タクシー会社で活躍中の外国人はどんなところがすごい? アサヒ交通株式会社さまに聞きました
〈会社紹介〉
会社名:アサヒ交通株式会社 さま
業種:タクシー
代表取締役社長 星野 浩一 さま
タクシー事業部 本部長 下元 邦夫 さま
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今回はアサヒ交通の代表取締役である星野さま、本部長の下元さまをお迎えして、弊社代表の田邉との対談形式でお話を伺いました。当日は弊社社員も複数名同席させていただき、情報共有させていただきました。
ーー本日はご足労いただき誠にありがとうございます。よろしくお願いいたします。
星野さま、下元さま:
よろしくお願いいたします。
田邉:
よろしくお願いいたします。
下元さま:
さっそくですが、外国人労働者の推移や今後の見通しはわかっていますか?
田邉:
そうですね。国内の外国人はすでに300万人いますが、特定技能ビザで2035年までにさらに35万人ほど増えるといわれています。
在留外国人全体ですと毎年10万人ずつ増えていき、永住者、定住者、配偶者は年に2万人ずつくらい増えていくと思います。
星野さま:
特定技能の方で、タクシー乗務員も対象にする話が出ていると思いますが、あれは時間がかかるんですよね?
田邉:
特定技能は業種ごとの試験と日本語の試験があるので、どちらも整備されないといけないですね。だから少し時間はかかると思いますので、タクシー会社さまがすぐに雇用を考えるなら永住権を持っている方を雇用されるほうがいいですね。
星野さま:
なるほど。こちらとしても日本に長く住んでいる人のほうが嬉しいです。
ーーー最近はタクシーアプリなどもありますが、集客は増えているんでしょうか?
星野さま:
現状でもすでに7割から8割くらいはアプリ経由です。GO、S.RIDEなどのアプリでも売上が伸びているのは事実です。
しかし実態としては売上が平均に満たないドライバーの方が、会社から推奨されてアプリを使用しているようです。アプリで呼ぶと迎車料金もかかります。高齢者の方もまだあまり使ってない印象です。
それを踏まえてもアプリが伸びてくるのは予想してましたが、現状は100%がアプリになるのは難しいと思いますね。
田邉:
アプリだとタクシーが来るまでにどのくらい時間がかかりますか?
下元さま:
だいたいどこも5分くらいです。繁忙期になると捕まらないのはいっしょですけどね。
星野さま:
いま地方のタクシー会社さんで、御社を利用しているところはあるんですか? 地方だと2種免許の勉強する場所がないですよね?
弊社社員:
福岡で2社、愛知で1社、沖縄で1社ご契約いただいています。地方だと自社で勉強することが多いみたいですね。
星野さま:
地方は公認の教習所が少ないので、試験場で試験を受けて一発で取るしかない。そういう点でもう少し緩和できないか、という話はあるみたいです。
弊社社員:
最近、福岡のタクシー会社さんでは4人採用が決まりました。このうち3人が県外から入っています。家も見つけて、ご家族で引っ越されて。タクシー業界で働きたいという需要は強くあるようです。
田邉:
移住してでもやりたい方はいますよね。工場とかだと月給が決まっていますが、タクシーはセンスがあればたくさん稼げますから。
頑張ったぶんだけ給与に反映されるのが、性格に合っている外国人には魅力的だと思います。
星野さま:
Guidableからの応募で入ったふたりは、給料もしっかり稼いでますからね。前職だと20万円くらいだったのに、今では月給で60万円も稼いでいますよ。
下元さま:
彼らにはわたしの方から稼げる額を提示して、遵守してほしいことを伝えました。彼らは本当にそれを忠実に実行しますね。
日本人にやらせたとしても、あそこまで徹底してやるのは難しいかもしれない。どうしても自我が出てきしまうというか。彼らは完全に徹底できるのがすごいです。
田邉:
彼らは家族のためだから頑張れるんですかね?
