローワークの所在案内はこちら

求人申込書の記入・提出

その後「求人申込書」を記入してハローワークに提出します。この際「実際にハローワークに出向く」「ハローワークインターネットサービスで手続きする」という2通りから仮登録をすることが可能です。

求人票の交付

求人が受理されると「求人票」が交付されます。
登録した求人情報は、受理された日の翌々月末までが有効期限に設定されます。
たとえば4月1日に受理されたケースであれば、6月30日が求人の有効期限となります。

なお有効期限をより短く設定することも可能です。

応募・選考

実際に応募者が出た場合は、ハローワークの担当者が会社に連絡をします。
そこで面接日を調整し、候補者との面接へ移行するという流れです。
合否が決定したら本人に通知するだけでなく、ハローワークにも「選考結果通知」を報告する必要があります

詳しい流れや内容については、ハローワークのウェブサイトに詳しく記載されているので、ぜひ参考にしてみて下さい。

★求人申込書の書き方はこちら

★求人申込み手続きの流れはこちら

ハローワークを使うメリット・デメリット

ハローワークで求人を出す方法を紹介しましたが、求人募集の方法はハローワークだけではありません。
民間の事業者のサービスやSNSを使うなどの方法もあります。

ではハローワークのメリット・デメリットはどんな点があるのでしょうか?

メリット

無料で求人募集できる

一番のメリットは「無料」だということです。
ハローワークは無料で求人を受け付けてくれるため、求人コストがかかりません。一般的な有料求人広告への掲載は、1ヶ月程度で数万〜50万前後の費用がかかるといわれています。

とくに予算の限られた中小企業にとっては大幅なコスト削減につながり、大きなメリットといえるでしょう。

多くの人にアクセスできる

第二のメリットは、多くの人に告知ができるということです。
厚生労働省が発表した2022年度のデータによれば、ハローワークにおける新規求職者数は年間で約335万人
ハローワークの紹介で就職するのは、年によりますが15~17%程度とされています。

またハローワークの求人はインターネットへの掲載も可能ですが、2018年度のデータを見ると、1日あたり33万件のアクセスがあると発表されています。
ハローワーク利用者は7割が職についていない「離職者」とされており、求職の意向が強いことも特徴です。

助成金の対象となる場合がある

第三のメリットは助成金が活用できるという点です。
例えば「トライアル雇用助成金」は、ハローワーク経由での採用で一定条件が合えば助成金が支給されるという制度です。

助成金は地域によって施工期間や内容が異なる場合があるため、つぎの項目で詳しくご紹介します。

デメリット

若年層の利用者が少ない

少子化が進む中、どの企業でも若い労働力の確保が目指されています。
しかしハローワーク利用者の年齢層は、30代〜高齢者がほとんどである現状があります。

独立行政法人労働政策研究所・研究機構のデータによると、29歳以下の利用者はわずか15%となっています。
ハローワークを通じた若者の採用は難しいことがわかるでしょう。

ミスマッチが起こりやすい

ハローワークの求人票には規定があり、記載できる文字数や情報が比較的少なくなっています。
そのため、仕事の内容と具体的な規定や特徴、雰囲気をうまく伝えきれないまま選考に進んでしまうことが考えられます。

採用後すぐに離職してしまわないよう、選考の際に実際の仕事と求職者がもつイメージに相違がないか確認しましょう。

参考:「求職者の属性」独立行政法人労働政策研究所・研究機構

ハローワークの外国人の求人以外のサービスとは

ハローワークで可能なのは、求人を出すことだけではありません。
雇用保険や助成金、その他にもさまざまな相談が無料でできる制度もあります。

以下で主要なサービスについて解説します。

雇用保険や助成金・給付金のサービス

ハローワークでは求人情報の提供や求人支援だけでなく、雇用保険や助成金・給付金のサービスも行っています。

雇用保険

雇用保険は、失業して収入がなくなった人の生活の安定や、再就職の支援のための給付が行われる公的保険です。
「失業給付金」「教育訓練給付金」「高年齢雇用継続給付」「育児休業給付金」「介護休業給付金」などさまざまな給付金が整備されています。

