中国人が日本の永住権を取得する方法は? 日本企業が永住権取得者を雇用する方法も紹介
2022年末時点、日本の永住権取得者の国籍別割合で最も多かったのは「中国」で全体の約36%を占めています。
およそ31万人の中国人が日本での在留期間を制限されることなく永住できる権利を持っていることを表します。
2番目に多い「フィリピン」の永住権取得者がおよそ13万人であることを踏まえると、中国人の数が圧倒的に多いことが分かります。
本記事では、中国人が日本の永住権を取得する方法に加え、永住権を持つ中国人を今後雇用したいと考えている方に向けて、採用活動の方法についてを解説します。
目次
中国人が日本の永住権を取得する理由
2022年、世界の国内総生産(GDP)ランキングでは、中国がアメリカに次ぐ2位を獲得しました。
しかし、この経済成長は都市部が主要な役割を果たしたという背景があり、農村部は長らく変わらない状態が続いています。
実際、中国の農村部では平均月収が4,615元(約9万円、1元=約19.5円)にとどまっています。そのため、多くの中国人にとって、今なお日本は収入面で多くの魅力を感じる国として位置づけられています。
(参考:独立行政法人日本貿易振興機構「ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース」)
また、中国では衛生面の課題が大きく、小さな子どもを持つ中国人はスーパーで食品を購入する時でも気を張って買い物をしているのが現状です。
そういった生活・衛生面を向上させる目的の他にも、アニメなど日本独自の文化に惹かれて日本での永住権を取得している方も多くいます。
日本の永住権を取得するための条件
多面的な理由から、日本の永住権を取得する中国人は年々増加していますが、実際に日本の永住権を得るためにはどのような手続きが必要なのでしょうか?
永住申請の条件や、必要書類などの具体的な内容をご説明します。
永住申請の前提条件
日本の永住権を得ている外国人は、以下3点を満たしている状態で申請が必要です。それぞれ簡潔に説明します。
①素行が善良であること
⇨法律を守り、他の人の迷惑になるようなことをしていない。
②独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること(独立生計要件)
⇨資産やスキルを踏まえて、将来安定した生活を送ることが見込めている。
③その者の永住が日本国の利益に合すると認められること(国益適合要件)
⇨原則として10年以上日本に住んでいて、そのうち5年は居住資格をもって在留している。(※在留期間については条件次第で特例もあり)
罰金刑や懲役刑などを受けてなく、公的義務もしっかり果たしている。
持っている在留資格について「出入国管理」及び「難民認定法施行規則別表第2」に規定されている最長の期間を在留している。
公衆衛生的に有害ではない。
永住申請時の必要書類
外国人が日本の永住権を取得する際は様々な書類が必要になりますが、特に中国人が日本での永住権を取得する為には以下の書類が必要になります。
- 中国の公証書表紙
- 中国の出生公証書
- 中国の出生医学証明
- 身元保証書
- 永住許可申請書1枚目
- 永住許可申請書2枚目
- 永住許可申請理由書
- 親族表
- 履歴書
これらの書類を全て提出して審査された上で、永住権が取得できます。特に「永住許可申請理由書」については審査が厳しく、人によっては何年も前から準備をして提出することもあります。
審査を通過し、晴れて永住権を獲得したあと、改めて日本での仕事探しを開始します。
永住申請の審査通過率
永住申請をした場合の審査通過率は、年々減少傾向です。2015年度では71%が申請許可されていたのに対して、2021年度では57%にまで下がっています。
つまり、永住申請した5人のうち2人は不許可になっているということです。
一方で、永住権を取得する人数は年々増加しています。
これは、日本政府が少子高齢化に伴い永住申請者を歓迎しているためですが、応募者数の増加に伴い、審査がより厳格に行われていることを示しています。
永住権を取得した場合のメリット
他の在留資格と比較して、永住権を獲得することで得られるメリットは多くあります。
例として、2つご紹介します。
①在留期間が無期限になる
在留資格では1年や3年などの在留期間の制限がありますが、永住資格を持つ場合は期間の制限がありません。
これは働く外国人にとっても、外国人を雇う企業側としても長期的に一緒に仕事ができるというメリットになります。
①就労制限がなくなる
永住権を得た外国人には様々な仕事をお任せすることができます。本人としても、職業の選択の自由が与えられることでより自発的かつ率先的に仕事に取り組むことができます。
日本で永住権を得てまで働こうと決意する外国人は、高い目標や夢を持って働いていることが多いです。
日本で永住権を取得した中国人を雇用する方法
永住権を持つ中国人を雇用するメリットはたくさんあります。
中国人は「大成したい」といった考えを持ち、仕事に意欲的に取り組む人が多いです。
人並みの成績では満足できない中国人として、仕事は人生において最も重視して取り組む事柄の一つになります。
また、中国人は日本人と比較しても友好的な人が多く、向こうもこちらに興味を持って接してくれるのでコミュニケーションが円滑に進みやすいです。
その他メリットや注意点についてもっと詳しく知りたいと思った方は、ぜひ下記のページもご覧ください。
次に、熱意のある中国人を雇うにはどのような方法があるのかをご紹介します。
外国人専門の求人サイトを利用する
日本には外国人専門の求人サイトがいくつかあります。それらの求人サイトに登録することで、効率的に中国人の採用が実現できます。
ここではいくつか外国人専門の求人サイトをご紹介します。
【NINJA|日本で働きたい外国人のための就職情報サイト】
求人情報以外にも、仕事の体験談や日本で仕事をする上でのコツなど様々なコンテンツがあります。多面的な目的で利用されるサイトなので、より多くの外国人ユーザーの流入が見込めるサイトです。
【Bridgers|アジアに特化した人材紹介サービス】
アジアに特化した求人なので、比較的日本に馴染みがある外国人とコンタクトを取ることができます。ユーザーは日本語能力がN2以上の方が8割を占めており、より即戦力となる外国人の採用を実現可能です。
【グローバル採用ナビ|外国人・グローバル人材の人材紹介・募集】
スキルが高く専門性がある外国人を採用したい企業に向けたサービスです。リクルーターが外国人の為、求職者の意図をより明確に反映した上での採用が実現できます。
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「Guidable Jobs」は在留外国人向けの求人サービスです。
在留外国人が仕事を見つけられやすいよう様々な機能が日々追加され、求人を出している企業にとってもよりマッチングの高い外国人とコンタクトが取れるようになっています。
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また、サイトはユーザーが外国人であることを踏まえて英語での表記になっておりますが、企業向けの画面ではもちろん日本語での表記になっていますのでご安心下さい。
中国人の永住権について掴めましたか?
少子高齢化が進む日本で、労働力を確保する為に「外国人雇用」を積極的に行っている企業は年々増加しています。
在留外国人を採用する上で、国内で最も人数が多い「中国人」の雇用は捉えるべきトレンドの1つです。
中国人に対して採用活動をする場合、そもそも中国人がどのような手続きを踏まえて日本にいるのか理解しておくことが重要です。
手続き内容を把握しておくことで、雇用する上で手続き的に問題が無いかの確認がスムーズに行えます。その他書類の内容を通して日本で働く決意の確認などもできるでしょう。
また、雇用をする上では効率的・効果的な採用活動が最も重要です。
専門求人サイト等を利用しつつ、実りのある外国人採用を実現しましょう。