下元さま:
あのふたりは特にそうだと思います。
ほかのみんなも家族がいて、人によっては仕送りの額も増やせるだろうし、母国の家族も喜んでくれていると思いますね。
ーーー新卒採用をするのはやはり難しいですか?
星野さま:
新卒は100人とか150人採用できれば採算が取れると思いますが、現実的に中小のタクシー企業が新卒対応に大きなコストを使うのは難しいです。
田邉:
新卒採用以外にも、さまざまな採用を試みてきたとお聞きしましたが?
星野さま:
そうですね。たとえばリーマンショックのときには、工場の人が雇い止めで大変だったので、日本全国に出向いて面接を行いました。それこそ北海道から沖縄まで。
田邉:
なるほど。新卒でなくても地方からの中途採用も難しいですか?
星野さま:
地方からは本当に難しくて、特に環境の変化に対して適応するのが難しいという方が多いですね。
それに対して外国人はすごくガッツもあるし、ほんとにいいですよね。こういう方々をどんどん入れてほしいですよ。
弊社社員:
下元さまが内定者のご自宅まで出向いて、直接話をしてくれましたよね。
企業の担当者がこうした丁寧な対応をしてくれるのも、彼らからしたらタクシー業界に入る強い後押しになっていると思います。
星野さま:
今はうちの系列で何人か採用は進んでいるけど、アサヒ(交通)の方に集中させるのはどうですかね? 教育っていう面を考えないといけないし。
下元さま:
そうですね、それはそうだと思います。
田邉:
やはり集中させることが大切だと感じられますか?
下元さま:
たしかにそうですね。今度入社するフィリピン国籍のRさんの指導員は、Aさん(インド国籍)かSさん(ミャンマー国籍)に担当してもらうつもりです。「自分がやっていることと同じことができる人を作るように」と彼らには言ってますね。
外国人が外国人に教える仕組みがうまく構築できていけば、現在でも外国人ドライバーは7名いるので、もっと数を増やすことはできると思います。
ーーー先ほども少し話にでましたが、外国人の方の仕事ぶりはどうでしょう?
下元さま:
そうですね。
ミャンマー国籍のSさんはシートベルトや声がけなどのモニターの総合点が50点です。一般だと平均で42点くらいなので、かなりハイレベルな接客です。
田邉:
すごいですね。
弊社社員:
Sさんはデビューしてしばらく経ってから、「ぼくはタクシードライバーになってほんとうによかったです。ありがとうございます」というメッセージを制服姿のお写真と一緒に送ってくれました。
すごく嬉しかったですね。
星野さま:
われわれとしても嬉しいよね、そういうふうに言ってくれると。
下元さま:
タンザニア出身のJさんも、かなりムードメーカーになってくれていますよ。
弊社社員:
Jさんはすごく明るくてユーモアのある方ですよね。
下元さま:
彼みたいな人がいると会社も明るくなりますね。それに彼は最新の情報にも感度が高くて、SNSを使ったりもできるんです。
日本人社員ともうまくコミュニケーションを取ってくれていますよ。
ーーー外国人採用にはもともと興味を持たれていたんですか?
下元さま:
乗務員さんをどうすれば集められるのか、自分の方でもほんとに色々と試してみました。実際に施策はどれもうまく行きませんでした。
それで、あるとき営業の方からお話をいただいて、それがきっかけですね。
弊社社員:
当時は、弊社としてもタクシー業界で実績はなかったのですが、ほかの業界では次第に実績が出てきたことをお伝えしました。
下元さま:
説明を受けていたときに、ほかの業界で増えているなら大丈夫かな、と思った気はします。
星野さま:
実際に中卒、高卒でも厳しい状況で、外国人採用はやってみたことがなかったので、まあダメもとで挑戦した感じではありましたね。
うちの従業員にはよく言ってますけど、まずはやることが大切ですね。やらないとわからないじゃないですか。自分たちで考えながら、主体的に動いて今後の時代を生き残っていかないとね。
そのためにはGuidableのみなさんのお力も必要です。
田邉:
こちらこそ何卒よろしくお願いいたします。