助成金

またハローワークで求人を行うメリットのひとつに「助成金が活用できる」という点があります。
たとえば前述の「トライアル雇用助成金」は、ハローワーク経由での採用について一定金額が助成されるという制度です。
平成28年度の実績を見ると、トライアル雇用開始者数は実に29,000件にも及んでいます。

ほかにもさまざまな助成金が用意されています。
詳しくはこちらをご覧ください↓↓

事業主の方のための雇用関係助成金「4.雇入れ関係の助成金」:厚生労働省

雇用管理サービス

また外国人採用という点ではハローワークの「外国人雇用管理アドバイザー」もチェックしておきましょう。
全国のハローワークに設置されていて、外国人の雇用管理に関する相談に乗ってくれるというサービスです。

今後の外国人雇用にあたって配慮すべきことや、現状の外国人社員の雇用管理の実態や問題点をどう改善するかなど、取り扱うことのできるテーマはさまざまです。
事前予約によって専門のアドバイザーと無料で面談をすることが可能です。

また外国人雇用では、言葉の壁からコミュニケーションの問題が発生することもあります。そうしたコミュニケーション上のトラブルについても、アドバイスや解決のヒントが得られるようになっています。

外国人雇用管理アドバイザー制度のご案内:厚生労働省

その他のサービス

雇用保険や助成金、「外国人雇用管理アドバイザー」といった制度を紹介しましたが、ハローワークが提供するサービスはそれだけではありません。
詳しい制度はホームページにも記載されています。

たとえば「在留資格」に関する相談も可能です。
外国人採用にあたっては在留資格に留意することが不可欠。
不法滞在は事業主にも責任が及ぶケースもあるので注意が必要です。入管法には複雑なルールもあるので、在留資格の内容や変更、更新にまつわることなど専門のアドバイザーに相談することをおすすめします。

在留資格ごとに解説した記事もございますので、ぜひご覧ください。

▽特定技能

特定技能1号と2号は何が違うの? 就業できる業種や取得要件の違い、1号から2号への移行についてをくわしく解説

▽身分系

「身分系」の在留資格 全4種類|就労系との違い、採用するメリットについて詳しく解説

また、外国人専門の就職相談や通訳などの制度について前述しましたが、すでに就労している外国人向けの支援も行われています。それが「定住外国人就職支援コース」および「外国人留学生等定着支援コース」です。

このコースは、仕事場での日本語能力の向上や、コミュニケーションの改善、ビジネスマナーの教育や、社会保険にまつわる制度の研修などを行うサービスです。
大学の授業では基礎しか学べず、就職後も日本語学習ができる環境をのぞむ外国人の方は多いようです。

ぜひ積極的に利用を検討してみましょう!

★定住外国人就職支援コース

★外国人留学生等定着支援コース

ハローワークへの外国人求人の出し方は抑えられましたか?

ハローワークで外国人の求人を出すということについて、制度の概要や手続方法、そのメリットや可能性について解説してきました。

外国人の求人というとハードルの高さを感じる人もいるかもしれません。
しかしハローワークでは無料で求人ができるだけでなく、さまざまな相談やアドバイスの制度も準備されています。
外国人採用を考えるなら、ぜひ積極的に活用してみましょう。

外国人採用には、日本人採用とは異なるノウハウが必要なこともあります。会社の受け入れ体制の準備も必要です。
しかし専門家のアドバイスを活用することで、ひとつずつ課題をクリアしていけば決して難しいことではありません。
ハローワークを活用することで、ぜひ外国人採用の新たな一歩を踏み出して下さい。

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ハローワークなど、さまざまな求人媒体はあると思いますが、外国人採用に特化した求人媒体があるのはご存じですか?

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